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プロ意識の高いスタッフが支える専門医療
<新潟県胎内市 医療法人白日会 黒川病院>

院長・認知症疾患医療センター長 関野敏先生 院長・認知症疾患医療センター長
関野敏先生

認知症医療に早くから取り組み、認知症疾患医療センターと地域包括支援センターの機能もあわせもつ黒川病院は、スタッフ一人ひとりのプロ意識と向上心を土台として、地域の認知症医療の中核としての役割を果たしています。

地域包括支援センターも併設

認知症疾患医療センター会議のようす 認知症疾患医療センター会議のようす

新潟県胎内市で1954年から精神科医療に取り組む黒川病院が老人性痴呆疾患病棟(現・認知症病棟)を設けたのは、現在地に病院を新築移転した1992年のこと。1994年には老人性痴呆疾患センター(現・認知症疾患医療センター)の指定を受け、翌1995年に介護老人保健施設「やまぼうし」と黒川村(当時)在宅介護支援センターを開設するなど、20年ほど前から認知症への取り組みを強化してきました。

さらに、現在は施設内に地域包括支援センター「やまぼうし」を併設しており、県北地域における認知症医療の中核の役割を果たしています。

外来に訪れる認知症患者さんは年間で延べ約2,300名(平成24年度)におよびます。新患は月に20名ほど。認知機能の低下を訴えて来院されるケースもあれば、BPSD(周辺症状)の軽減を目的に紹介されてくる患者さんも多くいます。

初診の患者さんにはじっくり時間をかけて

初診で患者さんを診る場合には、診察にはじっくりと時間をかけ、検査やご家族への説明を含めて2時間くらいを要することもしばしばあります。「趣味や現役時代の仕事などを話題にすると、患者さんの気持ちがほぐれることが多いですね。患者さんの中には『家族が話を聞いてくれない』という不満を感じている方も多く、聞く姿勢を示すことで、信頼関係も生まれます」と院長の関野敏先生は語ります。

臨床心理士 吉村梢恵さん 臨床心理士 吉村梢恵さん

認知機能検査を担当するのは臨床心理士の吉村梢恵さん。長谷川式簡易評価スケールとMEDE(多面的初期認知症判定検査)を併用し、立方体や時計描画テスト(CDT)も行っています。

「患者さんは診察室から別の部屋に移って、『何の検査をされるのだろう?』と不審を抱いていることもあります。私たちが心がけているのは、検査の目的を偽らないこと。病識がない場合など検査を嫌がる患者さんもおられますが、正しい結果を出すためには納得して真剣に取り組んでいただくことが必要だと思うのです」(吉村さん)。

患者さんが認知機能検査や画像検査を受けている間に、医師がご家族から自宅での様子や悩みなどを聞き、検査のデータとつきあわせることで、当日のうちにほぼすべての患者さんの診断がつくと言います。

 

かかりつけ医・家族と協力して

外来に来られる患者さんの多くは、診断がつけば、かかりつけ医の先生の元へと戻っていただくことができます。「これからの認知症医療は専門医と一般開業医の先生方との連携なくしては成り立ちません。開業医の先生にはもっと我々のような精神科病院を活用して、より早期の発見、BPSDの顕現抑止を含めた治療開始を実現して欲しいと思います」(関野先生)。

ご家族への説明やアドバイスにも時間をかけています。患者さんの言動の背景にどんな要因があるのかを理解し、どういう点に気をつけて対応したらよいのかを知ると、ご家族の不安は大きく和らぐのです。「最初は苛立ちを露わにしていたご家族も、帰るときには笑顔を見せて下さいます。ご家族の気持ちが変われば患者さんの状態も良くなるので、ご家族への説明は重要ですね」(関野先生)。

 

認知症の症状を和らげる看護を

看護部長 河内学さん 看護部長 河内学さん

認知症病棟では、看護スタッフが「バリデーション療法」を学び実践しています。「コミュニケーションを土台とした療法で、たとえば『うちに帰りたい』という患者さんに『後でおうちの人が迎えに来るからね』と、その場しのぎの返事をするのではなく、『なぜ帰りたいの?』、『用事があるの?』、『どんな用事?』と会話を進めていくことで、患者さんの本当の欲求や不安を理解して対処するという手法です」と、看護部長の河内学さんは語ります。

さらにタクティールケア(マッサージによる緩和ケア)にも取り組んでいます。取得に1年ほどかかる認定資格を持つ介護福祉士がすでに2名いて、病棟での実践を始めています。

「合併症の対応や感染症の予防、日常のケアももちろん大切にしていますが、常に認知症の症状を和らげることを考えて看護にあたっています。今後は認知症看護認定看護師も増やしていきたいです。知識や技術の習得に熱心なスタッフも多く、看護技術の専門性を重視していますので、看護補助者、介護福祉士など職種ごとに自主的にテーマを決めて、勉強会を開催していますよ」「入院患者さんを退院までサポートするのが本来の姿であり、退院という目標を持つことで看護が果たす役割を理解し、やり甲斐を感じる、職員のモチベーションを上げ、専門的な看護・介護の質を上げていくようにしていきたい」(河内さん)。

 

家族を含めた地域全体の「介護力」向上をめざして

認知症疾患医療センターでは、地域からのさまざまな相談に応じるほかに、患者及びその家族向けの外来介護教室や講演会等を開催しています。

介護教室ではタクティールケアの取り組みについて紹介したり、薬剤師や管理栄養士がその知識を生かした介護のコツや注意点を資料にまとめるなど、多職種のスタッフが協力して実施されています。

認知症疾患医療センター 精神保健福祉士 櫻井美里さん 認知症疾患医療センター 精神保健福祉士
櫻井美里さん

認知症疾患医療センター 精神保健福祉士 脇川浩和さん 認知症疾患医療センター 精神保健福祉士
脇川浩和さん

「介護教室の目的は、ご家族に早い段階から認知症に関する正しい知識と介護のノウハウを伝えることで入院が必要な状況まで悪化させないこと、介護されているご家族の負担を軽減することです」と、センター専従の精神保健福祉士である櫻井美里さんは語ります。「かつては、認知症で精神科病院に一度入院すると入院前に苦労したご家族が退院を望まないこともあり、自宅に戻ることが困難でした。しかし、近年ではご家族や介護支援事業所等と退院に向けた話し合いを持ち、地域でのサービスを利用することにより退院できることも珍しくなくなりました。入院主体の治療から外来通院主体の治療へと転換していくことが私たちの重要な任務です」

「また、ケア関係者向けの講演会や認知症事例検討会を開催するなど地域での介護力を向上させる取り組みを行うことにより、認知症患者さんが住み慣れた地域で安心して暮らせる社会をつくることを目指しています」(櫻井さん)。その為に、黒川病院の広報紙『くろかわらばん』や講演会、認知症外来介護教室など、患者さんやご家族に向けて啓発活動を展開しています。

精神保健福祉士の脇川浩和さんも、「介護教室はまだ知名度が高くないので、PRを進めていきたいです。介護福祉士や作業療法士、歯科衛生士など認知症に関わっているスタッフが講師を務め、参加者に分かり易い資料を作り、介護教室を盛り上げてくれています。その努力に報いるためにも、より多くの人に伝えなくては!と思います」と語ります。

 

専門家が地域に出向いて

病院に併設されている地域包括支援センターでは、市の委託を受けて、医療・介護の専門家、保健師や民生委員と連携をとりながら、地域の介護力向上に取り組んでいます。胎内市の4つの地域包括支援センターのうち同院のセンターのみが「認知症地域支援推進員業務」を受託しているため、かかりつけ医と福祉関係者が集まるネットワーク会議や認知症の勉強会、事例検討会などを企画、開催するのも重要な役割になっています。

地域包括支援センター「やまぼうし」 主任介護支援専門員 柳沼裕子さん 地域包括支援センター「やまぼうし」
主任介護支援専門員 柳沼裕子さん

専属の主任介護支援専門員である柳沼裕子さんは、「私たちの活動を広く一般の方たちに知ってもらうことが今後の課題です。何かあったときに、相談先として地域包括支援センターと黒川病院をすぐに思い出してもらえる状況をつくる。それが早期発見に繋がると思うのです」(柳沼さん)。

関野先生が認知症に取り組み始めまず行ったことは、胎内市を中心に県北の各地に出向いて「出前相談会」を十数年続け認知症の実態を見てきたことです。「さまざまなケースから大いに勉強をさせていただきました。これからの患者さんの増加に、医療や介護は追いつけません。予防・早期発見・早期治療はもちろん、とりわけBPSDを引き起こさせない、または悪化させないためのノウハウを、地域全体で共有して取り組むことが不可欠です。胎内市ほどの規模だと顔の見える取り組みもしやすいので、まず胎内市で連携のモデルとなるよう努力しているところです。」(関野先生)。

 

 

取材日:2013年4月24日
黒川病院の外観

医療法人白日会 黒川病院


〒959-2805
新潟県胎内市下館字大開1522
TEL:0254-47-2422


 【 認知症疾患医療センター 】
 TEL:0254-47-2640


 【 地域包括支援センターやまぼうし 】
 TEL:0254-47-2115


 【 介護老人保健施設やまぼうし 】
 TEL:0254-47-3303


 【 黒川居宅介護支援事業所 】
 TEL:0254-47-2524

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