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ご家族のお手本になるよう、常に患者さんに敬意と笑顔を
<群馬県藤岡市 多野藤岡医療事務市町村組合 公立藤岡総合病院附属外来センター>

公立藤岡総合病院附属外来センター 神経内科部長 柳澤孝之先生 公立藤岡総合病院附属外来センター
神経内科部長 柳澤孝之先生

群馬県南西部に位置し、埼玉県に隣接する藤岡市。同市に加え上野村・神流町・高崎市で構成される一部事務組合が運営する公立藤岡総合病院から2002年、外来部門が分離され、同院附属の外来センターが誕生しました。現在は、救急・入院診療に特化した公立藤岡総合病院と密に連携しながら、地域完結型の医療を提供しています。

なお同センターは救急・入院病棟から2kmほど離れた場所にありますが、2017年度には同センターのすぐそばに新病棟が完成予定であり、さらに強固な連携が期待されます。

20以上の診療科目を標榜する同センターで、認知症の診療に当たるのは神経内科。同科で部長を務める柳澤孝之先生は、「大切なのは患者さんへの敬意と笑顔です。私たち医療関係者こそが、ご家族や関係者のお手本となるように実践していくべきではないでしょうか」と語ります。

小児科医としてキャリアをスタート

公立藤岡総合病院の完成予想図(2017年10月開院予定) 公立藤岡総合病院の完成予想図
(2017年10月開院予定)

柳澤孝之先生は、医師としてのキャリアを小児科医としてスタートさせましたが「医学部在学中から神経内科に関心を抱いていました」と振り返ります。

柳澤先生が学んでいた群馬大学に、神経内科を専門とする平井俊策先生が赴任されたのは1973年のこと。1975年には医学部附属病院に神経内科が開設されました。平井先生は、関東圏における認知症診療の草分け的存在の一人で、柳澤先生は卒業まで同先生の講義を受講し続けました。

「卒業後に入局したのは小児科ですが、後に勤務した群馬県立小児医療センターで子どもの神経疾患に取り組んだことをきっかけに、成人の神経疾患も勉強したいと意欲が湧いてきました。そこで平井先生をご紹介いただき、群馬大学病院神経内科外来で週2回ほど勉強させていただきました」(柳澤先生)。

柳澤先生は、その後は小児科には戻らず神経内科の専門医としての道を進み、2006年に公立藤岡総合病院附属外来センターに赴任。以来10年以上、地域の認知症を含め神経内科全般の診療に取り組んできました。

"治療できる認知症を見逃さない"を旨に

日々診療に当たる中で柳澤先生は、認知症の方が増え続けていることを実感しています。

同センターに新規で来られる方は年間90人前後。継続的に診ている方が120~130人ほどいます。地域の公立病院は同院だけなので、隣接する埼玉県からも多くの方が来られます。「アルツハイマー型の疑いがあるのでは?」と、院内の医師や看護師から診断依頼が来ることもあるそうです。

診断は、細かい問診と神経心理検査を行った上で、血液や脳画像(MRI・脳血流SPECT)、脳波などの検査をして判断します。特に意識しているのは"治療できる認知症を見逃さないこと"だと柳澤先生は語ります。

「例えば非痙攣性てんかんの方は、なんとなくぼんやりしていると、ご家族が心配して連れて来られますが、脳波をとるとてんかんだとわかり、薬を飲むと良くなります」 (柳澤先生)。

新規の患者さんの多くは、診断と投薬の判断をして、かかりつけ医に引き継いでいます。

常に穏やかに、患者さんとご家族の気持ちを受け止める

センター内にある訪問看護ステーション「はるかぜ」の看護師、黒澤磨由美さんも、年々認知症の方が増えていると感じています。

「2016年の4月から8月の間で、看護師が訪問した利用者さんが165人ほどおられ、そのうち認知症の診断がついている方が10人くらい。そのほか認知症状が出ている方が30人くらいいます。近年は特に、ご夫婦ともに認知症状のある方が増えていますね」

黒澤さんは、認知症の方に向き合うとき"常に穏やかに接すること"を心掛けていると話します。

「認知症の方にも当然、お気持ちがありますから、敬意を持ってお話を聞くようにしています。また、ご家族の中にはときに感情的になる方もおられますが、常に親身になって対応することを心掛けています」(黒澤さん)。

外来の看護師である南雲和子さん、塚本早苗さんもそれぞれ、患者さんに接するときは、事務的な対応、おざなりな対応にならないよう、心を配っています。

「高齢の方が多いので、目線を合わせてしっかりお話を聞くよう心掛けています。そして必ず笑顔で接するようにしています。患者さんは私たちの表情をしっかり見ておられますから」(南雲さん)。

「ご家族の対応にも配慮しています。皆さん不安を抱えて来られていますし、告知を受けたときは動揺や葛藤があります。そうした感情を少しでも受け止められればと思っています」(塚本さん)。

生活環境や周りのサポートが症状を変える

黒澤さん、南雲さん、塚本さんは「認知症の方には環境によって症状が安定する方が多い」とそれぞれ経験談を語ってくれました。

「お二人で暮らす、ともに認知症のご夫婦がおられ、旦那さんは他の病気を合併していて医療依存度の高い状態でしたが、私たちとヘルパーさん、近くに住む親戚の方が密に連携することで、ご夫婦だけで生活することができました」(黒澤さん)。

「施設に入所している方が、女性の身体を触ってしまいました。ご家族にしてみれば病気なので仕方ないと思いながらも、結局他の施設に移らざるを得なくなりました。その方が私に近づいて来られたときに手を握り返すと、とても安心されたようで、接し方が本当に大切だと実感しました」(南雲さん)。

「いつも施設の男性職員が4人がかりで連れて来られる男性患者さんがおられました。暴力や暴言がひどいとのことでしたが、施設を変えたら、落ち着かれました。施設が合わなかったのが原因だったようで、今では女性職員1人だけで付き添われています」(塚本さん)。

患者さんを取り巻く環境は症状に大きく影響するため、施設の状態、周囲のサポートは非常に重要だと3人は指摘します。

職種を越えた連携でお一人おひとりに合った支援を

こうした経験談から見えてくるのは、単に認知症を治療するだけではなく、ご本人やご家族の生活環境を整えること、そのために医療、福祉、介護などの関係者が連携することの大切さです。

同センターの相談員である荒井頼道さんは、柳澤先生の診察後に、ご本人やご家族からの相談に乗り、適切な介護サービスなどの紹介に努めています。

「私も以前、認知症の介護をしていましたが、お仕着せの介護サービスでは意味がありません。大事なのはその方に合った介護や福祉のサービスを活用すること。多くの方が入院するよりは施設の方がいい、施設にいるよりは家の方がいいとおっしゃいます。できるだけ元の環境から外れずに生活できるよう、ご本人やご家族へアドバイスしています」と荒井さんは語ります。

ご家族などから聞いたことを欠かさず医師や看護師にフィードバックするなど関係者間の情報共有も重要です。

黒澤さんも「ヘルパーさんやケアマネジャーさんに加え、最近では薬剤師さんとも連携しています。こうしたサポートがあれば一人暮らしの方でも、ある程度きちんとした生活ができます」と語る一方、「こうした連携が地域の関係者の間に十分に広がっているとは言えないのが現状です」と明かします。

患者さんが安心して外出できる地域社会を

認知症の方々を見守るシステムについて語る柳澤先生 認知症の方々を見守るシステムについて語る
柳澤先生

柳澤先生は「地域全体での医療・介護システムの整備がこれからの課題」だと指摘します。

「入院医療から在宅医療へという流れが強くなる中で、長期入院されている認知症の方も、今後は在宅介護になっていくと見込まれます。その受け皿は専門医ではなく地域のかかりつけ医や訪問看護師になってくると思います。その体制を強化する必要があります」(柳澤先生)。

埼玉県との県境に近い同センターの患者さんの約4割は埼玉県の住人。定期的に埼玉県内の認知症サポート医とも顔を合わせ、地域連携をとっています。また、地域での医療や介護関係者向けの認知症ケアの研修会なども増えているといいます。

「認知症であっても、それは脳の一部に疾患があるだけで、人間性や人格に問題があるわけではありません。だから、認知症の方が、それまで生きてきた経験を否定する医療であってはならないと思います。これからは一般の方にもどんどん支援者になってもらい、誰かしらが見守る中で認知症の方が安心して外出できる、そんな地域社会をつくっていけたらと思います」。

そう語る柳澤先生は、医療関係者に叱咤激励の言葉を送ります。

「医師、看護師、相談員の皆さんは、日々の医療で大変疲れておられるかもしれませんが、たとえそうだとしても、笑顔と敬意を持って認知症の方々に接しましょう。私たち医療関係者こそが、ご家族や地域の皆さんの模範とならなければならないと思います」。

 

 

取材日:2016年10月4日

多野藤岡医療事務市町村組合 公立藤岡総合病院附属外来センターの外観

多野藤岡医療事務市町村組合
公立藤岡総合病院附属外来センター

〒375-0015
群馬県藤岡市中栗須813番地1
TEL: 0274-22-3311

施設のホームページへ

 

多野藤岡医療事務市町村組合 公立藤岡総合病院の外観

多野藤岡医療事務市町村組合
公立藤岡総合病院

〒375-8503
群馬県藤岡市藤岡942番地1
TEL: 0274-22-3311

 

 

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