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県内初の診療所型認知症疾患医療センターとして、さらなる連携を目指す
<熊本県水俣市 佐藤クリニック>

院長 佐藤宏先生 院長 佐藤宏先生

佐藤クリニックは、国保水俣市立総合医療センターの診療部長・神経内科部長を務めた佐藤宏先生が2006年に開院した、地域密着型のクリニックです。 “安心して帰れるクリニック”の理念のもと、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの一般内科のほか、佐藤先生の専門である神経内科・心療内科疾患を幅広く診療しています。2015年には熊本県内初の診療所型認知症疾患医療センターに指定され、信頼するスタッフとともに認知症医療にも力を注いでいます。

新たな“熊本モデル”として、地域の認知症医療をけん引

佐藤クリニックの院長・佐藤宏先生が認知症医療に関わるようになったのは、国保水俣市立総合医療センターに勤務していた頃、認知症の急増を受けて水俣芦北臨床認知症研究会の立ち上げに参加したことがきっかけでした。同研究会では総合病院の勤務医として病診連携の推進に関わっていた佐藤先生ですが、クリニック開院後はかかりつけ医の立場で認知症医療に携わるようになりました。

同クリニックのある熊本県は、認知症疾患医療センターを基幹型と地域拠点型に分け、双方が連携して診療にあたる2層構造の体制を、全国に先駆けて確立したことで知られています(熊本モデル)。現在同県では、認知症のさらなる早期発見・早期対応につながるよう、かかりつけ医との連携を強化し、新たに診療所型も加えた3層構造モデルの構築に取り組んでいます。

同クリニックは2015年4月に、県内初の診療所型認知症疾患医療センターに指定されました。佐藤先生は精神保健福祉士や、2名のベテラン看護師とともに、地域の認知症診療を支える存在となっています。

BPSD(周辺症状)の緩和に東洋医学を取り入れる

同クリニックで診療している認知症の人は月に約200名、新規の人は月に10名前後だと佐藤先生は言います。近隣の医療機関との連携は円滑で、MRI、SPECTなどの画像診断は、国保水俣市立総合医療センターの神経内科・放射線科に依頼しています。
また佐藤先生は、現代西洋医学に漢方、鍼灸、気功療法などの東洋医学を取り入れた総合医療を目指しており、認知症の予防やBPSD(周辺症状)の緩和などにも取り入れたいという意欲を持っています。

「現在、認知症の非薬物療法は、予防に関する運動療法のみ、有効性が報告されています。漢方薬を認知症の治療に取り入れている施設もあるため、今後研究が進んでデータが集積されれば、鍼灸や気功が認知症の非薬物療法に応用されるかもしれないと期待しています」(佐藤先生)。

院外にも出向いてご本人やご家族に真に寄り添う

精神保健福祉士 渕上のぞみさん 精神保健福祉士 渕上のぞみさん

精神保健福祉士の渕上のぞみさんは、熊本県の地域拠点型認知症疾患医療センターである平成病院から出向する形で、2014年から同クリニックに勤務しています。
渕上さんは、診察時にMMSE(認知機能検査)などの神経心理検査を行い、患者さんやそのご家族からの話を聞いたり、電話での相談に対応しています。

また院内で患者さんを待つばかりではなく、積極的に院外に出かけているという渕上さん。水俣市で週2回開催されている認知症カフェや近隣地域の家族会に出向いて、認知症の人やご家族の話に耳を傾けています。渕上さんは「病院以外の場所でお会いすると、病院では見られない面も見ることができて、患者さんの普段の様子を知ることができます」と語り、ご本人やご家族との会話を診療にも生かしたいと考えています。

さらに渕上さんは、ケアマネジャーや認知症地域支援推進員とともに認知症が疑われる人の自宅を訪問し、直接ご本人やご家族から話を聞き取って、医療や福祉の支援につなげる活動にも取り組んでいます。

「最近は男性の介護者も多くなりました。買い物や家事に不慣れなため、紙オムツなどをどこで買えばいいのかわからない、料理のレパートリーが少なく高カロリーで栄養バランスが悪いメニューが多くなるなど、さまざまな悩みを抱えておられるようです。認知症の人やそのご家族の生活背景を知り、適切なサポートにつなげていくことが大切だと思います」(渕上さん)。

診療所型認知症疾患医療センターが担う啓発と連携の形

認知症疾患医療センターの使命の一つは、早期発見・早期診断・早期介入であり、佐藤先生は「BPSDが深刻になってからかかりつけ医に相談されるご家族も多いのですが、そうなる前に気軽に受診していただきたい」と呼びかけます。

認知症の啓発活動にも熱心に取り組む佐藤先生は、毎年水俣市で開催されている「認知症地域支援フォーラム」の実行委員長でもあり、企画・立案からフォーラムの進行まで、全面的に取り仕切っています。
また、水俣市と津奈木町が「もの忘れ相談会」を月1回、月替わりで実施し、佐藤先生も地域住民からの相談を受け付けています。

「医師などの医療従事者側はどうしても患者さんを待つ姿勢になりがちですが、早期発見・早期診断・早期介入のためには私たちが自ら地域に出向き、認知症のサインを早めに拾い上げることが必要だと考えています」(佐藤先生)。

相談会に参加した人が「先生が診察してくれるなら」と同クリニックを受診することもあり、渕上さんは「佐藤先生がもの忘れ相談会に携わっていることで、地域の皆さんが当院を身近に感じてくださっていると思います」と笑顔を見せます。

地域包括支援センターなど行政との関係も良好で、最近は認知症が疑われるにもかかわらず医療サービス、介護サービスにつながっていない人がいれば、すぐに紹介されるようになりました。「行政とうまく連携することで、当クリニックがどんなことでも気軽に相談できる場として機能していると思います」と、佐藤先生は語ります。

しかし、問題がないわけではありません。佐藤先生は「この地域の特性は過疎化と高齢化が同時に進行し、認知症の人が増え続けていること」と話し、独居の認知症の人をどうサポートしていくかが今後の大きな課題だと指摘します。

その課題の解決策として、佐藤先生は今後の「認知症初期集中支援チーム」の活動に期待を寄せています。同チームは、医師や看護師のほか、保健師、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士など多職種で構成され、認知症が疑われる人やそのご家族を訪問し、早期診断・早期対応に向けた支援を行います。

佐藤クリニックの皆さん 佐藤クリニックの皆さん

「医療従事者だけで認知症の早期発見に取り組むのは限界があります。医療・福祉・行政の多職種が連携することで、早期発見・早期診断・早期対応の促進につながると考えています」(佐藤先生)。

地域包括支援センターとの連携を中心に、認知症の地域連携の構築を目指す佐藤先生。診療所型認知症医療センターである同クリニックが地域連携の要となり、認知症の人とそのご家族が安心して暮らせる町づくりをけん引していくと決意しています。

 

 

取材日:2016年11月25日

佐藤クリニックの外観

佐藤クリニック

〒867-0045 
熊本県水俣市桜井町1-2-8
TEL:0966-69-3007

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