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診断から治療・介護まで、総合的な対応で地域の認知症ケアに貢献
<埼玉県入間郡毛呂山町 社会福祉法人埼玉医療福祉会 丸木記念福祉メディカルセンター>

院長 棚橋紀夫先生 院長 棚橋紀夫先生

1892年に精神科・内科を標榜する病院として開設された、丸木記念福祉メディカルセンター(旧毛呂病院)。毛呂山・越山地域初の総合病院として、長きにわたって地域住民の命と健康を守ってきました。1972年4月には埼玉医科大学を設立、同年8月の同大学附属病院開設後は母体病院として後方支援の役割を担うなど、地域の医療と福祉の充実に力を注いでいます。

診断、治療、介護と、認知症への総合的な対応が可能

埼玉県西部、秩父連山を遠望する毛呂山町。豊かな自然に恵まれ、ゆずの産地として知られる同町は、埼玉医科大学病院による「医療と福祉の町」でもあります。丸木記念福祉メディカルセンター(旧毛呂病院)は、埼玉医科大学病院の母体病院であり、総合医療センターや国際医療センターなど、埼玉医科大学病院群の後方支援病院として重要な役割を担っています。

丸木記念福祉メディカルセンターは精神科のほか、内科、リハビリ科、歯科を標榜し、内科病棟、緩和ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、合併症病棟、精神科病棟の五つの病棟を備えています。

「認知症の人は、内科系を受診する場合と精神科系を受診する場合の二通りがあると思いますが、当センターにはどちらの診療科もそろっていますから、安心して受診していただけると思います」と話すのは、院長で神経内科専門医の棚橋紀夫先生です。

「特に徘徊や暴力などのBPSD(周辺症状)が強く出ていると、内科での対応が難しくなることもあります。当センターでは必要に応じて、内科医と精神科医が連携して治療に当たっています」(棚橋先生)。

同センターの精神科病棟には認知症ケア病床があり、入院も可能です。また、場合によっては、敷地内にある介護老人保健施設も利用できるなど、診断から治療・介護まで、すべてのステージへの“対応力”こそが、同センターの最大の特徴だと棚橋先生は自負しています。

大学病院との密接な連携と利便性が強み

副院長・認知症疾患医療センター長 岡島宏明先生 副院長・認知症疾患医療センター長
岡島宏明先生

同センターでは県の指定を受け、2010年7月から認知症疾患医療センター事業を運営しています。精神科医で副院長の岡島宏明先生は、センター設立と同時にセンター長に就任し、認知症診療に携わるようになりました。

画像診断を重視する岡島先生は、認知症の相談で受診した人のうち、希望者全員にMRIとSPECTの画像撮影を行っています。

「認知症の初期段階でも、特徴的な画像所見が認められることもあります。もの忘れなどの症状がさほど見られなくても、検査を実施することで早期発見・早期治療につながると考えます」(岡島先生)。

MRIやSPECTは埼玉医科大学病院に依頼しています。同センターと埼玉医科大学病院間は“C@RNA”(カルナ)というオンラインの検査・診療予約ネットワークシステムでつながっており、同センターから直接大学病院の検査予約を取ることができます。患者さんが紹介状を持参する必要はなく、スムーズに検査を受けられるほか、検査結果と画像がオンラインシステムを介して一両日中に同センターに届けられます。

大学病院が有する高度な検査設備を利用できる環境を生かし、認知症の早期診断に努めています。

ご本人の気持ちに寄り添うチームケアでBPSDを緩和する

認知症看護認定看護師 早坂未央さん 認知症看護認定看護師
早坂未央さん

認知症看護認定看護師の早坂未央さんは、医師と薬剤師、作業療法士、精神保健福祉士など多職種で構成される認知症ケアチームの一員として活動しています。

ケアチームは週に1度、身体疾患と認知症を併せ持つ患者さんが入院する病棟に出向き、認知症の人のケアについて病棟看護師の相談に乗ったり、より良いケアを提供するためにはどうすればいいのかを話し合ったりしています。
また、病棟での認知症ケアの質向上を目的とした勉強会では早坂さんが講師を務め、これまで培ってきた経験や看護のノウハウを伝えています。

「最近はご家族の介護力も向上しています。スタッフ間だけでなくご家族とも情報を共有して、ご本人に苦痛がなく、スタッフもストレスのないケアを工夫するようにしています」と話す早坂さん。自身が提案したケアが功を奏して、認知症の人の反応が変わるとやりがいを感じるといいます。

「認知症の人はケアの目的を理解できず、暴れてしまうこともありますが、そこで無理強いせず、ご本人が理解できるまで待つことが大切だと思います。例えば、採血が嫌で暴れていた人も、少し時間をおいてからあらためてお願いしたところ、スムーズに採血できたこともありました」(早坂さん)。

その様子を見ていたほかのスタッフが、同じように患者さんと接するようになったときは「認知症看護認定看護師をやっていてよかったとうれしくなりました」と、早坂さんは笑顔で語ります。

地域と共に歩み、高齢化による認知症の増加に向き合う

2016年現在、埼玉県では、県で9ヵ所、さいたま市で1ヵ所に認知症疾患医療センターが設置されています。川越比企保健医療圏の認知症疾患医療センター長として、岡島先生は圏内のさまざまな連携会議に関わり、講演など啓発活動にも熱心に取り組んでいます。

具体的な活動には、県の医療従事者向け認知症対応力向上研修や、川越市の医療相談会、坂戸市市民講座の開催のほか、近隣市町村からの要請に応じて、講演にも出かけます。毛呂山町の地域包括支援センターによる“認知症初期集中支援チーム”としての活動にも参加し、岡島先生のほか、メディカルセンターの医療相談員も地域の企業や学校で開催される認知症サポーター養成講座の講師を務めています。

認知症疾患医療センター相談員・精神保健福祉士 福島雄大さん 認知症疾患医療センター相談員・精神保健
福祉士 福島雄大さん

認知症疾患医療センター専従の相談員である精神保健福祉士の福島雄大さんも、岡島先生と共に認知症初期集中支援チームに参加しています。毛呂山町の職員と共に認知症が疑われる人の自宅を訪問し、早期診断・早期対応に向けたサポートを行う福島さん。「最初は話をすることも拒否する方が多いのですが、毎月のように足を運んでいるうちに心を開いてもらえ、医療機関の受診につながることもあります」と話します。

「ご本人から『受診してみてよかった』という言葉をいただいたり、対応にお困りだったご家族から『とても助かりました』と声をかけていただくことも増えやりがいを感じています」(福島さん)。

ほかにも福島さんは、介護職向けの勉強会や講演のためにメディカルセンターの医師やコメディカルを派遣したり、連携協議会など地域の医療介護スタッフが集まる会議を主催したりと、地域連携の強化に努めています。さらに、認知症サポーターを養成するキャラバン・メイトの資格を取得、毛呂山町の小中高等学校、短大、同法人の看護学校で授業を行うなど、未来を担う世代への啓発にも力を注いでいます。

「今後は病院で相談に来る人を待つだけでなく、こちらから外に出て行く、アウトリーチ型の相談が主流になるかもしれませんね」と福島さんは新しい相談の形に意欲を見せます。

多職種で24時間の在宅ケアを支える体制へ

棚橋先生は「埼玉県では猛烈なスピードで高齢化が進んでおり、今後は認知症の人の増加が社会的に大きな問題になると思います」と警鐘を鳴らします。
ご本人もご家族も、ほとんどの方が住み慣れた自宅での生活を希望しますが、認知症の人の症状に振り回され、ご家族が疲弊してしまうこともあります。また、高齢者では合併症の問題もあり、在宅ケアにも限界があると棚橋先生は考えています。

メディカルセンターでは、在宅医療室を設置して24時間いつでも医師や看護師を派遣できる在宅診療システムを整えていますが、マンパワーの問題もあり、認知症には対応できていないのが実情です。岡島先生も「埼玉県は在宅療養支援診療所が少ないという現状もあり、在宅医療体制の拡充が今後の課題だと思います」と語ります。

「行政、病院、かかりつけ医、在宅医、ケアワーカー、ケアマネジャーなど多職種が連携を取りながら、個々の症例をどうケアしていくのか。人生の最期まで住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるシステムを構築し、確立することが当センターの使命だと感じています」(棚橋先生)。

高齢化が進む地域のニーズに応えるべく、同センターの奮闘はこれからも続きます。

 

取材日:2016年11月23日

丸木記念福祉メディカルセンターの外観

社会福祉法人埼玉医療福祉会
丸木記念福祉メディカルセンター

〒350-0495
埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38番地
TEL:049-276-149

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