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合併症や重度BPSDも積極治療で改善へ
<群馬県高崎市 医療法人社団山崎会 サンピエール病院>

医師 山崎伸子先生 医師 山崎伸子先生

ほぼすべての診療科を網羅したうえに充実した精神科病棟を備えるサンピエール病院では、他の総合病院では受け入れが難しいケースに積極的に取り組み、認知症患者さんの全人的な治療の技術とノウハウを高め続けています。

2006年に明るくゆったりした新病棟を竣工

精神科を柱として、内科、循環器科からリハビリ科、整形外科、眼科、歯科、耳鼻科、皮膚科まで、主だった診療科をほぼ備えているサンピエール病院。1946年の開設以来70年近く地域医療に貢献しており、1982年に現在地に移転してから群馬県老人性痴呆疾患センター(現:認知症疾患医療センター)、訪問看護ステーション、高崎市在宅介護支援センター、精神科デイケア施設、居宅介護支援事業所、精神障害者社会復帰施設を次々に整備し、認知症を含む精神疾患の患者さんの治療・支援の大きな拠点となっています。

2006年には新病棟が竣工。広くて明るい病室、充実した設備、ゆとりのある共有空間が魅力で、屋上には庭園もつくられています。

全522床のうち、認知症治療病棟は53床ですが、精神科病棟(54床)や一般病棟(57床)でも認知症を持つ患者さんを積極的に受け入れています。急性期から療養まで充実した病棟を持っており、柔軟な対応が可能になっています。

 

2000年ころから増え始めた認知症患者

認知症が大きな社会問題になるという認識を持って、いち早く治療に力を入れてきた同院は、1990年には『老人性痴呆疾患センター』に指定されています。

現在、もの忘れ外来を担当している山崎伸子先生は、「認知症患者さんが増え始めたのは2000年頃でした。患者さんの増加に対して診察・治療ができる医師が少なく当院に集中したので、私が専門外来を受け持つようになったのです。と言っても、当院では他の精神科医も積極的に診察しますので、どの外来時間に来られても大丈夫ですよ」と語ります。

外来に訪れる認知症患者さんは週に70~80名程度、新患は多いときで週に10人程度になります。

診断の際は、まず身体疾患や服薬の影響で認知機能に障害が出ている可能性をチェックします。院内に各科の専門医がいるため、迅速かつ丁寧にチェックができるのが大きな強みです。さらに、長谷川式簡易評価スケールやMMSE(認知機能検査)などのテスト、血液検査、頭部CTなどの画像診断を行ったうえで治療方針を決めていきます。

 

科を超え、職種を超えた連携が日常的に

充実した精神科病棟と一般病棟を併せ持つ同院には、認知症と身体疾患が合併した患者さんや、重いBPSD(周辺症状)があるなど他の病院で対応が困難な患者さんが紹介されて来ることが少なくありません。そのような患者さんの身体疾患やBPSDを退院可能な状況まで改善させることに成功しているのは、すべての科の医師とスタッフが認知症について学び、相互に連携して治療に当たっているからです。

看護師 堀口恵子さん看護師 堀口恵子さん
作業療法士 星野康志さん作業療法士 星野康志さん

看護師の堀口恵子さんは、「患者さん一人ひとりの症状や性格、患者さん同士の人間関係などをよく見て、落ち着ける環境をつくるよう配慮しています。また、時間帯で状態に波がある患者さんが多く、勤務のシフトによって一面しか見ない可能性があるので、スタッフ同士の情報交換を密に行いトラブル防止に繋げています」と語ります。

作業療法士の星野康志さんは、「集団での活動に看護師など他職種のスタッフが一緒に入っているので、訓練室の外での患者さんの様子を聞いたり、専門の違う人の視点からヒントをもらったりして、次の活動に生かすようにしています」と、職種間の連携のメリットについて話します。

一般病棟に入院する患者さんに認知症のBPSDが見られる場合は、一次的に精神科病棟に移るなど柔軟な調整を行えるのも同院の強みです。

 

テキストにないノウハウを手探りで蓄積

例えば、転倒して骨折したのに認知症であるために自宅療養を余儀なくされた80歳代の患者さんが、安静を保つことができずに状況が悪化してしまった後に同院に紹介されたケースでは、手術をして約6週間で手つなぎ歩行を安定して行えるまで回復し、自宅退院に至ることができたと言います。

理学療法士 宮澤一さん理学療法士 宮澤一さん

身体機能改善のためのリハビリは、理解力が低下している認知症患者さんの場合、とても難しい取り組みになります。リハビリは患者さん本人が自発的に身体を動かすことが前提となるからです。「理屈を言っても興味を示してはくれません。まず患者さんの信頼を獲得することが第一歩。次に普段の動きをよく評価して、失敗する心配のない簡単な課題から始めて達成感を共有していき、ご本人が心地よいと感じる状況を作り出すことが大事です。理学療法の教科書には認知症患者さんの身体機能改善リハビリの対応マニュアルは載ってないので、すべてが手探りの取り組みです」と理学療法士の宮澤一さんは語ります。

同じように、すべての科・職種で、テキストやマニュアルには載っていない、認知症患者さんに適した対応を見つけ出し、ノウハウを蓄積しています。そして、科を横断する合同カンファレンスで貴重な情報とノウハウが共有されます。

「認知症があって骨折しても、手術後、適切な身体機能改善のリハビリを行うことで在宅に復帰できるケースが多くあります。少しずつでも認知症に対する理解が広がっていったらいいですね」と、宮澤さんは語ります。

 

情報の交通整理が迅速で適切な対応の鍵

精神保健福祉士 増野重則さん精神保健福祉士 増野重則さん

院内連携に加え、グループ内の医療デイケアや介護・福祉サービスとの連携、さらに行政や地域の他の医療・福祉事業との連携の要となっているのが、医療福祉相談室です。

「様々な相談が寄せられるので、相談内容を正しく理解して適切な専門家に繋ぐのが、私たちの最も重要な仕事かもしれません」と、室長で精神保健福祉士の増野重則さんは語ります。

受診を迷っている段階から、入院前、入院中、退院前、退院後まで、患者さんの症状、家族の状況も千差万別であるなかで、しっかりした情報の交通整理が行われているからこそ、迅速な対応が可能となるのです。

入院中から、家族の状況や意向も確認して退院後の生活設計を始めるのも重要です。また、グループ内の訪問看護ステーション、在宅支援センター、デイサービスセンター、特別養護老人ホームなどが共同で地域移行退院支援部門を組織し、定期的な会合を開いています。各施設・組織がどんなサービスを展開しているのか詳しく知ると共に、それぞれが抱える課題を共有してグループの総力で解決を図っているのです。

オレンジ手帳オレンジ手帳

「口で『連携』と言うだけでなく、定期的に顔を合わせるのが、スムーズな連携の鍵です」(増野さん)。

高崎市では、医師会とケアマネジャーの意見交換会や、認知症の診断治療に関する情報を一般医に提供する事業などが定期的に行われており、そのなかで、2013年1月から「オレンジ手帳」の運用も始まりました。医療従事者、介護福祉従事者、民生委員、家族が患者さんの情報と病状の経過を共有するためのツールで、日本精神科病院協会が検討を重ねてつくったものです。「活用しながら、さらに改良していこうという取り組みで、当院も積極的に参加しています。また、認知症の患者さんは今後も増加が予想されており、当院で蓄積している技術や理論、ノウハウを広く発信していきたいと考えています」(山崎先生)。

精神保健福祉士 増野重則さん診療放射線技師 田中正雄さん
田中さんがデザインしたピエール君のバッチ田中さんがデザインしたピエール君のバッチ

※放射線技師の田中正雄さんが個人でデザインしたウサギのキャラクターが、病院名に因んだ"ピエール君"としてスタッフの間で人気者になっています。写真はリハビリ科の忘年会の参加証としてつくられたものです。こんな可愛らしいバッチにも他の職種への興味や理解を引き出すきっかけが潜んでいます。

 

 

 

 

取材日:2013年2月14日
サンピエール病院の外観

医療法人社団山崎会 サンピエール病院


〒370-0857
群馬県高崎市上佐野町786−7
TEL:027-347-1177

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