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患者さんとの活発なコミュニケーションが治療の根幹
<埼玉県鴻巣市 医療法人社団浩蓉会 埼玉脳神経外科病院>

院長 松浦浩先生 院長 松浦浩先生

急性期脳卒中などにも対応できる埼玉脳神経外科病院は、いざというときに頼りになる救急病院として地域医療に貢献してきました。近年は地域住民の高齢化に伴い、認知症に関わる機会も増えており、訪問診療と往診にも力を入れて地域のニーズに応えています。

“治せる認知症”を見逃さず、緊急手術まで対応

1988年に開設された埼玉脳神経外科病院。松浦浩先生が院長を務める同院では、脳神経外科領域の急性期疾患を中心に、四肢の骨折、重度の熱傷、急性腹症、虚血性心疾患などの患者さんを24時間体制で受け入れています。その一方で、認知症外来を設置して地域の認知症の人とご家族を支えています。

「周辺地域は農業をなりわいとする人が多く、皆さん元気で長生きです。それでも70~90代となれば認知機能が低下する可能性はあります」と話す松浦先生。しかし、高齢で認知機能に問題があるからといって最初から認知症と決めつけることはありません。

「認知機能の低下はアルコールの多飲や甲状腺機能低下症などのほか、手術で治療できる慢性硬膜下血腫などでも起こります。見落としのないように、採血に加えCTやMRIなど脳の画像検査も実施しています」(松浦先生)。

画像検査の結果、隠れ脳梗塞など他の疾患が見つかることもあります。事務次長を務める大久保篤司さんは、「当院には画像診断に優れた医師が在籍しています。アルツハイマー型やレビー小体型、血管性など、認知症の鑑別診断も的確です」と同院の特徴を話します。

また、松浦先生は「救急医療こそ医の原点」と考え、小規模だからこそ小回りが利くという同院の強みを生かして、緊急手術に迅速に対応できる体制を整えています。「救急で受け入れた方の中には認知症を合併している方もおられ、救急処置後の対応をどうするかを診療科や職域を超えて皆で考え、行政とも連携をとっています」(松浦先生)。

救急だけではなく、慢性期の訪問診療にも意欲的に取り組む

事務次長 大久保篤司さん 事務次長 大久保篤司さん

同院では2006年より訪問診療にも取り組んでいます。「認知症で通院できない方も多く、それならこちらから訪ねていこうということになりました」と、大久保さんは訪問診療をスタートしたきっかけを語ります。現在は、松浦先生が認知症専門のグループホームなどを訪れ、糖尿病や高血圧の合併症があり投薬が必要な人の診察を行っています。また、独居で糖尿病などを合併している認知症の人に対しても、訪問診療や往診で対応することもあります。

「施設か自宅でご家族が介護するかの二択ではなく、デイサービスやショートステイなどの介護サービスのほか、訪問診療、訪問看護を利用して住み慣れた自宅での生活を続けるという、幅広い選択肢があるのは良いことだと思います」(大久保さん)。

傾聴を心がけ、温かなコミュニケーションを

外来看護師 内田淳子さん 外来看護師 内田淳子さん

外来看護師の内田淳子さんは、「重度の認知症の方は少ないのですが、独り暮らしの方が多く、人とのコミュニケーションを求めておられると感じます」と語ります。

「例えば、点滴などの処置が終わったあとも、20分ほどおしゃべりをされる方がおられますが、ある程度話すと気持ちが落ち着くようで、『聞いてくれてありがとう』と満足して帰られます。お話を傾聴することも、外来スタッフの大切な役割だと思っています」(内田さん)。

大久保さんは、グループホームの訪問診療に同行した際に出会った、70代の認知症の方が忘れられないと語ります。

「施設のスタッフから無口な方だと聞いてはいたのですが、最初はまったく会話が成立しませんでした。しかし、大学で物理を専攻されていたことを知り、どんな勉強をされていたのか聞いてみたところ、京都大学で、ノーベル賞受賞当時の湯川秀樹さんと同じ研究室で、量子力学を研究されていたとのこと。それをきっかけに、物理についてさまざまなお話をしてくれました」(大久保さん)。

大久保さんは「その方は、施設では理解力の低下があるとされていたそうですが、こちらの理解力が足りなかったのかもしれません」と語り、以来、職歴や生活歴などをきちんと理解して接すれば、心を許して話をしてくれるのではないかと自戒をこめてコミュニケーション方法を工夫しています。

全てのスタッフが、認知症の方とうまく関われることが大切

病棟看護師 飯田里美さん 病棟看護師 飯田里美さん
外来看護師 北原未来さん 外来看護師 北原未来さん

病棟看護師の飯田里美さんは「病棟では認知症の方はもちろん、ご家族へのフォローも必要です」と語り、家庭での過ごし方やご本人に必要なケアなど、退院後の生活全般についてご家族の相談に乗っています。

さらに飯田さんが必要だと感じているのは、若いスタッフの育成です。

「核家族化により、高齢者と関わる機会がないまま医療現場に臨むスタッフも増えています。認知症の方への対応は難しく、感情的にならないことが大切です。ベテランの看護師だけでなく、病棟スタッフ全員が認知症の方とうまく関われるように、指導や育成をする必要性を感じています」(飯田さん)。

若手スタッフの中で、松浦先生から「おじいちゃん、おばあちゃんに人気の看護師」と言われているのが、外来看護師の北原未来さんです。祖父母との同居経験があり、認知症の方ともすんなり接することができたという北原さんは、「デパートに勤めていたころの話になると、さっと身なりを整えて得意げな表情を浮かべるなど、ふとした拍子にかつての面影がうかがえると、新鮮な驚きがあります。認知症の方と関わるようになってまだ日は浅いのですが、もっと勉強を重ねて、自信を持って対応できるようになりたいです」と語ります。

あえて感情をゆさぶり、認知症の人の喜怒哀楽を引き出す

松浦先生は、「一人でテレビをボーッと見るような、単調な毎日が一番良くないと思います」と話し、人と会話を交して刺激を受けることが認知症治療には大切だと考えています。そのため、診察中にも、わざと感情にゆさぶりをかけ、喜怒哀楽を引き出すようにしているといいます。

「原点は大道芸の“ガマの油売り”です。掛け合いを通して客を怒らせたり笑わせたりして、ガマの油を売る芸を見て、これは診療に応用できると思いました。感情を動かすことで、一瞬でも目が輝いて、かつての表情がよみがえる瞬間もあります」(松浦先生)。

埼玉脳神経外科病院の皆さん 埼玉脳神経外科病院の皆さん

北原さんは「松浦先生の外来では、診察中もワッと笑いが沸くことが多いですね」と言い、大久保さんも「他の先生方も松浦先生のコミュニケーション能力はすごいと感心しています」と話します。

「認知症であっても、脳にはまだ機能している部分もあります。だから、かつての様子を彷彿とさせる瞬間があるのです。その時間を少しでも長くするような薬が開発されるといいですね」と、今後の希望を語る松浦先生。さまざまな課題に直面しながらも、熱意あふれるスタッフとともに、地域住民の健康と安心を守るべく走り続けています。

 

 

取材日:2017年2月21日

埼玉脳神経外科病院の外観

医療法人社団浩蓉会
埼玉脳神経外科病院

〒365-0027
埼玉県鴻巣市上谷664-1
TEL:048-541-2800

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