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MCIから最重症まで幅広い患者さんに対応した医療を展開
<茨城県東茨城郡茨城町 公益財団法人報恩会 石崎病院>

石崎病院 認知症疾患医療センター センター長 畑中公孝先生 石崎病院 認知症疾患医療センター
センター長 畑中公孝先生

茨城県水戸市の中心部より車で約15分の距離にある、茨城町石崎地区。1954年に開設された石崎病院は、今もなお緑豊かな田園風景が広がるこの地で、精神科医療を展開しています。また、1993年より県の指定を受けた認知症センター事業として、専門相談および専門外来を設置。2013年4月からは、新たに「認知症疾患医療センター事業」として認知症患者さんとそのご家族の支援に取り組んでいます。

地域の認知症医療に貢献する精神科病院

茨城県では筑波大学附属病院をはじめ、7つの病院が認知症疾患医療センターの指定を受け活動しています。ここ石崎病院は、水戸市・笠間市・小美玉市・茨城町・大洗町・城里町の県央地域を担当圏域として、鑑別診断や専門医療相談などを実施するとともに、地域の保健医療機関や介護関係機関と連携を取りながら、認知症患者さんの診療にあたっています。

「鉾田市やひたちなか市など、当院の担当エリア外からも大勢の患者さんが来院されていますね」と話すのは、同センター長を務める畑中公孝先生です。

同院では、認知症がまだ「痴呆」と呼ばれていた1993年に、同院理事の茂呂和生先生が中心となり、現在筑波大学大学院人間総合科学研究科教授で、日本認知症学会評議員でもある水上勝義先生と、専門外来を立ち上げて患者さんを受け入れてきました。現在も外来では院長の田中芳郎先生、副院長の岩切雅彦先生など、認知症専門医が診療にあたっており、精神病院でありながら初診患者さんの約半数を認知症の患者さんが占めています。

患者さんは認知症の程度が軽い方から最重症の方まで幅広く、ケアマネジャーなどの福祉スタッフや、近隣のクリニックからの紹介で受診されるほか、最近では「知り合いのお嫁さんから」「近所の人から」など、口コミで来院される方も増えてきました。

「BPSD(周辺症状)が強く、周りの方が対応に困っていた患者さんが、少し薬を使うことで落ち着きを取り戻し、在宅での生活を維持できるようになることもあります。そういったお話を耳にされ、『お薬で良くなるのなら』と受診に来られるご家族もいらっしゃいます」(畑中先生)。

ご家族だけでは患者さんを支え切れなくなっている場合には入院を勧め、介護の負担をできるだけ軽減するよう対処していきます。

 

治療目標をクリアにして、生活の質を高める

同院に赴任して9年目になる畑中先生は、大学では拒食症の治療を専門としており、認知症患者さんを診る機会はあまりなかったといいます。

「拒食症やうつなど、比較的年齢の若い患者さんの多い精神疾患では、就職や復学など治療目標がはっきりしています。一方、認知症は高齢者が多く、進行性の病気でもあるので、目標の設定が難しいと感じています」と言いつつも、患者さんとご家族が治療に何を求めるか見極めることで、治療目標をクリアにすることも可能だと指摘します。

「初診時から薬物治療を希望する方もおられれば、徘徊や妄想などへの対応に苦労されているご家族もおられます。ご家族が一番困っている症状に対処することでQOL(生活の質)を高めて、患者さんとご家族が一緒に過ごす時間を少しでも増やせるよう、サポートしていきたいと考えています」(畑中先生)。

 

心理検査では適切な言葉かけで患者さんをフォロー

臨床心理士 岩沢聖子さん 臨床心理士 岩沢聖子さん

臨床心理士の岩沢聖子さんは、長谷川式簡易評価スケール、MMSE(認知機能検査)などの神経心理検査やWMS-R(ウエクスラー記憶検査)などの記憶機能検査を担当しています。「検査というだけで緊張される患者さんも多いので、リラックスして最後まで検査を受けていただけるよう、フォローしています」と話す岩沢さん。もの忘れの自覚がある方とそうでない方では、検査中の反応に違いがあるといいます。

「自覚のない方が問題が分からなくても気にせずに先へ進んでいかれるのに対して、自覚がある方は答えられないことにショックを受け、落ち込んでしまわれることが多いですね。中には途中で『どうせできないからもう止める』とおっしゃる方もいます」(岩沢さん)。

そんなとき、岩沢さんは「この検査は問題がだんだん難しくなっているんですよ」「難しいですよね、私もできないんです」など声をかけ、患者さんが嫌な気持ちにならないよう配慮します。

心理検査の結果で、認知症ではなくうつ病だったと判明することもあり、岩沢さんは「心理検査は先生方のオーダーがあって成り立つもの。ほかの疾患との鑑別など、診断や治療に検査が役に立てばうれしいですし、やりがいを感じます」と笑顔で話します。

 

予診や電話相談で、患者さんとご家族の思いをくみとる

精神保健福祉士 小橋澄江さん 精神保健福祉士 小橋澄江さん
精神保健福祉士 田山香代子さん 精神保健福祉士 田山香代子さん

医師による診察の前には予診が行われ、主に精神保健福祉士の小橋澄江さんと田山香代子さんのお二人が担当しています。予診では患者さんの症状や普段の様子だけでなく、ご家族の状況や生活歴、治療に期待することなども聞き取っていきます。

「予診で得た情報から困っている症状が現れるきっかけが分かることもあり、聞き取った内容は、なるべくご本人やご家族の言葉通りに先生に伝えるよう心掛けています」(小橋さん)。

そのほか、電話による医療相談にも対応するなど、日々認知症患者さんやご家族と真摯に向き合うお二人。田山さんは「ご家族や介護者だけでなく、患者さんご本人が何を望んでおられるのかを想像しながら話を聞くことを大切にしています」といいます。

「認知症が進んでいくと患者さんの気持ちを確認できなくなってしまうので、ほかの精神疾患に比べてご本人の意思が反映されにくい面があると思います。例えば、ご本人はデイサービスに行きたくないのに周りが無理に引っ張っていくなど、患者さんとご家族の気持ちがすれ違うことのないよう、なるべく患者さんご本人の気持ちに寄り添っていきたいと思っています」(田山さん)。

 

一番身近な存在として入院患者さんを見守る

看護師 菅谷洋美さん 看護師 菅谷洋美さん

石崎病院には、精神科の閉鎖病棟と開放病棟、内科の療養病棟の3つの病棟があり、合計291床のベッドを備えています。認知症患者さんの受け入れは、主に内科の療養病棟で行ってきましたが、入院する認知症患者さんが増え、2012年ごろから開放病棟でも患者さんを受け入れています。

開放病棟を担当する看護師の菅谷洋美さんは「入院患者さんにとって看護師は一番身近な存在です。患者さんに寄り添い、根気強く看護することを心掛けています」と話します。

「認知症患者さんには動作が緩慢な方が多く、こちらもつい手を貸したくなりますが、残された機能を維持するためにも、なるべく患者さんご自身にやっていただくようにしています」(菅谷さん)。

患者さんの高齢化に伴って、ほかの疾患で入院していた方が認知症を合併する場合も増え、菅谷さんら看護スタッフは患者さんの変化に目を配っています。日時が分からなくなる、食事の後に「まだ食べていない」と訴えるなど、看護スタッフからの情報が治療開始につながることもあり、畑中先生は「看護師さんたちがよく気づいてくれるので、助けられています」と、信頼を寄せています。

 

変化に対応し、地域のニーズに応える治療を

同院の2013年度の集計では、認知症患者さんのうちMCI(軽度認知障害)が15%を占め、地域での認知症疾患への理解が深まり、早期受診が浸透してきたことをうかがわせます。

この現状を受け、畑中先生は「以前はBPSDが強くなってから来院される方が多く、治療もその対応が中心でしたが、これからは初期の鑑別診断と治療にも力を入れていきたいと考えています」と、今後の展望を語ります。

筑波大学附属病院と共同し、認知症診断のための研究や治験などにも積極的に取り組んでいる石崎病院。これからも地域の認知症医療を支える中心的存在として、その使命を果たしていきます。

 

 

取材日:2014年3月14日

石崎病院の外観

公益財団法人報恩会 石崎病院

〒311-3122
茨城県東茨城郡茨城町上石崎4698
TEL:029-293-7155

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