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デイケアや訪問看護で光明が見出せる認知症治療を
<長崎県長崎市 すがさきクリニック>

院長 菅崎弘之先生 院長 菅崎弘之先生

長崎駅から徒歩15分、路面電車の駅のほど近くにある、すがさきクリニックは、精神科を専門とする菅崎弘之先生が2001年に開業。精神科デイケアと介護支援事業所も開設し、生活全般やご家族への支援も視野に入れた認知症治療を行っています。

患者さんとフラットな関係で医療を提供

すがさきクリニックは、精神科と心療内科を診療科目とし、うつ病や睡眠障害、摂食障害、アルコール依存症などの治療を行うと同時に、現在100人ほどの認知症患者さんの治療にあたっています。院長である菅崎弘之先生は、研修医時代に有病調査で各家庭を訪問した際、認知症に医療の手が差し伸べられていない実態を知り、自らが何らかの形で取り組むべきという決意を抱きます。その後、長崎大学医学部附属病院や長崎市立病院を経て、同クリニックを開業、デイケア施設「それいゆ」も併設しました。

「精神科や心療内科では、患者の立場に立った医療をするのがいちばん大切」とソフトな口調で話す菅崎先生。上から目線で治療するのではなく、患者さんとフラットな関係でいるよう心がけています。

初診の患者さんには、コメディカルスタッフが1時間ほどかけて予診を行い、患者さんとご家族から話を聞いて心理検査を実施、その後、菅崎先生が1時間かけて診察を行います。しっかり時間をかける診察体制は完全予約制だからこそできるものと語ります。

介護面でもサポートし、カンファレンスで情報共有

認知症治療に用いる薬剤は、効果の良し悪し以前に「患者さんへの架け橋」であると語る菅崎先生。薬の処方が通院の継続につながる場合もあり、進行予防ができる薬の存在は患者さんにとってひとつの希望であると指摘します。

「診断後、最も大切なのはご家族への説明であり、薬を出すだけでなく生活全体を見ること。何が必要か、どのようなことに困っているかを探りながら、さまざまな形でサポートしていきます」(菅崎先生)。

必要があれば3階のデイケア施設、隣のビルにある居宅介護支援事業所と連携し、場合によっては菅崎先生がほかの医師と共同で運営している介護施設の利用も含めて、介護面の支援も考えていきます。

一人の患者さんに複数の施設で関わっていく場合は、ケアマネジャーや看護師、介護士などで週1回カンファレンスを実施し、患者さんについて話し合います。カンファレンスで生活の状況やご家族の関係まで把握することで、患者さん本人はもちろんご家族のサポートも目指しています。

介護と連携した治療を行っていくなかで、菅崎先生は、ご家族の心情の変化に温かいまなざしを注ぎます。

「以前は『もう、おばあちゃん困ったことばかりして』と思っていた方が、認知症の受け止め方が変わっていくと『おばあちゃんはこんないいところもある』と視点が変わってきます。人の気持ちが良い方向に向いていくのを見るのは楽しいですね。認知症は治る病気ではありませんが、本人やご家族の気持ちのあり方をよくすることはできるのです」(菅崎先生)。

ご家族との関係性が変わることで、症状が改善することもあるといいます。

デイケアなどでトータルに患者さんと関わるメリットも

デイケア施設「それいゆ」は、同じビルの一つ階下にあります。介護保険サービスのデイケアではなく医療保険のデイケアであり、高次脳機能障害やうつ病などの患者さんも対象としており、利用者の年齢はさまざま。高齢者だけのデイケアには抵抗感のある患者さんにとっても利用しやすい環境です。

デイケアそれいゆ 看護師 藤野文子さん デイケアそれいゆ 看護師 藤野文子さん

「それいゆ」の看護師である藤野文子さんは、「自分で希望して通い始める患者さんもいます。認知症ではない利用者さんもいますから、利用者さん同士が会話などのやり取りができるよう、間に入ってフォローをしたり、認知症患者さんが馴染んで居心地よく過ごせる雰囲気づくりを心がけています」と配慮を語ります。

デイケアで過ごしたりスタッフと関わることを拒む利用者もいます。それでも、利用開始から5年後にスタッフの働きかけが実って大きく変化し、スタッフとふざけ合うほど打ち解けて楽しく過ごせるようになった人もいました。

「長く関わること、あきらめないことが大切なのだと感じています」と藤野さんは言います。そして、これはデイケアだけでなく、訪問看護によって自宅でもスタッフが関わっている成果でもあると藤野さんは感じています。

「カンファレンスで、ほかのスタッフから家の状況やご家族の言葉を聞くことができ、患者さんのことをトータルで知ることができます。デイケア以外の場でよい変化があった話も聞けますので、やりがいを感じますね」(藤野さん)。

少人数でプログラムに取り組むデイケア

革細工のプログラムで製作した作品 革細工のプログラムで製作した作品
デイケアそれいゆ 介護福祉士 東智美さん デイケアそれいゆ 介護福祉士 東智美さん

「それいゆ」では、毎日午前と午後でプログラムを変え、大人数ではなく4~5人のグループや個人で課題に取り組みます。プログラムは、脳トレや体操、ボウリングや習字など、利用者が楽しくできるものをスタッフが知恵を絞って選びます。なかでも革を切って色を塗りブックカバーなどを作る革細工は人気のプログラムとなっています。

同じくデイケアを担当する介護福祉士の東智美さんは、「日によって時間によって利用者さんの態度は変わりますから、日頃から利用者さんをしっかり見つめ、その人に合わせた対応を見つけるよう心がけています」と利用者の性格や個性に合わせた対応に心を砕いています。

「利用者さんが不機嫌なときであっても、最後には笑顔になれるような流れを作りたいですね」(東さん)。

また、個別ケアの重要性を指摘、現在もグループや個人でプログラムに取り組む体制ではあるものの、さらに一人ひとりの希望に沿ったプログラム提供を目指しています。「それにはこちらももっと勉強が必要」と東さんは表情を引き締めます。

 

患者さんに寄り添い、希望を見失わずに治療を

菅崎先生は以前、若年性アルツハイマー病であることを公表した患者さんと一緒に、全国で「認知症と明るく生きる」をテーマとした講演活動を行っていました。認知症患者が社会と関わって生きていきたいと願っていても、社会のほうが受け入れる土壌として熟成していないのが現実。それに一石を投じるとともに、患者さん自身が活動を通じて生きる意義を感じられるよう、菅崎先生が講演活動をすすめたのです。

患者さんの体験や率直な思い、適切なサポートのあり方を社会に伝えた座談会形式の講演活動は、各地で大きな反響を呼びました。現在も、地域での認知症に関する講話を行うなどの啓蒙活動は続けています。

今後の課題として、菅崎先生は現状の継続をあげます。デイケアや介護との連携など「認知症治療として『やるべきこと』は行っている」と自負する菅崎先生だからこそ、現状維持が重要だと語ります。

「認知症自体は患者さんにとって苦しみを伴う病気です。しかし、治療で光明を見出すことはできると確信しています。患者さんとご家族に寄り添って、希望を見失わずこつこつと診ていくという姿勢が大切。そういう一人ひとりの力がいつか結実していくのではないでしょうか」(菅崎先生)。

 

 

取材日:2013年3月22日
すがさきクリニックの外観

すがさきクリニック


〒850-0841  
長崎県長崎市銅座町4-14青木ビル4階
TEL:095-820-1162

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