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患者さんの尊厳を守り、寄り添う認知症医療を目指して
<大阪府大阪市 池澤クリニック>

院長 及川光照先生 院長 池澤浩二先生

心療内科・精神科・内科を標榜する池澤クリニックは、うつ病、パニック障害、社交不安障害、不眠症など幅広い疾患に対応するクリニックです。地域のかかりつけ医として、認知症の診断・治療にも積極的に取り組んでおり、少数精鋭のスタッフが密に連携を取りながら、ご本人、ご家族に寄り添う認知症医療を提供しています。

その人の人生観を尊重し、敬意を持って診療にあたる

鉄道会社や印刷会社などのオフィスビルや商業地が集まる大阪市福島区。池澤クリニックは、働き盛りのビジネスパーソンから長年この地に住んできた高齢者まで、幅広い世代が暮らすこの町に、2011年に開院しました。

院長の池澤浩二先生は、大学卒業後、1994年に大阪大学医学部附属病院の麻酔科に入り、麻酔科医として医師のキャリアをスタートしました。認知症治療に取り組み始めたのは、翌年に大阪府立中宮病院(現・大阪府立精神医療センター)へ着任してからのことです。

麻酔科医時代に、手術が必要な認知症の患者さんを担当することもありましたが、認知症の症状から術後に点滴などの管を抜いてしまう方も多く、「当時はコミュニケーションが難しいという印象がありました」と話す池澤先生。その後、脳に関わる分野の診療がしたいという思いから精神科への転向を決意し、中宮病院に移りました。多くの認知症の方を診療するうちに、麻酔科医時代に抱いていたイメージも徐々に変化していったといいます。

「物忘れなどの症状はあるものの、認知症の患者さんには人間味あふれる、明るい方が多いことに気付きました。その一方で認知症の方は新しい物事に対応することが難しくなっています。そこで、お一人おひとりの性格や症状に合わせて、適切なサポートをしたいと考えるようになりました」(池澤先生)。

1996年に大阪厚生年金病院(現・独立行政法人 地域医療機能推進機構 大阪病院)へ移った池澤先生は、認知症医療により力を入れるようになります。現在も同院で非常勤医師として外来診療を担当し、クリニックの患者さんに必要がある場合は大阪病院でMRIなどの画像検査を行うなど、協力体制を整えています。

目の前にある症状だけでなく、残された機能に目を向ける

クリニックを訪れる認知症の患者さんの中には、自分の症状を認められず、検査を拒む方もいます。診察の際も警戒心が解けない方が多く、時間がかかることもありますが、そうした方の中には、物忘れや意欲の低下などの認知症の症状をつらく感じている方もいることを決して忘れてはならないと、池澤先生は語ります。

「認知症の方を診るとき、私たちはどうしても、物忘れなど機能の低下や症状ばかりに目を向けてしまいます。しかし、残されている機能も必ず存在します。ご本人に『お財布を忘れることがあっても、洗濯物は畳めますね』などとお伝えすると、とても安心されます」(池澤先生)。

ご家族の中には、認知症の症状に振り回された疲れから、診察室でご本人に怒りをあらわにする方もおられます。そんなときはご家族にも、「できなくなったことではなく、できることに目を向けてあげてください」と伝えています。

また、必要があれば、介護保険などの福祉制度の活用についてアドバイスも行います。認知症は長い経過をたどる疾患であり、途中で疲れてしまわないよう、さまざまな制度を活用して“ご家族が患者さんと不定期にでも離れる時間をつくる”ことも大切です。ご家族が心に余裕を持つことができれば、ご本人を叱ってしまう、悪い感情を抱くなどの事態を減らすことにつながると、池澤先生は考えています。

少数精鋭のスタッフが連携し、患者さんとご家族をサポート

臨床心理士 大井彰之さん 臨床心理士 大井彰之さん
臨床心理士 大塚裕季子さん 臨床心理士 大塚裕季子さん

池澤先生の診察前に行われる予診を担当するのは、臨床心理士の大井彰之さんと大塚裕季子さんです。医師のほかにも自分の症状を理解しているスタッフがいることが、患者さんやご家族の安心感につながるという池澤先生の考えの下、同クリニックでは開業当初から臨床心理士が予診を担当しています。大井さん、大塚さんが予診で得た患者さんの性格や普段の生活の様子などの情報を共有することで、その後の池澤先生の診察もスムーズに進めることができます。

過去に池澤先生と同じ病院で勤務していた大井さんは、同クリニックの開業と同時に入職しました。病院では予診の経験はありませんでしたが、患者さんと事前に話をしておくことは、心理検査を行う際に正しい結果を得るためにも重要だと感じています。

「検査が進むにつれ、質問に答えられないことに落ち込んだり、怒り出したりする方もいます。そのような状態では認知機能や能力が十分発揮されないので、検査前の様子からその日の患者さんの調子を把握しておく、事前に伺ったお話を雑談に取り入れて気を紛らわすといった工夫をしています」(大井さん)。

大塚さんは、大阪大学医学部附属病院などで認知症診療に携わってきた経歴の持ち主です。同クリニックでの勤務歴はまだ1ヵ月ですが、検査に拒否感を示す患者さんには無理強いせず、ご本人の気持ちに寄り添った対応を心掛けているといいます。

「患者さんの緊張がほぐれるように、趣味や好きなテレビ番組の話をしたり、『もう少しで終わりですよ』と励ましたりしながら検査を進めています。そうした中で、前回の検査よりも結果が良かったりしたときに、症状の改善をご本人やご家族と共有し、一緒に喜べるところにやりがいを感じています」(大塚さん)。

受付 阪口由美子さん 受付 阪口由美子さん

受付を担当する阪口由美子さんは、同クリニックで勤務するようになり、認知症の人に対する印象が変わったといいます。

「池澤先生の人柄の影響なのか、皆さん予約を守ってまじめに通院されています。定期的に受診されているからこそ、症状も落ち着き、ご近所付き合いなどの社会生活を楽しんでいる方が多いように感じます」(阪口さん)。

待ち時間を不安に思う方が多いため、混雑時には「次の次が〇〇さんの番ですよ」と案内するように心掛けているという阪口さん。診察後の会計時になかなか小銭を出せない患者さんには「ゆっくりで大丈夫ですよ」と声を掛け、出せるまで待つなど、阪口さんの細やかな気配りが、患者さんやご家族の不安感を和らげているようです。

複数の検査を組み合わせ、より良い治療の追求へ

「これまでは認知症のスクリーニングにMMSE(認知機能検査)を用いていましたが、2016年9月からADAS(アルツハイマー病評価尺度)やCDR(臨床的認知症尺度)なども用いて、より認知症の程度をさまざまな検査で詳しく評価していけるようになりました」と池澤先生は語ります。
ご本人の診察、ご家族からの聞き取り、そして種々の認知機能検査の結果と、さまざまな観点から患者さんの状態を知ることが、質の高い治療に必要だと池澤先生は考えています。

「認知症をどう評価すべきか、どう対応すればよいかを、常に考え続けています。認知症の方の多くは、戦中・戦後に子ども時代、青春時代を過ごされ、厳しい時代を懸命に生きて、日本の復興と発展に貢献してこられた方々です。皆さんが過ごされてきた生活史に敬意を払い、今後の人生をどう安らいで過ごしていただけるか、患者さんのつらい思いを少しでも和らげるために何ができるのか、これからも考え続けなくてはいけません」(池澤先生)。

患者さんの個性や気持ちを第一に考え、思いやりと優しさを持って向き合っている池澤先生。池澤先生の思いに共感するスタッフとともに、地域に根付いた認知症医療に熱意を持って取り組んでいます。

 

取材日:2016年9月2日

池澤クリニックの外観

池澤クリニック

〒553-0006
大阪府大阪市福島区吉野1-10-13 NTビル5F
TEL:06-6940-6506

施設のホームページへ

池澤クリニックの外観

 

 

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