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20年以上にわたる研鑽で全職員が認知症のプロ
<青森県弘前市 医療法人サンメディコ 下田クリニック>

院長 下田肇先生 院長 下田肇先生

認知症という病名が定着する前から“もの忘れの患者さん”と向き合い、全国に先駆けて認知症専門の介護施設を立ち上げたのが、下田クリニックの院長を務める下田肇先生です。

同院とその関連施設では、医療・看護・介護・リハビリといった専門スタッフが研鑽を積み重ね、手厚い認知症ケアを実践。地域になくてはならない存在となっています。

スウェーデンの高齢者福祉医療を学び、いち早く実現

津軽地方の中心地、青森県弘前市。弘前駅前から徒歩10分のところに、医療法人サンメディコ・下田クリニックはあります。

心療内科と精神科、リハビリテーション科を標榜するほか、グループ内にはデイケア、認知症専門の介護老人保健施設ヴィラ弘前、訪問看護ステーションなども有し、重度の患者さんも受け容れる体制を整えているため、津軽地方における認知症医療の舵取り役となっています。

院長の下田肇先生は、弘前大学の精神科をはじめ数々の精神病院の第一線で患者さんと接した後、1982年に下田クリニックを開設。

精神科を中心とした日々の診療を通じ、かねてから「高齢化時代の到来で、認知機能が低下した患者さんが急増するはず」と予測していた下田先生は、徐々にその準備にとりかかっていました。その一環として訪れたのが、社会福祉の先進国であるスウェーデンです。現地の施設を視察し、高齢者福祉医療を学ぶなか、「もの忘れに対して今後は精神科の領域でも対応していかなければ。津軽にも専門の施設が必要になる」との意識を強めました。

帰国後にさらに勉強と準備を重ね、1991年に東北地方で初めてとなる認知症専門の介護老人保健施設ヴィラ弘前を開設。全国的にみても専門施設がほとんどなかった時代であり、ゼロからのスタートでしたが、「目の前の患者さんに学ばせてもらい、専門職の皆さんにも1年以上にわたる研修を重ねて認知症のプロになってもらうことで、ともに成長することができた」(下田先生)と振り返ります。

 

初診では「認知症という前提で診ない」

下田先生が初診時に気をつけているのは、最初から認知症であるという目で患者さんを診ないことです。ご家族は“認知症発症”の前提で患者さんを連れてこられる場合がほとんどですが、「頭の片隅には置いていますが、先入観はもたない。まずはご本人のお話を客観的に、十分に聞くことが大事だと思っています」(下田先生)。画像診断や簡易スクリーニングテストなどの検査のみでは、認知症の診断は行いません。精神疾患・神経疾患患者さんと長年向き合った経験から、本人の感情を受け止めることが何よりも大切だと考えている下田先生は、病名がつく前の段階で、患者さんの話をしっかりと聞くようにしています。

患者さん本人の話を尊重しているとはいえ、同時にご家族が置かれている状況や気持ちに寄り添う配慮は欠かせません。来院前は、大変な介護で自信をなくし、なかにはうつに近い状態になっているご家族も見受けられるからです。

「どれほどの思いで患者さんと接し、お世話をしてきたのかよく聞いて、抱えているものを理解してあげることが大事」と、下田先生はご家族の話にもきちんと耳を傾けることの大切さを話します。

話を聞くなかでご家族は徐々に自信を持てるようになり、やがて認知症という病気を正確に理解し始めると、「患者さんもご家族も楽になり、双方とも精神状態が落ち着いてこられる場合が多い」(下田先生)と、その効果を話します。

コミュニケーションの大切さを重んじる下田先生は、治療方針においても一方的に伝えるのではなく、納得が得られるまで説明を繰り返し、何度も話し合うようにしています。

 

担当スタッフ制で不安を軽減

主任看護師 工藤昭子さん主任看護師 工藤昭子さん

ご家族のことを「第二の患者さん」として全力で支援しているのは下田先生ら医師だけではなく、その右腕となっている看護師も同様です。

たとえば、親が認知症になったことを、なかなか受け容れることができないご家族に手厚いフォローをしているのが、主任看護師の工藤昭子さんです。

「ささいなことでもご家族に密に連絡し、院内での出来事や患者さんの様子などを伝えています」(工藤さん)。

そうすることでご家族も徐々に理解するようになり、ともに認知症に向き合う前向きさが生まれると言います。

同院では、工藤さんら看護師をはじめ、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士まで、認知症患者さんに関わる職員のすべてを担当制にしています。「認知症の患者さんは環境の変化に敏感なので、接する人が頻繁に変わると不安を与えてしまう」と、工藤さんはその理由を話します。

さらに、同じ看護師、リハビリスタッフが接することで、患者さんのちょっとした変化にも気づきやすいという利点があり、よりよい看護・介護へとつながっていきます。

 

なにごとも「信頼関係を結んでから」

言語聴覚士 岩崎守男さん言語聴覚士 岩崎守男さん
言語聴覚士 中山佐織さん言語聴覚士 中山佐織さん

「担当制」をとっていることからもわかるように、同院では患者さんの心のケアを重要視しており、検査から介護、リハビリのすべてにおいて、不安と混乱を招かないよう気配りがされています。

主に認知機能の検査を担当している言語聴覚士の岩崎守男さんは、客観的で正確な検査のために「人間味を出しすぎないよう、冷静に行うべき」とする一方、「知らない人に根ほり葉ほり聞かれる検査は、用心しないとその後の治療やケアでつまずきやすい」と捉えています。

そのため、患者さんの不安な心情に寄り添い、「少しでも安心して検査を受けていただくために、穏やかな雰囲気を自然につくれるように心がけている」(岩崎さん)と話します。

同院デイケアの言語聴覚士である中山佐織さんも、良好なリハビリを行うために、利用者様との信頼関係をきちんと結ぶことから始めると言います。

「ご自分の症状に納得されて来られている方と、ご家族に言われて無理矢理つれて来られている方とでは、リハビリに対する取り組み方がまったく違う。まずは気持ちを楽にしていただき、話がしやすくなるよう、利用者様に合わせた声掛けや工夫をし、信頼してもらうことが第一歩です」(中山さん)。

リハビリ開始後も、関わりをもつことを怠らず、ともに散歩をしたり、キャッチボールに興じたりと、1対1の関係づくりは続きます。

 

かつての趣味を取り入れたリハビリも

患者さんの特性に合わせた個別リハビリを行っていることも、同院の特徴のひとつとなっています。リハビリの形態も様々で、通所リハビリを希望する患者さんには、ホームトレーニングのためのプリントを個々に用意するなどの対応もしています。

また、認知症のためにできなくなったことが多い場合でも、リハビリで回復に結びつきそうな気配がみられた際には、趣味だったことや得意としていたことを生かすようにします。

たとえば油絵をたしなんでいた患者さんの場合、なぞり書きの訓練から始めます。

「最初は色も筆の握り方さえもわからなくなっていたのが、なぞることを繰り返しているうちに、少しずつ手が動くようになってくる」(中山さん)。

油絵、習字、カードゲーム等、回復への動機づけは患者さんによって異なります。

「以前のように趣味を楽しみたいとか、仲間との関係を取り戻したいという強い気持ちが、その後の変化へとつながりやすい」と岩崎さんもみており、利用者様それぞれの理想や夢の実現にリハビリを通して少しでも近づけることを目指しています。

 

徹底した教育で認知症の“プロ中のプロ”を育成

東北初の認知症専門施設開設から、22年。

モデルとなる施設や運営方法がほとんどないなか、下田先生には「食事・入浴・排泄の世話だけでは認知症の患者さんにとっては十分とは言えない。精神面までケアできるようになろう」という信念がありました。

当初は、夜に問題行動が出る患者さんに対し、なぜその行動を起こすのか、どう対応すればいいのかをスタッフ全員で考えることも。研修を重ね、患者さんとの向き合い方、ご家族への手の差し伸べ方など、一つひとつていねいに取り組んできた結果、東北地方の認知症診療をけん引する存在となりました。

同グループの職員は勤続10年以上のベテランが8割以上を占め、医師、看護師はもちろん、介護、リハビリ、栄養など各部門で高い専門性を誇っており、職員の誰もが認知症の専門家といえるほどの知識と実践力を兼ね備えています。

下田先生は青森県における認知症対策検討委員会の理事も務めていることから、県の認知症対策を後押しし、市民への啓蒙活動に励んでいる一人です。

「当院では予約なしでも、来院された方については、すべてその日のうちに診させていただいています。患者さんに今何が必要かを常に考えていきたい。患者さんもご家族も安心し、安全な暮らしができるようにさらに質の向上に努めていきます」(下田先生)。

 

 

取材日:2013年2月27日
下田クリニックの外観

医療法人サンメディコ 下田クリニック


〒036-8093
青森県弘前市城東中央4-1-3
TEL:0172-27-2002

 

ヴィラ弘前の外観

医療法人サンメディコ
介護老人保健施設ヴィラ弘前


〒036-8073
青森県弘前市岩賀2丁目12−11
TEL:0172-37-7300 

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