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100年の歴史を持つ、地域に根ざした精神神経科病院として、
地域連携の中心を担う
<東京都台東区 医療法人財団 神経科 土田病院>

神経科土田病院 院長 遠藤眞実先生 神経科土田病院
院長 遠藤眞実先生

明治の開業以来、100年以上にわたり地域性を大切にした診療を続けてきた土田病院。地域住民を何世代にもわたり見守り、助け合いながら発展してきました。認知症に対しては、患者さんの“心”を大切にした診療を行い、台東区内の地域包括支援センターや特別養護老人ホームなど介護福祉施設職員とのケースカンファレンスや、区民を対象とした区役所での認知症相談など、地域の認知症ケア全体を支える多彩な活動に取り組んでいます。

先代の院長時代から高齢者のケアに注力

遠藤眞実先生が土田病院の5代目院長に就いたのは2012年。59年間現役を貫いた父親であり先代院長の後を継いでのことでした。

「台東区の高齢化率は約25%で、23区では北区と並んで高い数字を示しています。当院でも自ずと高齢者を診る機会は多く、先代の院長はずっと高齢者の健康管理に力を注いでいましたし、私もその流れを受けて、痴呆症と呼ばれていた頃から認知症診療に取り組んできました」(遠藤先生)。

100年を超える歴史を持つだけに地元との関係は深く、患者さん同士の紹介や近隣の内科、整形外科などのクリニックからの紹介で来院する方が多いといいます。

「認知症の疑いがあって来院する場合もあれば、うつや統合失調症などの基礎疾患があり受診していた患者さんが高齢になって認知症を発症する場合もあります。正直なところ、うつと初期の認知症の鑑別は難しいケースが多いので、病名にこだわらずさまざまな角度から症状を診るように心掛けています」(遠藤先生)。

 

患者さんの負担を考慮しつつ、ご家族に納得してもらえる診療を行う

同院では、初診の場合、まず精神保健福祉士が問診を行い、必要に応じて長谷川式簡易評価スケールによる検査、脳波のチェック、CTによる画像診断を行います。

「時間がかかる検査は高齢の患者さんには負担になることもありますので、当院ではできるだけ待ち時間を短くするなど配慮しています」(遠藤先生)。

検査の結果は、患者さんとご家族に“数字”と“画像”で端的に示しています。

「認知症に対する理解が一般に広がってきていますが、自分の親が実際に発症したということを事実として認めたくないご家族もおられます。その場合、長谷川式の数字とCTの画像で具体的に示すなど、納得が得られるように話をすることを大事にしています」(遠藤先生)。

 

地区の介護施設職員とのケースカンファレンス

やなか地域包括支援センター/特別養護老人ホーム谷中 施設長 千葉明子さん やなか地域包括支援センター
/特別養護老人ホーム谷中
施設長 千葉明子さん

あさくさ地域包括支援センター/特別養護老人ホーム浅草 施設長 山昌幸さん あさくさ地域包括支援センター
/特別養護老人ホーム浅草
施設長 山昌幸さん

みのわ地域包括支援センター/特別養護老人ホーム三ノ輪 施設長 勝又宏さん みのわ地域包括支援センター
/特別養護老人ホーム三ノ輪
施設長 勝又宏さん

台東区では7ヵ所の地域包括支援センターをはじめ、区立特別養護老人ホーム、区立デイサービス他が活発に事業を行っています。遠藤先生は『認知症は地域でのサポートが最も重要』と考え、1999年から区内の介護サービス事業所で、職員とのケースカンファレンスを定期的に行い、地域連携の礎を築いてきました。

現在、台東区内の3つの地域包括支援センターと特別養護老人ホームで施設長を務める、千葉明子さん、山昌幸さん、勝又宏さんは、当時、認知症対応型デイサービスを含む高齢者在宅サービスセンターで働き、遠藤先生とのケースカンファレンスを通じて認知症の方に対する理解を深め、先生と深い信頼関係を築いている間柄です。

「遠藤先生は利用者さんと向き合う上で一番大事なことは“心”だといい、認知症の方こそ、背景を理解して関係を築くことが大事だ、とケースカンファレンスを通じて伝えてくださっています」(千葉さん)。

「私たちが困る利用者さんの行動とその対応についてケースカンファレンスで取り上げるのですが、ご家族との関係、家での様子、服用薬など、多角的に掘り下げ、先生からわかりやすい臨床像をあげてアドバイスをいただく中で、その方に合った対応が明確になってきます。カンファレンスによって、職員が冷静に利用者さんを観察し、対応する知識、能力が身についていると思います」(山さん)。

月に1回、各事業所で行ってきたカンファレンスは、認知症の方に対するケア能力の底上げや、利用者さんと向き合える前向きな姿勢など、職員の育成に貢献している、と活動の意義を実感しています。

「2013年に都内で開催された高齢者福祉研究大会で、施設の取り組みを発表しました。遠藤先生のように精神科医が認知症デイサービスの勉強会・事例検討会にかかわっていることは、都内でもあまり例がないようで、関心が高かったです。重要な取り組みであることをあらためてかみしめ、この実績を次の世代につないでいきたいと強く思いました」(勝又さん)。

 

特別養護老人ホームの主治医とも緊密な関係を構築

遠藤先生は、特別養護老人ホーム入所者さんの主治医である内科の先生とも連携を取っています。

「認知症のある方の場合、内科の先生から『遠藤先生にも今回の処方内容は共有しておいて』と依頼されることや、遠藤先生のほうから『少し薬が効き過ぎているようなので』と相談されることがあります」(千葉さん)。

自然と会話がはずむ、長く地域の認知症介護福祉を共に支えてきた皆さん 自然と会話がはずむ、長く地域の認知症介護福祉を
共に支えてきた皆さん

「転院を繰り返し、たびたびてんかん発作を起こしていた方が特養に入所後、安定した生活が送れるようになり、症状が治まっているのに、以前のてんかんの薬を継続している場合などには、患者さんの背景と状態を考慮し、内科の先生と相談して、処方内容を検討しています」(遠藤先生)。

主治医の先生を尊重しながら、必要なときに専門的な視点で介入することによって、主治医の先生にとっても遠藤先生は頼れる存在となっているようです。

 

認知症の早期受診につなげるために、地域で多彩な活動

「台東区は行政の取り組みが熱心であり、よい形でのご近所づきあいが残っているため、地域で認知症の方を見守る体制が整っているほうだと思う」といいつつも、「早期発見・受診につながり、診断後、長く地域で見守る体制づくりはまだ不十分」と遠藤先生は話します。

認知症の症状・治療で困っている区民に向け、台東区が区役所で行っている認知症相談を担当しているのも遠藤先生。さらに、認知症に対する理解を深めるため、地域の内科医や保健師さんに向けてのレクチャーを行っています。

「こと認知症に関しては、院外での仕事のほうが多いかもしれませんね」と苦笑する一方で、先生は「皆さんが認知症に関する正しい知識を持つことが早期の受診に、さらにはご家族の介護負担の軽減につながるはず」と、その意義を語ります。

「台東区は下町ということもあって地域の中でのつながりが強く、医師と患者さんの関係もフランクです。かかりつけの先生が家族のように患者さんに接しているのはとてもよいことなんですが、長く診ているため、ちょっとしたもの忘れなどを加齢によるものだと判断してしまうことがあります。患者さんの薬の飲み忘れや受診日の間違いなどが続けば、かかりつけの先生にも長谷川式簡易評価スケールなどの検査をしていただきたいですね。一方で、BPSD(周辺症状)が著しい患者さんは専門医が診るなど、みんなで患者さんを診ることができるようにしていきたいと思います」(遠藤先生)。

 

今後も「地域性・普遍性・柔軟性」の気持ちをもって

土田病院の歴史を表すステンドグラスを前に、台東区の地域医療・福祉に取り組む遠藤先生と皆さん 土田病院の歴史を表すステンドグラスを前に、
台東区の地域医療・福祉に取り組む遠藤先生と
皆さん

院外でこれほど多くの仕事を抱える中で、遠藤先生はさらに「ケアマネジャーや相談員などのケアも私の役割」だと明言します。

「例えば、認知症の方を介護するご家族が精神疾患を有している場合、その相談にあたる介護職が抱える負担は相当大きい」(山さん)という現実があるからです。

「地域包括支援センターからの要望で、ケアマネジャーさんの相談にものっています。『そういうときは聞き流してもかまいませんよ』などといった具体的なアドバイスで介護職の方の心の負担を軽くし、よい方向に向かっていくサポートができればよいと思っています」(遠藤先生)。

現場の声を聞くことは私自身の勉強にもなる、と遠藤先生は表情を引き締めます。

「長い歴史があって伝統のある病院だからといって慢心することなく、当院の根幹理念である“地域性・普遍性・柔軟性”を常に心掛けて、患者さんと地域に向き合っていかなければならないと思っています」(遠藤先生)。

 

 

取材日:2014年1月15日

土田病院の外観

医療法人財団 神経科 土田病院

〒110-0002
東京都台東区上野桜木1-12-12
TEL:03-3822-2201

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社会福祉法人 台東区社会福祉事業団

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