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外来と在宅診療で患者さんの暮らしを支える
<熊本県荒尾市 ふじさわ脳神経外科クリニック>

院長 藤沢和久先生 院長 藤沢和久先生

「自宅という病室で治療を続けられる地域を作りたい」という思いで外来と在宅診療に取り組む、ふじさわ脳神経外科クリニックの藤沢和久院長。業界および一般向けの講演や、小学校でのボランティア授業など、地域全体での活動にも積極的に取り組んでいます。

患者さんの暮らしが気になり外来と訪問で開業

待合室は広々とゆとりある空間待合室は広々とゆとりある空間

熊本県荒尾市のふじさわ脳神経外科クリニックは福岡県との県境に近い市街地の一角にあります。開業は1997年。脳神経外科を専門とする院長の藤沢和久先生は、「勤務医時代に手がけた手術は、脳神経外科ですから『生きるか死ぬか』というケースがほとんど。成功して命は助かっても脳機能に障害が残ることもありました。そんな患者さんたちが、日常生活でどんな問題を抱えて奮闘しているのかが気になっていたので、開業にあたっては専門を生かした外来と、在宅医療に力を入れたいと考えました」と語ります。

外来では全体の3割弱、250~300人が認知症の患者さん。開業から10年くらい増加しつづけ、その後は大きな増減はなく横ばい状態になっています。

もの忘れ外来の枠は特に設けてはいませんが、ケアマネジャーからの紹介や口コミなどで、認知症を疑う患者さんと家族が来院します。基本的な診断は問診、血液検査、CTなどで行いますが、診断が難しい場合は、連携する総合病院でのMRIやSPECT検査を行っています。

「家族の話は丁寧に聞き取って診断の材料としますが、初診の場合は特に、先入観を捨てて患者さんと向き合います。認知症だという予見を持っていると、それ以外の病気を見逃す恐れがありますからね」(藤沢先生)。

 

対応は限りなく優しく、前向きな言葉とともに見送る

事務 木山玲子さん事務 木山玲子さん

「日々の診療では、『お大事に』と終わるのではなく、生活上の問題を聞き出して対処法を伝えるなど、必ず何か具体的なアドバイスを持ち帰ってもらうようにしています。また、『できなくなったことを嘆くより、まだできることを大切に生かしましょう』というような前向きな言葉をかけることを心がけています」(藤沢先生)。

受付も担当する事務スタッフの木山玲子さんは、「いつも院長から、『患者さんには限りなく優しく!』と言われているので、どんな時も笑顔で対応するよう心がけています」と語る。それでも、薬の飲み忘れや飲み過ぎなどがあれば、強い口調で注意する必要があります。「そんな時、『先生はホントに優しいのに・・・・・・』なんて言われることもあって、少し複雑な気持ちになります。そのくらい院長は優しくて患者さんの評判が良いのですよ」(木山さん)。

患者さんを待たせないのも同クリニックのモットーで、看護師、事務スタッフ、放射線技師が連携し、情報を共有してスムーズな診療をめざしています。

 

自宅でのいつもの暮らしが「薬」になる

開業当初から取り組んでいる在宅診療では、患者さんの自宅と、いくつかの施設を訪問しています。認知症を抱える患者さんだけでなく、がんの末期、脳梗塞の後遺症で寝たきりという患者さんを多く担当しています。「在宅診療は今、医療費削減の流れで注目されていますが、そもそも末期のがん患者さんにとって、限られた月日を家族とともに自分の家で過ごすことはとても重要なことです。また、認知症患者さんの場合は、病院や施設など慣れないところで過ごすストレスが症状を悪化させることがありますから、自宅という空間と普段の暮らしが『薬』になります。そんな風に積極的な視点で在宅診療に取り組んでいきたいのです」と語る藤沢先生は、これからは病院か自宅かの選択ではなく、病院の大部屋か個室か「自宅という病室」かという選択だと捉えるべきだ、と提唱します。

地域の病院、診療所、さらに介護施設などと連携して必要に応じて入院・入所をしながら、自宅という病室を拠点に治療に取り組むという考え方です。「医療の枠組み、病院の都合に患者さんがあわせるのではなく、患者さんにとって望ましい生活を損なわないようにしながら様々なプロが連携して治療の形を考える。本来の医療はそうあるべきだと思うのです」(藤沢先生)。

また、自宅を訪問すると、診察室では見えない問題が見えると藤沢先生は言います。末期がんの患者さんを認知症の奥さんが看病していたり、夫婦ふたりとも認知症というケースも珍しくありません。「血圧や血液検査の結果を云々するより前に、まず、どうやって生活するかが問題。コメディカルや介護スタッフとの連携も、とても重要になります」(藤沢先生)。

訪問先では厳しい状況に直面することも多く、時間に追われる忙しい日々ですが、それでも自宅で暮らせる喜びを患者さんと共有し、生活に関われる充実感は大きく、疲れを感じることはないと藤沢先生は言います。

 

啓蒙・講義の対象はプロから小学生まで幅広く

病診連携はもちろん、特に力を入れているのが介護施設やグループホーム、デイサービスなどとの連携です。認知症患者さんもがん患者さんも、自宅で生活するためには、福祉・介護のサービスが不可欠だからです。

現在、荒尾市では、患者さんの主治医とケアマネジャーの合同研修という取り組みが始まっています。これまで医師は医療分野のみを見ていましたが、虐待にどう対処するかなど人権も含めた様々な問題に向き合う必要があるからです。

藤沢先生オリジナルの疾患啓発のリーフレット藤沢先生オリジナルの疾患啓発のリーフレット

「『医療と福祉の連携が大事』と言うのは簡単ですが、なかなか進まないのが現実。顔の見える交流を地道に続ける以外に方法はないと思います」と語る藤沢先生は、自らもヘルパーなど介護スタッフや、コメディカルの人たちへの講義に取り組んでいます。

老人会などを介した啓蒙活動や、クリニックの待合室を会場としたセミナーの開催、一般の患者さん向けに様々な疾患について説明する手作りの冊子も、開業時から発行を続けています。

最近は、小学校で認知症に関する特別授業も担当しています。1年生から6年生まで学年ごとに話の内容を変えつつ、脳の働き、ゴリラやチンパンジーと人間の違い、理性と本能などの話をしています。「小学生が認知症を理解するのは難しいでしょうが、その基礎となる知識を身につけてもらって、さらに、脳や身体の健康のためには睡眠や食事が大事だということを知ってもらうだけでも意味があると思います。子どもの理科離れが言われていますが、ここから生物学や自然学に興味を持ってくれたら嬉しいですね。さらに、小学生にもわかりやすい言葉、興味をひく表現を工夫することは、コミュニケーションのよい訓練になって、診察室で患者さんや家族に説明する時に役立っています」(藤沢先生)。

日々の診療、地域の連携づくり、子どもたちへの教育など、すべてにおいて丁寧な取り組みを地道に積み重ねていく姿勢に違いはありません。

 

 

取材日:2012年12月28日
ふじさわ脳神経外科クリニックの外観

ふじさわ脳神経外科クリニック


〒864-0052
熊本県荒尾市四ツ山町3-6-3
TEL:0968-64-2238

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