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高齢化の進む地域のかかりつけ医として、早期発見し機能維持へ
<秋田県湯沢市 医療法人せいとく会 菅医院>

院長 菅康徳先生 院長 菅康徳先生

小野小町の生誕地と言われる秋田県湯沢市で、半世紀以上も前からかかりつけ医として地域医療に取り組んでいる菅医院。院長の菅康徳先生は、脳神経外科の専門医としての治療はもちろん内科的治療に関しても深く知識の探求に努め、認知症の早期発見・早期治療に注力しています。

 

幅広い診療科で地域医療に貢献、認知症患者さんも急増

吹き抜けの明るい待合室にはお祭りで使われた「ぼんてん」が飾られています 吹き抜けの明るい待合室にはお祭りで
使われた「ぼんてん」が飾られています

秋田県の南端・湯沢雄勝地区にある菅医院。吹き抜けのある待合室には、お祭りに使われる地元特有の華やかな神祭用具「ぼんてん」が飾られ、明るい雰囲気で患者さんを迎えます。3年前に菅康徳先生が院長に就任した同院は、古くからこの地域のかかりつけ医として、内科から外科、泌尿器科、婦人科まで、広く診療にあたっています。

「当院は県の最南端にある医療機関です。市内の大きな総合病院は遠く離れており、県境に住む患者さんたちにはここまで来るだけでも精一杯。この辺りは路線バスもないので、総合病院まで高齢の患者さんが一人では通えませんから、なるべく当院で治療できるよう、診療科を多くし、検査機器や透析機器を備えてさまざまな患者さんに対応しています」と語る菅先生の専門は脳神経外科。岩手医科大学で脳神経外科を学び、岩手県内の総合病院などに勤務していた時代に、脳卒中後のうつや認知機能低下などに関わったことで、認知症治療に関心を持つようになりました。脳神経外科医として外科手術の研鑚を積むかたわら内科の勉強も行い、実家である同院を継いでから本格的に認知症治療に取り組むようになりました。

湯沢市は全国的にみても高齢化率の高い地域でもあり、同院では、1ヵ月あたりの外来患者数が950人前後ですが、認知症患者さんは約2割を占めています。

「前任は泌尿器科が専門だったので、認知症の患者さんはそう多くありませんでしたが、3年前に私が赴任してから脳を診る医師だということが次第に周知され、患者さんが増えてきました」(菅先生)。

 

医師や職員が認知症の兆しを発見し早期治療へ

菅先生が目指すのは、早期発見・早期治療。それを可能とするのが、日頃受診している患者さんの様子から認知症の疑いがあることを見抜く菅先生やスタッフの観察眼です。菅先生たちの気づきから、これまで多くの患者さんを検査・治療へとつなげてきました。

「当院はここで半世紀以上前から診療しており、それぞれの患者さんと長くお付き合いしています。ですから、スタッフが予診のなかで、2~3ヵ月間同じ話をする、ケガをしたことを覚えていないなど、患者さんのちょっとした異変に気がつくことが多いです」と話す菅先生自身も、患者さんの話のなかから語彙の少なさを感じとり、鍵の閉め忘れがないか尋ねるなど、何気ない会話をしながら認知症の兆しを見つけられるようになってきたと語ります。

検査は、CTなどの画像検査や簡易な質問形式の認知機能検査を実施。ご本人を直接観察することやご家族・介護者からの情報により、アルツハイマー型認知症の重症度を評価するFAST(Functional Assessment Staging)も行っています。画像検査はあくまで補助的な検査ですが、画像を示しながら現状を解説することで、患者さんの納得が得られるという点で画像検査は重要です。物忘れを気にしている患者さんに、「それは病気のせいだ」ときちんと説明することで、ストレスが軽くなる場合もあります。

「以前は、FASTでステージ5から7くらいの、中等度~高度になってからの発見が大半でしたが、今はステージ3程度の軽度での早期発見が多くなっています。ここ3年ほどで認知症治療も変わってきていますし、早めに発見できれば、治療でQOL(生活の質)を落とさないようにしていけます」(菅先生)。

また、患者さんに配慮し、本人の前では「認知症」という言葉は使わずに、病気や治療の説明を丁寧にしていくのも菅先生流です。

 

介護も含め、家庭環境に合わせたオーダーメイドの治療を

認知症治療には、ご家族の協力が重要になります。菅先生は、認知症の診断がつくとご家族にも来院してもらい、今後の見通しと治療方針について相談します。

「ご家族は、物忘れに気がついていても年相応の老化現象だと感じ、認知症だと気がついていない場合が多いです。親一人子一人という家族構成の場合、子どもが仕事に出ている日中は、一人で過ごしている高齢者も多いので、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどと相談しながら、個々の家庭の事情に合ったオーダーメイドの治療を考えていきます」(菅先生)。

介護サービスを受けることに負い目を感じる患者さんやご家族もまだまだ多く、菅先生からの紹介で初めてサービスの良さに気付く方もおられるので、介護保険など行政サービスの利用を勧めています。認知症の診断がつき、ご家族が一緒に治療に取り組むなかで、家庭でのコミュニケーションがより深まることもあります。

 

建物内にある老健施設とも連携、福祉の面でもサポート

同院内には、2003年に開設した介護老人保健施設「ゆーとぴあ神室」(以下、老健施設)があり、介護の面からも患者さんを支えているのも特徴の一つです。

「診療所は7床と限られていますので、老健施設で長期的なケアを行っています。同じ建物内なので、落ち着いてきて入所をお願いしたい患者さんがいれば早い時期から施設側に伝えるようにしています」(菅先生)。

入所されている方でも、治療や検査が必要になった方や薬剤の見直しが必要な方は菅先生が診られたり、人工透析の必要な方は同院の透析室で行うなど、同じ建物であるメリットをいかして連携しています。

また、菅先生は介護保険審査会の委員でもあることから、介護施設の職員から相談を受けたり、行政のサポートが必要な患者さんがいれば菅先生が地域包括支援センターに連絡するなど、地域連携にも力を入れています。

地域に合った医療の提供で、高齢者の住みやすい街に

在宅医療を勧めているものの「家族構成などの事情で、患者さん本人が望んでも在宅で看取るのは難しい場合もある」と現状を語る菅先生。施設に入所して、看取りのときだけ自宅に帰す方法をご家族に提案することもあります。

「ある患者さんは、ご家族が同居して介護を行い、105歳で自宅で看取られました。最後の2年ほどは通院できなくなったので私が往診に出向きました。いくつになっても自宅で介護し、私たちがサポートしていける場合もある。在宅が全てではありませんが、患者さん本人の望みを実現する医療もできると、その時実感しましたね」(菅先生)。

脳神経外科医という専門をいかして、脳卒中や認知症について講演会を行ったり、うつ病・自殺予防協力医としての活動も行う菅先生。「まだまだ若輩者ですから学ぶことがたくさんあります」と謙虚な姿勢で医師会の勉強会などに積極的に出席し、専門外の診療科についても意欲的に学んでいます。

「この地域に必要なのは、疾患を選ばず何にでも対応する医師。高齢化の進む地域と時代に合った医療を提供していきたい」(菅先生)と新たな知識の習得に余念がありません。

「今後は早期発見できた患者さんたちの病態をいかに悪化させずに改善・維持できるかが課題」と表情を引き締め、「治療によって機能を維持し、健康寿命を延ばしていくことで、この地域を高齢者にとって住みやすい街にしたい」と菅先生は決意を込めた言葉で話を締めくくりました。

 

 

取材日:2013年7月3日

菅医院の外観

医療法人せいとく会 菅医院

〒019-0205
秋田県湯沢市小野字東堺77-1
TEL:0183-52-2000


介護老人保健施設 ゆーとぴあ神室

〒019-0205
秋田県湯沢市小野字東堺76
TEL:0183-52-5111 

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