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専門性の高い診療と細やかな地域連携で患者さんとご家族を支える
<徳島県鳴門市 医療法人静幸会 今井メンタルクリニック>

院長 今井幸三先生 院長 今井幸三先生

内科医から精神科医に転じて約30年。今井メンタルクリニック院長の今井幸三先生は、同院で外来患者の診療にあたる一方、総合病院の嘱託医として入院患者にも対応。その緊密な病診連携を軸に、行政や包括支援センターなどを含めたネットワークで、地域の認知症医療に力を注いでいます。

認知症を診て約30年、鑑別には常に細心の注意を

「はじめて認知症の患者さんを診たのは、約30年前のことです。50歳代後半のある社員寮の寮母さんが、配膳するお茶碗、お皿の数と人数が合わないというので診てみると、若年性のアルツハイマーでした」

ゆっくりした口調でそう振り返る今井幸三先生は、医師としてのキャリアを内科医としてスタート。8年勤めた後、親族である精神病院の理事長から「医師が足りないから手伝って欲しい」と乞われ、精神科医の道を歩き始めました。

「当時、興奮症状を抑える薬剤はありましたが、認知症そのものに対する薬剤はありません。その寮母さんは進行が非常に速く、60歳過ぎには精神症状の悪化や排泄障害などで介護をしていた夫の負担が大きくなり、入院せざるを得なかったことを今でもよくおぼえています」(今井先生)。

精神病院の院長を務めた後、今井先生は2005年に今井メンタルクリニックを開業。本格的に認知症に取り組み始め、患者さんの数は年々増加傾向にあるといいます。

「認知症の啓発が進んだせいか、早期に診察に来られる方が増えました。高齢者の場合、鬱や身体疾患に伴う認知機能低下との鑑別が難しいため細心の注意をはらっています」と今井先生は診察に向かう姿勢を語ります。

 

問診、検査ののち、画像診断で他の病気を除外

診察はまず問診、そして長谷川式簡易知能評価スケールと時計描画テストを行います。長谷川式は認知機能のチェックには有力ですが、生活機能の確認には不向き。一方の時計描画テストは生活動作のテストに有効という判断から、これを併用しています。

臨床心理士 平岡彩子さん臨床心理士 平岡彩子さん
患者さんが向かい合わないように工夫された待合室患者さんが向かい合わないように工夫された
待合室

神経心理検査を担当する臨床心理士の平岡彩子さんは「検査自体ももちろん重要ですが、それ以外の患者さんの言葉や動作の観察も必要」だと日頃から心掛けています。

「例えば、先生や私には丁寧に話しているのに、待合室に移動した途端、家族にきつく当たる人もいます。そうした“場面の切り替え”を注意して見ています」(平岡さん)。

問診や検査と並んで、今井先生は画像診断も重視しており、特に患者さんが過去半年間に画像検査を受けていない場合は、CT、MRI検査を勧めます。

「他の病気を除外することが画像診断の一番の目的です。例えばあまりにもの忘れの進行が早い場合は脳腫瘍の疑いがあるので、初診の日にすぐ画像検査を依頼することもありますね」(今井先生)。

画像検査は、クリニックから歩いて2分と近い総合病院の鳴門病院に依頼。緊密な連携で、早期発見、早期診療に努めています。

 

ご家族へのねぎらい、カウンセリングもクリニックの役割

今井メンタルクリニックでは、患者さんのご家族に対するカウンセリングやサポートも、初診時点から強く留意しています。

心安らぐカウンセリングルーム心安らぐカウンセリングルーム
看護師 山根和さん看護師 山根和さん

「例えば、幼いころ自分を虐待した父が認知症になり、やむなく介護している男性がいました。非常に複雑な気持ちだと思いますが、誰だって親の悪口は言いたくない。だからこそ、ぽろっと本音が漏れたときに、私たちがきちんと聞き、受け止めなければなりません」と、ご家族への目配り、心配りの大切さを語ります。

平岡さんは、初診の問診のときに、ご家族の悩みや改善したいことを丁寧に確認しています。「長男のお嫁さんなど、いちばん一生懸命お世話している人が、いちばんつらい思いをされています。『よくがんばっておられますね』とねぎらうと、ポロポロ涙をこぼされる方が少なくありません」(平岡さん)。

また、看護師の山根和さんは「ときには家族の間に入って仲介することも必要」だと、自らの経験に照らして指摘します。

「先日も『長男の嫁と孫に、お金をとられた!』と大声を出す患者さんがいました。認知症の患者さんの言うことを否定すると余計に興奮することがありますが、かといってすべて本当のことだと受け入れると、ご家族が辛い思いをしてしまいますので、さじ加減が非常に難しいと思います。このときは、先生や私という第三者が間に入って説明して納得してもらいました」(山根さん)。

「家族へのカウンセリングや癒しは、私よりも女性の心理療法士や看護師が向いていると思いますので、どんどん任せていきたいですね」と今井先生はスタッフに大きな信頼と期待を寄せています。

 

総合病院の嘱託医としてBPSDにも対応

クリニックでの診療に多忙な毎日を送る一方、今井先生は二次救急病院である鳴門病院の入院患者も診ており、少なくとも週に2日、多いときは5日、昼休みや午後の診療を終えたあとで病棟に往診します。

「たまたま鳴門病院の脳外科に大学時代の友人がおりまして、同院に精神科の常勤医がいないことから私が嘱託医をやらせてもらっています。日ごろMRIやCTをお願いしていますから、持ちつ持たれつですね」と先生は微笑みながら語りますが、外来とは違う難しさがあるのも確かです。

例えば、BPSD(周辺症状)への対応。診ている認知症の患者さんの数自体はクリニックの方が多いものの、BPSDが見られるのは入院患者の方が多いと言います。

「嘱託で私がいるので、病院も受け入れているのだと思います。精神科医は、日ごろの診療で抗精神病薬や抗不安薬に通じており、興奮状態のある患者さんの対応にも慣れていますから」と言いつつ「BPSDのある患者さんへの投薬は、とりわけ慎重にやるべき」と先生は表情を引き締めます。

「特に注意しているのは過鎮静です。例えば、骨折で入院しているのに、過鎮静でフラフラして転んでまた骨折するといったことがないよう、慎重に対応しています」(今井先生)。

 

「馴染み」の関係を生かし、地域全体で高齢者を支える

いつも笑顔で患者さんと接していますいつも笑顔で患者さんと接しています

今井メンタルクリニックは鳴門病院との緊密な連携を軸にしながら、行政や包括支援センターなど地域の医療・介護関係者との連携にも積極的に取り組んでいます。

「認知症の疑いのある独居の高齢者を、自治体からの要請で診たこともありますね」と今井先生は連携の一例を挙げます。

その患者さんは親族とは疎遠な状態で1人で住んでいたところ、家の周辺で火を燃やすなどの不審な行動をご近所の方が見つけて市に相談。市から今井先生に診察の要請がありました。患者さんの家の中はゴミが散乱し、水道は使えるものの電気・ガスは止まった状態。連絡を受けたご親族が駆けつけ「人が住める場所じゃない」と絶句したほどでした。

先生が投薬で症状を抑える一方、包括支援センターがヘルパーを手配するなどして生活状態を改善。

「ご親族は泣きながら『お世話になりました』と頭を下げられましたが、私だけじゃなく、自治体の方もセンターの方も普段から本当によくやっておられると思います」と、今井先生は地域としての取り組みに手応えを感じています。

「医療、福祉の関係者だけではなく、高齢者の住まいのご近所の方が何かと気を配っておられます。それが田舎の良さなんでしょうね。高齢者が独居できる町、というと言い過ぎかもしれませんが、これからもみんなで支える地域でありたいと思います」(今井先生)。

 

 

取材日:2013年2月28日
今井メンタルクリニックの外観

医療法人静幸会 今井メンタルクリニック


〒772-0001
徳島県鳴門市撫養町黒崎字八幡113-1
TEL:088-683-1552

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