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最新画像検査を駆使し、MCIからの早期発見にまい進
<兵庫県神戸市 一般財団法人神戸市地域医療振興財団
西神戸医療センター>

神経内科 部長 西村洋先生 神経内科 部長 西村洋先生

神戸市の中でも最も人口の多い西区。神戸のベッドタウンとしてにぎわってきたこの地にも高齢化の波は押し寄せており、認知症患者数は年々増えています。

西区・垂水区・須磨区という神戸西地域で市民病院としての役割を担う西神戸医療センターでは、認知症診療において最新画像検査を取り入れ、「地域連携とチーム医療」をスローガンにMCIからの早期発見に尽力しています。

地域連携を目的に設立された中核病院

神戸市西地域の医療の中心的存在である西神戸医療センターは1994年に開設され、その直後に発生した阪神・淡路大震災の際には、負傷者の治療・救援に大きく貢献したことでも知られています。

現在24の診療科と475床の病床を有し、兵庫県から“がん診療連携拠点病院”に指定されるなど、開設から20年間、地域の中核病院としての役割を果たしてきました。

「開設当時はこの地域がニュータウンとして開発された頃で、人口が著しく増えていました。当時この地に移り住んできた方々が高齢となり、当センターの認知症診療に対するニーズも高くなってきました」と20年の変化を振り返るのは、開設当初から同センターで診療を続ける、神経内科部長の西村洋先生です。

同科には、認知症や神経疾患などの患者さんが、1人の医師に対し1日平均80人前後訪れます。そのほとんどは地域の医療機関、かかりつけ医からの紹介受診ですが、中には飛び込みで受診する患者さんもいるといいます。

「予約の患者さんだけでも決して少なくないのですが、当センターには地域の方々の健康を守るという責務がありますので、症状に困って受診に来られた患者さんは、予約外であっても受け入れています」(西村先生)。

 

「地域連携とチーム医療」で地域の患者さんに貢献する

同センターは開設当初から“地域連携とチーム医療”をスローガンに掲げており、認知症医療を担う神経内科においても、その姿勢はいかんなく発揮されています。

多くの患者さんは、認知症かどうかの鑑別診断のために同センターを受診し、検査の結果、認知症と診断された方は治療方針を決めたうえで、地域のかかりつけ医で経過治療を行っています。さらに年1回程度経過観察のため、同センターを検査受診するという連携システムが、構築されています。

神経内科 医長 医師 和田裕子先生 神経内科 医長 医師 和田裕子先生

多くの患者さんを受け入れることを中核病院の使命ととらえ、「なるべくお待たせしないよう、検査は役割分担して進め、的確な診断を心掛けています」と話すのは、西村先生とともに神経内科で認知症診療にあたっている医長の和田裕子先生です。

問診、血液検査、神経心理検査およびCTやMRI、脳血流などの画像検査は、看護師、言語聴覚士、診療放射線技師らが各々の専門分野を担当、その結果は西村先生や和田先生ら医師のもとへ集められ、チーム医療で効率よく診断まで導いています。

 

精度の高いRI検査で認知症診断のために診療放射線技師が奮闘

RI検査機器 RI検査機器
神経内科 医長 医師 和田裕子先生 RI検査室 診療放射線技師 山之内真也さん
RI検査室 診療放射線技師 鈴木順一さん RI検査室 診療放射線技師 鈴木順一さん

数ある検査の中でも同科が特に力を入れているのが、RI(ラジオアイソトープ)検査です。この検査では、人体に影響を及ぼさないごく少量の放射性医薬品を服用してもらい、患者さん自身の体から放射線を発生させることで、臓器の形や働きを視覚的に確認し、身体機能の不具合や病気の有無を判別します。認知症の場合には脳血流などを調べることでMCI(軽度認知障害)を知ることができるほか、アルツハイマー型やレビー小体型などの認知症の原因となる疾患の鑑別が可能になります。

「RI検査はパーキンソン病や内科疾患の合併症、硬膜下血腫など、早期に治療すべき疾患の発見にも有効です。早期発見、早期治療が患者さんのQOL(生活の質)の維持・向上につながっていると思います」(和田先生)。

同センターで画像検査を担当しているのは、山之内真也さん、鈴木順一さんらベテランの診療放射線技師たちです。西村先生は「彼らが多くの患者さんの検査を分刻みで受け入れ、精度の高い画像を提供してくれるおかげで、約2週間という短い期間で患者さんに結果をお知らせできています」と語り、信頼を寄せています。

RI検査は測定に30~40分かかり、撮影中は体を動かしてはいけないという制約もあります。正しい検査を行うために、そして何よりも安心して検査を受けてもらえるよう、患者さんに配慮するのも検査技師の役割です。

「認知症の患者さんの場合、じっとしていられずに動いてしまわれます。撮り直しになっては患者さんに負担をかけてしまうので、検査時間が長いことをあらかじめお伝えし、なるべく患者さんのそばに寄り添って『今検査していますよ、動かないでいてくださいね』などと穏やかに声掛けを続けるようにしています」(山之内さん)。

 

医師と検査技師の連携がクオリティーの高い画像診断を可能に

RI検査は安全で痛みなどがなく、認知症を診断するうえで大変有効ですが、撮り方によっては不鮮明な画像になることもあり、熟練の技が必要な検査の一つともいわれています。

「数ある放射性医薬品からどの薬を選び、どのタイミングで撮影するか、条件を細かく決めることがポイントです。安全性の高い放射性医薬品を探し、先生方とディスカッションしながら、より精度の高い撮影ができるよう励んでいます」(山之内さん)。

RI検査室で検査を行う山之内さんと鈴木さん RI検査室で検査を行う山之内さんと鈴木さん

医師とのこまめなコミュニケーションや良好な関係も、正確な画像撮影に役立っていると鈴木さんは話します。

「神経内科のカンファレンスには私たち放射線技師も参加させてもらっています。新しい検査機器や検査薬を導入する際には意見をもらい、先生と話し合いながら方向性を定めていきます。先生方との風通しの良い関係が質の高い画像撮影を可能にし、患者さんのためになっていると感じています」(鈴木さん)。

 

地域の先生方からのダイレクト検査オーダー

同センターはRI検査に力を入れ実績を積み上げていることから、近隣の医療機関からダイレクトに画像検査の依頼を受ける仕組みも構築されています。

「この仕組みがあることで、画像検査のみを希望する地域の先生にはよりスムーズに検査結果をお伝えすることができています。専門で認知症を診ている先生ばかりではないので、結果をお返しする際には画像だけではなく、読影補助ソフトで読影したレポートや放射線科医のコメントも添付するようにしています。そうすることで、地域の先生方にもオーダーしてもらいやすくなり、地域全体の診断力を向上させることにつながっていると考えています」(鈴木さん)。

 

早期発見には、勇気を出して受診することが大切

同センターを初診で訪れる認知症患者さんは軽症の場合が多く、西村先生はその理由を「この地域は意識の高い方が多く、ご家族が比較的早い段階で患者さんの変化に気づいて連れてきてくださるからだと思います」と分析します。

その一方で、和田先生は「患者さんが健康だった時代を知っているからこそ、ご家族が焦りを感じて、できなくなったことを患者さんに教え込むこともあります」と指摘し、それが患者さんのストレスにつながることを案じています。

「認知症患者さんがどのような経過をたどるかは、ご家族の受け止め方によるところも大きいと思います。大切なのは、認知症になったことを認めて、できなくなることもあると理解すること。ご家族があるがままの状態を受け入れることで、平穏に暮らしている患者さんも大勢いらっしゃいます」(和田先生)。

さらに、「小さな変化に気づいたら、すぐに受診してください」と、和田先生は高齢者を抱えるすべてのご家族に呼び掛けます。RI検査などを実施することでMCIの段階で見つけることが可能になり、認知症の発症を抑えられる場合もあるからです。

「認知症の進行を抑えることはもちろん、検査によって治る可能性の高い病気を発見できる場合もあります。認知症に関する理解を深めるのと同時に、勇気を出して受診する行動力が必要だと思います」(和田先生)。

 

地域全体で必要な医療を提供するための連携を強化

同センターでは地域医療連携室を設置して、各医療機関や院内の専門スタッフと密に連携しています。

連携室では医療ソーシャルワーカーが在宅療養支援、転院、施設入所などの公的援助に関する相談に対応するほか、患者さんの紹介受診や医療機関からの各種画像検査の受付も行っています。

認知症医療に関しては、地域のヘルパーや介護士とともに事例検討会や研修会を開き、介護職のための勉強会を主催するなど、地域の認知症医療をけん引しています。

「当センターが中心になって各医療機関が協力し、地域にとって必要な医療を提供していかなければなりません」と話す西村先生。今のところ連携はスムーズに行われていますが、今後患者さんが増え続けることを考えて、さらなる連携と地域での役割分担が必要だと強調します。

認知症医療に中心となって取り組む西村先生と和田先生 認知症医療に中心となって取り組む
西村先生と和田先生

「一つの医療機関ですべての医療サービスを提供することは難しい時代になっています。さまざまな医療機関が得意分野を生かして、患者さんのために協力し合うことが大切だと思います」(西村先生)。

認知症医療をはじめ、西神戸地域の医療全体を支える主柱として期待が寄せられる西神戸医療センター。“地域連携とチーム医療”のスローガンのもと、医師と専門スタッフが一体となった取り組みが、今後も続いていきます。

 

 

取材日:2014年4月17日

西神戸医療センターの外観

一般財団法人神戸市地域医療振興財団
西神戸医療センター

〒651-2273
兵庫県神戸市西区糀台5-7-1
TEL:078-997-2200

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