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地域の認知症診療のリーダーとして連携にも力を注ぐ
<愛媛県西条市 社会医療法人社団更生会 村上記念病院>

村上記念病院 医師 藤田仁志先生 村上記念病院
医師 藤田仁志先生

地域に根ざした総合病院である村上記念病院は、高齢者ケアにも積極的に取り組み、敷地内にグループホームを併設。認知症診療においてホームと緻密に連携するとともに、院外にもその輪を広げ、患者さんとご家族を支え続けています。

地域で数少ない脳神経外科医として

70年近くにわたり地域医療を支える村上記念病院 70年近くにわたり地域医療を支える
村上記念病院

村上記念病院の前身である村上医院が開業したのは1946年。以来70年近くにわたり、同院は規模を拡大しながら西条市の地域医療に貢献してきました。現在では10を超える診療科を標榜しており、入院・療養病床は合わせて199。また、1996年には老人保健施設、訪問看護ステーション、西条市在宅介護支援センターを併設し、1999年には老人デイケア(現 通所リハビリテーション)を開設するなど、高齢者ケアにも力を注いでいます。

認知症の診療を担当している藤田仁志先生が同院に就いたのは2000年のこと。「救急対応ができる脳神経外科医はこの地域に私一人しかいませんでした」と先生は当時を振り返ります。

「西条は私の生まれ故郷なのですが、帰ってきてみるとすでに高齢化が進んでおり、認知症の患者さんも少なくありませんでした。しかし、神経内科医はゼロで精神科医もわずかしかいない。認知症を含め、ほとんどの脳神経疾患・脳外科疾患を診なければならない状況だったのです」(藤田先生)。

 

独学でさまざまな認知症に対応

認知症に関して、そもそもは「脳神経外科医として慢性硬膜下血腫などの認知症原因疾患の治療に取り組むつもりだった」と藤田先生は言います。

「脳神経疾患の患者さんを一人でも多く救いたいと考え、認知症や頭痛の患者さんを広く診て、その中から自分の専門分野の患者さんを掘り起こそうと思っていたのです。しかし、地域には他に認知症を診る先生はほとんどいないし、ちょうど抗認知症薬が登場したこともあって、脳外科的でない認知症も独自に勉強して診ることにしました」(藤田先生)。

村上記念病院 看護師 藤田ひろ子さん 村上記念病院
看護師 藤田ひろ子さん

すると口コミのせいか、認知症の外来患者さんがどんどん増加。当時から脳神経外科に勤務している看護師の藤田ひろ子さんは「精神科の敷居を高く感じる方が多かったからでは」とみています。

「ここは小さな町ですから、精神科に行くのはどうしても周囲の目が気になります。そこで、当科に相談に来られる方が多くなったのでしょう。当時は私も認知症に関する知識に乏しく、患者さんに接して戸惑うことが多かったのですが、今では素直で可愛い患者さんが多いと思えるようになりました」(藤田ひろ子さん)。

 

認知症と排尿コントロールの密接な関係

神経心理検査や画像検査を経て診断をつけるのが基本的な流れですが、藤田先生は「においでわかることもある」と指摘します。

「おしっこで失敗するからです。失敗する方はいつもそうなので、においが体に染み付いているんです。また、トイレの使い方がわからなくなるのが、最初の症状だという場合もありますね」(藤田先生)。

村上記念病院 看護師 小田美香さん 村上記念病院
看護師 小田美香さん

泌尿器科から脳神経外科に異動した看護師の小田美香さんは「排尿コントロールは自尊心につながることですから、尿がうまくできれば、ご本人の自信につながります」と実感しています。

「泌尿器科にいたころは、漏れの理由として認知症を意識することはほとんどありませんでしたが、今では密接に関連していることがわかりました。認知症でトイレを失敗することもありますが、コントロールがうまくできた結果、元気になられたり、ご家族が安心されたりすることも少なくありません」(小田さん)。

 

併設するグループホームで治療結果を検証

同院の敷地内には、グループホーム「かわせみ」があり、その入居者の多くが重症度の差はあれ、認知症を抱えています。藤田先生は「あたかも認知症病棟のようなこのホームでの治療経験が、外来治療の裏付けになっている」と言います。

「外来患者さんが次に来院するのは2週間以上先ですが、ホームではスタッフが患者さんの変化を毎日確認できます。例えば『眠る時間が長かったのは、薬が効き過ぎたのではないか』という報告があれば、量を微調整して様子を見る。そこで良い結果が出れば、外来の患者さんにも適用してみます。高齢者は、薬物治療効果の個人差が大きいので、信頼できる医療スタッフの目が行き届くホームの意義は、非常に大きいです」(藤田先生)。

 

ホームと家族、地域との関係づくりに取り組む

グループホーム「かわせみ」 管理者・看護師 高橋英子さん グループホーム「かわせみ」
管理者・看護師 高橋英子さん

藤田先生が全幅の信頼を置く看護師の高橋英子さんは、2000年の開業時からグループホームに勤務。管理者として常にホームの細部にまで目を配り、「スタッフがやりがいを持つとともに自分たちの力量を知ること、そしてご家族との良い関係をつくることが大事」という姿勢で仕事に臨んでいます。

「以前、大柄な男性の入居者さんが暴れたとき、スタッフは対応しきれませんでした。くやしくても自分たちの力量でできないことは、お断りすることも必要だと考えました。そして、常にご家族の気持ちになって考えることが大切。入居者の方の様子をストレートにお伝えすればいいというものではなく、ご家族との良い関係が維持できるような伝え方をいつも考えています」(高橋さん)。

また、同施設では地域との交流会を定期的に開催しています。

「ここで誰がどのような生活をしているかを知っていただくことが目的です。仮に入居者さんの姿が見えなくなったとき、一緒に探していただける関係を、地域の皆さんとつくっていきたいと思っています」(高橋さん)。

 

認知症の予防は生活習慣病の予防から

これからの認知症診療を展望するとき、藤田先生は予防を重要テーマの一つに掲げ、「認知症は生活習慣病のなれの果てだといえる」と持論を示します。

「以前から高血圧や糖尿病と関係があるのではないかと思っていたのですが、最近になって関係を示すデータが出てくるようになりました。ですから、認知症の予防にはまず生活習慣病を防ぐことが大切。たとえ検査の結果、認知症の兆候がなかったとしても、生活習慣病が懸念されれば予防措置を取り、患者さんに対応をアドバイスします」(藤田先生)。

また「できるだけ頭を使うこと、家に閉じこもらないことが予防するうえで必要」だと先生は続けます。

「日頃からパズルなどを解き、頭を使って考えることが大切です。そして、どんどん外に出てコミュニケーションを取ってほしいですね。介護保険制度を利用してデイサービスなどを積極的に活用されるよう、折に触れて勧めています」(藤田先生)。

 

認知症診療のリーダーとして地域に貢献

藤田先生と認知症に取り組む皆さん 藤田先生と認知症に取り組む皆さん

これからさらに地域の高齢化が進む中で、認知症ケアのポイントはどこにあるのか。藤田先生は「周りの方々の理解と支援、そして医療・介護従事者が連携して地域全体で患者さんをサポートすること」だと強く訴えます。

「1日に5、6万歩も歩いて真っ黒に日焼けしている患者さんがおられました。周りから見れば普通ではありませんが、ご本人は会社かどこかに出かけているつもりなので、それが変なことだとは思っていない。周囲の方々はそうした“患者さんの世界”があることを理解しなければなりません」(藤田先生)。

こうした認知症への理解を一般に広めるため、藤田先生は市民向けの講演などにも時間を割いています。また、地域の内科医向けの勉強会で講師を務め、知識・ノウハウの共有を図るとともに連携を深めています。

「かかりつけの先生方との連携はかなりできてきました。以前に比べれば認知症を診てくださる先生が増え、こちらで診断をつけて、日常診療はかかりつけの先生に診ていただくことがよくあります。認知症の専門医が地域に1人だけというのは小さな町ではよくあることで、決して私だけが特別なのではありません。これからも認知症診療において、地域のリーダーとしての役割を果たしていきます」(藤田先生)。

 

 

取材日:2014年4月3日

村上記念病院の外観

社会医療法人社団更生会 村上記念病院

〒793-0030
愛媛県西条市大町739
TEL:0897-56-2300

施設のホームページへ

社会福祉法人光明会 グループホーム「かわせみ」

〒793-0030
愛媛県西条市大町776-23
TEL: 0897-52-0390

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