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認知症という言葉は極力使わない、患者さんへの細やかな気配り
<大分県大分市 よしどめ内科・神経内科クリニック(旧称:永松神経内科・内科クリニック)>

院長 吉留宏明先生 院長 吉留宏明先生

認知症の診断と治療だけでなく、周辺症状までを診る地域では数少ないクリニックとして、患者さんとご家族が信頼を寄せるよしどめ内科・神経内科クリニック(旧称:永松神経内科・内科クリニック)。言葉の1つ1つにまで配慮した患者さん本位の診療を基本として、地域連携にも力を注いでいます。

認知症に敏感な高齢者が増えている

「脳の病気が認知症を伴うことは多く、私も神経内科医として多くの患者さんを診てきました。その数が近年増減したとは感じませんが、普通の患者さんが認知症の診察を希望されるケースはこの10年で確実に増えましたね」。

そう振り返るよしどめ内科・神経内科クリニック(旧称:永松神経内科・内科クリニック)院長の吉留宏明先生は、診察を望む患者さんが増えた理由を大きく2つ指摘します。

「1つは診断の基準が明確になってきたことです。十数年前、日本で初めて認知症のお薬が登場したころは、今のようなガイドラインは定まっていませんでした。脳血管障害など脳の病気から来る機能障害は日本には比較的多く、私も神経内科医として診療していましたが、臨床的な感覚では認知症か否かを判断できる基準はなかったのです」。

「もう1つは認知症の啓発が進み、ある程度治療できるという認識が一般に広がったからでしょう。特に都会ではストレスを抱えながら働いている高齢者が多いこともあり、『自分もそうではないか?』と認知症に敏感な高齢者が増えているように思いますね」(吉留先生)。

 

“大きな質問”で患者さんの状態を把握

受診する患者さんのうち、ご本人やご家族が心配して来院されるケースが約3分の1、残りが近隣の診療所や地域包括支援センターなどからの紹介です。

患者さんの自尊心を傷つけないよう、ご家族に不安を感じさせないよう、症状や治療法を説明する言葉の1つ1つを吟味した丁寧な対応を心がけています。

「CTなどでの検査の結果、認知症だと鑑別しても、患者さんに直接『認知症』という言葉を使うことはあまりないですね。CTの画像を見せながら『動脈硬化の予防をしましょう』とか、もの忘れなど年齢相応であるものとそうでないものを区別して『生活の中で治せるものを治していきましょう』と説明し治療を促しています」(吉留先生)。

看護師 安達啓子さん看護師 安達啓子さん

看護師の安達啓子さんは、ご家族との会話の際にも細やかな気配りを欠かしません。「父親や母親の様子が急に変わったことへの不安感は大きいと思いますので、その思いを受け止めてお話をしっかり聞くことが大事です。『いつからもの忘れがひどいですか』など端的に答えられる質問だとすぐに話が終わってしまうので、『お家での状況を教えてください』など大きく質問します。その答えから症状に関する情報を拾い集めて先生に報告するのが私たちの役割ですから」(安達さん)。

 

お薬の説明も1つ1つくわしく

治療の基本は投薬。それぞれのお薬の説明も懇切丁寧です。

「ざっくりと『これが認知症のお薬です』とは言いません。それぞれのお薬の効果は違いますから、そこをきちんと話します」。

そう語る吉留先生は「投薬は経過観察と量の調整が非常に重要」だと言い、また「認知症の薬を出して、行き詰まったらそれで終わりというケースもあると聞いていますが、いかがなものでしょうか」と少し顔を曇らせます。

「徘徊や幻覚などが見られる場合、私は初めから一緒に向精神薬を処方することもあります。記憶力が改善するわけではありませんが、判断力が向上するケースがあるからです。実際1人で通院できなかったのに、独りでバスに乗ってクリニックまで来られるようになった患者さんもいます。統合失調症に処方するよりはるかに量は少ないですし、それで社会生活が長く続けられるなら患者さんやご家族にとって幸せなことだと思います」(吉留先生)。

ただ認知症のお薬全般に言えることですが、独居や老々世帯の患者さんの場合、服用管理が十分にできないという問題があります。

「訪問看護やヘルパーなど福祉の力を借りなければなりません。そうした『治療の体制』を整えるための連携がこれからの課題だと思います」と吉留先生は指摘します。

 

かかりつけ医、ケアマネジャーとの連携が重要

看護師 安部佳代さん看護師 安部佳代さん

その『体制』を整える取り組みの1つとして、同クリニックでは介護保険制度の積極的な活用をご家族に促しています。看護師の安部佳代さんは「初診の場合、ご家族から患者さんの様子をお聞きするのと併せて、介護保険の利用状況も伺い、まだ利用していない場合には、ケアマネジャーを決めていただくため市役所の窓口へ行くようお勧めします」と言います。

「当院では、医師、看護師とケアマネ、場合によってはご家族も同席した上でケア会議を行っています。また、ケアマネの働きが不十分だと私が判断したらここに呼び出して、きちんとした対応を促します」と、時にケアマネジャーを叱咤しながら連携を図る吉留先生は「かかりつけ医との連携も非常に重要」と指摘します。

密な連携をとることで期待できるのは、例えばかかりつけ医による認知症の早期発見。

「認知症の症状は日常の変化の中で現れるものですし、かかりつけ医の先生が『疑いがある』と言えば、家族が指摘するよりもやはり重みがあります。ぜひ当院なり、適切な介護サービスなりを患者さんに紹介していただきたいですね」と安達さんと安部さんは声を揃えます。一方で吉留先生は、幅広く継続的な連携の必要性を訴えます。

「かかりつけ医で高血圧や心臓病の診療をし、こちらで認知症を診ている場合は当然お薬の処方について連携していますが、言い換えればお薬程度しかできていません。患者さんの生活を支えるようなもっと広い連携が必要です」(吉留先生)。

 

老々介護などの患者さんに地域としての支援を

「この地域で認知症を診ているのは当院のほかは1つの病院だけ。患者さんもご家族も精神科の病院には行きたがらないし、街中の心療内科はお薬の処方はしても、介護のフォローまでは忙しくて手が回っていないようです。周辺症状のある患者さんを含めて、これからも当院が対応していかなければならないと思っています」と、吉留先生は表情を引き締めます。

よしどめ内科・神経内科クリニック(旧称:永松神経内科・内科クリニック)のみなさんよしどめ内科・神経内科クリニック
(旧称:永松神経内科・内科クリニック)のみなさん

「当院の患者さんで、高齢のご夫婦の奥さんが先に認知症になり、ご主人はヘルパーを拒んで自分で看病するうちに疲れてご自身にも認知症の症状が出て、やむなく2人で施設に入られたケースがあります。また、認知症になったご主人を看ていた奥さんが、先に癌で亡くなったこともあります。いずれも、老々介護の厳しい現実を突きつけられる思いがしました。これを医療や介護だけでなく社会的な問題と捉え、高齢者の生活を支える体制づくりが、この地域に求められていると思います」(吉留先生)。

 

 

取材日:2013年1月22日
よしどめ内科・神経内科クリニック(旧称:永松神経内科・内科クリニック)の外観

よしどめ内科・神経内科クリニック
(旧称:永松神経内科・内科クリニック)


〒870-0818
大分市新春日町1丁目1-29-2F
TEL:097-540-7171

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