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患者さんの幸せを大切に、認知症医療の進展にも貢献
<京都府京都市 医療法人社団洛和会 洛和会音羽リハビリテーション病院>

院長 木村透先生 院長 木村透先生

京都市を中心に数多くの医療および介護・福祉施設を運営する洛和会ヘルスケアシステムが、山科区に2015年に開設した洛和会音羽リハビリテーション病院。回復期リハビリテーションを軸としつつ神経内科や整形外科外来、さらにメモリークリニック、在宅医療などで、山科区の地域包括ケアを支える役割を果たしています。

安らげる空間で充実したサポートを

洛和会音羽リハビリテーション病院は、旧洛和会みささぎ病院を母体とし、洛和会音羽病院回復期リハビリ病棟、音羽前田クリニック整形外科外来を継承する形で、2015年4月に開設されました。

院内は森の木々や草花をイメージし日本の伝統色を取り入れた色調で、患者さんやご家族、スタッフの心に安らぎをもたらすことを意図した空間づくりがなされています。

外来は内科、神経内科、整形外科、リハビリテーション科とメモリークリニック(物忘れ外来)があり、病棟は一般(障がい者)病床、医療療養病床、地域包括ケア病床、回復期リハビリテーション病床の、合計186床を確保しています。

外来専用の充実したリハビリテーション室があり、訪問リハビリテーションも実施。その名の通りリハビリテーションに注力した新しい病院であり、同時に山科区における認知症医療の要としての役割も果たしています。

この病院の院長で神経内科医でもある木村透先生は、2000年ごろから洛和会音羽病院に物忘れ外来を開設して認知症医療に本格的に取り組んできました。

「京都大学医学部の神経内科学教室で指導してくださった(故)亀山正邦先生が常々『これからは認知症が必ず重要な課題となる』と言っておられたので、1980年ごろから認知症には関心を持っていました。亀山教室の出身者の多くが今、認知症の研究・医療の前線で活躍しています」と木村先生は語ります。

複数の詳細な検査が診断と治療方針決定のカギ

神経内科 部長 木原武士先生 神経内科 部長 木原武士先生

神経内科部長(認知症医療サポートセンター部長)の木原武士先生も京都大学神経内科の出身で、木村先生と二人でメモリークリニックを担当しています。同外来は週に2回の予約制で、初診時に医師による問診、診察、看護師または臨床心理士による神経心理検査と採血を行い、認知症の疑いがあれば、2回目の受診時に画像検査を行ったうえで鑑別診断となります。薬物治療に備えて心電図とエコーのデータもとっています。

スクリーニングの神経心理検査には、MMSE(認知機能検査)と木原先生が開発に関わった独自の検査ツール(Me-CDT)を併用しています。そのツールとは、「パソコンを使い音声ガイドに従って記憶課題と時計描画に挑んでいただく検査で、検査担当者の熟練を必要とせずに患者さんの状態をおおよそつかむことができます。レビー小体型認知症の可能性を探すことも目的としています」と木原先生は語ります。

洛和会音羽リハビリテーション病院では、画像検査はCT、MRIが可能ですが、症状によっては隣の洛和会音羽病院に設置されているSPECTで、脳血流、DATscan、MIBGなどの検査を行うこともあります。

「初診患者さんの平均像は、80歳を少し過ぎてMMSEが30点満点のうち22~23点くらい。受診のきっかけはご家族が症状に気づいたことで、診察にも付き添ってこられることが多いですね」と木原先生は語ります。

ご本人が認知症を心配して一人で受診する方はMCI(軽度認知障害)であることが多く、ケアマネジャーの付き添いで受診する患者さんに20点を切る方が多くなっています。

「言動の小さな変化に気づくご家族が身近にいない独り暮らしの方は、症状が進んでから受診されることがありますが、全体として早い段階で当科を受診してもらえるようになってきました」(木村先生)。

守るべきものはご本人のプライドとご家族の生活

「受診された方には、MCIの方も含め、プライドを傷つけることがないよう、診察時の対話にも気を配っています。投薬治療を躊躇する患者さんもいて、まだ症状が軽い方には3ヵ月後にもう一度検査をして治療方針を再検討することで、ご本人の納得を促します」(木村先生)。

認知症医療は運動や食生活など生活習慣の改善、糖尿病・高血圧・脳梗塞などの合併症や生活習慣病の管理、そして治療薬の3本柱で進めるべきだというのが、同科の考え方です。また、地域医療機関からの紹介の場合はもちろん、そうでなくても普段の管理は、可能であればかかりつけ医に託し、3ヵ月に1度のフォローアップを洛和会音羽リハビリテーション病院で担う、他院との連携を大切にしています。

「もう一つ大事なのは、患者さんのみならず、介護されるご家族の生活を守ることです」と木村先生は言います。アルツハイマー型認知症による物忘れでも、加齢による物忘れでも、生活に支障がでない方策を講じる必要は同じであり、主介護者の心身の健康状態への配慮を忘れず、生活の状況によっては介護福祉サービスの利用を積極的に勧めます。

「ご家族間での意見の食い違いに対して仲裁することもあります。神経内科医なのに家族問題のカウンセラーのようだなと感じることもありますね」(木村先生)。

信頼関係を築き、BPSDの抑制につなげる

木原先生が認知症医療で重視しているのは、BPSD(周辺症状)を起こさせない治療と疾患管理です。基礎研究でコリンエステラーゼ阻害薬の効果解析などに取り組んだこともある木原先生は、薬物治療に詳しいからこそ、患者さんの状態を注意深く観察することが必要だと語ります。「BPSDの徴候を早くつかんで、適切な投薬もしくは他の治療を行い、問題とならないレベルに抑えたいと考えています。そのために重要なのは身近な方からの情報です。困ったことはもちろん、ささいな出来事もすべて伝えてもらうために、ご家族との信頼関係が大切となります。また、起こりうる症状と対処法を伝えておくと慌てずに対応できるので、ご家族にとってもご本人にとっても良い結果になりますね」(木原先生)。

看護師 玉垣美奈子さん 看護師 玉垣美奈子さん

同科を担当する看護師の玉垣美奈子さんも「患者さんもご家族も、医師には言わない本音を看護師や検査技師に話してくださることが多いので、思いに寄り添って傾聴するように努めています。また、独居の患者さんでは、ケアマネジャーさんと連携し、日常生活に関する情報を得るように心がけています」と語ります。このようにして得られた情報は医師やスタッフで共有され、治療や介護に役立てられています。

工夫のもとに得られた良質な検査データが患者さんを守る

臨床心理士 中島陽大さん 臨床心理士 中島陽大さん

同院では、治療効果や症状の進行度を把握するため、3~4ヵ月ごとにMMSE、MoCA-J(軽度認知障害スクリーニング)、ADAS(アルツハイマー病評価尺度)などの神経心理学的検査を行っており、臨床心理士の中島陽大さんが担当しています。経時的な変化を把握するためには、患者さんの検査当日の気分や検査に対するモチベーションの違いによる影響を排除する必要がありますが、認知症の方においては、これは簡単なことではありません。「例えば、意に反してご家族に連れてこられた患者さんは検査に協力的ではありません。患者さんの気持ちによる影響をゼロにすることはできませんが、正確なデータをとれるようにリラックスできる雰囲気づくりや検査の選択を工夫しています」と中島さんは語ります。

木村先生は「レビー小体型認知症の場合はMMSEの点数が大きく変動することが病態の一つになりますし、点数の変動によって他の疾患の合併に気づくこともあります。安定してデータがとれることは非常に重要なのです」と語ります。木原先生も「検査結果の正確さはもちろん、患者さんの個性や当日の状態や、医師には話しにくい日常生活の支援に必要な情報などをうまくつかみ、丁寧に報告してくれるので頼りにしています」と中島さんの仕事を評価します。

患者さんの中には検査中に、不安や悩みを訴えられる方もいらっしゃいます。そうした心の声に耳を傾けながら、検査を行うことが、患者さんの支援にもなると考えます。

同院では、医師と臨床心理士の協力によって独自検査ツールの研究開発を進め、さらに、蓄積された検査データの分析研究を学会で発表する予定もあります。

「洛和会ヘルスケアシステムは、介護保険制度がスタートする前から、福祉先進国であるスウェーデンで視察研修を行い、学び得た知識を糧に介護施設を数多く設置し、先進的な取り組みを続けてきました。私たちのチームも、わが国の認知症医療の進展に貢献したいと考えています」(木村先生)。

 

取材日:2017年2月28日

洛和会音羽リハビリテーション病院の外観

医療法人社団洛和会
洛和会音羽リハビリテーション病院

〒607-8113
京都府京都市山科区小山北溝町32-1
TEL:075-581-6221

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