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短期集中型治療で、在宅・施設復帰をサポートする認知症専門病院
<神奈川県川崎市 医療法人花咲会 かわさき記念病院>

院長 神経内科医 福井俊哉先生 院長 神経内科医 福井俊哉先生

かわさき記念病院は、神奈川県川崎市で初めての認知症専門病院です。認知症の早期診断・治療を行うほか、急性期には小規模のユニット型の病床で短期集中型の入院治療を行い、早期の在宅・施設復帰を支援する新しい形の認知症医療の提供を目指しています。

専門的な医療を提供する“認知症診療の便利屋さん”

病院のエントランス 病院のエントランス

神奈川県川崎市にあるかわさき記念病院は、増え続ける認知症患者さんを受け入れるべく、認知症に特化した医療を提供するために2014年5月に開院しました。精神科と神経内科を標榜し、専門スタッフをそろえて診療を行い、重度の患者さんを対象としたデイケアもスタートさせています。

入院治療は長期化を避け、1~2ヵ月程度での退院を可能とする短期集中型の治療を特徴としています。病床は300床を備えていますが、少人数で療養生活を送るユニット形式を取り入れ、患者さんが落ち着いて生活できる環境を整えています。

院長である神経内科医の福井俊哉先生は、これまで横浜の基幹病院で地域の先生方とともに病診連携の構築に力を注ぎ、地域全体の認知症診療をけん引してきました。

「認知症は早期発見・診断によって適切な治療を行い、急性増悪時は信頼できる施設に入院し、状態が安定したら住み慣れた家に戻れるのが理想です。かかりつけ医で日常のケアを行っていただけるように、当院は適切な診断・治療を行う、認知症診療の拠点となっていきたいと考えています。BPSD(周辺症状)が強くなった患者さんの診療はもちろん、認知症の症状が出る前の、もの忘れが不安だという方の受診も受け付けています。地域の皆さんに気軽に利用してもらえる“認知症診療の便利屋さん”として、頼られる存在になりたいと思っています」と福井先生は抱負を語ります。

 

正確な鑑別診断を行い、ご家族への心理教育を重視

画像検査に用いられるCT機器 画像検査に用いられるCT機器
副院長 神経内科医 長濱康弘先生 副院長 神経内科医 長濱康弘先生

同院では、早期に治療を開始できるように、可能な限り初診日に診断を確定するようにしています。検査は、神経心理検査のほかCT撮影で画像検査を実施しています。福井先生は認知症診療に関わって培った長年の経験を生かし、問診に重きを置き、患者さんやご家族の話を聞き取るのに約1時間かけています。

診療においてもう一つ大切にしているのは、ご家族に認知症の病態について説明し、理解してもらうことです。

「特にレビー小体型認知症は妄想が強く、症状の変動が激しいため、ご家族がその対応に戸惑いがちです。しかし、きちんと説明を受け、病気の特徴を理解してもらえれば、症状の変化に一喜一憂せず、落ち着いて対応できます。ご家族の心に余裕があると、介護の疲労度も軽くなります」(福井先生)。

副院長で神経内科医の長濱康弘先生は「もの忘れ外来では認知症の診断、治療はもちろんですが、患者さんの状態を左右する環境を整えるため、ご家族の相談を受け、ご家族に認知症とはどういうものか理解していただくことも大切な役割です」と話します。「認知症は疾患の種類によって症状も、BPSDも異なってきます。それぞれの病気の特性を踏まえつつ、個々の患者さんに応じた対応の仕方をご家族とともに探っていくことは、BPSDの緩和や、ご家族の介護負担軽減につながります。そこには一律な介護指導とは違った治療効果が期待できるのです」(長濱先生)。

 

小規模のユニット型病床を導入した短期集中型の入院治療

食事やリハビリを行うデイルームの様子 食事やリハビリを行うデイルームの様子

病棟は福祉の先進国で採用されている、病棟内を小規模に区切るタイプのユニット型の病床を取り入れています。1ユニットには6室の病室があり、食事やリハビリを行い生活の中心となるデイルームを囲むように配置されています。患者さんはユニット単位で入院生活を過ごし、看護師やリハビリスタッフも固定されています。

病棟の院内マップ 病棟の院内マップ

長い廊下に個室が並ぶ一般的な病棟と違い、ユニット型の病床は、不安が強い認知症患者さんの入院生活に適しています。自分の位置が把握でき人間関係を認識しやすいので、落ち着いた環境で過ごすことができます。スタッフの動線も短いので、負担が少なくなると言われています。

入院加療は外来診療を支えるという位置づけで、短期集中型の治療を行い、1~2ヵ月程度で在宅復帰を目指すのが同院の入院治療の特徴です。それには、入院時の明確な目標設定とチーム内の連携が欠かせません。

チーム医療において、退院のゴールは患者さんごとにご家族と話し合って設定します。夜眠れない患者さんなら眠れるようになったら、骨折した患者さんなら歩けるようになったらなど、目標に合わせて専門職が関わっていきます。

 

適切なケアで患者さんが落ち着ける環境をつくる

認知症ケア専門士 看護主任 山市正美さん 認知症ケア専門士 看護主任
山市正美さん

看護副師長 小林恵さん 看護副師長 小林恵さん

入院時は、24時間ケアにあたる看護師や作業療法士などスタッフの役割が重要になってきます。認知症ケア専門士の資格を持つ山市正美さんは「私たち看護師は認知症を患う患者さんの世界を理解し、1日を心地よく過ごせるためのケア提供者でなければなりません。不安や困りごとを抱えた思いを受けとめ、常に笑顔で寄り添う姿勢を心がけながらケアを提供していきたいと思います」と語ります。

同じく病棟看護師の小林恵さんは「入院時に設定した退院という目標を達成するため、ご家族などからできる限り情報を入手します。BPSDのある患者さんでも、そこに至った背景がわかると、その人に合った看護ができるのではないでしょうか」と話します。

「入院当初は不安が強く、落ち着きがなかった患者さんも、私たちが患者さんの気持ちや行動を“当然のこと”と受け止め、肯定して対応していくと、不安が軽くなり、笑顔を見せてくれるようになると感じています」(小林さん)。

 

安全に継続できることを目指した薬物治療

薬剤部 薬局長 田村英樹さん 薬剤部 薬局長 田村英樹さん

チーム医療の一員として患者さんの症状改善に貢献しているのが、薬剤師の田村英樹さんです。入院患者さんが持参した薬について、処方の重複がないか、BPSDを招く可能性のある薬剤が含まれていないかなどをチェックし、医師に報告しています。

「服薬薬剤がBPSDの悪化につながっていないかなど、病状に与える影響も含めて医師と検討し、薬物療法を適正化することでも症状を改善できるケースがあると考えております 」(田村さん)。

入院中に薬剤の変更や中止、嚥下困難のため剤形変更があった場合は、退院時にご家族や入居先の施設に説明するとともに、治療を引き継ぐ医療機関への情報提供を行っています。

「副作用が発現した、持参薬を使い切ったなど、薬剤変更の理由や経緯の情報を整理して伝えておけば、かかりつけ医が副作用の出た薬剤を再び処方することはありませんし、調剤薬局の薬剤師も納得して調剤ができます。患者さんに適した薬物療法を退院後も継続してもらうためにも、情報提供を大切にしています」(田村さん)。

今後は、入院中の患者さんにも適切な服薬指導を行っていきたいという田村さん。「認知症患者さんだからといって特別な対応をするのではなく、薬の説明を行って患者さんが忘れてしまった場合も、必要に応じて繰り返し説明をしていくことも大切だと思っています」と語ります。

 

相談から退院後まで担当スタッフが一貫してコーディネート

総合相談センター センター長 社会福祉士 浅沼英利さん 総合相談センター センター長 
社会福祉士 浅沼英利さん

総合相談センター 副主任 臨床心理士 北畠綾子さん 総合相談センター 副主任 臨床心理士
北畠綾子さん

受診の相談や予約は全て同院内の総合相談センターで受け付けています。同センター長の浅沼英利さんは「来院前から退院後まで、全体をコーディネートするのが私たちの役割です」と語ります。

患者さんごとに担当の精神保健福祉士が付き、診察時の付き添いや入院時の手続き、退院後の在宅復帰や施設復帰まで、責任を持ってサポートしています。

臨床心理士の北畠綾子さんは、「認知症は原因疾患によって生じてくる特徴が異なりますので、ご本人に合うケアを提供するためには医師による正しい診断が必要です。心理士として神経心理検査を通して疾患の特徴を捉える診断補助の役割を担っています。また、患者さんの経過を確認するためにも神経心理検査を用いています。患者さんの状態を把握することで、患者さんご本人が気を付けること、ご家族や周囲のケア提供者が気を付けることなどを検討していきます」と話します。

 

退院後の生活を見据えたリハビリを実施

リハビリテーション科 主任 作業療法士 岡澤学さんリハビリテーション科 主任 作業療法士
岡澤学さん

リハビリチームも、患者さんの入院時の目標達成を目指して必要なケアを提供しています。昼間に作業活動やレクリエーションを行って夜に眠る生活リズムをつくったり、歩行訓練やADL(日常生活動作)訓練など、患者さん一人ひとりに合わせたリハビリを行います。

作業療法士の岡澤学さんは「認知症の患者さんに毎回違うリハビリを行うと混乱を招きますから、繰り返しても楽しんで取り組めるものを提供しています」と話し、歌や囲碁、将棋など、患者さんの生活歴のなかから好きなことを探して取り入れています。

デイルームに飾られた患者さんの作品デイルームに飾られた患者さんの作品

また、退院後に通うデイケアになじめるように、入院中から院内のデイケアを利用する計画もあり、退院後を見据えたリハビリの強化を重視しています。

「いずれは、和室とユニットバス、調理スペースを備えた在宅復帰支援室を活用し、調理や布団の上げ下ろしなど、在宅で行う家事や動作の訓練をしていくことも考えています」(岡澤さん)。

 

定期的なカンファレンスで治療の評価と情報を共有

定期的なカンファレンスを行うスタッフの皆さん定期的なカンファレンスを行うスタッフの皆さん

同院では、医師、看護師、栄養士、作業療法士、精神保健福祉士など、患者さんに関わるすべてのスタッフがそろうカンファレンスを入院後、1週間後、その後は1ヵ月毎に開き、目標に向かって効果的な治療ができているかを評価し、必要があれば目標の再設定を行います。

忙しいスタッフのスケジュールを調整してカンファレンスをセッティングする浅沼さんは「患者さんごとに目標が決まっていることで、各職種が何を成すべきかがおのずと見えてきます」と、目標設定の重要性を語ります。

退院前のカンファレンスにはご家族も参加し、薬剤師やケアマネジャーも加わって、退院後の介護サービスなどを検討しています。必要があれば精神保健福祉士や作業療法士がご自宅を訪問し、家屋改造のアドバイスなども行います。症状を良くするだけでなく、在宅に戻った後の生活までイメージして支援するのが同院の特徴です。

 

最先端の治療を広めるとともに地域への情報発信も

福井先生は「まずは、かわさき記念病院がどんな病院か知ってもらうことが大切」と、川崎市はもちろん、周辺の市区町村や他県の医師会に赴いて講演を行い、同院の認知度アップとともに病診連携の構築を目指しています。

また、患者さんが住み慣れた場所で安心して暮らし続けるには、地域住民の理解と協力が必要なことから、多職種が協力して地域での啓発活動にも力を入れています。

「具体的には潮見台カフェや認知症家族の会、市民公開講座、ホームページ上に“認知と認知症のコラム”や“認知症チェックリスト”などを提供し、地域全体の認知症理解の向上を図っていきたいと考えております」(福井先生)。

「挨拶と笑顔こそが良い連携につながる」と断言する福井先生。明るい空間にスタッフの笑顔があふれる同院は、認知症診療の新たな情報発信地として稼働を始めました。

 

更新日:2016年12月26日

かわさき記念病院の外観

医療法人花咲会 かわさき記念病院

〒216-0013
神奈川県川崎市宮前区潮見台20-1
TEL:044-977-8877(代)
TEL:044-977-3145(総合相談センター)

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