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職種の壁を超えた連携で、地域に親しまれる認知症医療を
<茨城県日立市 医療法人圭愛会 日立梅ヶ丘病院>

院長 岡田正樹先生 院長 岡田正樹先生

日立梅ヶ丘病院は、県内初の認知症疾患医療センターと重度認知症患者デイケア施設を併設した精神科・神経科・内科の病院です。観梅やハイキングなど、豊かな自然を活用した年間行事も多く、職員や患者さんはもちろん、ご家族や地域の住民も参加して行われています。

患者さんの過去にまでさかのぼってじっくり問診し、診断する

日立梅ヶ丘病院は、1971年に現・院長の岡田正樹先生の父、岡田正勝先生が初代院長として創立しました。1986年には、茨城県で初めてとなる老人性痴呆疾患センター(現・認知症疾患医療センター)と重度認知症患者デイケア施設を開設。現在は、認知症治療病棟を含む5病棟313床を有し、精神科デイケア施設や認知症高齢者グループホーム等も併設する県内屈指の精神科病院として、認知症や精神疾患の治療やサポートを行っています。

大学病院に勤務していたころから認知症医療に携わってきたという岡田先生は、「年を追うごとに加速していくように認知症の患者さんが増えている」と話します。

現在は、近隣のクリニックからの紹介で来院する患者さんも多く、毎月約40人の新規患者さんが受診し、そのうちの3割強程が認知症患者さんです。

認知症の診断は、問診を中心に、必要に応じてCTや脳波の検査、認知症スクリーニング検査を行っています。とくに問診には時間をかけ、患者さんやご家族からじっくりと話を聞くことを大切にしています。

「過去にまでさかのぼって患者さんの歴史を聞き取りながら、ちょっとした変化のあらわれをつかみ、認知症に関わる症状をピックアップしていきます。また現在、問題となっている症状についても、その特徴を正確にとらえ、診断をつけるようにしています」(岡田先生)。

 

認知症を「生活障害」と考え、患者さんの今を紐解く

日立梅ヶ丘病院の認知症治療のベースにあるのは「とてもオーソドックスなこと」と岡田先生は言います。

「とにかく話をよく聞くこと。患者さんやご家族の気持ちになって考えること。それは常に意識しています」(岡田先生)。

精神保健福祉士 大谷淳さん精神保健福祉士 大谷淳さん

認知症疾患医療センターに所属する精神保健福祉士の大谷淳さんも「話を聞く時間はおそらく、他院と比べてもずいぶん長いと思います。初診時も臨床心理士が過去の時系列や病歴、生活環境なども含めて40~50分ぐらいかけて話を聞き、それらの情報をまとめた上で診察に臨むという体制ができています」と強調します。

大谷さんは患者さんと向き合うとき、「認知症の人」ではなく、「認知機能障害を持っている人」と考えるように意識していると話します。

「生活障害として、部分的に認知機能の低下を持っていると考えると、できることとできないことを確認しやすくなりますからその人の全てが『できない人』ではないんです。また、私たちはよく『紐解く』という言葉を使うのですが、患者さんは、私たちがわからないようなもどかしさや不安、葛藤、焦りを多く抱えていらっしゃいます。そういう状況で、患者さんが何故怒りっぽくなっているのか。身体的、環境的、心理的など、どのようなメカニズムでその症状が起こっているのかを『紐解く』ことを意識しています」(大谷さん)。

看護師長 鈴木康弘さん看護師長 鈴木康弘さん

その意識は病棟のスタッフにも浸透しています。日々、認知症患者さんの生活をサポートしている看護師長の鈴木康弘さんも、「患者さんと目と目を合わせて会話をすることが最初の一歩」と言います。

「入院してからは、おそらく私たち看護師がいちばん患者さんと接する時間が長いので、患者さんの状況や変化などを的確に先生に伝えたいと考えています。各方面のスタッフとタッグを組み、ご家族には、患者さんのよい変化をみていただきたいです」(鈴木さん)。

 

全職種のスタッフによるディスカッションで院内の活性化を

同院の特色のひとつに、週に1回、全職種のスタッフでディスカッションしていることが挙げられます。もともとは、病棟間の疎通を目的として始められましたが、現在では患者さんについて、それぞれ異なる立場のスタッフが意見を述べる症例検討会となっています。

「こんなすばらしい意見を持っていたのか、こんな細かいところまでみていたのか、という発見も多く、スタッフそれぞれが様々な視点を持っていることを実感します」(大谷さん)。

この症例検討会によって職種間の意思の疎通がスムーズになり、院内の活性化につながっていると岡田先生も強調します。

また、病棟や重度認知症デイケアでの年間行事やレクリエーションなどの活動が充実していることも特色のひとつ。ひな祭りやお花見、バスハイクなどの年間行事のほか、日常的な活動をリハビリと位置づけ体操やゲーム、スポーツなど多彩なレクリエーションを行っています。このような活動は認知症患者さんへの良い刺激になることが多いと鈴木さんは話します。

「認知症で入院している患者さんは、どうしても外の世界と遮断されてしまいがちです。迷子になってしまうとか、危ないことをしてしまうという心配もありますが、できる限り外の世界と触れ合い、様々な経験をしていただきたいのです。それによって今まで元気のなかった方がはしゃいだり、とてもいい笑顔を見せてくださったりすることもあって、こちらまでうれしくなります」(鈴木さん)。

 

認知症の治療には医療と介護の連携が不可欠

日立市は、ケアマネジャーなど介護関連のスタッフがとてもエネルギッシュな地域だと岡田先生は語ります。しかし、これまではそういった介護職と医療職の連携があまり活発ではなかった現状があります。

「増え続ける認知症患者さんに対し、どこかひとつの機関だけで対応することはできなくなってきています。医療機関同士に限らず、医療とその他の分野とも連携してフォローしあうという流れを作っていくことが必要ですね」(岡田先生)。

最近は、「ケアマネジャーの声」によって医療側も少しずつ動き出し、日立市の医師会でも認知症ケア委員会が組織化され、岡田先生もメンバーとして参加しています。

大谷さんも、「この認知症疾患医療センターには、透明性のある医療や開かれた医療であるために現場の現状を地域に発信していくという役割もあると思うので、そういう取り組みが連携にうまくつながっていけば」と意欲を語ります。

 

地域のさらなる連携と若年層への対応が今後の課題

岡田先生は、認知症医療については「連携」こそ最大の課題だと語ります。大谷さんも、情熱を持っている個々の人=「点」が、「線」になって「円」になるような連携ができれば、地域全体が盛り上がるはずだと期待しています。

「医療と福祉、介護などが連携して、それぞれの枠を超えていければ、地域全体も盛り上がるはず。地域おこしのように、地域全体で取り組む認知症医療というところまで視野を広げていきたいですね」(大谷さん)。

また一方で、若年性認知症のサポートに力を入れることも課題のひとつだと岡田先生は考えています。40代や50代で発症した場合は介護保険サービスにうまくなじめないことが少なくありません。しかし、実際は働き盛りの家族が病気で働けなくなることで、家族の負担は深刻な状態になります。

「そういった若い人たちに必要な支援と、高齢の方に必要な支援とは違うはず。若い人に向けた就労支援や生活のサポートについても、疾病と障害の両方を取り扱う精神科医療が担えることはまだまだ多くあると思うのです。一通りの支援だけでなく、それぞれの視点で必要な支援をオーダーメイドで考える柔軟な感覚も必要ですね」(岡田先生)。

今後は精神科としてさらにレベルアップを目指し、スタッフひとりひとりが、それぞれ病気に対応できるように能力を高めていくことが理想と岡田先生は強く語ります。

 

 

取材日:2013年2月21日
日立梅ヶ丘病院の外観

医療法人圭愛会 日立梅ヶ丘病院


〒316-0012
茨城県日立市大久保町2409-3
TEL:0294-34-2103

施設のホームページへ

 【 認知症疾患医療センター 】
 TEL:0294-35-2764

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