『笑顔とこころでつながる認知症医療』サイトドメイン変更のお知らせ 「お気に入り」や「ブックマーク」の変更をお願いします

詳細はこちら

ホーム > 地域から探す【関東信越】 > 埼玉県 > 埼玉県草加市 医療法人埼友会 埼友草加病院
医療機関を探す

最新の画像診断技術を活用し、地域の認知症医療に貢献
<埼玉県草加市 医療法人埼友会 埼友草加病院>

脳健クリニック 院長 淺野務先生 脳健クリニック 院長
淺野務先生

埼友草加病院では、認知症の正確な診断に早くから重きを置き、併設する脳健クリニックにおいて精度の高いMRIや、VSRAD(早期アルツハイマー型認知症診断支援システム)の画像診断を先駆けて取り入れてきました。約2,000件もの診断データの蓄積と精度は、周辺地域の医療施設の中でも高い信頼を得ています。

画像診断に重点を置いた脳神経外科クリニックを併設

1978年にクリニックを前身として設立された埼友草加病院は、透析医療を大きな柱とする埼玉県東部の透析中核医療機関です。1996年には脳神経外科を専門とする脳健クリニックを併設、淺野務先生が院長に着任しました。MRIとCTを導入し、当初から脳ドックも行い地域医療に大きな役割を果たしています。

2000年以降は認知症の評価・治療にも取り組み、2006年にまだ開発間もないVSRADを導入したことから、他院からも認知症画像診断の依頼を受けるようになり、認知症疾患とより深く関わるようになりました。

画像診断に力を入れるメリットについて、淺野先生は「治る認知症」を正確に見分けることにあると語ります。

「慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、良性の脳腫瘍などの疾患による認知機能の低下は、外科手術によって治すことができます。正常圧水頭症が疑われ画像診断だけでは判断に迷う場合は、患者さんに数日入院していただいて髄液を毎日一定量抜き、歩行の状態やもの忘れの変化を観察する髄液排除試験(タップテスト)を行います」(淺野先生)。

しかし、アルツハイマー型やレビー小体型、前頭側頭型など、変性性の認知症は手術もできず、進行を抑える薬はあっても治癒させる薬はありません。その現状を踏まえ、「だからこそ早期発見が重要なのです」と強調する淺野先生は、アルツハイマー型認知症の早期発見に有効とされるVSRADを用いて、記憶中枢の萎縮の程度を画像統計学的に解析する試みを、導入当初から行ってきました。

 

専門外来の開設で、さらに認知症と正面から向き合う

2013年に脳健クリニック内に開設された物忘れ外来は、週1回予約制で診療が行われており、初診・再診合わせて毎週約10人の患者さんが受診しています。専門外来の開設には、「高水準の検査機器をそろえている当院が、草加市内における認知症の早期発見に中核的な役割を果たさなければ」という淺野先生の強い意向があったといいます。

ケアマネジャーの資格も持つ淺野先生は、同市の介護認定審査会に10年以上関わってきました。「介護の必要度が高い疾患は、脳卒中と認知症です。ご家族がどれほどお困りかを実感する機会が多くなり、これも認知症治療に本腰を入れるきっかけになりました」と振り返ります。

 

画像検査では穏やかな口調で対応し、患者さんの不安感を払拭

診療検査技術部 部長 三沢祥一さん 診療検査技術部 部長
三沢祥一さん

画像検査を担当するのは、診療放射線技師の三沢祥一さんです。三沢さんは「MRI検査を受けると同時に、VSRADの結果も得られるのが当院の特色です」と語り、VSRADのデータには約2,000人分が蓄積されていると胸を張ります。

技師として診断に値する画像を常に提供しなければいけないと考える三沢さんですが、それには患者さんの協力が欠かせません。しかし、認知症の患者さんが「じっとしていてください」などの指示を理解するのは難しく、不安感からMRIの中で大声を出した患者さんを心配したご家族が、操作室に入ってきてしまうこともあったといいます。

そのため三沢さんは、患者さんやご家族が不安にならずに済むよう検査内容を十分に説明するほか、患者さんへの声掛けにも日々工夫を重ねています。

「声を掛けるときは、大きな声は出さず穏やかに話す、患者さんの話は否定しないなど、おびえさせたり興奮させないように心掛けています」(三沢さん)。

 

患者さんから「また来たい」と思われる専門外来に

看護部長 竹内秀子さん 看護部長 竹内秀子さん
外来 看護師長 神尾明美さん 外来 看護師長 神尾明美さん
物忘れ外来 看護師 中野都さん 物忘れ外来 看護師 中野都さん

看護部長である竹内秀子さんは、淺野先生の意向を受けて物忘れ外来の立ち上げに関わりました。「当院では通院している透析患者さんの高齢化が進み、認知症を併せ持つ方が増えている」と竹内さんは話します。

「糖尿病から透析になり認知症も合併した状態なのですが、一人暮らしの方も多く、日常生活の管理を心配しています」(竹内さん)。

そうした患者さんの支援のためにも、竹内さんは物忘れ外来をより充実させたいと、スタッフへの研修や人員の配置など管理者としての立場で尽力しています。

外来の看護師長である神尾明美さんも、「混雑した外来の中では話す時間が取れない、きちんと患者さんやご家族と向き合って話したい」という淺野先生の思いに共感して、物忘れ外来の立ち上げに関わった一人です。現在使用している問診票の書式や内容は、淺野先生と神尾さんが相談して作成したといいます。

「物忘れ外来を受診される患者さんは、他院から検査のために紹介された方が多いのですが、院内の内科の先生から勧められたり、病院ホームページの案内を見て来られる方も増えてきています」(神尾さん)。

物忘れ外来の看護師、中野都さんは、来院時には「お待ちしていました」、診察後は「また次回、お待ちしていますね」と声を掛け、患者さんを待っている姿勢を出すようにしているといいます。

「待つ姿勢で接していると、患者さんが『今日も来たよ』と笑顔でハイタッチを求めたり、話し掛けてくれます。『最近どうですか? 昨日ご飯は何を食べました?』といった日常会話の中から、診察につながる情報が得られればと思っています」(中野さん)。

特に老々介護や独居の患者さんの場合、症状やもの忘れの進行状態などを聞き取ることが難しく、そうした何気ないコミュニケーションが重要になると、中野さんは考えています。

 

患者さんとご家族、双方の思いを考慮した支援を

医療相談室 社会福祉士 泉谷圭祐さん 医療相談室 社会福祉士
泉谷圭祐さん

「患者さんだけでなく、ご家族も認知症ケアの重要なポイントと考えています」と語るのは、同院の医療相談室で主任を務める泉谷圭祐さんです。社会福祉士・精神保健福祉士として同院に勤務し、ソーシャルワーカーとして患者さんやご家族の相談業務を行いつつ、長谷川式簡易評価スケールやMMSE(認知機能検査)などの神経心理検査を担当しています。

「入院されている患者さんが『家に帰りたい』と訴えていても、身体的・精神的にご家族が疲弊していたり、ご自宅での生活に危険があるなど、在宅での生活が困難な場合もあります。患者さんもご家族もそれぞれがクライアントであり、どちらの意向も無視できません。退院後の生活の質がより良いものとなるよう患者さんやご家族のもつ力に注目し、生活背景を考慮しながら相談支援に努めています」(泉谷さん)。

また、「患者さんとその家族の支援のためには、地域の医療機関や地域包括支援センター、介護保険施設などの関係施設への連絡調整も欠かせません。ソーシャルワーカーは、退院後の患者さんの生活に必要な医療機関との連携の役割も担っているのです」と語っています。

 

食事面、服薬面からも患者さんとご家族をサポート

管理栄養士 三岡朋子さん 管理栄養士 三岡朋子さん

管理栄養士の三岡朋子さんは、入院生活での食事面から認知症患者さんをサポートしています。

「特に高齢の患者さんはやわらかいものを好む傾向にあります。かむことは脳に良い刺激を与えるといわれていますので、口から食べてかんで飲み込むという一連の作業は重要なことであると考えます」と語る三岡さんは、歯ごたえのあるものを取り入れたり、やわらかいけれど形のあるものにしてみたり、一口サイズにするなどの形状を工夫して、誤嚥には十分注意しながら患者さんの状態に合わせた食事を提供しています。

「形状や味付けだけでなく彩りにも気を配り、おいしそうに見える工夫を凝らしています。その結果、患者さんの食べる量が増えて栄養状態の改善につながればうれしいですね」(三岡さん)。

薬剤師 小倉亜希子先生 薬剤師 小倉亜希子先生

服薬の面から認知症患者さんとご家族を支えるのは、薬剤師の小倉亜希子先生です。病気の進行を抑えるには服薬の遵守が大きく影響することから、小倉先生は患者さんに最も適した剤形選びなど、日々さまざまな工夫をしています。

「認知症の薬にはさまざまな剤形が登場してきました。嚥下機能が低下して薬が飲みづらくなったことから服用を拒否する患者さんにも、ゼリー剤ならおやつ感覚で服用してもらえます」(小倉先生)。

また、患者さんやご家族、介護スタッフとコミュニケーションを取ることで、患者さんの服用状況についての情報を得たり、服薬拒否の原因を探ることも重要だと小倉さんは考えます。

「服薬を拒んでいたある女性患者さんは、娘さんが『この薬を飲んだら私も調子が良くなったから、お母さんも飲みましょう』と言いながら目の前で薬を飲んでみせたところ、服薬するようになりました。娘さんはあらかじめ用意したサプリメントを飲んでいたのですが、『娘が飲んだから大丈夫』という安心感がポイントだったようですね」(小倉先生)。

小倉先生は「この経験で、剤形を変える以外にもコンプライアンスを向上させる方法はあると実感しました」と語ります。

 

今後を見据え、認知症の早期発見の促進に力を尽くす

2013年12月にロンドンで開催されたG8認知症サミットでは、各国で協力し、2025年をめどに新しい治療法を開発したいという方向が打ち出されましたが、淺野先生は必ずしも楽観視はできないと話します。

「現在ある薬は進行抑制のためのものであり、ワクチンや酵素阻害薬など根治薬の開発は行き詰まっています。進行抑制の薬も進行前の状態に戻すことはできないので、薬を有効に使うためには早期発見しかありません」(淺野先生)。

VSRADによる画像診断のほかに、淺野先生が早期発見・早期治療に重要な役割を果たすと考えているのが、2014年度から草加市で始まる認知症検診事業です。

この検診は、市と医師会がコンセプトを出し合って立ち上げたもので、「その準備委員会には私も参加させてもらいました」と淺野先生。「特定健診で、生活習慣病の検診を受けにきたお年寄りに対して、物忘れについても軽い気持ちで検査を受けていただき早期発見につなげられる」と話します。

さらに淺野先生は、今後の決意をこう語ります。

「国や地域において認知症医療に対する関心が高まりつつある今こそ、行政と医療・福祉などの各関係機関が手を取り合って、認知症になっても困らない社会づくりに積極的に取り組むときです。認知症医療に携わる一員として、私もその一役を担っていきたいと思います」。

 

 

取材日:2014年3月19日

埼友草加病院の外観

医療法人埼友会 埼友草加病院

〒340-0046
埼玉県草加市北谷1-21-37
TEL:048-944-6111

施設のホームページへ

 

脳健クリニックの外観

医療法人埼友会 脳健クリニック

〒340-0046
埼玉県草加市北谷1-22-13
TEL:048-944-6111

施設のホームページへ

この記事のURLをメールで送信
医療機関を探す
新着施設から探す
地域から探す
  • 北海道 近畿
  • 東北 中国
  • 関東・信越 四国
  • 東海・北陸 九州・沖縄
カテゴリーから探す
  • 社会が考える認知症予防・治療・戦略
  • 日常診療における創意工夫
  • チーム連携のさらなる充実
  • ふれあいつながる作品展
  • バアちゃんの世界
  • バアちゃんの世界からわかる認知症の症状と対応のヒント
  • 「笑顔とこころ」をつなぐ声
  • お薬(剤形)の選択肢が増えました
  • 患者さんとご家族のための認知症の知識
  • 認知症相談窓口
  • 認知症サポーターキャラバン
  • サイト運営企業の取り組み
  • 医療関係者の皆さまへ
トップページへ