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その人らしく長生きできるよう、医療と介護の両面からサポート
<千葉県柏市 医療法人社団聖山会 北柏ファミリークリニック>

医療法人社団聖山会 理事長 北柏ファミリークリニック 院長 澁谷富雄先生 医療法人社団聖山会 理事長
北柏ファミリークリニック 院長 澁谷富雄先生

「ゼロ歳から百歳までの温かい診療」をモットーに、幅広い世代の医療に取り組んでいる北柏ファミリークリニック。200人を超える訪問診療の患者さんの8割以上が認知症であり、そのサポートの一環としてグループホームを立ち上げるなど、地域の認知症ケアに大きな役割を果たしています。

 

高齢者が増え続けるベッドタウンで

「幼いお子さんからご高齢の方まで、つまりご家族すべてを診たいという思いから“ファミリー”という名前をつけました。それはまた、困っている方はどなたでも来てください、という意味でもあります」。

クリニック名に込めた意思をそう語る院長の澁谷富雄先生が、北柏ファミリークリニックを開業したのは1998年のこと。現在、小児科、内科、糖尿病外来と、一方で訪問診療にも力を注いでいます。

千葉県柏市は東京のベッドタウンとして発展を続けてきましたが、仕事をリタイアした高齢者が年々増加。エレベーターのない古い団地に住み、外出がままならない独居の方や夫婦だけの高齢世帯が少なくないといいます。

「クリニックをスタートした当初は、午前中に外来、午後に訪問診療、夜は夜間診療をしていたのですが、往診の依頼が増えたため夜間診療をやめて訪問診療に充てました。しかしそれでも足りず、結局現在では、月・水・土の午前中だけ外来を診て、あとの診療時間は全部訪問診療に回っています」(澁谷先生)。

 

訪問診療は認知症の診療にメリット

訪問診療で診ている患者さんは、自宅が100~150人、施設もほぼ同数で、全体で200~300人。澁谷先生と看護師2人、ドライバーとで1日当たり20数軒を回ります。

心臓病、脳梗塞など患者さんが抱える病気はさまざまですが、なかでも多いのは糖尿病、そして認知症。在宅の患者さんの8割以上に認知症が見られるといいます。

「私のそもそもの専門は小児科なのですが、小児神経の教室で学び、アメリカに2年留学した際も小児科ではなく神経医学教室にいました。それで成人の精神疾患や認知症もスムーズに診ることができたのです」。

そう語る澁谷先生は「訪問診療で認知症を診るメリットは大きい」と指摘します。

「検査は主に長谷川式簡易評価スケールで行い、必要に応じて近隣の大学病院等でCT、MRIを撮ってもらいますが、患者さんの生活の状況を知ることも大切。訪問すればそれは一目瞭然ですし、ご家族ともじっくり話ができます」(澁谷先生)。

 

音楽療法にも手応え

認知症の治療は主に投薬で行いますが、澁谷先生は音楽療法にも手応えを感じているとして、1つの事例を示します。

「せん妄がひどく、自分だけの世界にこもってしまって手の施しようがない患者さんがいました。その方は昔ピアノの先生だったと聞き、私はフルートを吹きますので、試しに童謡などを演奏してみました。すると、その患者さんはふとこちらを見て私と目が合ったのです。そのとき“接点ができた”と感じました」(澁谷先生)。

患者さんは演奏中に手で拍子をとり、演奏が終わると、それまでずっと不眠状態が続いていたにもかかわらず、ことりと眠ってしまったといいます。

「翌朝、介護のスタッフが挨拶すると返事が返ってくるようになりました。薬を使わなくても音楽で記憶を呼び覚ますことで症状が改善できる1つの例でしょう」と澁谷先生はとらえています。

 

認知症の患者さんを支えるためにグループホームを

グループホーム風早の里 施設長 ケアマネジャー 田中佳子さん グループホーム風早の里
施設長 ケアマネジャー 田中佳子さん

グループホーム風早の里 主任 介護福祉士 齋藤ゆき恵さん グループホーム風早の里
主任 介護福祉士 齋藤ゆき恵さん

グループホーム風早の里 主任 介護福祉士 石丸哲也さん グループホーム風早の里
主任 介護福祉士 石丸哲也さん

この患者さんが暮らしていたのは、同クリニックの関連施設であるグループホーム風早の里。

「認知症の患者さんを取り巻く環境があまりに厳しいため、少しでも改善しようとこのホームを立ち上げました」と澁谷先生は設立の目的を語ります。

現在、入居者は18人で、平均年齢は88歳。

「年齢は高めですが、要介護度の低い方が多いので、できることは自分でしてもらっています。一方、職員は20人と一般的なホームよりも多いので、入居者の日常生活に絶えず目を配って、ご家族とこまめに連絡をとるようにしています」とケアマネジャーで施設長の田中佳子さんは、同ホームの状況を語ります。

また、介護福祉士で主任の齋藤ゆき恵さんは「私にとって入居者の方は家族と同じ。言葉での意思表示がうまくできない方もいますので、“声なき声”を聞き取ることが大切です」と、入居者さんの意思を尊重しています。

同じく介護福祉士で主任の石丸哲也さんも基本的な姿勢は変わりません。「たとえ発せられる言葉が単語だけだったとしても、その単語の奥に本質があります。医師より私たち介護職の方が患者さんに接する時間が長いのだから、私たちが理解できないといけないと思っています」(石丸さん)。

 

全職員が笑顔で接することで高齢者も笑顔に

風見の里を見学する人の多くが「入居者の方の顔が穏やかで笑顔が多い」と驚きとともに感想を述べているといいます。それはまさに澁谷先生が掲げる同ホームの目標でもあります。

「笑いは人間の心身の健康によいことを説いた『笑いの医力』(高柳和江著)という書籍に共感しまして、同書が提唱している“1日5回笑って、1日5回感動しよう!”を、職員に呼びかけ実践してもらっています。私たちが笑顔で接すれば、入居者の方も自然に笑顔になり、穏やかな気持ちになりますから」(澁谷先生)。

施設長の田中さんは「入居者さんの変化を見逃さないようにするには、お顔を見ないといけません。そのときは常に笑顔、それも作った笑顔ではなく自然な笑顔を向けるようにしています」と自ら率先しつつ、職員を指導しています。

よりそいノート グループホーム風早の里
介護福祉士 酒井誠さん

介護福祉士の酒井誠さんは「『廊下に犬がいた』など、幻覚を見ているような様子の話をされても否定せず、笑顔でゆっくりお話を聞くのが基本です。また、普段から軽い冗談を言い合うなど、職員が入居者の方と一緒に楽しむ感覚を大事にしています」と、笑顔は自然にホームに浸透している様子です。

介護福祉士の齋藤さんは「入居したころより今の方が、みなさんの表情が柔らかいんです。その変化を見れば、笑顔を続けてきた甲斐があったのだと思いますね」と笑顔の効果に手応えを感じています。

 

長生きすればそれだけ、まわりの人を幸せにできる

今後の認知症ケアを考えるとき、澁谷先生は「医療と介護の連携によるサポートが重要」だと指摘します。

「70代の姉妹がどちらも認知症を持ちながら2人で生活しているケースがありました。姉が骨折したのに妹は世話ができないので、食事も取れません。ご家族は遠方に住んでいて手助けは期待できないので、ケアマネや看護士がそれこそ毎日のように訪問し食事の世話もして、何とか回復させることができました。いざ必要になったときすぐに連携できるよう、地域の医療・介護従事者は普段から密な関係をつくっておかなければなりません」(澁谷先生)。

そして澁谷先生は「その人らしい人生を長く生きて、みんなに看取られて天寿を全うするのがいちばんいい」と噛みしめるように語ります。

「先日、100歳を超える方が一人はホームで、一人は自宅で亡くなられましたが、お二人とも眠るように静かな最期で、ご家族やまわりの人々も穏やかに見送ることができました。こうした大往生を見て感じるのは、長生きをすればそれだけ、まわりの人に幸せを与えられるということ。これからも私は、地域の高齢者の方が、できるだけその人らしく長生きできるよう、お手伝いをしていきたいと思っています」(澁谷先生)。

 

 

取材日:2013年7月31日

北柏ファミリークリニックの外観

医療法人社団 聖山会
北柏ファミリークリニック

〒277-0832
千葉県柏市北柏5-3-3
TEL:04-7160-3773

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グループホーム風早の里

〒277-0923
千葉県柏市塚崎997-3
TEL:04-7160-8175

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