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往診・訪問診療で、地域の認知症患者さんとご家族を支える
<和歌山県和歌山市 おくむらクリニック>

院長 奥村匡敏(まさとし)先生 おくむらクリニック
院長 奥村匡敏先生

おくむらクリニックは、和歌山市の南海本線和歌山市駅から徒歩10分ほどのところにある精神科クリニックです。同院ではクリニック内での診療に加え、認知症を中心とした精神科の往診・訪問診療を行い、通院困難な患者さんとそのご家族を支えています。

認知症疾患医療センターなどで診療を経験、クリニックを開業

クリニックの入口 クリニックの入口

おくむらクリニックは駅前のビジネスエリアに位置していますが、そばには市堀川が流れ、わずかながら自然を感じられる場所でもあります。院長の奥村匡敏先生は、開業にあたってこの場所を選んだ理由を「この川がきれいだったので」と笑います。

奥村先生が精神科医を志したのは、小学生の頃。平成8年に奈良県立医科大学卒業後は出身地である和歌山県に戻り、国保日高総合病院や和歌山県立医科大学附属病院などに勤務、両院に設置されている和歌山県認知症疾患医療センターでの診療も経験しました。

開業について「選択肢の一つとして、ずっと頭にあった」と語る奥村先生は、約17年の病院勤務ののち、平成25年8月に同クリニックを開設。精神科診療全般とともに、認知症の治療にも積極的に取り組んでいます。

 

丁寧な問診で、日常生活の様子を確認

明るく落ち着いた雰囲気の受付 明るく落ち着いた雰囲気の受付

同クリニックには近隣からはもちろん、和歌山県南部や大阪府など、遠方からも患者さんが訪れます。来院のきっかけについて奥村先生は、「私が認知症疾患医療センターで診療していたことの流れもあるでしょうし、訪問介護を行っている介護施設のスタッフからの口コミもあるようですね」と分析します。

認知症を診察するうえで奥村先生が大切にしているのは、日常生活の状態を確認することです。初診時には1時間ほどかけて問診を行い、日常生活の中でできていること、できていないことを、患者さんご本人とご家族などの双方から丁寧に聞いていきます。その後、必要に応じて認知機能テストや、近隣病院に依頼してMRIなどの画像検査を行い、認知症かどうかの診断を行います。画像検査によって硬膜下血腫などの病変が見つかることもあるので、画像検査はなるべく全員の患者さんに受けてもらうようにしています。

認知症の診断に際しては、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症などの鑑別も行います。しかし、受診のきっかけとなるような、ご家族や介護者が困っている症状は結局のところ疾患によらず似ていることが多いため、鑑別だけにとらわれるのではなく、その人の性格や生活様式に応じた治療に重きを置いています。

 

軽症のうちから介護保険サービスを活用し、さらなる進行を抑制

認知症と診断した場合は、患者さんやご家族と相談しながら治療方針を決定します。その際に重視しているのは“介護との連携”です。奥村先生は、重症度にかかわらずすべての認知症患者さんに、デイサービスなどの介護保険サービスを積極的に利用するように勧めています。

介護保険サービスの利用は、ご家族の介護負担軽減のためだけでなく、認知症の進行を抑制することにもつながります。外の空気に触れ、さまざまな人と触れ合うことが脳の活性化につながります。できるだけ家に閉じこもらないようにするためにも、介護保険サービスの利用は有効だと奥村先生は考えています。

「中には介護保険サービスを『利用したくない』と抵抗を示す患者さんもいらっしゃいますが、多くの観察研究で社会参加や余暇活動が認知機能低下の抑制に有用であることが示されていることを丁寧にご説明して、サービスの利用を促しています」(奥村先生)。

初診の段階ですでに何らかの介護保険サービスを受けている患者さんの場合は、利用している介護施設から患者さんの様子や印象、介護スタッフの意見など患者さんに関する情報を収集し、それを治療に活かしています。一方、介護施設からは職員向けの勉強会、研究会で講師を依頼されることもあり、お互いに協力しあいながら患者さんの治療・ケアに取り組んでいます。

 

認知症患者さんご本人に適したお薬の見極め

薬物治療を行う際は、現在4種類ある認知症治療薬について説明し、「この中からご本人に合うお薬を探していきましょう」と患者さんやご家族に伝えています。そして服薬を開始した後は、まず副作用が起こっていないかどうかを確認し、問題がなければそのまま継続して経過を観察します。さらに、定期的な診察で患者さんやご家族から普段の体調や日常生活の様子を聞き取り、患者さんの状態に応じて処方を変更しながら、ご本人に適した薬物療法を見極めていきます。

 

高まる精神科の往診・訪問診療へのニーズ

同クリニックの大きな特徴は、クリニック内での診療に加え、通院が難しい患者さんのために自宅や介護施設などへの往診・訪問診療を行っていることです。

「始める前は、往診に求められているのは内科医であって精神科医ではないのかなと思っていました」という奥村先生。しかし、実際に始めてみるとニーズは高く、今では午前の診療と午後からの診療の間に毎日、往診・訪問診療に出かけています。

往診・訪問診療は患者さんが普段生活している場所で診察を行うため、患者さんの状態を把握しやすく、生活指導もしやすいという利点があります。その一方で、精神科の診療だけでなく、身体的な診療も求められるという難しさがあると奥村先生は話します。もちろん身体的な診療を行うことも可能ですが、「内科医に診てもらった方がいいのではないか」と感じることもあり、ご家族にそう伝える場面もあるそうです。

「認知症でも穏やかに過ごせていれば良いのですが、どんな患者さんにも多かれ少なかれBPSD(周辺症状)はあります。本当は病院に連れて行きたいと思っていても、患者さんが抵抗してうまく連れ出せないこともあるでしょう。ご本人、ご家族のニーズに応えたいと思います」(奥村先生)。

それまで通院していた患者さんが訪問診療や往診に移行する場合も少なからずあって、今後も精神科の往診・訪問診療に対するニーズはますます高まるだろうと奥村先生は考えています。

 

すべての患者さんが治療を受け、安心して暮らせる地域ケアの実現を

平成25年10月末の和歌山県の要介護(要支援)認定率は21.9%で、全国平均の17.9%を上回っています(厚生労働省 介護保険事業状況報告 月報 平成25年10月分)。それでも「認知症や精神症状があるために治療を受けられていない患者さんが少なからずいらっしゃるはずです」と奥村先生は指摘します。

大切なのは、まず診察を受けてもらうこと。そのためには、同クリニックのように精神科の往診・訪問診療を行っている医療機関があることをもっと多くの人に知ってもらい、そして大いに利用してほしいと奥村先生は願っています。

すべての認知症患者さんが治療を受け、住み慣れた場所で安心して暮らせる医療・ケアの実現のために、奥村先生はこれからもクリニックの診察室で、あるいは患者さんのご自宅や介護施設で、患者さん一人ひとりとしっかり向き合う診療を続けていきます。

 

 

取材日:2014年1月25日

おくむらクリニックの外観

おくむらクリニック

〒640-8158 和歌山県和歌山市十二番丁9 リヴァージュ十二番丁ビル2F
TEL:073-435-0510

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