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医療・介護一体の取り組みで認知症の方とご家族の生活を支える
<山形県山形市 医療法人社団楽聖会 こころのクリニック山形>

医療法人社団楽聖会 理事長 こころのクリニック山形 院長 古沢信之先生 医療法人社団楽聖会 理事長
こころのクリニック山形 院長 古沢信之先生

20年にわたり、地域の方々のメンタルヘルス向上に力を注いできた、「こころのクリニック山形」。2003年には関連施設として認知症対応型を含むデイサービスとグループホームを併設した介護保険施設「あかねヶ丘ケアセンター」も開設。2013年には重度認知症患者デイケアをクリニックに併設し、医療と介護の連携にも積極的に取り組んでいます。

祖母が認知症になったことがきっかけに

こころのクリニック山形の院長であり、医療法人社団楽聖会理事長を務める古沢信之先生の専門は精神科。東北大学医学部を卒業後、東北大学や山形大学精神医学教室で精神科の研修を重ね、福島、秋田、山形の精神科病院勤務を経て、1996年、山形市に「あかねヶ丘こころのクリニック」を開設しました。2001年には現在の場所に移転し、名称を「こころのクリニック山形」と改めて、うつ・不安障害・適応障害・心身症・認知症などの診療に尽力してきました。

古沢先生が認知症と本格的に向き合うようになったのは、自身の祖母が認知症になったことがきっかけでした。

「祖母は2005年に100歳で他界したのですが、95歳ごろからもの忘れなどの症状が見られるようになりました。ちょうど、こころのクリニック山形を開設した時期と重なったこともあって、認知症の診療にも積極的に取り組むようになったのです」。

薬物療法とデイケア・デイサービスの併用が効果的

こころのクリニック山形は4階建てで、2階がクリニック、3階に重度認知症患者デイケア「らくせい」、4階には通所リハビリテーションを行うデイケア「楽聖倶楽部」が併設されています。

クリニックの患者さんは1日平均約50人で、認知症の方は1割強。古沢先生は「ご家族がもの忘れなどに気づいたり、興奮、妄想、徘徊等の認知症の行動・心理症状(BPSD)に困ったりして連れてこられる場合が多いです。ご本人が『自分は認知症では?』と疑って来られる場合は、認知症でないことのほうが多いと思います」と話します。

治療は、疾患や症状を考慮した抗認知症薬などの処方とともに、デイケア、デイサービスなどの医療・介護サービスを併用してもらうのが基本です。

古沢先生は、「薬物療法とデイケアやデイサービスを併せて利用すると、認知症症状の進行抑制効果やBPSDの軽減がみられることが多いと感じています」と話し、認知症の症状が軽い方には、デイケア「楽聖倶楽部」を、BPSDが問題になる場合は、重度認知症患者デイケア「らくせい」や同法人で運営するあかねヶ丘ケアセンターの認知症対応型デイサービスの利用を勧めています。

重度認知症患者デイケアとは?

認知症の人が在宅でその人らしく暮らせるために利用できる通所施設のうち、デイサービス、認知症対応型デイサービスと通常のデイケアは介護保険で行われます。それに対して重度認知症患者デイケアは医療保険で行われます。精神科医師および専従する作業療法士や看護師等の3人が最低必要という厳しい施設基準があり、精神科病院の開設が7割強と多く、診療所の開設は全国でも50数ヵ所、東北で3~4ヵ所だと思います。

重度認知症患者デイケアは、医師や介護支援専門員等の医療、介護専門職の間でも、知名度は低く、一般の方には殆ど知られていません。よく誤解されるのですが、重度認知症患者デイケアの重度とは、認知症自体が重度ということではなくBPSDが重度という意味です。BPSDのために介護者が「うつ」になることも多く、虐待や無理心中に至る場合もあります。BPSDの悪化のためにデイサービスの利用を断わられることもあり、精神科病院の入院を減らしできるだけ地域で在宅生活を続けるために知名度が高まり施設も増え、もっと活用されることが望まれます。

一つの建物に医師と介護サービスが同居するのが強み

認知症医療デイケア「らくせい」 デイケア楽聖倶楽部 責任者 古澤潤さん 認知症医療デイケア「らくせい」
デイケア楽聖倶楽部 責任者 古澤潤さん

デイケア「楽聖倶楽部」のほか複数の関連施設に勤務する介護支援専門員・介護福祉士の古澤潤さんは「クリニックの診療と介護やリハビリがダイレクトにつながっていることが、当法人の強みです」と話します。「街の診療所の規模でありながら、一つの建物の中で診療とデイケアを行っているところは少ないのではないでしょうか。医師にすぐ相談できたり要介護認定の意見書をスムーズにもらえるなど、利点は多いと思います」と語る古澤さんの信条は“利用者さんとの信頼関係が第一”。

「この仕事の魅力は利用者さんに『ありがとう』と言ってもらえることです。そのためには信頼関係を築かなければなりません。特に最初が肝心です。親しくなれば下のお名前や愛称でお呼びすることもあるかもしれませんが、最初は敬意をもって丁寧に接することが大切です。認知症があっても、人生の大先輩であることに変わりありませんから」。

認知症の方の立場に立って不安の原因を一緒に取り除く

認知症医療デイケア「らくせい」 作業療法士 髙橋雄貴さん 認知症医療デイケア「らくせい」
作業療法士 髙橋雄貴さん

作業療法士の髙橋雄貴さんは、重度認知症患者デイケア「らくせい」に勤務するスタッフの一人。「利用者さんやご家族と接する時の方針として、バリデーション療法を意識しています」と話します。

「バリデーションとは、認知症の方とのコミュニケーション術の一つです。認知症の方の経験や感情を認め共感することが基本にあり、私が目指している非薬物療法にも通じると考えています。徘徊や興奮が頻繁にみられる方には薬物療法を行うのが一般的な対応だと思いますが、私は、BPSDに焦点を当てて徘徊や興奮の理由を考え、バリデーション療法を基本にして、もし何らかの不安があるなら、それを一緒に取り除き安心して取り組める作業を提供します」。

認知症の方は新しいものを拒否することが間々ありますが、昔馴染んだものには安心して接する傾向が見られます。そこで髙橋さんは、音楽が好きでピアノに親しんでいた方にピアノを弾く機会を提供したり、かつて農家だった方にトマトを栽培してもらったりしています。こうした個別の対応には手間がかかりますが、「私の仕事は利用者さんにリハビリをしてもらってQOL(生活の質)を上げること。そのためにはまず不安を取り除くことが大切です」と髙橋さんの言葉は明快です。

思いを受けとめる努力は必ずご本人に伝わる

こころのクリニック山形の約5km南に、関連施設であるあかねヶ丘ケアセンターがあります。建物は西棟・東棟に分かれ、どちらの棟も1階はデイサービス、2階はグループホームで、西棟のデイサービスは認知症対応型となっています。

古沢先生は、「私の祖母もここのグループホームに入所していました。小規模ならではの手厚く家庭的なサービスを大切にしており、スタッフである私たち自身が将来利用したいと思えるような施設を目指しています」と話します。

医療法人社団楽聖会 介護事業統括管理責任者 あかねヶ丘ケアセンター 統括管理者 志田信也さん 医療法人社団楽聖会
介護事業統括管理責任者
あかねヶ丘ケアセンター 統括管理者
志田信也さん

同センターの統括管理者を務める志田信也さんは、「ここでは他の事業所で対応困難である認知症の方へのケアにも力を注いでいます」と同センターの特徴を挙げます。

認知症対応型デイサービスおよびグループホームでは、対応困難な認知症の方の受け入れを積極的に行っており、認知症のBPSDの安定と軽減に繋がるケアに取り組んでいます。

「私は職員に対し『徘徊という言葉を使わないように』と伝えています。なぜなら、徘徊とは意味もなく歩き(動き)回ると定義されているからです。認知症の方は意味や目的があって動きまわっているはずです。その気持ちを受けとめ、意味や目的を理解することが専門職としての基本。親身になって思いを受けとめ一緒に考えれば、必ず認知症の方にも伝わります」。

在宅生活をできるだけ長く続けていただくために

あかねヶ丘ケアセンター 認知症対応型通所介護 管理者 小川隆太さん あかねヶ丘ケアセンター
認知症対応型通所介護 管理者
小川隆太さん

同センターの認知症対応型デイサービスの管理者である小川隆太さんは、「利用者さんはもちろんのこと、そのご家族とのコミュニケーションも大切です」と自身の経験に照らして話します。

「利用者さんが住み慣れた地域でご家族と長く在宅生活を継続できるよう、ご家族とコミュニケーションを密に図り、ご自宅で利用者さんのご様子、ご家族が負担になっていることを定期的に聞き取りしております。そうすることで現在の利用者さんの全体像を的確に把握することができ、現在困っていることに迅速にアプローチ(ケア、相談援助)することができるからです」。

認知症の症状は日々変化するため、日々の情報収集が大切で、また個人でケアを提供するのではなく、チームとしてケアを提供するため職員間の情報共有も大切になってきます。「デイサービスを利用することで、認知症のBPSDの緩和につながり、ご家族の介護負担を軽減することで、利用者さんとご家族が自宅で安心して生活を送ることができるように緩助することが私たちの役割だと思っております」。

志田さんも思いは同じです。「私どもは、クリニックでの診察からクループホームでの看取りまでサポートする態勢を整えていますが、まずは、在宅生活を続けることを第一に入念にプランを考え、実行しています」。

“認知症は怖くない”ことを広く伝えたい

古沢先生は日本精神神経科診療所協会の山形地区協会会長、および同協会の委員会の一つである認知症等高齢化対策委員会の委員も務めており、同協会の活動の一環として、認知症の啓発活動にも力を入れています。

「地域の民生委員、福祉協力員等の人たちの会議でも、話題の多くが『どうしたら認知症にならないか』になりがちで、まだまだ認知症への偏見があります。認知症は年をとれば誰もがなりうる病気であり、なってはならない病気でないのです。もの忘れがあろうが、叱られず穏やかに受けとめてもらえ、自分の能力や役割を果たせる安心できる楽しめる場が必要です。ご家族が一人で悩まず元気で介護するためにも、「認知症の人と家族の会」の活動も大切で、これからも連携し協力していきたいと思います」。

認知症に“川上”で対応、早期発見と医療と介護の連携が課題

皆さん 皆さん

古沢先生は、認知症の診療、介護事業、啓発活動にそれぞれ手応えを感じながらも「かかりつけ医との連携など、まだまだ課題は多い」と指摘します。

「先ほども話しましたが、医師やケアマネージャーの方でも、デイケアや認知症対応型デイサービスの存在を知らない方が多いのです。私ども医療と介護事業に携わる者が努力し、医療、介護従事者への周知と連携を密にする必要があります」。

さらに古沢先生は、「早期発見のために、地域に気軽に相談できる場が必要です」と話します。

2015年春、「認知症の人と家族の会」山形県支部が主体となり、山形県精神保健福祉センターの中に、山形県認知症相談・交流センター「さくらんぼカフェ」が開設されました。

ここは認知症について気軽に相談できる場として、また認知症の方やご家族の交流の場として運営されています。

「クリニック3階のデイケア「らくせい」にも休診日を活用した認知症カフェのオープンの打診があり、ぜひ実現したいと思っています。認知症診療の大きなテーマの一つは“川上”での対応、つまり早期発見です。地域にこうしたカフェが増え誰もが気軽に相談できるようになれば、認知症を早期に発見でき、認知症に対する偏見も少なくなり、認知症や障害のある方も暮らしやすくなるはず」と古沢先生は今後の展望を語ります。

 

取材日:2016年10月12日

こころのクリニック山形の外観

医療法人社団楽聖会

【医療】

こころのクリニック山形

〒990-0861
山形県山形市江俣4-18-26
こころのクリニック山形ビル2階
TEL:023-681-6226

施設のホームページへ

認知症医療デイケア「らくせい」

〒990-0861
山形県山形市江俣4-18-26
こころのクリニック山形ビル3階
TEL:023-681-5665

 

【介護】

デイケア楽聖倶楽部(通所リハビリテーション)

〒990-0861
山形県山形市江俣4-18-26
こころのクリニック山形ビル4階
TEL:023-682-7575

施設のホームページへ

 

楽聖ケアプランセンター(居宅介護支援事業所)

〒990-0861
山形県山形市江俣4-18-26
こころのクリニック山形ビル1階
TEL:023-687-0606

施設のホームページへ

 

あかねヶ丘ケアセンターの外観

あかねヶ丘ケアセンター
通所介護
認知症対応型通所介護
認知症対応型共同生活介護
居宅介護支援事業所

〒990-2481
山形県山形市あかねヶ丘3-15-7
TEL:023-647-6630

施設のホームページへ

 

 

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