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早期診断から急性期疾患入院まで対応し、地域完結型の認知症ケアに貢献
<東京都葛飾区 医療法人財団謙仁会 亀有病院>

病院長 脳神経外科 山下陽一先生 病院長 脳神経外科
山下陽一先生

亀有病院は、1941年の開業以来70年以上にわたり地域医療の一端を担ってきました。現在は二次救急にも対応し、内科、脳神経外科、外科、整形外科など複数科の一般・療養病棟も備えています。認知症診療においては、充実した検査体制を生かして早期診断に努める一方、急性期疾患での入院にも対応。さらには周辺施設と密に連携し“地域完結型ケア”の質的向上に貢献しています。

認知症と合併疾患の治療をともに行う

「当院の大きな特長は検査機器が充実していること。患者さんの状態を正しく把握したうえで、早期に診断をつけ、早期に治療に取り組むことを第一に考えています。もちろん認知症も例外ではありません」。

そう語る院長の山下陽一先生の専門は脳神経外科であり、認知症の診療も担当しています。「当院に通院されている認知症患者さんの多くは、内科的な基礎疾患などを有しています。それら基礎疾患の治療を行いつつ認知症を進行させないことが、認知症診療の大きな課題だととらえています」(山下先生)。

 

速やかに診断・治療に結び付けることを大切にした診療

初診の患者さんの検査は、長谷川式簡易評価スケール、そしてご本人とご家族の問診からスタート。その後、血液検査、MRI等、原則として1日のうちに検査を終え、可能な限り検査当日に診断をつけています。

「大きな病院よりも、当院くらいの規模のほうが検査の融通を利かせやすいのではないでしょうか。院内の各スタッフが非常に柔軟に連携してくれています」。そう語る山下先生は「治せる認知症を確認することが検査の大きなポイント」だと指摘します。
「検査や問診で多くの場合、診断がつきますが、一番注意しているのは正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫など、いわゆる治せる認知症か否かを確かめること。治せる認知症を見落とさず治療を行う、これが脳神経外科医が認知症を診ることの意義でしょう」(山下先生)。
認知症と診断がついた患者さんとご家族に、最初にどのように伝えるかについて、山下先生は細心の注意を払っています。

「ご家族は認知症の進行を遅らせるうえでとても大切な存在なので、病気を理解し、患者さんをサポートしてもらえるように、しっかり丁寧に現状を伝えています。一方で、患者さんには、認知症は治る病気ではないということを最初からストレートに伝えるとショックが強すぎます。ですから、『もの忘れが進まないようにしましょう』など、できるだけ柔らかい表現で、治療に前向きに取り組んでもらえるように話しています」(山下先生)。

治療を続けるための薬剤師によるサポート

薬局長 吉筋稔晃先生 薬局長 吉筋稔晃先生

こうした患者さんへの配慮は、薬剤師の立場でも同じ。同院の薬局長を務める吉筋稔晃先生は「お薬は続けてもらうことが何より大切です。患者さんには、治療中に消化器系の症状が出ていないか、パーキンソン病の薬も処方されているところに認知症の治療が加わることで、同じ種類の薬が重複処方されていないかなどを確認するようにしています」と言います。

そう指摘する吉筋先生は、続けて「何よりご自宅での服用管理が大事」だと強く訴えます。

「ご家族と一緒に住んでいれば飲み忘れは防げますが、葛飾区は独居の高齢者が多いため、薬がきちんと飲めているかどうかの管理が十分でない方もいらっしゃいます。ヘルパーさんなどご自宅で関わる方々との協力体制がとても必要です。社会的なサポートをより充実させていかないと、認知症の在宅治療は今後さらに難しくなるのではないでしょうか」(吉筋先生)。

 

メリハリがあり安心できる入院環境で、認知症の進行予防

看護部長 富樫恵美子さん 看護部長 富樫恵美子さん

同院には一般病床・療養病床合わせて122床があり、脳梗塞や肺炎など急性期疾患を発症した認知症患者さんの入院も受け入れています。「入院をきっかけに認知症の症状があらわれる患者さんも多い」と、看護部長を務める看護師の富樫恵美子さんは指摘します。

「認知症患者さんの場合は、入院中に不安が強くなって、BPSD(周辺症状)が出てしまわないように、私たち看護師は患者さんを受け入れ、尊重したケアを大切にしています。入院中は患者さんに安心して過ごしてもらえるように、ご家庭で使い慣れたものや思い出の品、例えばご家族の写真や愛用していた時計、ぬいぐるみなどをベッドのそばに置いてもらっています。昔の記憶と結び付けることができるものがそばにあると、患者さんの安心感につながるようです」(富樫さん)。

また、室内にこもっていると患者さんのADL(日常生活動作)が低下してしまうため、院内のリハビリテーションに参加する、車椅子で外に出るなど、入院中にもメリハリのある日常が送れるように配慮しています。

 

スタッフのレベルアップを目指した院内研修の取り組み

亀有病院で認知症診療に取り組む皆さん 亀有病院で認知症診療に取り組む皆さん

同院では、東京都が実施する認知症対応力向上研修に毎年参加しています。この研修は、急性期医療機関に入院される認知症患者さんに十分な医療を提供するために開かれるもので、そこで学んだことを生かして、院内での年間研修計画を立案し、全職員が学べる環境を整えています。

富樫さんは「研修で理解するだけでなく、どう実践するのかが大事」だと表情を引き締めます。

「看護の答えは一つではありません。一人ひとりの患者さんに合ったケアができる力量を全員が養ってほしい。その環境をつくるのが私の仕事だととらえています」(富樫さん)。

また、山下先生は「患者さんの身近にいる地域の介護職の方々にも、もっと啓発していきたい」と意欲を語ります。

「機会を見つけて、地域の看護職、介護職の方々にレクチャーさせてもらっています。葛飾区の認知症ケアの質を向上されるには、やはり関係者一人ひとりがスキルアップしなければなりませんから」(山下先生)。

 

地域完結型認知症ケアのために関係者が密に連携

認知症診療における地域連携も、これからの大きなテーマ。

「地域内の医療機関同士の連携は、近年徐々にかたちになってきている」と山下先生は手応えを感じています。

「例えば、かかりつけ医の先生による診断が難しい場合、こちらで診断をつけてお返しすることがよくあります。一方で、初期段階の検査でより精密な検査を必要な場合、当院から東京慈恵会医科大学葛飾医療センターにお願いしています」(山下先生)。

退院後すぐにご自宅に帰ることが難しく、施設に入所する方の場合は、同院の地域連携室が中心となって適切な施設を探し、患者さんができるだけ快適な環境で生活を維持できるよう配慮しています。

「高齢者の方が安心して暮らせるのは、やはり自分が長く暮らしてきた場所。当院はこれからも地域完結型のケアに力を注いでいきます」(山下先生)。

 

 

取材日:2014年4月21日

亀有病院の外観

医療法人財団謙仁会 亀有病院

〒125-8520
東京都葛飾区亀有3-36-3
TEL:03-3601-0186

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