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医療と介護が充実した『あたたかい家庭』を実現
<佐賀県佐賀市 おそえがわ脳神経内科>

院長 小副川学さん 院長 小副川学さん

ここにやってくると、患者さんもご家族も、笑顔で家路に向かう――そんな光景がみられるのが、おそえがわ脳神経内科です。認知症には医療と介護、双方の力が必要だとする同院では、総スタッフあげてより良い医療とケアの在り方を探究。「患者さんの笑顔」を合言葉に、話しやすい雰囲気づくりに励んだ結果、いい意味で「病院っぽくない」と評されるようになった、アットホームな場所です。

認知症に必要なのは医療と介護の両車輪

桜の名所として佐賀市民に親しまれている神野公園のお膝元にある、おそえがわ脳神経内科。

「認知症に向き合うには医療と介護のどちらも同格に大切。患者さんとご家族に必要とされているという意味で、なんら変わりないですよ」と、柔らかな笑顔で話すのは、院長を務める小副川学先生です。

もともと九州大学神経内科で医局長、佐賀大学でも臨床准教授を務めていた小副川先生は、日本神経免疫学会のYoung Neurologist Awardを2005年から2年連続で受賞した神経難病の第一人者。これまでの経験を生かすべく、前身の小副川外科を神経内科の医院として新たに誕生させたのが、2008年のこと。開院翌年には認知症対応型のデイサービス、デイケア、リハビリ施設まで併設し、瞬く間に地域になくてはならない存在となりました。

認知症の専門医でもある小副川先生は、「脳の病変ですが、単なる疾患ではなく、ご家族を含めてケアしていくべき病気」と認知症を捉えています。ご家族が悩みを抱え込んだりしないよう、診察後には別途話し合いの時間をとり、さらに地域医療連携室でケアマネジャーやソーシャルワーカーが利用可能なサービスを説明したり、あらゆる相談に乗っています。

 

患者さんが不安にならない言葉がけを

往診もこなす多忙な小副川先生ですが、初診にはじっくりと時間をかけています。画像診断や各種検査はもとより、一番大切にしているのが、患者さん、ご家族との会話です。初診では神経学的な所見をとったり話を聞いたりと、30分程度かかることもしばしばです。

明るいリハビリ室明るいリハビリ室

ケアマネジャー 岸野浩二さんケアマネジャー 岸野浩二さん

「当院ではスタッフが積極的に患者さんに話しかけ、ご家族と密にコミュニケーションをとり、そこから得られるものを大切にしています」(小副川先生)。

その際に一番心がけているのが、患者さんが不安に陥るような内容や堅苦しい話はしないこと。こと認知症患者さんは自らすすんでというより、異変を感じたご家族に連れてこられる場合が多いもの。

「自分では何も問題ないと感じている人が、いきなりショックを受けることがないように」(小副川先生)と、何気ない会話から始めるようにしています。「最近どうね?」と、柔らかい口調で笑いかけるだけで、身構えていた患者さんやご家族が打ち解けることも少なくありません。

そうして打ち解けたところで登場するのが、2011年に発足した地域医療連携室です。ケアマネジャーの岸野浩二さんは、患者さんと地域を結ぶ窓口となり、介護保険に関する手続きをはじめ、ご家族からのあらゆる相談に乗っています。

「診断がついた後、何をしてあげられるか。患者さんの人生において大事な時期に関わるのだという意識を常に抱いています。皆さんに良い時間を過ごしていただきたいです」(岸野さん)。

そのための一環として試みたのが、同院併設のデイケアおそえがわと認知症対応型通所介護デイサービスおそえがわの職員を一定期間入れ替えるというものです。

「それぞれの良さと課題が浮き彫りになり、互いに指摘し合うことで業務改善ができました。結果、患者さんへも還元されたと思います」と岸野さんが振り返るとおり、さらに充実した施設へとステップアップしました。

 

コンセプトは「あたたかい家庭」

認知症対応型通所介護デイサービスおそえがわ 管理者 古川佐代子さん認知症対応型通所介護デイサービスおそえがわ
管理者 古川佐代子さん

すべての部署で「堅苦しさ」をなくそうとしている同院。デイケア、デイサービスにおいては「あたたかい家庭」をコンセプトに据えています。

一軒の家にお母さん(管理者)がいて、息子や娘(ケアマネジャーや介護福祉士)がいる。そこにおじいちゃん、おばあちゃん(利用者)がやって来るというイメージです。小副川先生が「こちらがお母さん」と紹介したのが、古川佐代子さん。笑いながら頷いた古川さんは、デイサービスの管理者ながら、介護から活動の企画・運営に至るまで全ての業務に携わり、スタッフを束ねる“頼れるお母さん”です。

認知症の進行を抑えるためのレクリエーションを考え、ともに行う古川さんらスタッフが常に意識しているのは、ユーモアを忘れず、まず自分が楽しむこと。

「私たちが互いを信頼し合い、楽しんでいることが、患者さんの笑顔につながると信じています」(古川さん)。

患者さんには楽しんでいる姿を見せ、ご家族には送迎時にできるだけ患者さんがその日どのように過ごしたのか、細やかに伝えるようにしています。

 

男性にも喜んでもらえるサービスの在り方とは

デイケアおそえがわ 介護福祉士 枝吉猛さんデイケアおそえがわ
介護福祉士 枝吉猛さん

「あたたかい家庭」というコンセプトは、古川さんのみならず、スタッフの一人ひとりに浸透しています。

枝吉猛さんも家族の役割をこなす一人であり、「職種は介護福祉士ですが、私の一番の仕事は皆さんを笑わせること」と茶目っ気たっぷりに答える、陽気な“息子さん”です。

「両親が将来認知症になったとしても、笑顔で過ごしてほしい。家の中にいるような気分になれることを意識し、笑って帰っていただけるように接しています」(枝吉さん)。

枝吉さんのような陽気なスタッフが多く、笑いの絶えないデイケアですが、小副川先生の目は、利用が少ない男性患者さんへ向けられています。

「どこのデイケアでも男性にはなかなか足を運んでもらえない」(小副川先生)と憂慮し、男性がすすんで利用したいと思える施設・サービスをつくる必要性を感じています。

その一例として小副川先生がイメージしているのが、会社の形態。「男性にとって仕事は生きがいの一つです。会社の延長線のような内容だと楽しめるのでは」と思い描いています。たとえば朝は会議を開き、施設には新聞を置いたり、男性が好む囲碁・将棋などを取り入れ、夕方にその日に何を行ったのかを報告し合うなど。

枝吉さんも「女性だけではなく、男性にも喜んでいただけるレクリエーションを考えたい」と話し、近い将来の実現へ向け、男性も楽しめるデイケアの全体像を模索する毎日です。

 

優良施設への研修活動を励行

すでに認知症医療・介護において高く評価されている同院ですが、「改善点はまだある」と昨年から始めたのが、同院とは違う取り組みをしている施設へ研修に出向くことです。

小副川先生の、「独創的なことをやっている施設を見学しよう」との掛け声のもと、スタッフは全国の施設へ足を運んで運営内容などを学び、同院に持ち帰って皆で共有しています。

ある施設では学校形式という手法について学び、また、ある施設では脳トレーニングの方法について学びました。

それらを一部アレンジし、「たとえば学校のように時間割を決め、何時になったから脳トレ、という風にしてみました。利用者さんは『学校に来ているからしなきゃ』と思うようで、最初は鉛筆も持たなかった人が徐々に問題を解けるまでになるなど、驚くような変化もありました」と古川さんは声を弾ませます。

千葉県にあるALS(筋萎縮性側索硬化症)専用施設を訪れたとき、呼吸器をつけた患者さんの明るさに驚いたというのは、枝吉さん。「ポータブル呼吸器を使って外出の支援をするなど、患者さんが楽しんで過ごせる工夫をしていました」と、スタッフの努力とその成果に刺激を受け、環境づくりの大切さを学んだと言います。

「患者さんのためになる方法を、積極的に取り入れていきます。漫然と同じことの繰り返しにならないよう、スキルアップしたい」(古川さん)と、これからも日本全国を飛び回る予定です。

 

安心できる“心の距離の近さ”も魅力

ご家族を含めたケアを心がけている同院では、デイケアでの利用者さんの姿を知ってもらい、ご家族に喜んでもらう目的で、新聞作りをしています。特に目を引くのが、写真の多さ。料理の最中、レクリエーションの様子など、様々なショットをとらえています。

「ご家族の知らないお顔を見せてあげたい思いで始めました。『こんなに笑ってる!』『家ではもう料理しないのに、ここではしてるんですね』と喜びの声をかけられると嬉しいですね」(古川さん)。発行を心待ちにして、自分がどこに写っているか探す利用者さんも多く、ご家族にとっても利用者さんにとっても、良いコミュニケーションツールになっています。

おそえがわ脳神経内科のみなさんおそえがわ脳神経内科のみなさん

来院者からよく聞こえるのが、「ここは肩が凝らない。いい意味で病院っぽくない」「先生もスタッフさんも身近に感じる」という声。

「ありがたいし、誇りに思う」と、全スタッフがその言葉を励みにしており、岸野さんは「小副川先生ご自身が誰に対しても垣根を取り払われる方だから、自然に皆がそうなるんでしょうね。患者さんともご家族とも、また、スタッフ同士でも距離が近いのは実感しています」と胸を張ります。

小副川先生も、「スタッフのおかげで地域の皆さんから及第点をもらっている」としながらも、ゴールではない、と強調します。

「さらに充実した場所にするため、皆で取り組んでいきます」と決意を新たにしました。

 

 

取材日:2013年2月6日
おそえがわ脳神経内科の外観

おそえがわ脳神経内科


〒840-0806
佐賀県佐賀市神園3-4-5
TEL:0952-31-8181

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