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離島を含めた地域の医療を支える、笑顔の診療
<沖縄県島尻郡南風原町 医療法人輔仁会 嬉野が丘サマリヤ人病院>

医療法人輔仁会 理事長 田崎琢二先生 医療法人輔仁会 理事長
田崎琢二先生

緑豊かで美しい自然に囲まれた嬉野が丘サマリヤ人病院は、安心感を与える医療と笑顔がモットー。沖縄県認知症疾患医療センターとして、県南部・八重山医療圏の認知症医療を担う同院では、認知症の人の尊厳を何よりも尊重し、ご家族の気持ちもしっかり受け止めながら、安心して治療に臨める体制を整えています。

多様なニーズに向き合い、笑顔でサポート

診察室 診察室

嬉野が丘サマリヤ人病院の母体は、約60年前に開設された田崎病院。1973年に田崎第二病院が開設され、1991年に改名されて嬉野が丘サマリヤ人病院となりました。1998年には老人性痴呆疾患センター(当時)の指定を、2013年には沖縄県の認知症疾患医療センターの指定を受け、地域の認知症医療のけん引役として長年にわたり先進的に診療に取り組んでいます。

理事長で精神科医の田崎琢二先生は、以前は同一法人の田崎病院で、主に統合失調症やうつ病など精神科疾患を診療していました。その後嬉野が丘サマリヤ人病院に軸足をうつし認知症診療に携わるようになりました。しかし当初は、「認知症の症状は教科書どおりではありませんから、戸惑いも大きかったですね」と、田崎先生は振り返ります。

現在、患者さんの約半数がアルツハイマー型認知症だという同院では、非常勤を含めて医師9人が、週5日体制で外来を行っています。また50床の認知症治療病棟を含む入院設備も整っており、重度認知症の方向けのデイケアも併設されています。

「認知症には多種多様なニーズがあり、いろいろと対策を講じてはいますが、人手不足もあってまだまだ応えきれていません」と話す田崎先生ですが、忙しい日々の中でも、“安心感を与える診療”を信条とし、患者さんには終始笑顔で対応するよう心掛けていると話します。

「認知症の人には、言葉がうまく伝わらなかったり、話をしても忘れられてしまったりしますが、笑顔は感覚として伝わり記憶に残りやすいので、安心感につながっていくのです」(田崎先生)。

隙間を埋めていく地域連携を

精神保健福祉士 山川ゆかりさん 精神保健福祉士 山川ゆかりさん

精神保健福祉士の山川ゆかりさんは、2005年に同院に入職し、2013年からは認知症疾患医療センターの担当者として、認知症の医療相談を中心に、研修会の開催など、日々奔走を続けています。

「症状が比較的軽い方の相談が増え、認知症の啓発が進んでいると感じています。一方で、重症化後の受診もまだまだ多く、必要な方に適切な情報が届くよう発信に力を入れています」(山川さん)。

最近では、「受診や支援を拒む当事者、ご家族とどう関わったらよいか」など、医療福祉関係者から、介入・支援方法の助言を求める相談も増えています。同センターでは、地域包括支援センターや行政に声掛けし、認知症疾患医療連携協議会や、講演会などを開催。また、同院の担当圏域である離島にも出向き、啓発活動や地域連携の強化を図っています。

「地域連携の重要性は理解していても、具体的な手法を見つけるのは簡単ではありません。まず、顔を合わせる機会をつくり、個々の相談や研修会を重ねながら、各機関の現状を共有するところから始めています」(山川さん)。

各機関の役割を理解し合い、 “守備範囲外の隙間”を埋める努力や工夫が必要だと話す山川さん。センター内でも、相談から受診までの時間短縮や、急な診察依頼への対応、往診など、行政や地域包括支援センターからの要望に応えられるよう、体制づくりを進めています。

さまざまなリハビリテーションで脳を活性化し、地域社会への参加意欲を高める

田崎先生は、家に引きこもりがちな認知症の人たちに、同院で行っているデイケアや地域のデイサービスを紹介して、認知機能の改善とご家族の介護負担の軽減につなげたいと考えています。

作業療法士 仲里剛さん 作業療法士 仲里剛さん

同院の認知症デイケアを担当するのは、作業療法士の仲里剛さんです。近年、“MCI(軽度認知障害)の人は、軽い運動をしながら簡単な計算をするなど、運動と認知課題を組み合わせることで認知機能の改善を見込める”という研究報告があることを知り、デイケアでの活動に取り入れました。

「ご高齢の方が多いので安全面や体力面を考え、運動はウォーキングを行っています。歩きながらしりとりや、沖縄の市町村名などを言ってもらい、誘導するスタッフも冗談を言いながら、楽しく参加できるよう工夫しています」(仲里さん)。

院内の体育館の利用のほか、季節ごとに公園や商店街に出かけたり、お祭りの会場に出向いたりするなど、外出の機会を作っています。「外出することで昔の記憶を思い出し、自発的な会話が生まれたり、地域の人とのふれあいを通して社会への参加意欲が向上したりすることを期待しています」と仲里さんはその狙いを語ります。

ご家族の気持ちを受け止め支えることで、家族関係を改善

介護に携わるご家族を支援することは、認知症の人の情緒の安定にもつながります。田崎先生は「ご家族へは、悲観的な表現を避け、その時点ではっきりしていることだけを説明し、少しでもご家族の不安を軽くするよう努めています。ご家族の話を傾聴し、ネガティブな思いもしっかり受け止めることができれば、認知症の人に対して怒鳴る、暴力をふるうなどの行為も未然に防ぐことができると考えています」と話します。

山川さんも「治療だけではなく、ご家族の生活支援もとても大事」といい、薬を飲ませるのが大変など、内服治療そのものが介護負担を大きくしている場合には、主治医と対応を検討するなど、ご家族の負担軽減を優先することもあると語ります。

認知症デイケアでは、作業療法の一環として、ご家族宛ての暑中見舞いや年賀状作りを行っています。絵や文字を書くことが困難な場合には、雑誌の写真や文字などから好きなものを選んで切り貼りするコラージュを勧めるなど、その人に合った方法で作品を完成できるようにサポートしています。

「展示することでご本人が達成感を得られますし、作品が感謝の印として贈られることで、ご家族の癒やしにもなるようです」(仲里さん)。

仲里さんは、「認知症のご本人がやりがいのある活動を通して制作した作品が、ご家族との関係構築の良き材料となるようにしていきたい... 」と笑顔で語ります。

“がんばりすぎない”ことで安定した医療を提供

外来認知症患者数が増え続ける同院にとって、地域のかかりつけ医への逆紹介は重要な課題です。しかし、逆紹介がうまくいかないことも多く、田崎先生はその理由を、「専門医に診て欲しいというご家族の希望や、逆紹介したものの、症状が不安定になり、再度紹介される場合などがあります。一番の問題は、認知症の人への対応に困っているかかりつけ医が多いことだと思います」と指摘します。

解放感のある待合スペース 解放感のある待合スペース

山川さんも、「地域への情報発信と連携の拠点として、認知症疾患医療センターの担う役割は大きいと感じています」と語り、地域全体で認知症医療を提供できる体制づくりが急務だと強調します。

 仲里さんは、今後について「『成人期の課題』の遂行が困難となっている、若年性認知症の方々のニーズがかなえられるような活動を導入し、認知症がありながらも、自々の家庭での生活が送れるよう努めたい」と抱負を語ります。

若年性認知症対策の遅れなど、取り組むべき課題は多々あるものの、「“がんばりすぎない”ことが大事」と田崎先生は話します。

「気付かないうちにどんどん課題を抱え込んでしまうのではないか、という危惧が常にあります。あれもこれもとがんばりすぎて、医療従事者が疲れ果ててしまうわけにはいきません。まずは安定した医療を提供することが最優先事項なので、たとえ出足が遅いように見えても、焦らず着実に歩んで行こうとスタッフに呼びかけています」(田崎先生)。

認知症の人の尊厳を大切に、安心感を与える診療をモットーとする嬉野が丘サマリヤ人病院。常に笑顔で診療にあたる田崎先生を中心に、スタッフ一丸となって、一歩一歩、堅実に課題や目標を達成していくことを目指しています。

 

 

取材日:2016年10月13日

嬉野が丘サマリヤ人病院の外観

医療法人輔仁会
嬉野が丘サマリヤ人病院

〒901-1105
沖縄県島尻郡南風原町新川460
TEL:098-889-1328

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