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地域連携推進と音楽療法で患者さんが「穏やかに生きる」環境へ
<愛知県名古屋市 本町クリニック服部神経内科>

院長 服部達哉先生 院長 服部達哉先生

名古屋市の中心部にある本町クリニック服部神経内科は、神経内科医である服部達哉先生が1999年に開業。神経疾患を専門としてきた服部達哉先生が認知症治療にあたると共に、認知症患者さんが暮らしやすい地域にするため、医療・福祉のネットワーク作りに尽力。副院長の服部優子先生は、音楽療法も取り入れて認知症の予防・進行抑制に効果を見いだしています。

神経内科医として地域で高齢者を支える

院長である服部達哉先生(以下、服部先生)は、順天堂大学医学部附属順天堂医院に勤務していた時代から、パーキンソン病やレビー小体型認知症を専門とし、神経内科医として認知症治療に携わってきました。

副院長 服部優子先生 副院長 服部優子先生

中核病院が早期退院を推進するなか、パーキンソン病などの神経難病患者さんに対する地域医療の受け皿が整っていないと感じた服部先生は、その受け皿となるため大学病院があった東京を離れ、生まれ育ったこの地に本町クリニック服部神経内科を開業。外来診療を行うだけでなく、同じく神経内科専門医である副院長の服部優子先生(以下、優子先生)と共に、神経難病患者さんへの往診も行っています。

「私たち専門医が往診したり、または私たちが助言しながら地域のかかりつけ医が往診することで、神経難病患者さんが病院まで通わなくても、地域で治療を受けながら安心して生活していけるのではと考えたのが開業のきっかけです。開業に際して、アルツハイマー型などの認知症の治療にも地域で積極的に取り組んでいこうと決意しました」(服部先生)。

同クリニックでは神経内科のほか、内科とリハビリテーション科を標榜。認知症の症状があって地域のかかりつけ医から紹介されてくる患者さんや、自分で認知症を疑い受診する患者さんの治療にあたってきました。開業後14年を超えた今、これまで高血圧などの内科疾患で同クリニックに通院していた患者さんが高齢者となり、認知症の症状があらわれ、治療に入っていくことも増えてきました。

優子先生は「診察の短い時間では気がつかなくても、何回も同じ用件で電話をかけてきたり、支払いで小銭が出せずいつも一万円札を出されるなど、ちょっとした変化を見逃さないのが大切」とスタッフ全員で観察眼を光らせています。

 

市レベル区レベルで医療・福祉連携のネットワーク作り

服部先生は、名古屋市医師会の副会長を務めており、医師会が展開する「なごや認知症安心安全プロジェクト」を推進しています。地域の住民が認知症になっても安心して暮らせるよう、専門医のサポートを得ながらかかりつけ医が認知症治療に取り組める体制、住民が困ったときに専門機関に相談できる仕組み作りを行っているのです。

プロジェクトでは、認知症に関する心配や相談を受け付ける「もの忘れ相談医」制度を設立。2013年9月現在で市内の700人超の医師が登録、もちろん服部先生と優子先生も名を連ねています。

また、医師会内に介護保険・認知症対策委員会を作り、地域包括支援センターや訪問看護ステーション、介護施設など介護事業者との連絡協議会を設けて医療と福祉・介護の連携を進めています。

さらに服部先生は、名古屋市中区においても認知症研究会を立ち上げ、年に2回、医療従事者と介護従事者、行政担当者が一堂に会して勉強会などを行っています。

「立ち上げた最初の会合は、介護従事者は行政や医療に対して不満を抱えていましたし、医療側も介護側に対して要望が多くあり、お互いの意見をぶつけ合い少々深刻な会となりました。しかし、研究会で顔を合わせ、人柄を知って仲良くなることで、顔の見える信頼関係をベースにした連携ができるようになりました」(服部先生)。

市単位、そして区単位で医療・福祉連携のネットワーク作りに力を注ぐ服部先生。

「顔の見える連携作りは道ができつつあるので、私たちの代だけで終わるのではなく今後も協力しあって続けていってくれればうれしいですね」(服部先生)と表情をほころばせます。そして、病診・診診連携をさらに密接に行うことを課題ととらえています。

「今後は、現在の名古屋市医師会病診連携システムという病院とかかりつけ医のネットワークのなかにも、認知症治療で機能する仕組みを盛り込みたいですね。そうすれば、在宅の患者さんが入院するときなどに情報を共有して、主治医が変わっても常に患者さんに適切な医療を提供できるのではないかと考えています」(服部先生)。

 

開業当初から音楽療法を取り入れ、表現の喜びを

幼少からピアノをたしなみ音楽に親しんできた優子先生。音楽療法士の資格も持つ優子先生は、クリニック開業の際に音楽療法室も整備し、パーキンソン病のリハビリや認知症治療に活かすため、かねてより興味を持っていた音楽療法を導入しました。

音楽療法は、患者さんが歌ったりや楽器の演奏をするほか、音楽を使った体操をしたり、音楽に関わる会話をすることで、脳を活性化させたり、心身をリラックスさせて気持ちを落ち着けたりする効果があるといわれます。音楽療法でさまざまな感覚に訴えることで脳が刺激され、軽症の患者さんの場合は認知機能検査の点数が改善したり、やる気が出てくることもあるそうです。

優子先生は「音楽療法は、症状が軽度でも重度でも、一緒に参加できます。進行度の違う人が合奏などで共に同じ曲を奏でることもでき、患者さん同士のコミュニケーションもなりたちます」と音楽療法のメリットを語り、それぞれに目が行き届くよう少人数のグループで音楽療法を行っています。

また音楽療法に先立ち、その方の好きな歌を尋ねたり、生活史を話してもらっています。好きな歌を歌ったり、触れたことのある楽器を用いるなど、音楽療法に活かすためでもありますが、ご家族との話をしたり、歌にまつわる思い出を引き出すことで、心や脳に刺激を与えることもできるからです。

「認知症が進行して会話ができなくなった人でも歌なら歌えることがよくあります。さらに歌えなくなっても楽器ができたり、リズムをうつことができます。音楽を使って表現することで、顔の表情がよくなりますし、ご本人の自信につながるのです」(優子先生)。

 

音楽療法の時間で家族との関係が良好に

音楽療法には認知症治療以外の面でも手応えを感じています。

「ご自分の名前を言えなくなった患者さんが唱歌を歌っている姿を見たご家族は、歌を歌ったり表現する機能がまだ残っているととても喜んでくださいます。音楽療法に立ち会うご家族にとっては、音楽室で患者さんが穏やかに過ごす時間を『家族との時間』として共有できることも、音楽療法のよいところなのです。」(優子先生)。

服部先生も「コミュニケーションは言語だけではないので」とうなずき、音楽によるコミュニケーションが患者さんとご家族にいい効果をもたらすことを示唆します。認知症の発症によって患者さんとご家族の関係が悪化する場合もありますが、音楽療法を通してお互いの距離が縮まることで、関係の改善につながることもあるのです。

「症状が進行して施設に入所し、音楽療法を続けられなくなった患者さんがいました。しかし、その後はご主人が患者さんのために音楽療法に通い続け、ここで行ったセッションを施設で面会するときに再現していたそうです。その後奥さんは亡くなられましたが、共に過ごした時間を振り返ると、十分に介護ができたという満足感があるようでした」(優子先生)。

患者さんを送迎するご家族同士が音楽療法のたびに顔を合わせることで、家族間での交流も生まれ、介護の悩みなどを相談し合えるようになると服部先生は語ります。ご家族同士の交流が、介護者の不安やストレスの軽減につながることが期待されています。

 

周囲に援助されて穏やかに生きられる環境作りを目指す

市や区でのさまざまな活動を通じて地域連携を先導してきた服部先生が目指すのは、認知症患者さんが「穏やかに生きる」ことを実現できる環境です。

「認知症という病気は、どこまでが老化によるもの忘れなのか、どこからが病気の症状なのかわかりにくいものです。認知症になっても、周囲の援助を受けながら、なるべくその人らしく生きていければいい。患者さん自身も、周りの人も楽しく生きられる環境を作ることを考えています」(服部先生)。

診察室から積極的に地域に出て行き、二人三脚で地域医療の一翼を担ってきた服部先生と優子先生の取り組みは、患者さんを支えるためにこれからも続いていきます。

 

 

取材日:2013年7月23日

本町クリニック服部神経内科の外観1
本町クリニック服部神経内科の外観2

本町クリニック服部神経内科

〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄3丁目20-29
TEL:052-249-0101

施設のホームページへ

 

 

 

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