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「治る認知症」特発性正常圧水頭症の治療に注力
<神奈川県横浜市 医療法人社団鳳凰会 いえまさ脳神経外科クリニック>

院長 張家正先生 院長 張家正先生

横浜市戸塚区に、全国各地から患者さんが訪れる、いえまさ脳神経外科クリニックがあります。特発性正常圧水頭症の診断と手術で全国トップクラスの実績を持つ張家正先生は、日々の診療の傍ら、この疾患についての啓発と後進の育成に力を注いでいます。

特発性正常圧水頭症の手術実績はトップクラス、今も提携病院で年に150例

1.5T MRIシステム 1.5T MRIシステム
CT CT

横浜市戸塚区、JR戸塚駅近くの医療ビルで2011年に開業したいえまさ脳神経外科クリニックは、頭痛やめまい、もの忘れ、頭部外傷、脳梗塞など脳や神経にかかわる病気を専門とするクリニックで、最新のMRIやCTを駆使した診療を行っています。

院長の張家正先生は、特発性正常圧水頭症の手術で多くの実績があり、テレビや雑誌で取り上げられることも多いため、全国から患者さんが訪れます。同クリニックでは入院や手術はできませんが、今も複数の提携病院で年に150例ほどの手術を手がけています。

「メディアの取材に応じるのは、“治る認知症”である特発性正常圧水頭症の存在を、多くの方に知っていただきたいからです」と、張先生は語ります。

正常圧水頭症とは、脳や脊髄とそれを覆うくも膜の間(くも膜下腔)を循環する脳脊髄液が余分に貯留し、脳内部の脳室が拡大した結果、脳の機能に障害が出て、歩行障害や認知機能の低下、尿失禁などの症状が引き起こされる病気です。くも膜下出血や頭部外傷など原因があって引き起こされるタイプ(続発性)の正常圧水頭症は、正しく診断されて治療されることが多いのですが、原因がわからない“特発性”の正常圧水頭症は、大半が高齢者に起こり、いずれの症状も年を取れば出現しやすいことから見落とされることも多く、認知症患者さんの5%、高齢者の有病率から換算すると全国に30万人を超える患者さんがいるという推計もあります。

 

リスクも負担も小さい腰椎・腹腔シャント

たまった脳脊髄液を腹腔などに流すシャント術で治すことができるため、正常圧水頭症は“治る認知症”と呼ばれます。

「脳室と腹腔をつなぐシャントが一般的ですが、脳を傷つけるリスクがあるため、せっかく正常圧水頭症であると正しく診断されても、手術に慎重になる医師が少なくありません」(張先生)。

張先生が得意とするのは腰椎と腹腔をつなぐシャントで、脳に触れないため傷つける心配はなく、患者さんの負担も少ないというメリットがあります。ただ、長年体重を支えていた高齢者の脊椎はつぶれていて管を通すのが難しいため、これを手がける医師が少ないのが現状です。

「高齢者の腰椎・腹腔シャントは手術に2時間くらいかかることもあるのも敬遠される理由のようですが、習熟すると30分ほどで終えることができます。挑戦する医師を増やすためにも、若い人たちに技術を伝えていきたいと考えています」(張先生)。

 

診断の決め手は画像とタップテスト

正常圧水頭症の診断にはMRIの画像データと、タップテスト(腰椎から少量の脳脊髄液を抜いて経過観察)の結果が用いられますが、タップテストの結果を正しく評価できていないことも多いと張先生は指摘します。

「私は、タップテストの前後で患者さんの歩く様子を詳細に観察して比較するようにしています。また、3時間で顕著な変化が見られる方もいれば、翌日、4日後、1週間後と時間を置いた時に変化が見えてくる方もいます。一度様子を見て、『変化がないから違う』と判断するのは好ましくありません」(張先生)。

さらにタップテストで変化が見られない場合でも、手術をすれば大きな効果が現れる方も少なくないと張先生は言います。

「画像で正常圧水頭症の特徴を示していたら、タップテストで変化がなくても手術は行ったほうが良いと私は考えています。このような場合でも、リスクと負担が少ない腰椎・腹腔シャントならば、理解が得られやすいと思いますね」(張先生)。

アルツハイマー型認知症の陰に隠れて見落とされる危険

特発性正常圧水頭症は隠れている特発性正常圧水頭症は隠れている

認知症のうち5%を占めるといわれる特発性正常圧水頭症が、治療が可能であるにもかかわらず、見落とされるのはなぜでしょうか。

「ほとんどはアルツハイマー型認知症と診断されていると思います。正常圧水頭症では、ふらつく、つまずく、歩くのが遅くなるなどの歩行障害が、認知障害より先に出ます。この歩行障害を『高齢だから足腰が弱くなるのも当然だ』と、ご家族も患者さん本人も深刻にとらえないまま病状が進行し、もの忘れや尿失禁などが出現してから病院を受診して、『もの忘れだからアルツハイマー型認知症』と診断されるのです。歩行障害の段階で受診していれば、正しく診断されたかもしれないのですが......。ただ、歩行障害に気付いてもパーキンソン病だと診断されている場合もあるかもしれませんね」と張先生は語ります。

進行の速さも重要な特徴です。アルツハイマー型認知症などでは症状は年単位で進んでいきますが、正常圧水頭症では数ヵ月で明らかに悪くなることが少なくありません。

アルツハイマー型認知症を合併すると、診断はさらに難しくなります。MRI画像で見られる脳室拡大が、アルツハイマー型認知症の脳萎縮によるものなのか、それとも水頭症によるものなのかの鑑別が難しいからです。

「アルツハイマー型認知症を合併している症例でも、手術をすれば正常圧水頭症が原因の症状は明らかに改善します。また、正常圧水頭症を治したらアルツハイマー型認知症の薬が効き始めたという経験をいくつもしてきました」(張先生)。

 

医療スタッフに加えて事務スタッフも患者さんの力に

医療事務 原田美野さん医療事務 原田美野さん
医療事務 瀬川美佳さん 医療事務 瀬川美佳さん
医療事務 冨永美香さん 医療事務 冨永美香さん
医療事務 榎坂悠聖さん 医療事務 榎坂悠聖さん

正常圧水頭症の術後効果について、同クリニックで医療事務を担う原田美野さんは「検査室に移動する時の介助などを担当していますが、手術の前後で歩行も会話も見違えるように良くなるのがわかります。私たちもとても嬉しく感じますね」と語ります。

同クリニックでは、原田さんのほかにも医療事務スタッフが、患者さんや家族のサポート、検査・診療の助手として活躍しています。彼女たちが、病気や検査について学ぶことで、受付や待合室で患者さんの不調に気付いたり、ご家族の苦労を察して声をかけたりすることができているのです。

「他の病院で受付業務をしていた時にも、認知症の患者さんがおられ、今の知識があればこんな風に接したのに......と思い出すことがあります。事務スタッフも病気について勉強することで患者さんの力になれると実感し、とてもやり甲斐を感じています」(医療事務・瀬川美佳さん)。

「患者さんが不安を抱えてイライラされていたり、ご家族がご本人には内緒で相談したいことを胸に秘めておられたりするので、受付スタッフとして『察するチカラ』を高めるよう努力しています」(医療事務・冨永美香さん)。
「ご夫婦二人暮らしの場合など、介護者が本当に疲れておられるので、お話を聞くことで力になれたらと思います。受付はクリニックの顔です。いつも笑顔で明るい雰囲気でお迎えするよう心がけています」(医療事務・榎坂悠聖さん)。

特発性正常圧水頭症の認知度を高めるためにメディアに出る道を選び、スタッフ全員で患者さんとご家族を支える体制を築いてきた張先生は、少しでも気になることや疑問に思うことがあれば、特発性正常圧水頭症の診断・治療を得意とする医師を受診してほしいと願っています。

「もしかしたら、その認知症は治るかもしれません。情報も増えてきたので、ぜひ調べてみてください」(張先生)。

 

 

取材日:2014年8月30日

いえまさ脳神経外科クリニックの外観

医療法人社団鳳凰会
いえまさ脳神経外科クリニック

〒244-0003
神奈川県横浜市戸塚区戸塚町5056-4
アスクレピオス戸塚2F
TEL:045-869-0881

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