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地域で唯一の精神病院として患者さんとご家族を親身にサポート
<香川県小豆郡 医療法人 社団 宝樹会 小豆島病院>

院長 村田昇先生 院長 村田昇先生

小豆島病院は小豆郡医療圏域でただ1つの精神科病院です。地域の高齢化の進展に伴い認知症の診療にも積極的に取り組み、2011年10月には認知症疾患医療センターの指定を受け体制を拡充。外来、入院、リハビリテーション、訪問診療までを広くカバーし、地域の認知症診療の質的向上に力を注いでいます。

高齢化が進む島で認知症診療を担う

小豆島の人口は約31,000人、高齢化率は約35%と全国平均を大きく上回っています。

「都会と違って、お互いの顔が見える深いつきあいをしているのが、この地域の特徴です。当院の外来に来られる患者さんは、行政の窓口やかかりつけの先生からの紹介もありますが、ご近所の方に勧められたケースが増えているように感じますね。精神科はどうしても敷居が高いと思われがちですから、できるだけ気軽に来ていただける環境をつくるよう心掛けています」と院長の村田昇先生は穏やかな表情で地域と小豆島病院の状況を語ります。

一般外来、224床の入院病棟のほか、デイケアや訪問介護などの関連施設を備え、検査、治療、療養から在宅復帰までをトータルにサポートしているのが同院の特徴。緊急患者も24時間態勢で受け入れています。

2009年11月には「敷居を低くするための施策の1つ」(村田先生)として、もの忘れ外来をスタートしました。

 

もの忘れ外来での、検査と診療の緻密な連携

木曜日の午後に検査をし、翌週の火曜日に診察する。それが、もの忘れ外来の基本的な診療の流れです。

検査内容は、大きく血液検査、頭部CT検査、心理検査の3つ。検査担当者が結果をまとめて、翌週に診察と鑑別診断を行います。

心理検査を担当する臨床心理士の植田中子さんは「検査自体ももちろん重要ですが、検査の途中でできるだけ現在の暮らしなどについてお聞きするようにしています」と言います。

その理由の1つは、緊張しがちな患者さんの心を会話しながらほぐすこと、もう1つは聞いたお話のポイントを鑑別に生かすことです。

「検査の最初は緊張されていても、徐々にご自分の気持ちなどを話される方も多いので、その内容を口頭や書面で先生に伝えています。精神保健福祉士の見解を含め、多面的な情報があれば鑑別に役立ちますから」(植田さん)。

精神保健福祉士 曽根桂子さん 精神保健福祉士 曽根桂子さん

精神保健福祉士の曽根桂子さんは「患者さんとご家族のお話のズレを確認することが大事」だと指摘します。

「例えば、患者さん本人の不安は記憶が失われていくことにあり、ご家族の不安は周辺症状にあるというケースが少なくありません。そうしたズレを意識しながら、今困っていることや今後の生活への希望を、双方からしっかりお聞きすることが、適切な治療につながります」(曽根さん)。

単なる治療ではなく、これからの暮らし方を共に考える

医師 大城智睦先生 医師 大城智睦先生

村田先生と共に診察を担当する大城智睦先生は「もの忘れ外来の開設以来、初期段階の患者さんが徐々に増えた」ことを実感しています。

「もの忘れ外来の開設以前から、もちろん認知症の患者さんを診ていましたが、以前はご家庭での対応ができなくなるほど症状が進んで、やむにやまれず来院したというケースが多かったのです。それが明らかに変わりましたね」。

そう指摘する大城先生は「単に治療するだけではなく、これからどう暮らすのか、患者さんとご家族と共に考えることが大事」だと持論を述べます。

「認知症になったことで、これまで生きてきたことがすべて台無しになったと落ち込んでいる患者さんや、家族の中で邪魔になっていることに辛さを感じている患者さんが少なくありません。そうした思いをどう解消するかが大切です」(大城先生)。

また、村田先生も「認知症になったからと悲観するのではなく、前向きに生活するよう考えるべき」だと訴えます。

そして「患者さんが前向きに生きるには、家族の理解と接し方が非常に重要」と村田先生、大城先生は口を揃えます。

患者さんの「できないこと」より「できること」に注目する

大城先生は「鍵」のエピソードと共に印象深い患者さんのことを振り返ります。

「高齢のご夫婦が揃って認知症になり、夜中に徘徊するようになったので、隣に住んで介護していた息子さん夫婦が、両親の家の鍵を外から閉めて出られなくしてしまったのです。すると両親は開かない扉のところで暴れたり倒れたりする。そこで鍵を外してみたら、徘徊はおさまったそうです。おそらく息子さん夫婦の家に行けないことが不安だったのでしょう」。

大城先生はこの話を、認知症の患者さんと接するときの重要な例として、他の患者さんのご家族にも紹介しています。「患者さんとご家族のあいだをつなぐことも医師の仕事」(大城先生)と考えるからです。

また、村田先生は「患者さんのできないことより、できることに注目し大切にすべき」だと言います。

「ある患者さんが、街に買い物に行って、不要なものを買ったり、同じものを何度も買ったりしてしまう。それでも、息子さんはお金を渡すことを止めないんです。“元気に買い物に行っているんだからいいじゃないか”と。今では商店の方も理解してくださっているようですよ」(村田先生)。

病棟で重度の患者さんに対応している看護師の大浦美根子さんも「病院に閉じこもらず、家族と接する機会を持つことが大事」だと言います。

「看護師として気を配っているのは、やはり患者さんの安全で、徘徊して転倒しないか、暴れてケガをしないか、常に注意しなければなりません。そうした毎日の中で、できるだけ機会を見つけて、ご家族の方に今の症状や対応の仕方などをご説明するようにしています」(大浦さん)。

高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるように

小豆島病院は、リハビリテーションやデイケアにも対応する体制を整え、地域の認知症診療に大きな役割を果たしていますが、これから取り組むべき課題も少なくありません。

大城先生は「もの忘れ外来の開設以来、初期の患者さんが増えたこともあり、早い段階で鑑別できる検査方法がないか、常に考えています。予防は難しいかもしれないけれど、早期に手を打てば予防に近いことができるのではないか」と持論を述べます。

曽根さんは訪問診療の拡充を課題に掲げます。「病院に来られない人、来たくない人はたくさんいますし、病院と家庭とでは違う顔を見せる患者さんもいます。訪問診療は当院の特長の1つとして今後力を入れていきたいです」(曽根さん)。

そして、村田先生は「センターとして地域連携を広げ、深めることがこれからの課題」だと決意を込めた口調で言います。

「地域の認知症の患者さんをすべて当院で診ることはできません。かかりつけの内科の先生が診ているケースもたくさんあり、そうした先生方や公的機関などとの連携が、これからさらに重要になります」(村田先生)。

「初期段階で来院される方が増えたとは言え、自分で気づいていない患者さんはまだまだ多いと思います。高齢の方にとって一番大事なのは、住み慣れたこの地域で健康に暮らし続けること。悪いところを治すために病院に行くのではなく、健康であることを確認するために病院に行く。そうした身近な存在であり続けたいと思っています」(村田先生)。

 

取材日:2012年10月18日
医療法人社団宝樹会_小豆島病院の外観の外観

香川県小豆郡 医療法人 社団
宝樹会 小豆島病院

〒761-4301
香川県小豆郡小豆島町池田2519-4
TEL:0879-75-0570

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