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医療と介護の融合をめざす有床クリニック
<宮崎県西諸県郡高原町 医療法人豊寿会 川井田医院>

川井田医院 理事長 川井田繁先生 川井田医院
理事長 川井田繁先生

デイサービスやグループホームも運営する有床クリニック、川井田医院は、病院や福祉施設が複数ある都市部から距離がある宮崎県高原町で、高齢者が安心して暮らせるように、医療と介護の融合に取り組んでいます。

町立病院で築かれたつながりを土台に開業

宮崎県高原町は、鹿児島県に隣接し霧島連峰を仰ぎ見る、その名の通りの“高原の”町です。約1万人の町民の3人に1人以上が65歳以上で、超高齢化が進む日本の将来を先取りした状況にあります。

この町に川井田医院が開業したのは1989年のことでした。理事長の川井田繁先生は鹿児島市の出身で高原町とは縁がなかったのですが、鹿児島大学医学部を卒業した後の1979年、大学から出張するかたちで高原町立病院に勤務、さらに同院の院長を務めました。そして地域住民との信頼関係が築かれたこの町で開業することに決めたのです。

川井田繁先生の専門は血管外科で、高原町立病院時代も開業後も消化器外科を中心に据えていますが、医療機関の少ない土地では術前・術後の管理や基礎疾患の治療も手がける必要があり、今では外科・内科・胃腸科・肛門科・放射線科・リハビリテーション科と診療の幅が広がっています。

 

介護保険制度と同時にグループホームをスタート

川井田医院 理事 川井田由美子さん 川井田医院
理事 川井田由美子さん

認知症医療に取り組むきっかけは、介護保険制度の誕生でした。「制度スタート前の1999年、東京での勉強会に参加して、医療者も新しい制度について学ぶ必要性を感じました。そこで、理事長と2人でケアマネジャー資格を取得することにしたのです」と語るのは、理事であり看護師でもある川井田由美子さんです。

「1回目のテストでしたから、テキスト以外に情報がなく、準備期間も3ヵ月ほどで、寝る間も惜しんで勉強しましたね」と川井田繁先生も当時を振り返ります。

最初の挑戦で2人とも合格を果たし、1996年に開設していたデイケアを2000年の介護保険制度開始時にデイサービスへと改組、ほぼ同時期にグループホームを立ち上げました。現在は、2つのグループホームであわせて5ユニット(定員各9名)を運営しています。

同院は有床診療所で、一般病床(5床)と療養型病床群(医療保険型2床・介護保険型10床)を有しており、また、2012年には新しい診療棟を増設し最新のCTも導入。地域の医療と高齢者福祉を支える重要な存在となっています。また、外来では資格を生かして鍼灸外来やリンパ浮腫の方へドレナージを行っています。

「もともと血管外科であった夫の技術を支えたいと思い息子と2人でリンパドレナージ技能者の資格を取り遠方からの患者さんも受けて行っています。農業や自営業が多い土地柄で年金などの現金収入が少ないことや、介護に従事できる若い働き手が不足しているという地域としての課題がありますが、医療と介護を融合させることで、高齢者が安心して暮らせる町をつくりたいと考えています」と川井田由美子さんは語ります。

 

顔なじみの患者さんの兆しに気付くことも

「認知症に取り組みだした頃は、脳血管性認知症での治療が多かったのですが、アルツハイマー型認知症についても、その研究と理解が進むのに従って、患者さんが増えてきました」と川井田繁先生は語ります。

ご家族や知人などからの相談で診断・治療となる患者さんだけでなく、長年同院をかかりつけにしている患者さんを診察している時に、異変に気付くことも少なくないといいます。「もの忘れや言動の変化だけでなく、服装にも気を付けています。少しだらしなくなったとか、身だしなみがその人らしくないというのは、早期発見のための有効なチェックポイントです」(川井田繁先生)。

認知症の疑いがあれば、患者さんへの問診、ご家族からの聞き取り、長谷川式簡易評価スケールやMMSE(認知機能検査)などのテスト、CT、MRI、血液検査などで診断し、治療を開始します。また、必要に応じて精神科や専門医への紹介も行います。

 

早期発見・早期治療のため、診断をためらわない

認知症治療で何より大切なのは早期発見・早期治療であり、一般医も認知症と診断することをためらわない方が良い、と川井田繁先生は考えています。

「例えば、がんの診断では最終的に組織を採取して生検を行いますが、認知症に生検はありません。MRIも補助検査であり、結局は症状に注目するしかないのです。かかりつけ医だからこそわかる言動の微妙な変化が重要です。どんなに優秀な専門医の先生も初めて診る患者さんの診断は難しいのですから、かかりつけ医が時に踏み込んで治療を始めることも必要です」(川井田繁先生)。

現段階の治療は進行を抑えることを目的としていますから、診断に慎重になって疾患が進んでしまうリスクは避けるべきだという考えです。

かつては認知症をご家族が隠そうとすることもありましたが、最近は病気について世間の理解も広がり、早い段階で相談されるケースも増えてきました。「しかし、ご家族の暮らしに介入する必要もしばしば生じるので、信頼関係を崩さないよう十分な配慮を忘れてはいけないと考えています」(川井田繁先生)。

 

病床には認知症患者さんも多く入院

療養型病床群に入院しているのは要介護度4~5の患者さんで、多くが認知症を合併しています。また、身体疾患や肺炎などで一般病床に入院する患者さんも同様に認知症をもっていることが少なくありません。

川井田医院 看護師 下園律子さん 川井田医院
看護師 下園律子さん

看護師の下園律子さんは「認知症患者さんは、療養型の方は特に意思疎通も難しい状態ですが、なるべく声をかけるようにしています。信頼関係の基本ですし、昼夜逆転しがちな患者さんの場合、声かけで朝晩のリズムが生まれます」と語ります。寝たきりの患者さんであっても、夜には眠れるように、日中の働きかけは欠かしません。

「介護保険型の療養病床は2017年度末には廃止されます。小規模特別養護老人ホームに改組するか、介護老人保健施設とするか、悩みは尽きませんが、医療と介護を融合させて乗り切れる仕組みを考えていきます」(川井田繁先生)。

 

デイサービス、グループホームでは楽しい時間を

川井田医院・デイサービス係長 社会福祉士 吉行裕徳さん 川井田医院・デイサービス
係長 社会福祉士 吉行裕徳さん

デイサービスは60代から90代まで合計で50名余りが利用されています。認知症患者さんと、認知症ではない利用者さんが共に気持ちよく過ごせる空間づくり、プログラムづくりに力を入れています。デイサービスの介護主任の吉行裕徳さんは「楽しく過ごしていただくのが何より大事ですが、利用者さんは当然、スタッフより目上の方たちなので、敬意をもって接することを忘れてはいけないと思っています」と語ります。

川井田医院・グループホーム皇子原 係長 介護福祉士 甲斐慎一郎さん 川井田医院・グループホーム皇子原
係長 介護福祉士 甲斐慎一郎さん

川井田医院・グループホーム皇子原 介護士 小久保沙織さん 川井田医院・グループホーム皇子原
介護士 小久保沙織さん

川井田医院・グループホーム皇子原 介護士 今西佳美さん 川井田医院・グループホーム皇子原
介護士 今西佳美さん

グループホームでは9名ずつ5ユニットで45名の利用者さんが生活を共にしています。楽しく暮らせる環境づくりを基本に、リハビリテーションにも力を入れています。グループホーム皇子原の管理者の甲斐慎一郎さんは「スタッフによってケアや対応が違うと、患者さんが混乱します。きちんと情報を共有し、同じ意識をもって取り組めるチームケアをめざしています」と語ります。

「入所時は興奮状態だった患者さんが、実は寂しい思いを抱えているのでは?とスタッフが気付き、他の利用者さんがいるホールで過ごすようにすると、日に日に落ち着いてこられました。私たちのアプローチが良い結果につながった時は本当にうれしいですね」と仕事のやり甲斐を語るのは介護士の小久保沙織さん。

また、介護スタッフの今西佳美さんは「小規模な施設なので、利用者さん一人ひとりの人柄を知ってケアできるのがうれしいですね」と、施設の魅力を語ります。

長年にわたって地域の医療を支えてきた医療者たちと、介護職の若手たちとの連携の取り組みは、これからも続きます。

 

 

取材日:2013年11月20日

川井田医院の外観

医療法人豊寿会 川井田医院

〒889-4412
宮崎県西諸県郡高原町大字西麓173-3
TEL:0984-42-2000

施設のホームページへ

 【 川井田医院 通所介護 】
 TEL:0984-42-3775

 

グループホームふれあい園の外観

医療法人豊寿会 川井田医院
グループホームふれあい園

〒889-4504
宮崎県都城市高崎町東霧島752-3
TEL:0986-62-2340

医療法人豊寿会 川井田医院
グループホーム皇子原

〒889-4412
宮崎県西諸県郡高原町大字西麓173-3
TEL:0984-42-2000

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