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診断・治療・連携で最新の取り組みを
<京都府京都市 医療法人 石川医院>

医師 石川光紀先生 医師 石川光紀先生

15年前に京都市左京区で開業した石川医院は、神経内科という専門性を生かして認知症医療の地域連携を先導する役割を果たしてきました。そして、今、患者さんだけでなく多くのケアマネジャーの信頼を集めています。

患者さんの3割以上が認知症を抱える

MRI室MRI室
専門技師による検査専門技師による検査

京都市左京区、下鴨神社の少し北にある石川医院は神経内科・内科の診療所です。大学病院・公立病院での研究勤務、一般病院内科部長の経験を持つ院長の石川光紀先生は、1998年7月にこの地で開業しました。

「神経内科で扱う病気、特に神経変性疾患は、進行し重症化すると入院が必要となるので、患者さんを継続的に治療するには病院のほうが適しているかもしれません。しかし、当時普及しつつあった画像診断装置であるMRIを使って早く的確に診断し、治療に繋げるクリニックを作りたいという思いが強く、開業を決意しました」と石川先生は振り返ります。

開業当初はそれほど多くなかった認知症の患者さんは、この15年で大きく増加しました。現在では患者さんの3~4割が認知症を持っており、受診中の人数は300人を超えます。さらに、初診を受け付ける木曜日午前中に、毎週2~3人が認知症の疑いで来院しています。

ケアマネジャーや他の内科クリニックからの紹介で来院する認知症患者さんも少なくありません。「かかりつけの先生が別にいる患者さんは、半年~1年に1度、経過を拝見し、普段の管理はできるだけそちらでお願いしています。当院の患者さんの場合は4~6週間に1度くらいの来院頻度ですね」(石川先生)。

 

待合室や会計時の様子をスタッフがチェック

看護師 近藤元子さん看護師 近藤元子さん

診断・治療は石川先生がひとりで担っていますが、スタッフが患者さんの変化に気づくことも多く、頼りになる存在となっています。同院で開業以来ずっと石川先生のパートナーを務める看護師の近藤元子さんは、「持病で10年くらい通っている患者さんも多いですから、待合室で気になる変化を見かけたら、診察前に先生に伝えるようにしています。また、お会計の時などに"先生に相談したかったけれど口に出せなかったこと"を、ふと漏らす方がいらっしゃるので、何気ない言葉にも気をつけて、ご本人に『先生に相談しました?』と尋ねたり、後で私から先生に確認したりしています」と語ります。

混み合っている時でも、たとえ一言でも言葉を交わして、悩みがあれば相談できる雰囲気を作るよう心がけているという近藤さんたちスタッフに支えられて、多くの患者さんが訪れる忙しい診療所でも、きめ細かな対応ができるのです。

 

開業前に担当した区の相談事業が原点

石川先生が認知症に対峙する時、原点として大切に思う経験がふたつあります。

「ひとつは25年ほど前、恩師である亀山正邦先生(当時、京都大学医学部神経内科学教授)が京都大学を退官される時の、『認知症の時代が来る。神経内科医がこれに真剣に取り組まなくてはならない』という言葉です。後進である私たちが果たすべき使命だと感じました」(石川先生)。

ふたつめは、その数年後、左京区の保健所(現・保健センター)から、月に一度の「認知症相談」を依頼されたことです。行政機関が認知症(当時は『痴呆』と呼ばれていました)についての相談事業を行う例はほとんどなかった時代に、数10年以上にわたって毎月、患者さんやご家族からの相談を担当しました。

「1日に3~4人で、年間では50人くらい、1人(家族)につき1時間ほどかけてじっくりとお話をしました。病院であれば設備もありスタッフも豊富で様々な検査ができますが、一人にかける診察時間は限られます。一方、保健所では、医療器具らしいものは聴診器ぐらいで、患者さんと真っ直ぐ向かい合い、時間をかけて話を聞く作業が中心であり、顔色や表情からその人の状態を読み取るという、医師として根源的な力量を試される経験でした。相談者のほうも病院の診察室とは雰囲気が違うからでしょう、疾患や医療に関することだけでなく、疾患が生活に及ぼす影響や対人関係など、周辺事情も含めた生々しい不安や悩み、本音を聞かせて下さいました。この体験は、それまで病院の中で、治療という面からのみ疾患をみていた私の考え方を変えるほど、貴重な体験となりました」(石川先生)。

 

ケアマネジャーから毎日とどくファックス

相談事業を経験したことにより、開業前から認知症患者さんと家族の悩みを具体的に知っていた石川先生は、介護保険を活用した生活支援が重要だと考えて、早くから地域の介護スタッフとの連携に力を入れてきました。

同院には、ケアマネジャーから、患者さんについて気になった点を知らせるファックスが毎日たくさん送られてきます。「ファックスを見て重要なことはカルテに記入し、対処が必要な内容の場合は返事を書いたりこちらから電話をします。私は患者さんの様子を知ることができますし、ケアマネさんも私の反応によって認知症への対処法を学ぶことができます。電話もOKと言っているのですが、ゆっくりお話する時間はなかなかとれないので、ファックスでの情報交換が主になっています」(石川先生)。

区役所主催の介護スタッフ向け勉強会で石川先生が講義をする時は、普段から連携しているケアマネジャーが多く訪れ、具体的な質疑応答が活発に交わされると言います。

たくさんの情報が寄せられることは、治療の助けになりますが悩みの種でもあります。「認知症は知っておくべき背景情報が多く、熱心なケアマネさんが増えると情報量はさらに増大します。その処理に追われて、例えば頭痛で来院される患者さんに時間をかけられなくなっては困ります。バランスが難しいですね」(石川先生)。

 

神経内科の専門性を生かして連携の要に

「京都は、地域医療という観点でみると適度に都会で、医療的に連携しやすい環境にある街だと思います。地方都市のように内科医ひとりで何もかも診るのではなく、また、大都会中心部のように各医療機関が高度に専門化しているのでもなく、かかりつけ医を中心にして大学病院や専門クリニックを患者さんが選択して利用できる環境が整っています。ケアマネジャーも頑張っていますし、医師にも認知症医療と介護のコーディネーター役を果たす志しをお持ちの先生が多くいます」(石川先生)。

病診連携、診診連携、そして医療と福祉や行政との連携を、今よりもさらに良いものにするために、神経内科クリニックの存在に、もっと注目して欲しいと石川先生は考えています。内科一般を診察・治療することができ、さらに認知症と、認知機能障害を含む神経内科疾患に専門的に対応できる神経内科医は、認知症医療の入口に立つ存在として適任で、さらに、様々な連携の要になることができるからです。

そして認知症医療における神経内科医の役割を示すためにも、石川先生は診断精度の向上に取り組み、治療でも常に最前線に立ちたいと考え、臨床治験にも積極的に参加し、治験薬を使う機会を患者さんに提供しています。

「より早期に認知症診断ができるようになると、今度は治療を始めるタイミングや根本治療薬の不在に悩むことになります。前進し続けなければなりません。医学の進歩に希望を抱いて、挑戦しようと前向きに考えている患者さん、ご家族のためにも、今後も積極的に診断・治療方法を工夫し取り入れていきたいと思っています」(石川先生)。

 

 

取材日:2013年1月11日
石川医院の外観

医療法人 石川医院


〒606-0851
京都府京都市左京区下鴨梅ノ木町46−1
TEL:075-706-3737
FAX:075-706-3738

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