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家庭医として患者さんやご家族に真摯に向き合う
<青森県八戸市 はちのへファミリークリニック>

院長 小倉和也先生 院長 小倉和也先生

はちのへファミリークリニックは、日本ではまだなじみの薄い“家庭医療”を前面に掲げるクリニックです。診療科の枠を超えたプライマリ・ケアを実践し、患者さんにとって最も身近な医療機関として、認知症の早期発見や地域での治療継続、ご家族への支援、介護環境の整備など、さまざまな場面において大きな役割を担っています。

診療科の枠を超え、トータルにケアする医療を提供

JR八戸駅から車で約15分の距離に位置する、はちのへファミリークリニック。家庭医療を提供するクリニックとして、地元出身である院長の小倉和也先生が2010年に開院しました。

日本ではまだなじみの薄い家庭医療について、小倉先生は「年齢や性別、臓器によって分類される従来の診療科の枠を超え、患者さんの健康をトータルに、かつ継続的にケアする医療です」と説明します。

もともと医師志望ではなく、最初は教養学部に進学した小倉先生でしたが、カナダに短期留学した際に家庭医の存在を知り、強く興味を引かれたといいます。

「患者さんだけでなく、ご家族や地域とも密接に関わっていく家庭医療のあり方は、将来的に日本でも必要になるだろうと考えて家庭医を志し、医学部に入り直しました」(小倉先生)。

琉球大学医学部を卒業した小倉先生は、当時日本で唯一家庭医の養成を行っていた、北海道家庭医療学センターで研修を受けました。「今ではプライマリ・ケア連合学会認定の家庭医療研修プログラムや家庭医療専門医制度などがあり、日本中で研修を受けられますが、あの頃はほかに道がなく、沖縄から北海道への大移動となりました」と、小倉先生は笑いながら当時を振り返ります。

長期にわたって患者さんを家族ぐるみでサポート

“病気”ではなく“人”の心と体をトータルにケアすることを診療方針に掲げる同クリニックでは、小児科、内科はもちろん、軽い外傷の治療、皮膚のトラブル、うつ病をはじめとする心の不調など、一般的な疾患をほぼ受け入れているほか、末期のがん患者さんの在宅医療もサポートしています。

「より高度な治療が必要な場合は、適切な医療機関や専門医に紹介していますが、きちんとトレーニングを受けた家庭医なら一般的な疾患の97%は治療可能です。専門医には本当に必要な部分だけをカバーしてもらう形です」(小倉先生)。

また、ご本人だけでなく、家族ぐるみで継続的に関わっていくのも家庭医療の特長だと小倉先生は話します。

「乳幼児の検診や予防接種に始まり、成人して最期の時を迎えるまで、長期間にわたって患者さんと向き合っていくのが家庭医です。その過程で、最初はご本人だけとのお付き合いだったのが、何年か後にはご家族も受診されるようになることもあります。家族ぐるみでトータルにケアすることで、ご家族の体質や病歴まで把握する家庭医は、患者さんのことを最もよく知る“真のかかりつけ医”だと思います」(小倉先生)。

これまで日本で家庭医が普及してこなかったのは、国民皆保険制度により大病院や専門医を受診しやすい環境が整備されていたからだと小倉先生は考えています。しかし、大病院への集中が数ヵ月の予約待ちや“3時間待ちの3分診療”といった状況を生み出していることから、今後は家庭医と専門医の役割分担が期待されています。

「家庭医の数はここ5年間で増えました。これからは家庭医と専門医のすみ分けと連携が、もっと進んでいくのではないでしょうか」(小倉先生)。

 

認知症治療では生活環境の整備を重視

「患者さんの情報が多く集まるのが家庭医の強みです」という小倉先生は、その情報を認知症の早期発見にも役立てています。

「私自身が長年通院されている患者さんの変化に気づくだけでなく、風邪などでご家族が受診された際に『実はおじいちゃんの様子がおかしい』と相談を頂いたり、こちらから『ご家族は皆さんお元気ですか』と声をかけて話を伺ったことがきっかけで、認知症を疑うこともあります」(小倉先生)。

その場合は、認知機能の神経心理検査と問診を行って認知症の有無を確認するほか、心不全など内科疾患があるかどうかも調べます。また、脳出血や脳腫瘍など頭蓋内病変との鑑別には、近隣にある脳神経外科専門のクリニックに画像検査を依頼するほか、診断が難しい特殊な場合は、神経内科などの認知症専門医に紹介しています。

認知症治療では薬物療法も行いますが、小倉先生は患者さんとご家族の生活環境の整備を治療の柱にしています。

「認知機能の低下によって失敗が増え、いつもの行動ができなくなると、患者さんの精神的不安が強まってBPSD(周辺症状)の悪化につながります。BPSDがひどくなると、ご家族が患者さんを支えきれなくなるという悪循環に陥ることもあり、そのような状況を断ち切るためにも、患者さんが自信を持って生活できる環境づくりと、ご家族が介護を抱え込まずにすむ支援態勢が重要だと考えています」(小倉先生)。

しかし、認知症疾患に対する認知度は高まっているものの、ケアに関しては「お薬を飲めばそれで良いと思っている方も多いですね」と小倉先生は指摘します。

「ご家族には生活環境の整備の重要性について時間をかけて説明し、介護保険の認定を受けて介護保険サービスを利用できるようにサポートするなど、さまざまな情報提供やアドバイスを行います」(小倉先生)。

 

訪問診療で患者さんやご家族とのコミュニケーションを深める

同クリニックではほぼ毎日訪問診療を行っており、外来以外の場でも積極的に患者さんとご家族を支えています。

「認知症患者さんは診察室では症状を取り繕うこともあり、クリニックの診療だけでは実生活でのレベルを把握できない場合もあります。その点、訪問診療は患者さんのご自宅で診察しますので、実際の生活の様子を知ることができます」(小倉先生)。

看護師 鳴海真澄さん 看護師 鳴海真澄さん

訪問診療に関わって2年になる看護師の鳴海真澄さんも同行し、小倉先生の診察の補助にあたっています。

「クリニックのホームページを見て家庭医療に興味を持ち、幅広い年齢層の患者さんと触れ合えることや、訪問診療に携われることに魅力を感じました」と、勤務先として当クリニックを選んだ動機を語る鳴海さんは、訪問医療のメリットについて「患者さんやご家族とのコミュニケーションがよりスムーズに取れることだと思います」と話します。

「クリニックでは患者さんもご家族も緊張されていて、なかなか話が進まないこともありますが、ご自宅ではリラックスして、積極的にお話しされることが多いですね」(鳴海さん)。

訪問診療ではケアマネジャーや介護スタッフと関わる機会もあり、鳴海さんは「まだまだ連携がうまくいかないこともありますが、介護サービスの知識を深めて、密に連携を深めたいと思います」と今後の抱負を語ります。

小倉先生の鳴海さんへの期待は大きく、「在宅医療はチームで行うため、チーム間の連携をうまくまとめる人材が必要です。リーダーとしての彼女の頑張りにはとても助けられています」と信頼を寄せています。

 

 

地域連携と家庭医の育成に尽力

「ほかの医療機関や介護施設との連携なしに認知症治療、在宅医療は成立しないと思います」と強調する小倉先生は、診療の傍ら、八戸市医師会や地域の医療機関とともに地域連携のネットワーク構築にも力を入れています。

「これまで八戸市では、医療機関がそれぞれ単独で動いており、診断や治療が難しい患者さんを専門病院に紹介した後は連絡が途絶えていました。しかし最近では、専門医療機関を中心に連携を構築する動きがあり、紹介した患者さんをクリニックでフォローできるようになってきました」(小倉先生)。

さらに小倉先生は、自身のクリニックでも研修医を受け入れるなど、家庭医の育成や家庭医療の裾野を広げる活動にも取り組んでいます。

「研修医や医療スタッフなど、家庭医療の魅力や醍醐味を学んだ人材を大勢育てて、彼らがそれぞれの場で活躍してくれることで地域に貢献していけたらと思っています」(小倉先生)。

家庭医として患者さんやご家族と真摯に向き合いながら、地域のネットワークづくりや人材育成にも尽力する小倉先生。これからも患者さんとご家族を多面的に支援するために奮闘を続けます。

 

 

取材日:2014年4月16日

はちのへファミリークリニックの外観

はちのへファミリークリニック

〒031-0072
青森県八戸市城下4-11-11
TEL:0178-72-3000

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