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的確かつ温かなリハビリで、長期の在宅生活を支える
<徳島県徳島市 医療法人成美会 鈴江病院>

医療法人成美会 理事長 鈴江仁志先生 医療法人成美会 理事長
鈴江仁志先生

徳島市内でも閑静なエリアに位置し、高齢化が顕著な周辺地域の医療・介護ニーズを支える医療法人成美会 鈴江病院。回復期にある患者さんをリハビリテーションによってサポートするとともに、デイケアを開設し、認知症などの地域の高齢者に、有意義な時間を提供しています。

2003年から本格的な認知症診療をスタート

鈴江病院は、1904年から実に1世紀以上、徳島市内で診療を続けている、歴史ある病院です。療養病床数は42床。リハビリテーションと内科、外科、脳神経外科などの診療に対応するほか、居宅介護支援事業所も設置し、デイケアやサービス付高齢者向け住宅の運営を行うなど、高齢者医療と福祉への対応を拡大してきました。


認知症医療に関して理事長の鈴江仁志先生は、「以前から認知症の診療はしていたものの、本格的に取り組むようになったのは、脳神経外科専門医である七條文雄先生が診療を担当するようになってからのことです」と振り返ります。

脳神経外科 七條文雄先生 脳神経外科 七條文雄先生

「私は脳神経外科医となって以来40年、高次脳機能を中心とした診療に携わってきましたが、2008年に県の医師会からの要請を受けて、認知症サポート医になりました。現在は当院を含む4つの病院で、計1,000人ほどの認知症の方を診ています」(七條先生)。

徳島県は高齢者数が増加傾向にあり、「認知症の方の数もそれに伴って増加していると感じます」と話す鈴江先生。高齢者医療と介護、そして心身の機能の維持に取り組む鈴江病院の重要性もまた、年々増し続けています。

一度の受診で診断まで行い、ご本人とご家族の負担を軽減

七條先生が心がけているのは、可能な限り、1回か2回の診察で診断を確定させることです。

「検査、診断、説明などを全て合わせると一人につき1~2時間ほどかかりますが、それを1日で完結させるよう心がけています。なぜなら、認知症の方は早めの治療が必要であり、ほどんどの方がご家族に付き添われて来院されるからです。一度の受診で診断できれば、ご家族が何度も予定を調整して来院する必要もなく、早期に治療の道筋をつけることができます」(七條先生)。

また、初診に限らず診察時には、ご家族がご本人の行動について不安や不満、苦労などを訴えることも多々あります。その際は「聞き役に徹することを心がけています」と七條先生は話します。

「診療時間は基本的に15分区切りですが、そうした時は30分以上になってもお話を伺います。診察待ちをしている患者さんにはご迷惑をおかけしますが、十分話し合わないとご家族には不満が残ったままになり、ご本人にとっても良くない状況になると考えているためです」(七條先生)。

もの忘れを主訴に同院を受診する患者さんは増加しています。その理由の一つに、七條先生が各地で実施している講演があるといいます。

「一般市民向け、医療・介護従事者向けを問わず、講演をきっかけに当院を受診される方は多いです。例えば、数年前にケアマネジャーや介護士を対象に講演を実施したところ、その後、受講者が認知症の疑いのある方に私の名前や病院名を伝えて受診を勧められたことがありました。結果的に、地域のかかりつけ医とのパイプが築かれることになり、今では地域との緊密で円滑な連携が実現しています」(七條先生)。

リハビリにはご本人が興味を持てる要素を取り入れる

リハビリテーション室 リハビリテーション室
作業療法士 上原さおりさん 作業療法士 上原さおりさん
作業療法の一例
作業療法の一例
言語聴覚士 石橋寛子さん 言語聴覚士 石橋寛子さん

同院はリハビリテーション病院であり、近隣の急性期病院から転院される患者さんの受け皿となるほか、同院のデイケア利用者にも対応しています。リハビリスタッフは、理学療法士9名、作業療法士5名、言語聴覚士3名で、デイケアでの行動の援助は、介護士が担当しています。

認知症の方へのリハビリは、生活動作や運動機能の維持・改善、言語障害の改善、摂食嚥下機能の維持・改善を目的に実施されます。コミュニケーションが困難な方もいて、リハビリにも工夫が必要です。作業療法士の上原さおりさん、言語聴覚士の石橋寛子さんはリハビリについて、「ご本人の興味ややる気のあるものを導入するのが前提」と口をそろえます。

「作業療法士が行う訓練は、認知機能やADL(日常生活動作)を保つためのリハビリが中心です。例えば本が好きな方には漢字のプリント、自宅で暮らしている方には調理やトイレなどの訓練をします」(上原さん)。

一方、石橋さんは言語聴覚士が行う訓練について、「回想法、新聞の音読、字を書く訓練、絵カードを見てそれが何かを答える呼称訓練などを実施します。ご本人が楽しんでリハビリに取り組めるよう、趣味の本を読み上げていただくこともあります」と説明します。

石橋さんは、会話をするときは短い言葉を選んでゆっくり話すなど、よりスムーズにコミュニケーションが取れる方法を検討しながら接しています。また、他のスタッフからも言語聴覚士の領域である「話す」「食べる」などの動作について、「このような方はどうしたらいいか」といった相談をされることもあるといいます。

「話すことも食べることも、日々の基本的な動作ですが、ちょっとしたコツで大きな変化が生まれることも多いのです。私のアドバイスが良い結果につながり、スタッフが喜んでそれを報告してくれたときには、専門職として充実感を覚えますね」(石橋さん)。

一人ひとりに合わせた工夫とリハビリで、ご自宅での暮らしを豊かに

認知症の方のリハビリには、住み慣れたご自宅で自分らしい生活を長く続けられるようにするという目標があります。同院では、そのためにご本人の生活環境を実際に見に行くこともあるといいます。介護士の桜木聖子さんは、在宅生活を送っていたある認知症の方が印象に残っていると話します。

介護士 桜木聖子さん介護士 桜木聖子さん

「徘徊などもあり、在宅での生活が難しくなりつつある女性でしたが、ご家族はできるだけご自宅での暮らしを続けさせたいと望まれていました。そこで、作業療法士とともにご自宅を訪問して、生活状況を見せていただきました」(桜木さん)。

その結果、できることは少なくなっているものの、文字を読むのに支障はなく、また、道具を手に取れば、用途通りに使用できることが分かりました。そこで、全ての調理器具に名前を書き、来院時のリハビリに料理を取り入れたところ、ご自宅でも料理などの家事が多少なりともできるようになったそうです。

「リハビリで作られた料理を毎回いただくうちに、スタッフが太ってしまったのは想定外でしたが、とても良い経験ができました」と桜木さんは笑顔で振り返ります。

リハビリが功を奏し、認知症の方がご自宅で生き生きと生活できるようになったこのエピソードに、作業療法士の上原さんも「この仕事をやっていて良かったと思います」と、顔をほころばせます。

認知症への理解を広め、「普通の暮らし」を少しでも長く

認知症の増加は、徳島県でも深刻な問題です。この現状を受けて、同院のスタッフは、「地域全体で認知症そのものへの理解を深めていくことが重要」という認識を共有しています。

七條先生は日常の診療をしながらも研究や講演活動などを継続しており、上原さんは、徳島県の作業療法士会の理事として、専門職向けの勉強会、研修会などにも携わり、知識と理解の向上を目指しています。

認知症への理解を深めることは、認知症の方が地域で安心して暮らせる環境を整えることにつながります。「認知症の方の中にはBPSD(周辺症状)が目立ち、周囲から白い目で見られてしまう方もおられます。この病気で起こりうる症状やその対処法について、ご家族や医療・介護従事者など、身近な人たちから理解を深めていきたいと思っています」と上原さんは話します。
また、石橋さんも「認知症の方の思いを引き出して理解し、言語聴覚士として周りの方とのコミュニケーションを橋渡しするお手伝いをしたいですね」と思いを語ります。

皆さん 皆さん

とはいえ、認知症の医療や介護の現場では、認知症の方を間近でケアする介護士の人数が不足している現状があります。桜木さんは、認知症医療における介護士の位置づけについて、「リハビリに頭と体と心のリハビリがあるとしたら、心の部分は介護士の領域だと思っています。私たちができるだけ温かく接し、心身ともに援助することが、少しでも長く心豊かな在宅生活を送っていただくために必要だと思っています」と語ります。

「Smile・Science・Step (笑顔・科学・研修)」の3つの「S」を基本理念に掲げ、理事長の鈴江先生を中心に人に優しい病院づくりを目指す同院。認知症があっても、家庭や地域で自分らしい生活をできるだけ長く送っていただくために―。同院の診療、リハビリ、援助、そして啓発活動は、全てそのために行われています。

 

取材日:2016年12月2日

鈴江病院の外観

医療法人成美会 鈴江病院

〒770-0028 
徳島県徳島市佐古八番町4-22
TEL:088-652-3121

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