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在宅医療に力を注ぎ、患者さんの“物語”に向き合う医療を提供
<埼玉県所沢市 医療法人社団みずの会 みずの内科クリニック>

院長 水野康司先生 院長 水野康司先生

みずの内科クリニックは、2000年の開院以来、訪問診療と往診を行うとともに、訪問看護や居宅介護支援などのサービスも提供するなど、在宅医療に注力しているクリニックです。院長の水野康司先生を中心に、高齢化しつつある地域での「最期まで住み慣れた家で暮らしたい」という願いに応えています。

訪問診療と訪問看護で在宅医療の要に

東京都心のベッドタウン・埼玉県所沢市の閑静な住宅街にあるみずの内科クリニックは、2000年に内科を専門として開院し、地域に根ざしたクリニックとして当初から訪問診療や往診を行ってきました。

院長の水野康司先生は、秋田で医学を学び、その後も秋田にとどまって医療に従事していた経験から、医師や看護師などの医療スタッフとケアマネジャーなどの介護職員が連携し、地域で患者さんの在宅生活を支えることに関心を抱いていました。そんななか、「前職の所沢市市民医療センター時代に終末期の患者さんなどへの訪問診療を行っていたこともあって、開院後もその患者さんたちを引き受けるために訪問診療を始めたのは自然な流れでした」(水野先生)。

訪問診療を行っていることが徐々に口コミで広まり、開院から14年を経た今では、受診する患者さんはクリニック近隣のみならず、市全体にまで広がっています。同時に、がん研有明病院などの大病院からも、退院後に訪問診療を希望する入院患者さんについての相談が寄せられています。開院以来、500人を超える在宅患者さんを診療し、200人以上の患者さんの看取りも行ってきた同クリニックは現在、在宅医療を支える拠点である「機能強化型在宅療養支援診療所」として認可されています。

 

物忘れ相談プログラムも導入し、認知症早期発見に努める

タッチパネル式パソコンによる認知機能テストの様子① タッチパネル式パソコンによる認知機能テストの様子①
タッチパネル式パソコンによる認知機能テストの様子② タッチパネル式パソコンによる認知機能テストの様子②
タッチパネル式パソコンによる認知機能テストの様子③ タッチパネル式パソコンによる認知機能テストの様子③ 

「実は開院当初、認知症にはあまり関心を寄せていませんでした」と語る水野先生は、これまで認知症を取り巻く社会状況の変化に対応しながら治療に取り組んできました。開院後10年以上経過し、内科を受診していた患者さんが高齢化したことも認知症診療の機会が増えた要因となっています。

「短い診療時間の中で、患者さんが認知症かどうかを見極めるのは困難」と語る水野先生は、クリニック内外のスタッフからの情報が認知症の早期発見に重要であると言います。

「例えば、服薬管理をしている薬局の薬剤師さんやヘルパーさんから頂く患者さんの服薬忘れの情報が認知症発見のきっかけになることがよくあります」(水野先生)。

さらに同クリニックでは、“物忘れ相談プログラム”というシステムを導入し、認知症の早期発見に努めています。患者さんが音声の指示に合わせてタッチパネル式パソコンを操作し、5分程度で5つの質問に答えるとスコアと診断結果が表示される仕組みになっています。物忘れに不安をお持ちの患者さんを対象に無料で実施しており、医師への診察が必要かどうかを簡便に見極めることができます。

 

クリニック内外で多職種が連携し、患者さんを見守る

事務 野田多賀子さん 事務 野田多賀子さん
ケアマネジャー 土成幸恵さん ケアマネジャー 土成幸恵さん

早期発見に努めるのは、スタッフでも同様です。外来受付を担当する野田多賀子さんは、患者さんが診察時間以外でのぞかせる言動に目を配ります。

「薬を処方して間もないのにすぐにお越しになったり、保険証の提示をお願いすると、『そんなものは持っていない』『またなくなった』と言ったりするなど、言動が少し気になる患者さんについての情報はスタッフに逐一伝えるようにしています」(野田さん)。

日頃からちょっとした情報の共有をスタッフ同士で心がけるほか、週1回、水野先生をはじめ外来担当と訪問担当の看護師、ケアマネジャーなどでカンファレンスを実施し、そこで各スタッフからの情報をもとに次回診察時に認知機能テストを行うかなどの治療方針を決めています。

同クリニックに併設された居宅介護支援サービス事業所「すずらん」のケアマネジャーである土成幸恵さんも、「月に1回だけ利用者さんにお会いすることで、毎日顔を合わせているご家族では気づきにくいような症状に気がつくこともあります」とちょっとした変化を注意して観察するようにしています。

さらに、「介護施設のスタッフや介護用具を搬入していただいている業者さんの担当者から『利用者さんにちょっと変わった様子がある』などと連絡を頂くこともあります」と、クリニック内外を問わずさまざまなスタッフとのちょっとした情報交換も重要であると土成さんは強調します。

一方、認知症と診断された後にご家族に伝える際は、伝え方やタイミングによってはご家族を傷つけることもあると、配慮の必要性を土成さんは語ります。ご家族に十分納得していただいたうえで治療を始めるために、スタッフと深く情報共有・意見交換し、適切に対応しています。

 

在宅医療は患者さんの“物語”に寄り添う医療

「在宅医療はエビデンスの医療ではなくナラティブ(物語)の医療」と水野先生は言います。パターン化、マニュアル化して効率化を目指すのではなく、患者さん一人ひとりの思いや考え方、これまでの人生などの“物語”に寄り添うことでより良い医療になる、というのが水野先生の考えです。             

主任看護師 鍵山佳子さん 主任看護師 鍵山佳子さん

水野先生が自身の右腕と表現する主任看護師の鍵山佳子さんは、外来診療補助のほか、訪問診療のスケジュール調整、訪問診療への同行も担当するなかで、「在宅医療は、できるだけ患者さんにその方らしく過ごしていただくのが基本です」と語ります。例えば、肺がん末期の患者さんがたばこを吸いたがっている時でも、病状を鑑みながら、できる限り患者さんの希望に寄り添います。

「病院とは違って、ご自宅ではお酒もたばこも手に届くところにありますから。患者さんの気持ちを大切にしていると振り回されることもありますが、それも覚悟のうえで、私たちは在宅医療を引き受けています」(水野先生)。

それと同時に、患者さんの介護を日頃担うご家族への配慮も忘れません。「在宅患者さんの支援にはご家族のサポートが不可欠です。ご家族が疲弊せずに生活できるようサポートすることも、私たちの重要な責務です」と鍵山さんは付け加えます。

このように在宅で患者さんの希望をできるだけかなえられるように取り組んできた結果、「『ありがとう』と感謝して亡くなられる患者さんや『家で看取ることができてよかった』と喜ばれるご家族が多いです」(鍵山さん)。

 

より機能を充実させ、患者さんにとってより身近なクリニックへ

「各部署で要となるスタッフが、近年子育てを終え仕事に没頭できる環境になったことも、在宅医療に力を入れられる体制が整った要因です」と話す水野先生。スタッフが整い、クリニックとしてのスキルが蓄積された今、次に視野に入れているのは整形外科の開設です。高齢の患者さんがひざや腰を痛め、高額なタクシー代を払って整形外科を受診されている姿に長年胸を痛めてきたからです。

さらに、「当クリニックでは呼吸器外来、循環器外来を専門医が担当しています。同じく当クリニックで実施している健診についても今後は専門医にバトンタッチし、私は在宅医療に尽力したい」と水野先生は考えています。

「内科的治療が必要でも、認知症の症状を抱えているために強制的に退院させられる患者さんがいらっしゃいます。また、生活保護を受給しているために特別養護老人ホームに入所することが難しい患者さんもいらっしゃいます。このように、受け入れ先のない患者さんを在宅医療でどのように支えるのかが今後の大きな課題です」と水野先生は表情を引き締めます。

地元に揺るぎなく根ざした医療機関として、認知症患者さんを含め、最期まで家で暮らしたいと願う患者さんにとって最適な在宅医療のあり方を探りながら、スタッフ一丸となって地域に貢献していく考えです。

 

 

取材日:2014年2月6日

みずの内科クリニックの外観

医療法人社団みずの会
みずの内科クリニック

〒359-0041
埼玉県所沢市中新井4-27-4
TEL:04-2942-4100

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