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院内外の連携を築き地域医療に貢献
<茨城県古河市 日本赤十字社 古河赤十字病院>

院長 篠田宗次先生 院長 篠田宗次先生

2013年に認知症疾患医療センターに指定された日本赤十字社 古河赤十字病院。地域の精神科病院と密に連携し、早期発見と市民への啓発、地域医療のネットワークの活性化に注力しています。その背景には医療スタッフの力を生かす組織がありました。

災害救援にも力を入れてきた歴史ある病院

茨城県西端の街、古河市。1953年に地元の要望に応えて設立された古河赤十字病院は60年以上にわたって地域医療に貢献してきました。災害時救援活動にも力を入れており、阪神・淡路、東日本の大震災はもちろん2015年に地元で起きた関東・東北豪雨では2週間にわたり30名の医療チームを派遣して救護に取り組んだ実績があります。

同院は2013年、認知症疾患医療センターとして茨城県の指定を受けました。25km圏内に指定を受けた病院がなく、地域に貢献できる新たな機能を模索していた同院が県の募集に手をあげたのがセンター設置のきっかけです。

以前から神経内科で“もの忘れ外来”を実施していましたが、精神科を持たない同院では、センター開設にあたって新たに認知症医療に意欲を持つ医療スタッフを採用。また、精神科の専門病院である共助会猿島厚生病院と慈政会小柳病院との連携体制を確立しました。SPECTなど特殊な検査も自治医科大学附属病院、自治医科大学附属さいたま医療センターで実施が可能な関係を築いています。

軽症者の受診が多いことが特徴

同センターを新たに受診するのは毎月60名ほど。MMSE(認知機能検査)が20点以上の軽症やMCI(軽度認知障害)の患者さんが多いことが特徴です。

「当院に精神科がないことが逆に、早期や軽症の方でも受診しやすくしているのかもしれません。センターの医師・スタッフが啓発活動に力を入れていることも早期の受診につながっていると思います」と、院長で脳神経外科が専門の篠田宗次先生は語ります。

センターへの電話の8~9割はご家族からで、認知症疑いの受診相談か、症状の悪化や治療の副作用に関する相談です。患者さん本人からのアプローチも増加傾向にあります。

“治る認知症”に迅速に対応できる体制

同院のもの忘れ外来では、通常、3回目の診察時に検査結果を踏まえた認知症の鑑別診断が行われます。初診ではもの忘れ問診票の記入、内科医の診察と採血を行い、2回目は神経心理検査やMRI検査を受け、3回目に脳神経外科または神経内科の医師が診察し診断を確定、治療を開始するのが、同院での診断の流れです。

診断までに複数の診療科が関わるので、硬膜下血腫や正常圧水頭症、脳腫瘍、パーキンソン病など別の疾患を見逃さずに診断できます。

センター長 山田武先生 センター長 山田武先生

センター長の山田武先生も、院長と同じく専門は脳神経外科。「脳神経外科で対応が可能な硬膜下血腫などの“治る認知症”の場合、診断がついたら即入院、迅速に手術できるのが当院の特色です。そんなわけでセンター開設前は器質性の認知症の人が多かったのですが、今はアルツハイマー型認知症を筆頭にさまざまな認知症の人の治療を手がけています。認知症の人を地域で支えるという時代のニーズに貢献していると実感できるようになってきました」(山田先生)。

 

開設から3年。地域のクリニックの対応力も向上

臨床心理士 山中恵理さん 臨床心理士 山中恵理さん

認知症疾患医療センターは臨床心理士1名、精神保健福祉士2名、保健師2名とセンター長の6名体制です。

臨床心理士の山中恵理さんは、課長代理としてチームの軸となり活躍しています。「発足から3年。一人ひとりが力を発揮し、連携できるチームに育ってきました」と山中さんは振り返ります。

3年が経過してセンターを巡る状況も変化しています。かかりつけ医からの紹介も多いですが、発足当初は認知症をかかりつけ医として診療できるクリニックが少なく、治療も任せたいという紹介も珍しくありませんでした。近年は同センターによる診断や治療計画を参考に日々の疾患管理を担当できるクリニックが増え、アルツハイマー型とレビー小体型の鑑別依頼なども珍しくないといいます。「地域のクリニックの対応力が向上した分、センターにはより高度な対応が求められますので、日々勉強です」(山中さん)。

 

心理テストから福祉相談まで一貫して

精神保健福祉士 坂田文吾さん 精神保健福祉士 坂田文吾さん
精神保健福祉士 元井睦夫さん 精神保健福祉士 元井睦夫さん
保健師 塚田せき子さん 保健師 塚田せき子さん

同センターでは精神保健福祉士や保健師も、もの忘れ外来での問診、神経心理検査から福祉相談まで幅広く関わります。精神保健福祉士の坂田文吾さんは「問診を担当することで患者さんの家族構成や生活上の課題を把握できるので、具体的な暮らしをイメージしながら福祉サービスを検討できます。医師の診断を助けるためにも、患者さんの暮らしを支えるためにも、基本的な情報が重要ですね」と語ります。

同じく精神保健福祉士で2016年4月に着任した元井睦夫さんは「面談でご家族から『誰にも言えなかったことを聞いてもらえてよかった』と言われたことが印象に残っています。傾聴することが大切だと実感しました」と振り返ります。

保健師の塚田せき子さんは「認知症では相談に来られた方が次回の予約日に来院されないことがあります。これを防ぐために、初回面接を笑顔で終えられるように、不安を抱えて来院された方が安心して帰れるように心がけています。せっかく早期に相談に来られても治療につながらなければ意味がありません。スタッフの努力が実って、中断のケースは本当に少なくなりました」と語ります。

 

家族が学び悩みを共有できる場を提供

教育啓発活動にも力を入れています。センター開設前から続いている認知症家族勉強会“オレンジ教室”は、2016年度は全4回の開催を予定。山田先生が講師となり、認知症についての知識やケアのコツなどを伝えています。

2015年からは認知症介護者と医師・スタッフがフラットな雰囲気のなかで不安や悩みを話せる“オレンジファミリーサロン”を隔月で開催、参加者から好評を得ています。

さらに2016年度、“オレンジスクール”をスタートしました。月1回の全6回シリーズで認知症について学ぶセミナーで、対象は同院を受診する患者さんのご家族。受講者自身の悩みや課題を解決するだけに留まらず、同じように悩む介護者をサポートできる人材を育てようという試みで、医師、看護師、栄養士、市職員などが講師を務めます。「より深く学びたいというご家族も多いことがわかって企画したセミナーです。修了された方にはファミリーサロンや啓発イベントのサポーターとして活躍していただくことを期待しています」(山中さん)。

医療スタッフの力を引き出し進化し続ける

古河赤十字病院の皆さん 古河赤十字病院の皆さん

同院では、何人かの認知症看護認定看護師が病棟に所属しながら資格を生かして他の病棟にもラウンドしています。「科や組織を越えて動ける柔軟さが当院の特色。これを生かしてセンターの業務も進化させていきたいですね」(山田先生)。

「センターのスタッフの経験と知恵を生かして訪問医療やリハビリ、デイケアなども手がけたいと考えています。とはいえ、まだ発足3年の組織。スタッフの負担にならないよう、少しずつ目標に向かって進んでいきたいですね」と篠田先生は今後の展望を語ります。

 

 

取材日:2016年5月16日

日本赤十字社 古河赤十字病院の外観

日本赤十字社 古河赤十字病院

〒306-0014
茨城県古河市下山町1150番地
TEL: 0280-23-7111

施設のホームページへ

【医療連携先】

医療法人共助会 猿島厚生病院

〒306-0233
茨城県古河市西牛谷737
TEL:0280-98-2231

施設のホームページへ

 

医療法人慈政会 小柳病院

〒306-0202
茨城県古河市稲宮1001
TEL:0280-97-1110

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