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専門外来で適切な治療を提供するとともに、開かれた場で予防にも注力
<愛知県名古屋市 医療法人偕行会 偕行会城西病院>

院長 錫村明生先生 院長 錫村明生先生

名古屋市中村区にある偕行会城西病院は、120床の病室を備えた医療療養型の病院で、在宅療養支援病院としてこの地域の在宅医療を支えてきました。高齢者が比較的多いという地域性から認知症医療を重視し、神経内科を新設して診療体制を強化するとともに、物忘れ外来も開設しました。認知症カフェや、予防を目的とした自由参加型の運動療法や音楽療法などの教室を定期的に開催するなど、認知症の人やご家族をあらゆる角度からサポートしています。

新設した神経内科と物忘れ外来に加え、内科でも認知症に対応

偕行会城西病院は、1936年に名古屋市民病院の分院として設立された名古屋市立西部医療センター城西病院が2011年に民営化され、医療法人偕行会が事業を承継しました。当初は内科や整形外科などを中心に治療を行ってきましたが、2015年には神経内科の一般外来、神経難病の専門外来を新設し、神経内科疾患の治療にも注力しています。入院期間に制限のない医療療養型の病院であると同時に、在宅療養支援病院として24時間365日体制で往診も行うほか、26施設に訪問診療も行っています。

2015年に同院に赴任し2017年4月から院長を務める錫村明生先生は、大学で長年にわたり免疫性神経疾患の研究を行う傍ら、神経内科を専門として臨床の場でも認知症医療に携わってきました。

同院のある中村区は、名古屋市内では南区、北区に次いで高齢化率が高い地域です(2016年10月現在)。錫村先生は高齢化が進むなかで必要とされるのは認知症医療だと考え、自ら神経内科で診療に取り組むだけでなく、週1回の物忘れ外来を設け、神経内科の専門医による治療が受けられる環境を整えました。

また同院では、生活習慣病などでもともと内科にかかっていた患者さんが発症したときは、内科でも認知症に対応できるようにしています。内科には名古屋市医師会の講習を受け“認知症サポート医”として登録された医師が常駐しているので、受診科を変えずに認知症の治療を受けることができます。

神経内科を専門とする施設ならではの入念な鑑別診断を実施

同院の認知症への取り組みは、4つの柱で構成されています。柱となるのは、①認知機能を維持し、認知症を予防するためのサービスの提供、②認知症の鑑別診断と適切な治療法の提供、③生活機能の低下予防と改善、④介護負担の軽減です。

鑑別診断では、錫村先生が神経内科の専門家としての強みを発揮します。初診では問診に加え、甲状腺機能低下症など他の病気の可能性を確認するため血液検査を全員に実施。さらに、脳の状態を確認するMRI検査や、神経学的診察などによる鑑別診断を行います。

「アルツハイマー型認知症の可能性が高くても、実際は異なる病気であれば抗認知症薬を投与しても効果はありません。検査で他の病気を除外し、また、認知症であっても治療可能かそうでないかを見極めることが重要です」と錫村先生は語ります。

認知症と診断された場合には、治療を行うだけではなく、介護保険の利用などについてご家族にアドバイスし、院内に併設された居宅介護支援事業所や偕行会グループの介護福祉施設を紹介して、介護負担の軽減を図っていきます。

2015年からは院内で継続的に認知症サポーター養成講座を開催し、全てのスタッフが受講することで認知症についての正しい知識の習得に努めています。一般外来の窓口でも患者さんやご家族の様子をスタッフが常に気にかけており、何か気になるそぶりや変化があれば、話を聞く場を設けることもあります。

副看護部長 澤田真紀さん副看護部長 澤田真紀さん

認知症の疑いがあるときには、主治医に情報を伝え、必要な部署につなぎます。看護副部長の澤田真紀さんは、「他部署を紹介して終わるのではなく、場合によってはご本人やご家族をお連れし、同時に他部署のスタッフとお話をお聞きして情報を共有します」と語り、看護師としてだけでなく認知症サポーターとしても寄り添う姿勢を見せます。

「当院では、物忘れ外来の開設以前から認知症予防のために音楽療法を実施したり、認知症カフェを開設したりしていました。それらに関わっていたスタッフを中心に、病院全体で認知症の方を支える体制づくりを進めているところです」(錫村先生)。

認知症カフェを週5日開催し、地域に開かれた場に

認知症カフェ“ほっとカフエじょうさい”は、2015年10月に開設されました。当初は月に1回でしたが、2016年4月からは平日は毎日開催しており、現在では1日平均9人の利用者さんがいます。カフェの立ち上げに関わった澤田さんは開設の理由を、「在宅療養支援病院なので、以前から介護の相談だけでなく、さまざまな悩みが多く寄せられていました。当院にかかっていない方でも気軽に相談できるような場を開いて、専門職が状況をよく聞いて受診や関係機関につないでいく必要性を感じました」と語ります。

カフェは10時から15時まで正面玄関の横にある相談コーナーで開催しており、医師に勧められて受診後に立ち寄る患者さんもいれば、いきいき支援センター(地域包括支援センター)で勧められて、介護保険のデイサービスを受ける前の練習として参加する方もいます。看護部と総合相談窓口、リハビリ課と社会福祉士がチームを組み、参加者さんからお話を聞いて、一人ひとりに必要なサポートを提供しています。

総合相談窓口 高野洋子さん総合相談窓口 高野洋子さん

総合相談窓口の高野洋子さんも、認知症カフェに関わるスタッフの一人です。総合相談窓口は認知症カフェを開く前の2012年6月から設置されており、高齢者の介護相談も多く、いきいき支援センターとも連携ができていました。カフェを始めてからは、リラックスした雰囲気の中で、生活の様子がよりわかるようになり、その方に添ったサポートができるようになったといいます。

さらに相談窓口では、認知症の早期発見・早期治療ができるように、希望者には窓口で10の質問を行ってMCI(軽度認知障害)の可能性を調べる“あたまの元気チェック”を無料で実施。タブレットを使って10分程度でできるテストで、MCIの疑いがあれば外来などにつないでいきます。

「治療や介護サービスにうまくつなげられるとやりがいを感じます。受診や介護サービスを受けることに抵抗のある方もいますが、例えばイベントにお誘いして、敷地内の小規模多機能型居宅介護施設を利用していただけることもあります。徐々にサービスに慣れていくにつれ利用機会が増え、ショートステイも利用できるようになって、ご家族の負担を減らせたこともありました」(高野さん)。

音楽療法と運動療法で認知症予防と機能維持を目指す

認知症の予防や生活機能の維持のために同院が取り入れているのが、音楽療法や運動療法です。音楽療法は、毎週水曜日を除く平日の10時から12時まで、認知症カフェで実施しています。音楽療法は音楽を楽しむことで自律神経を整え、脳を活性化するもので、ストレスの発散や人とのコミュニケーションをとる機会にもなります。

具体的には、音楽療法士を中心に、童謡や演歌、歌謡曲を歌ったり、曲に合わせて足踏みをするなど体を動かしたり、マラカスや鈴などの楽器演奏を行ったりしています。無料で予約も必要ないため、気が向いたときに参加でき、「仲よくなれた人がいてうれしい」「声を思いきり出せて楽しい」と参加者さんからも好評です。

また、運動療法の一環として“認知症予防運動教室”を週2回開催しており、こちらも誰でも予約なしで参加できるため、いきいき支援センターなどで案内されて参加する人もいます。

リハビリ課主任 理学療法士 日比野貴志さんリハビリ課主任 理学療法士
日比野貴志さん

担当する理学療法士の日比野貴志さんは、運動指導を通じて、参加者がMCIではないかと感じることもあるといいます。「気になる人がいたときには、客観的な評価の後、当院の主治医に情報を伝え、主治医の判断で専門医の診察を受けてもらった方もいます」と日比野さんは語り、運動教室は認知症の予防の場であると同時に、早期発見につながるスクリーニングとしても役立っているようです。

地域との連携強化と、先進的な認知症医療を目指す

“フクローバー”の缶バッジ フクロウは「不苦労」「福老」の字を当てられ縁起のいい鳥とされる。カラーはオレンジプランにちなんでオレンジ色を採用。広報活動の一環として缶バッジを配布している。“フクローバー”の缶バッジ
フクロウは「不苦労」「福老」の字を当てられ
縁起のいい鳥とされる。カラーはオレンジプ
ランにちなんでオレンジ色を採用。広報活動
の一環として缶バッジを配布している。

地域住民を対象とした地域住民を対象とした“健康のつどい”を
定期的に開催

認知症チームでは認知症の啓発活動や、同院の取り組みが地域に周知されることも重要だと考えています。そのため縁起がいいとされるフクロウと、同院の認知症への4つの取り組みを表現した四つ葉のクローバーを組み合わせた“フクローバー”というキャラクターを使い、広報活動に注力するとともに、市民講座などで認知症の啓発にも尽力しています。

また、訪問診療先の施設へ出向いて勉強会を始めたほか、地域の認知症カフェ交流会を開催するなど、周辺の医療機関・施設との関係性強化にも努めており、連携体制が順調に築かれていると錫村先生は感じています。

さらに錫村先生は今後の認知症医療について、「認知症の診断には、海馬の萎縮とアミロイドβというタンパク質の蓄積を確認することが最も確実」と強調し、従来のMRI検査に加え、アミロイドβの蓄積を画像診断できるアミロイドPETを用いた検査にも期待を寄せています。

「アミロイドPET検査が導入できれば診断はより正確になります。また、近い将来に期待される治療薬の効果も確認できるようになるでしょう」 (錫村先生)。

錫村先生は専門性の高い多職種のチームを率いて、患者さんや利用者さんに対する医療や介護サービスをさらに充実させていくだけでなく、神経内科の専門家としての強みを生かして、より高度かつ先進的な認知症医療を提供していく考えです。

 

取材日:2017年9月7日
医療法人偕行会 偕行会城西病院の外観

医療法人偕行会 偕行会城西病院

〒453-0815
愛知県名古屋市中村区北畑町4丁目1番地
TEL: 052-485-3777

施設のホームページへ

 

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