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早期鑑別のためのPET検査と多職種連携の専門外来で
地域の認知症診療をけん引
<兵庫県姫路市 医療法人公仁会 姫路中央病院>

姫路中央病院 神経内科 医長 / 姫路中央病院附属クリニック 所長 東靖人先生 姫路中央病院 神経内科 医長
姫路中央病院附属クリニック 所長
東靖人先生

播磨地域で40年以上の歴史を持つ姫路中央病院は、一貫して地域医療の向上を目指し、さまざまな側面から地域住民の健康に貢献してきました。

物忘れ外来での認知症診療は、最新画像検査を駆使した早期診断を重視し、看護師・臨床心理士等専門スタッフの連携による患者さんやご家族へのケアを実施。スタッフの面倒見の良さや細やかな心遣いに対し、ご家族から感謝の言葉が寄せられる、最先端の医療技術と温かなケアを併せ持つ総合病院です。

地域の身近な病院での融通の利く専門診療の提供

姫路中央病院は、1970年に兵庫県姫路市で初めての脳神経系専門病院として誕生し、現在では神経内科、脳神経外科、胃腸外科など複数科を有し、急性期外科治療から外来通院、リハビリまで総合的なケアを実践しています。

認知症の診療には、前身の精神科病院の頃から長年携わってきましたが、2004年に同院の隣接敷地に、PET画像センターを併設する姫路中央病院附属クリニックを開設し、認知症専門外来を設けました。2011年からは岡山大学病院神経内科の協力を得て“物忘れ外来”として、より専門的な診療を行っています。

診察の指揮を執るのは、神経内科医として大学病院等で研鑽を積んだ、姫路中央病院附属クリニック所長の東靖人先生です。地域の認知症患者さんの受け皿となる病院が必要と考え、診療体制の整備を強く提案したのが、東先生でした。

その背景には、かつて姫路にあった兵庫県立高齢者脳機能研究センター(現在は兵庫県立姫路循環器病センターに統合)の存在があります。

「当時から同センターは高齢者の脳機能の変化を研究する先進的研究機関であり、地域の認知症医療中心的存在でした。増え続ける患者さんに対し、地域のニーズに応える診療の提供を目指し、センターの先生方の協力も得て、当院に専門外来をスタートさせました」(東先生)。

 

認知症のスペシャリストとともにチーム医療で挑む物忘れ外来

同院の認知症診療の特長は、大きく三つあります。

一つは、専門医はもちろん看護師や技師、臨床心理士に至るまで認知症のスペシャリストが揃い、診断から治療・看護・家族のケアまで専門性の高いアプローチを展開していることです。

「認知症と診断がついた場合には、今後あらわれる症状や経過について私からご家族に説明しますが、まだ十分に受け入れられる状況ではない方が多く、中藤さん、稲田さんら看護スタッフが適切にフォローをしてくれます」(東先生)。

看護師 中藤恵美さん 看護師 中藤恵美さん
看護師 稲田ゆかりさん 看護師 稲田ゆかりさん

認知症ケア専門士の資格を持つ中藤恵美さん、認知症看護認定看護師の資格を持つ稲田ゆかりさんらが看護相談の役割を担い、診断後のご家族への説明から症状が進行した患者さんの介護相談までを担っています。

「徐々に進行する病気だという認識を最初から持っておられるご家族ばかりではありません。必要に応じた社会資源の利用はもちろん、看護師をはじめとする当院のスタッフは、今後困ったことがあればいつでも力になりますよと、ご家族とともに患者さんと向き合う気持ちをお伝えしています」(稲田さん)。

また、中藤さんは「介護についてさまざまな悩みを抱えているご家族と向き合うときは、少しでもお気持ちが軽くなることを願って話をお聞きしています。認知症ケア専門士という資格があるおかげで、ご家族との信頼関係を築きやすいと実感しています」。

医師からは聞きづらい悩みを、ご家族からさりげなく引き出して解決に導く稲田さんと中藤さんについて、「医師にとっても、なくてはならない心強い存在です」と東先生は賞賛します。

 

患者さんの気持ちに寄り添う神経心理検査を実施

臨床心理士 岡﨑由美子さん 臨床心理士 岡﨑由美子さん

外来と病棟で神経心理検査を担当するのは、東京の高齢者専門医療機関で活動経験のある臨床心理士の岡﨑由美子さんです。

同院では初診の際、画像検査による脳卒中や脳腫瘍などの除外とともに、MMSE(認知機能検査)などの神経心理検査にも重きを置き、重要な診断材料としています。

岡﨑さんは「検査を嫌がる患者さんもいらっしゃるので、患者さんの気持ちを考え、検査の目的などその方に必要なことをお話しすることから始めています」と話します。

高齢の方と関わっていくなかで、岡﨑さんは「認知症であっても検査中にこちらの様子を気にかけてくださるなど、情感豊かな方が多いことに気づきました」と、認知症患者さんを検査するという意識ではなく、患者さんとの人間同士の関わりを大切にしようとしています。

そんな岡﨑さんに対して、稲田さんは「患者さんはもちろん、スタッフにも気遣いがあり、『看護師さんにストレスがあるとご家族の悩みをゆっくり聞けないと思うから、なんでも話してくださいね』と声をかけてくれ、実際に話すことでまた業務をがんばることができています」と、その優しさに感謝しています。

 

PET検査が精度の高い認知症診断・鑑別を可能に

PET検査装置 PET検査装置
PET検査に用いられる薬剤FDGの合成装置 PET検査に用いられる薬剤FDGの合成装置

同院における認知症診療の二つめの特長は、PET画像センターでのFDG-PET検査(以下、PET検査)による高精度の画像診断を取り入れていることです。PET検査は特にがんの診断に有効とされていますが、認知症においても精度の高い診断ができることから、近年注目を集めています。

「PET検査では脳のエネルギー代謝や神経細胞活動の様子がわかるため、MCI(軽度認知障害)など認知症の前段階の診断も可能で、将来アルツハイマー型認知症になりやすいかどうかもわかります」と、東先生は検査の特長を挙げます。若年性認知症や診断が難しい患者さんには、この検査を実施しています。

PET検査は認知症診断の保険適用はありません(2014年5月現在)が、同院では専門スタッフのもと、検査に使用するブドウ糖に似た薬剤FDGを合成する設備を整え、少しでも患者さんへの医療費負担を減らすように努めています。

「採算は取れませんが、認知症を早期に発見することで、患者さんへのアプローチがしやすくなります。医療介入が早いほど病気の進行は遅く、その方らしい生活が長く続けられると考えています」と、東先生は認知症にPET検査を導入する意義を話します。

同院は姫路市内で数少ないPET検査のできる医療機関であり、東先生は「この検査を認知症の解析にも活用し、もっと地域の方に役立てていきたいと思っています」と呼びかけます。

 

認知症の方の身体疾患での入院を受け入れる工夫

三つめの特長は、総合病院の機能を生かした多職種連携で、認知症の方の合併する身体疾患の入院にも対応している点です。

「当院は、身体疾患と認知症を合併している患者さんの両科の治療、および身体疾患での急性期入院にも対応しています。救急診療にも認知症診療のノウハウを生かせるようになることが理想だと考えています」(東先生)。

病棟業務も兼務する稲田さんは「認知症の方の入院は増えてきています。安心して入院生活を送り、地域に帰っていただくことができるように、その方に合ったケアに多職種連携で取り組んでいます」と話します。

院内で患者さんの情報を共有し、診療や看護に役立っているのは“看護相談ファイル”です。看護師が中心となって患者さんごとにファイルを作り、相談内容とそれに対するアドバイス、どのような経過をたどっているかなどを細かく書き込んでいます。

「このファイルをスタッフ間で共有することにより、誰が対応してもそれまでの経過やご家族の抱える問題がわかり、共通した認識のもと、的確な言葉がけや対応が可能となります」(中藤さん)。

こうした看護相談ファイルや日頃の情報共有は、外来に通っていた患者さんが入院する際にもプラスに働き、外来と病棟の情報交換がスムーズに行われることで、より良い病棟看護へとつながっています。

 

認知症連携パスを運用し、院内外で顔の見えるつながりを推進

認知症診療に取り組む姫路中央病院の皆さん 認知症診療に取り組む姫路中央病院の皆さん

姫路市では2013年から認知症の地域連携パスの運用を開始し、地域全体で認知症患者さんを支える仕組みが動きはじめました。同院も専門医療機関として、その役割を担っています。地域連携パスの立ち上げ委員会のメンバーでもある東先生は、患者さんのためには地域での連携が必要不可欠だと強調します。

「院内外で他職種の連携を進め、意見交換によりさらに良い認知症診療の提供を目指すべきだと思います」と、東先生は連携の重要性を話します。

東先生の呼びかけにより“姫路認知症連携研究会”が設立され、地域の看護師、ケアマネジャー、精神科医など認知症に関わる多職種が一堂に会する事例検討会も定期的に行われるようになりました。

「立場によって認知症のとらえ方には違いがあります。医師だけでなくさまざまな職種で総合的に関わっていくことが、認知症診療の発展につながっていくと思います」(東先生)。

40年以上にわたり医療の第一線を走り続け、スタッフ間の風通しの良い関係が患者さんからの信頼にも一役買っている姫路中央病院。東先生は院内外の連携を模索し、地域医療のより一層の発展のために日々奮闘しています。

 

 

取材日:2014年4月30日

姫路中央病院の外観

医療法人公仁会 姫路中央病院

〒672-8501
兵庫県姫路市飾磨区三宅2-36
TEL:079-235-7331

施設のホームページへ

 

姫路中央病院附属クリニックの外観

医療法人公仁会
姫路中央病院附属クリニック

〒672-8043
兵庫県姫路市飾磨区上野田1-16-1
TEL:079-235-5454

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