『笑顔とこころでつながる認知症医療』サイトドメイン変更のお知らせ 「お気に入り」や「ブックマーク」の変更をお願いします

詳細はこちら

ホーム > 地域から探す【関東信越】 > 東京都 > 東京都足立区 医療法人社団大和会 大内病院
医療機関を探す

コモンディジーズとして認知症を医療者・一般の方へ浸透させる活動
<東京都足立区 医療法人社団大和会 大内病院>

大内病院 院長 西島久雄先生 大内病院
院長 西島久雄先生

精神科の専門病院として地域に根ざした医療に取り組み、近年は認知症疾患医療センターとして、認知症ケアの中心的役割を担っている大内病院。多職種が密に連携しての手厚いケアで患者さんとご家族を支える一方、研修や地域への啓発活動にも力を注いでいます。

かつては身近な病気と思われていなかった認知症

精神科の専門医として約30年のキャリアを持つ院長の西島久雄先生は、精神科入局当初から高齢者医療に取り組み、認知症の鑑別にも携わっていました。

「当時は抗認知症薬もなく脳のCTがようやく入ったばかりという状況でした。私を含め、今でいう成年後見鑑定を行う鑑定医は、裁判所に提出する鑑定書を作成しなければなりませんので、認知症についての詳しい知識を持っていましたが、認知症の専門医はごくわずかしかいなかったと思います。小阪憲司先生がレビー小体型認知症の症例を報告されたのは1970年代の半ばですが、広く知られるようになったのは2000年に入ってからのこと。つまり、認知症は長く、身近な病気と思われていなかったのです」。

そう振り返る西島先生は「二つの要因が、認知症のケアを大きく変えた」と指摘します。

「一つは、社会の高齢化が進むに従い、広く知られるようになったこと。もう一つは、介護保険制度によりケアの仕組みが地域社会に広がったことです。ひと昔前に比べ、大きく様変わりしたことを実感します」(西島先生)。

 

生活を支援する治療

同院では月~金曜の毎日、高齢期外来で認知症の診療にあたる一方、414床の病棟を備え、東京都が設置した老人性認知症専門病棟を併設。西島先生は主に入院患者の対応に当たっています。

「専門病棟では、認知症に伴うBPSD(周辺症状)が激しい方を受け入れて治療し在宅復帰させることを目的としています。しかし、それだけが私たちの仕事ではありません」。

そう語る西島先生は続けて「外来で在宅での生活を支援することも、認知症治療の大きな目的の一つです」と持論を示します。

「ご本人の一生という長いスパンの中で、今まで何が起きてきたのか、今後何が起こりうるのかを考えたうえでの治療が、精神科における認知症治療になると思います」(西島先生)。

 

認知症を支える力を地域に広げるために

同院は認知症疾患医療センターとしても、地域で大きな役割を担っています。都は2012年4月から同センターの運営を開始し、都内に計12ヵ所設置されていますが、同院はその一つとして足立区、荒川区、葛飾区を担当。認知症ケアの中核を担い、医療・介護連携の研修・啓発活動の要となっています。

認知症疾患医療センター 事務局長 精神科認定看護師 井手順子さん 認知症疾患医療センター 事務局長
精神科認定看護師 井手順子さん

同センターの事務局長を務めるのは精神科認定看護師の井手順子さん。「医療、介護、福祉、どのスタッフでもわかる“共通言語”で連携し、患者さんがご自宅に戻られても施設に行かれても支援できる、ネットワークづくりが大切です」。井手さんはそう連携の重要性を説きます。

同センターでは医療従事者向けの研修や市民のためのセミナーなどを年間約60回という高頻度で開催しており、看護師や精神保健福祉士らが交代で講師を務めています。

「講師をやるには勉強が必要ですからスタッフのスキルアップになりますし、地域の中で自分たちが役立っていると感じれば、それがモチベーションになります。つまりセミナーは、私たちにとってもさまざまなプラスがあるんです」(井手さん)。

認知症疾患医療センター 精神保健福祉士 髙橋雅知子さん 認知症疾患医療センター
精神保健福祉士 髙橋雅知子さん

同センターの精神保健福祉士である髙橋雅知子さんは「参加者の方に『来て良かった』と言っていただくことが、やりがいにつながります」と実感を込めて語ります。

「一般の方には認知症は決して怖くないことを知っていただき、医療・介護関係者の方には認知症のケアの知識を身につけてもらって各施設で対応いただく。そうやって地域の中に認知症の方を支える力を広げることが、私たちの仕事だと思っています」(髙橋さん)。

 

医療と介護は“連携”から“融合”へ

訪問看護もセンターの重要な役割の一つ。井手さんは「通院ではわからない生活の背景などが見えることが訪問看護の特長」だとその意義を語ります。

「ご家族はおられないというお話だったはずなのに、ご自宅の壁にいっぱいご家族の写真が貼ってあったり、ご近所のお友達の支えで公園へよく散歩に行っていたり、そんな発見からケアの糸口が見えることがよくありますね」(井手さん)。

東京都では2013年8月から“認知症早期発見・早期診断推進事業”をスタートしましたが、同センターはこの事業の一環として、対象者訪問も行っています。 

区市町村に配置する認知症コーディネーターと、センター等の医療機関に配置する認知症アウトリーチチームが協働し、認知症の疑いのある人を把握・訪問し適切な医療・介護サービスに結びつけることが、この事業の目的です。しかし実際は「早期発見を目的としながらも、実際に訪問するのはすでに重度の方も多く、行ってみるとごみ屋敷化していたということもあります」と井手さんは指摘します。

居宅介護支援事業所ひだまり ケアマネジャー 川上智保さん 居宅介護支援事業所ひだまり
ケアマネジャー 川上智保さん

同院の関連施設である居宅介護支援事業所ひだまりのケアマネジャー・川上智保さんは、各ご家庭のさまざまな条件に合わせながら“健康管理・環境整備・コミュニケーション・作業”を生活に取り入れられるように支援することを心がけています。

「何か疑問や不明な点があればすぐに西島先生や井手さんに相談できるので、ご家庭の事情に合わせたケアプラン作成もスムーズです。医療と介護は“連携”からさらに進んで“融合”の時代に入ってきていると思いますが、ここではそれが実践できていると自負していますし、その実践に私自身とてもやりがいを感じています」(川上さん)。

 

週1回の気軽な相談の場 “オレンジカフェ”

オレンジカフェ開店中です オレンジカフェ開店中です
認知症疾患医療センター 事務 北村明美さん 認知症疾患医療センター
事務 北村明美さん

同院では、連携や啓発を目的とする研修会やセミナーのほかに、オレンジカフェと称する茶話会レベルの気軽な相談の場も設けています。お茶とお菓子があって利用料金は1回50円。毎週木曜日9~15時開催と割に頻度が高く、家族会とはまた別で地域の方なら誰でも参加できるのが特長です。

「先生に相談できる時間はどうしても限られますので、話し足りないことがあればここで相談していただくのが、そもそもの趣旨。私や井手さん、髙橋さんなどが交代で対応していますが、利用者さん同士がお互いの状況を話し合ったり情報交換しておられることも多いですね。特に相談せず編み物や将棋など楽しんでもらうだけでも構いません」(川上さん)。

同センターで事務を務める北村明美さんの主な担当は相談の取り次ぎや事務処理ですが、介護職経験者ということもあってカフェでのお話し相手も引き受けています。

「専門的な相談というより、日常のたわいない話が多いです。ときには苦労話もありますけれど、一緒に話して一緒に笑う時間を過ごすことに満足してもらえたら嬉しいですね。仕事でやっている私のほうが、むしろ楽しませてもらっているのかもしれません」(北村さん)。

カフェの利用者さんは毎回20~30人。「毎日やってほしいという方もおられますよ」と事務局長の井手さんは笑います。

「精神科、認知症疾患医療センターというと、どうしても構えてしまって気軽には行きづらい。その障壁を取り払う上で、このカフェは役立っていると思います」(井手さん)。

 

ありふれた病気”としてクリニックで診療する体制を

精神科の専門病院、そして認知症疾患医療センターとして、地域の認知症ケアの中心であり牽引役である同院。そのリーダーである西島先生は「私が1人でコツコツやっていたころに比べ、ずいぶん人材が育ち、体制が整ってきました」と近年の活動に手応えを感じながらも「まだまだ課題は多い」と訴えます。

認知症カフェでお待ちしております!! 認知症カフェでお待ちしております!!

「一つは、認知症はコモンディジーズ、ありふれた病気だという認識をもっと広めることです。特殊な病気ととらえていれば、やはり診断されても受け入れたくはありませんし、心にいい影響を与えないでしょう。しかし、誰もがなるものだと考えれば、できるだけ早く見つけて早く治そうと思えるはずです」

「もう一つの課題は、一般のクリニックで診療する体制を整えることです。重症のBPSDの患者さんは当院のような専門病院で診ないといけませんが、それ以外の患者さんはぜひ、町のクリニックの先生に診ていただきたい。私どもが医療従事者向けの研修を行っているのもそのためですし、今後もっと力を注ぎたいと思っています」(西島先生)。

 

 

取材日:2014年8月6日

大内病院の外観

医療法人社団大和会 大内病院

〒123-0841
東京都足立区西新井5-41-1
TEL:03-3890-1306

施設のホームページへ

 【 認知症疾患医療センター 】
 TEL:03-5691-0592

 

居宅介護支援所・オレンジカフェ外観

居宅介護支援事業所ひだまり

〒123-0841
東京都足立区西新井5-42-5
TEL:03-5838-0578

 【 認知症カフェ オレンジカフェ 】

この記事のURLをメールで送信
医療機関を探す
新着施設から探す
地域から探す
  • 北海道 近畿
  • 東北 中国
  • 関東・信越 四国
  • 東海・北陸 九州・沖縄
カテゴリーから探す
  • 社会が考える認知症予防・治療・戦略
  • 日常診療における創意工夫
  • チーム連携のさらなる充実
  • ふれあいつながる作品展
  • バアちゃんの世界
  • バアちゃんの世界からわかる認知症の症状と対応のヒント
  • 「笑顔とこころ」をつなぐ声
  • お薬(剤形)の選択肢が増えました
  • 患者さんとご家族のための認知症の知識
  • 認知症相談窓口
  • 認知症サポーターキャラバン
  • サイト運営企業の取り組み
  • 医療関係者の皆さまへ
トップページへ