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患者さんの全人的医療のため在宅医療の拡充をめざす
<埼玉県秩父郡小鹿野町 本間医院>

副院長 本間信先生 副院長 本間信先生

埼玉県秩父郡小鹿野町にある本間医院は、約100年、3代続く“町のお医者さん”です。待合室には冬になるとコタツが敷かれる畳スペースがあり、診察前後のひとときを、気のおけない友人宅を訪れたかのようにゆったりと過ごすことができます。

認知症対策に熱心に取り組むこの町で、住民が自分らしい生活を長く続けられるよう、さまざまな医療活動を通して働きかけています。

常に認知症の可能性を念頭に置いて患者さんと向き合う

コタツも用意されている待合室 コタツも用意されている待合室

埼玉県の北西部にある秩父郡小鹿野町は、日本百名山の両神山、日本の滝百選の丸神の滝など、豊かな自然に恵まれた美しい町です。その中心部に位置する本間医院は、1916年の開業以来、“町のお医者さん”として約100年にわたり診療を続けてきました。

副院長の本間信先生は、リウマチ・膠原病・免疫疾患を専門として長年大学病院やオランダの医療機関で研鑽を積んできましたが、14年前から院長と医師の妻と共に、町民のホームドクターとして幅広い疾患に対応しています。

内科、小児科、リウマチ科を標榜する同院では、増え続ける認知症患者さんに対応するため、もの忘れ外来も開設しています。とはいえ、もの忘れ外来を受診される患者さんのみが認知症というわけではなく、全患者さんのうち2~3割が認知症もしくは認知症予備軍であるのが現状です。

本間先生は「リウマチなど他の病気で受診された場合でも、常に認知症の可能性も念頭に置きながら総合的に診療しています」と話し、普段から意識して、早期発見に努めています。

信頼関係を築き、薬物療法の早期開始を実践

本間先生は認知症、もしくは軽度認知機能障害(MCI)だとわかった患者さんには、即座に薬物療法を開始する方針を取っています。 それは、認知症の重症例の経験から、少しでも病気の進行を遅らせ、自分らしい生活を維持してほしいという願いからです。

「人によって進行スピードには差がありますが、進行してから薬を使い始めるより、早い段階で始めたほうが症状を抑えられます。当院を受診された患者さんには、重症度にかかわらず、なるべく早くからしっかりと治療したいと考えています」。

患者さんやご家族に薬物療法を受け入れてもらうため、「嫌われないように気をつけています」と笑う本間先生ですが、常日頃から患者さんやご家族には丁寧に対応し、信頼関係を築くことを心がけています。

「信頼関係があれば、こちらの指示通りにきちんと服薬していただけます。それが認知症の症状改善や進行抑制につながるのです」(本間先生)。

もともと患者さんの多くは気心の知れたご近所の方々であり、本間先生をホームドクターとして頼りにしています。それでも薬を使うことに対して不安をのぞかせる患者さんやご家族には、「たやすく口にするセリフではないのかもしれませんが、『大丈夫、僕が責任を持つから』などと声かけしています」と笑顔を見せる本間先生。力強い言葉と真摯に向き合う姿勢を通して、患者さんやご家族と良好な関係を保っています。

 

目標は「共に気持ちよく暮らせること」

本間先生は現在、同院での診療のほか特別養護老人ホームとグループホームで嘱託医を務め、秩父市内の民間病院や町立病院でもそれぞれ週1回、外来を担当しています。さらに、求めに応じて在宅診療(常時20軒程度)も実施するなど、精力的に医療活動を展開し、地域医療に貢献しています。

そんな本間先生が意識しているのが、全人的医療です。

「全人的医療とは、認知症医療の根本となる考え方です」。

「認知症という病気だけを切り離して診ることはしません。病気の治療をしながら、患者さんがどのように暮らしているのか、気持ちよく過ごせているのか、その生活ぶりにも目を向けるよう努めています」。

こと認知症においては、患者さんだけでなく、日々患者さんと接するご家族に対しても同じ思いがあるといいます。

「患者さんご自身は『何も困っていない』とおっしゃっても、介護されているご家族が相当お疲れのこともあります。その場合は時間を取ってご家族からもお話を伺ったり、行政担当者に連絡を取って介護サービスにつなげることもあります」。

一番大切なのは、患者さんもご家族も「共に気持ちよく暮らせること」だと、本間先生は強調します。

 

認知症患者さんを支える町ぐるみの取り組み

同院のある小鹿野町は、人口の約3割が65歳以上を占める高齢化地域であり、認知症患者さんの増加も予想されています。そのため「認知症になっても安心して暮らし続ける」をモットーに、町ぐるみでサポート体制を整え、認知症サポーターの養成や家族会の開催、音楽療法士を招いて音楽で認知症を予防する活動などを行ってきました。さらに、保健師が中心となって介護が必要な高齢者や家族の状況を調査するなど、予防活動や訪問活動も展開しています。

また、医療・保健・福祉が連携し、必要なときにはすぐに適切な治療や介護につなげていく「地域包括医療ケアシステム」がうまく機能しており、本間先生も「ここは認知症医療に取り組みやすい地域」と評価しています。

「小さな町ゆえに連携しやすいのも確かですが、患者さんと接しご家族の話を聞くなかで、気になることがあれば直接保健師さんやケアマネジャーさんに連絡できる関係が出来上がっていることが大きいと思います。状況によってはすぐに患者さんのお宅を訪問するなど、素早く対応していただけるので、かなり恵まれた地域といえます」。

本間先生も、「患者さんとご家族の生活を守るために」と同町の活動(高齢者見守りネットワーク推進会議)に協力し、積極的に情報交換を行って連携のネットワークづくりに一役買っています。また、介護などの問題をご家族だけで抱え込むことのないよう、患者さんやご家族には利用できる介護保険サービスを紹介しています。

 

認知症は「かかりつけ医が診る時代」を提唱

秩父郡市医師会の副会長も務めている本間先生は、勉強会や講演会などを通して、広く地域住民や看護・介護職を対象に、認知症についての啓発を続けています。また、認知症患者さんの増加を見据え、地域のかかりつけ医にも積極的に認知症を診療するよう呼びかけています。

「患者さんにとっては面識のある医師のほうが安心できるでしょうし、普段から接しているかかりつけ医だからこそ、患者さんの変化に気づきやすい面もあると思います。認知症診療において、もともと関係性を築いているホームドクターができることはたくさんあります」(本間先生)。

さらに本間先生が課題に挙げているのが、在宅医療の拡充です。

「在宅医療はさまざまなところで行われていますが、まだ十分とはいえません。今後の高齢者人口の増加に対して、すべてを入院医療でまかなうには無理があります。また、在宅医療を希望する方々の願いをかなえるためにも、外来医療・入院医療と並ぶ3本柱の一つとして在宅医療を確立する必要があります」。

患者さんが最期まで住み慣れた場所で暮らせる社会を理想に掲げる本間先生。増え続ける認知症患者さんを医療面から支えるために、これからも積極的に在宅医療を行い、地域住民の健康と生活を守り続けていきます。

 

 

取材日:2014年3月12日

本間医院の外観

本間医院

〒368-0105
埼玉県秩父郡小鹿野町小鹿野399
TEL:0494-75-0020

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