『笑顔とこころでつながる認知症医療』サイトドメイン変更のお知らせ 「お気に入り」や「ブックマーク」の変更をお願いします

詳細はこちら

ホーム > 地域から探す【九州沖縄】 > 鹿児島県 > 鹿児島県鹿児島市 医療法人有隣会 伊敷病院
医療機関を探す

予防から入院治療、退院後のサポートまで
<鹿児島県鹿児島市 医療法人有隣会 伊敷病院>

医療法人有隣会 理事長 伊敷病院 院長 植村健吾先生 医療法人有隣会 理事長 伊敷病院 院長
植村健吾先生

全国的に見ても高齢化率が高く、100歳以上の高齢者数も多い鹿児島県。人口が最も多い鹿児島市でも年々高齢化率が上昇しています。歴史ある精神科病院、医療法人有隣会 伊敷病院に2013年、精神内科・内科が併設されて総合的な認知症治療が可能となりました。予防から重症の方まで、さらに退院後も手厚くサポートし、地域にも働きかける幅広い取り組みが始まっています。

精神科病院として30年を超える歴史

鹿児島市の中心市街地から少し離れた地区で伊敷病院が開業したのは1977年。以来、精神科単科の病院として患者さんの治療と生活支援に取り組んで来ました。

同院が認知症医療に力を入れ始めたのは、院長の植村健吾先生が父親の植村彰先生から理事長職と院長職を引き継いだ2013年からです。精神科医として尽力する父の後を継ぐために医師を目指した植村先生が選んだ専門科は神経内科、そして、認知症医療に力を入れると決めたのは研修医になってすぐのことでした。

「20年以上前のことになりますが、私が研修医だったころ、認知症は薬も治療法もなく患者さんを前にしても何もできない病気でした。だからこそ、医師としてこの先ずっと、認知症医療に取り組んでいきたいと考えたのです」と、植村先生は語ります。

京都大学医学部で学び、同大学の神経内科や、先端領域融合医学研究機構、アメリカのマサチューセッツ総合病院・アルツハイマー病研究部門で基礎研究を続けてきた植村先生は、現在も京都大学の非常勤講師として研究を続けていますが、エネルギーの多くを臨床に注いでいます。

「20年前と比べると今は薬も治療法もあり、医療・福祉の面でもさまざまなサービスを選択できるようになっています。40歳を超えたときに、今まで学んだことや研究で明らかになったことを臨床現場で生かす時が来たと考えて故郷に戻りました」(植村先生)。

他施設では対応が困難な患者さんを積極的に

同院の認知症医療の特徴は、BPSD(周辺症状)が強く出て徘徊などでご家族や介護者がとても苦労されている、認知症と身体疾患が合併しているなど、他の医療施設では対応が難しいと思われる患者さんを積極的に受け入れていることです。

30年以上にわたって実績を積み重ねてきた精神科と、先端の知見を取り入れた神経内科、そして内科が併存しているからこそ可能な取り組みです。

「暴力や暴言などの症状があると、精神科のない病院では対応が難しいですし、身体疾患が合併していると内科だけでも精神科だけでも対応ができません。そんな行き場のない患者さんの受け皿になりたいのです」(植村先生)。このような伊敷病院の姿勢は地域から頼りにされ、連日のように他の医療機関や施設からの入院、受診依頼があり、民生委員やケアマネジャーからも、在宅の受診相談が多く寄せられます。

伊敷病院 看護師 川口真樹さん 伊敷病院 看護師
川口真樹さん

看護師の川口真樹さんは「時には警察から連絡が来ることもあります。ベッドに空きがあれば症状の重い方を優先して受け入れています。ベッドに空きがない時も、緊急性が高いと判断したときには、受け入れてもらえる病院を探して連携を図っています。このような病院の姿勢に、スタッフとして誇りを感じています」と話します。

病棟や診療科を超えたスタッフの連携

同院は総病床数229床、うち精神科一般病棟が108床、精神科療養病棟が48床、認知症治療病棟が54床、内科一般病棟が19床、職員数が約170名という大きな規模の病院です。

伊敷病院 看護師長 磨島麻理子さん 伊敷病院 看護師長
磨島麻理子さん

伊敷病院 精神保健福祉士 白澤雅子さん 伊敷病院 精神保健福祉士
白澤雅子さん

看護師長、磨島麻理子さんは、「一人の入院患者さんに複数のスタッフで対応していきますが、特にBPSDが強い方には、スタッフが密に連携し、情報共有することで一貫性のある対応をすることが大切です。看護師のモチベーションを保つためにも、情報共有は重要ですね」と語ります。

精神保健福祉士の白澤雅子さんは認知症治療病棟の専任スタッフとして、ご本人とご家族のサポートを行っています。「日々、認知症の方の話し相手をしたり、ご家族のお話を聞いたり、レクリエーション活動などを通して信頼関係づくりに努めています。入院中はもちろん、退院後も安心して相談していただける存在になりたいですね」と語る白澤さんは、外来にも顔を出し、地域連携室とも連携を図り、患者さんを症状や状況に合わせたステップにつなぐ役割をしています。

入院された方のほとんどは、治療の結果症状が落ち着きますが、退院して自宅に帰れる方は3割ほど。独り暮らしや高齢世帯の方は、自宅ではなく介護施設に移ることが多くなります。

早期発見や予防への貢献がこれからの目標

同院の神経内科・内科外来には、植村先生を含めて2名の神経内科専門医が常勤しており、認知症はもちろん、パーキンソン病、脳血管障害、頭痛などの疾患も幅広く、かつ専門的に診療を行っています。さらに糖尿病、呼吸器、循環器、消化器を専門とする医師が非常勤として診療を行っており、身体疾患が合併していても総合的な診療が可能です。

「課題は、早期・軽症の方に、気軽に受診してもらえる病院にすることですね。精神科病院として広く名が通っているので、逆に受診のハードルが高く感じられることもあるようです」(植村先生)。

認知症の早期発見や予防につなげるため、同院ではの“もの忘れ総合診療センター”という窓口を設置し、認知症への心配を抱えた人が気軽に相談できる体制をつくっています。

また、週6回(月~土曜)の“もの忘れ外来”と週2回の“脳ドック”も実施。脳ドックでは、まだ自覚症状のない方を対象に、神経内科医・認知症専門医・脳ドック学会会員の資格を持つ医師が、MRIなどの検査を行い、MCI(軽度認知障害)段階での早期発見と予防にも取り組んでいます。

訪問介護事業や認知症カフェもスタート

医療法人有隣会が1998年に設置した“デイ・ナイトケア来夢”では、現在、認知症進行予防のプログラムを取り入れ、音楽療法、園芸療法など認知症の方でも利用できるアクティビティを実践しています。

さらに、2014年には、指定居宅介護支援事業所“おとなりさん”を開設し、訪問介護サービスと介護相談も開始しました。これは、同院で治療を受けた方々を退院後も支えサポートし続けるためです。

医療法人有隣会 介護事業部長 迫田泰久さん 医療法人有隣会 介護事業部長
迫田泰久さん

介護事業部長を任された看護師の迫田泰久さんは、「新しく立ち上げた事業なので、訪問介護や在宅介護について勉強しながらの運営です。病院からの申し送りにはケアマネジャーも必ず参加して、病棟の入退院時の状況やご本人とご家族の情報を共有し、一貫したサポートができるよう務めています」と語ります。

認知症カフェも定期的に開催しています。スタートから2年が経過して、認知症の方やご家族、医療・福祉関係者だけでなく、地域の元気な高齢者の方々も多く参加する交流の場に育っています。「認知症についての啓発や予防体操などを通して当院の存在に親しんでもらい、早期の相談や受診につなげたいですね」(迫田さん)。

患者さんを見守り支える町をつくる

高齢者の多くは、住み慣れた家で最後まで暮らしたいと考えていますが、サポートするマンパワーが足りなければ病院や施設で過ごすことになります。

精神保健福祉士の白澤さんは、「患者さんが退院した後も必ず継続してサポートするのが植村先生のポリシーです。だから、退院を控えて在宅での介護に不安を感じておられるご家族に、『この先、もし状態が悪くなっても、行き場がないような状況には決してしません』と伝えることができます。勇気を出して在宅介護にチャレンジしてくださるご家族も多いのが嬉しいですね」と語ります。

同院が目指すのは、地域全体で認知症の方々を見守る社会をつくること。「病院だけでこの状況は変えられませんが、地域の方々が認知症を理解して見守ってくれるように、種をまき育てる取り組みを、スタッフと協力して進めていきたいですね」(植村先生)。

 

取材日:2016年9月9日

医療法人有隣会 伊敷病院の外観

医療法人有隣会 伊敷病院

〒890-0005
鹿児島県鹿児島市下伊敷2丁目4-15
TEL:099-220-4645

施設のホームページへ

指定居宅介護支援事業所 おとなりさんの外観

指定居宅介護支援事業所 おとなりさん

〒890-0005
鹿児島県鹿児島市下伊敷1丁目31-1

医療法人有隣会 西田そよ風クリニックの外観

医療法人有隣会 西田そよ風クリニック

〒890-0042
鹿児島県鹿児島市薬師2丁目27-7
TEL:099-298-5614

施設のホームページへ

 【デイサービス 竹とんぼ 】
 TEL:099-298-5496

 

 

この記事のURLをメールで送信
医療機関を探す
新着施設から探す
地域から探す
  • 北海道 近畿
  • 東北 中国
  • 関東・信越 四国
  • 東海・北陸 九州・沖縄
カテゴリーから探す
  • 社会が考える認知症予防・治療・戦略
  • 日常診療における創意工夫
  • チーム連携のさらなる充実
  • ふれあいつながる作品展
  • バアちゃんの世界
  • バアちゃんの世界からわかる認知症の症状と対応のヒント
  • 「笑顔とこころ」をつなぐ声
  • お薬(剤形)の選択肢が増えました
  • 患者さんとご家族のための認知症の知識
  • 認知症相談窓口
  • 認知症サポーターキャラバン
  • サイト運営企業の取り組み
  • 医療関係者の皆さまへ
トップページへ