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一人ひとりの症状に合った診療に努め、啓発活動にも力を注ぐ
<埼玉県川口市 かがやきクリニック川口>

院長 腰原公人先生院長 腰原公人先生

荒川を挟んで東京都に接し、約60万人の人口を抱える川口市。京浜東北線の西川口駅から徒歩5分にあるかがやきクリニックの院長、腰原公人先生は、認知症診療に注力する一方、地域の医療・介護従事者への啓発活動も積極的に行っています。

父親の発症をきっかけに、認知症に向き合う

大学病院での勤務などを経て、腰原公人先生が、かがやきクリニックを開設したのは2015年のこと。同クリニックは内科、皮膚科、臨床検査科を標榜し、物忘れ外来に加えて、ご家族からの相談に対応する“物忘れサポート外来”も設けています。

腰原先生が認知症医療に取り組むきっかけとなったのは、父親の認知症発症でした。

「発症後、両親が介護老人保健施設に入所したため、私もその施設に施設長として勤務し、両親や利用者さんを診ながら生活を支援しました。そして、訪問診療で赴いた特別養護老人ホームやグループホームなどで、多くの認知症の方と向き合うことになりました」。

専門家の著書や論文で勉強を重ねる

腰原先生は、認知症の専門家として著名な先生方の著書や論文、名古屋フォレストクリニックの河野和彦先生が提唱する“コウノメソッド”から多くの知識を得たと振り返ります。

「もちろん学会のガイドラインも参照しますが、その内容が目の前の認知症の方にあてはまるとは限りません。認知症の症状は一人ひとり違うわけですから、診療する医師自身が考えて対応しなければなりません。経験の浅かった当時の私にとって、多くの専門家の先生方の著書や論文、副作用が出ないように薬剤の種類と用量を細かく決める“コウノメソッド”は大きな助けになりました。その後、さまざまな認知症の方の診療を通して薬剤処方のコツなどを学び、自信を持って対応できるようになりました」。

初診では約1時間かけて、じっくり話を聞く

かがやきクリニック川口での初診時の主な症状と長谷川式点数かがやきクリニック川口での
初診時の主な症状と長谷川式点数

認知症の人が同クリニックを訪れるきっかけはさまざまですが、ご家族が物忘れなどに気づき、付き添って来院されることが最も多いと腰原先生は話します。

「ご家族は都内に在住しているか、親と同居していても都心への通勤に時間がかかるため、接する時間がなかなか取れないようです。たまにゆっくり話してみて、ちょっとおかしいと気づいて来られる。そうした方が多いですね」。

腰原先生は初診時、ご本人とご家族から、平均して1時間以上じっくり時間をかけて話を聞きます。基本的には、一緒に診察室に入ってもらいご本人と話したあと、別室で検査などをしている間にご家族から普段の様子などを聞き取ります。最後にもう一度ご本人と話す、というのが一連の流れです。

初診を終えた人の中には、「以前通っていた病院では、医師は家族とばかり話して、私はあまり相手にされていなかった。このクリニックでは自分の話を先生にしっかり聞いてもらえるからうれしい」と話す人もいるといいます。

服薬管理をご家族にも呼びかける

診断をつけたあとは、認知症の症状に応じて薬剤を処方しますが、きちんと継続して服用されていないことも多いのが課題だと腰原先生は話します。

「症状が進み、長谷川式簡易スケールで15点を下回るようになると、ご自身での服用管理はできなくなります。また、配偶者がおられても、いわゆる老老介護だと、やはり管理は難しいと思います」。

そうした方には、できるだけ介護保険制度を利用してもらい、訪問看護師やヘルパーさんに服薬管理を頼むよう促しています。また、子世代が周辺地域や都内に住んでいれば、少なくとも週末には実家に帰り、 服薬状況を確認するように呼びかけています。

認知症の人をケアするためには、ご家族の理解とサポートが大切ですが、実際にどう接しどうサポートしていいのか悩むご家族は少なくありません。そんなご家族のために、同クリニックが設けているのが“物忘れサポート外来”です。

ご家族の相談に看護師の視点・経験を活かす

周辺症状 めぐる悪循環“周辺症状 めぐる悪循環”

“物忘れサポート外来”では、看護師がご家族からの相談に対応しています。

「夫に物忘れが見られるのだが、どうすればいいか」「病院に行くのを嫌がっているが、どうすれば連れて行けるか」といった相談に、具体的なアドバイスを行うのがその主な目的です。

「医師が対応すると気後れする方もおられます。日常生活の悩みや看護については看護師の方が相談しやすいと考えています」。

そう話す腰原先生は、看護師が対応するもう一つの理由を挙げます。

「医師とは違う立場、視点での観察や意見が、ケアにとって有益であることが多いからです。認知症のケアは医師一人ではできません。看護師が自分の意見を言える環境をつくり、それを活かすことが大切だと考えています」。

“認知症=アルツハイマー型”という思い込みは危険

アルツハイマーがほとんどでしょ“アルツハイマーがほとんどでしょ?”

認知症の多くは、アルツハイマー型認知症といわれていますが、腰原先生は経験上、アルツハイマー型認知症は半分以下なのではないかと考えています。「医師の中には、“認知症=アルツハイマー型”という単純な図式で解釈する人もいるのではないか」と腰原先生は懸念を示します。

同クリニックに通うある80代の方は、他の病院でアルツハイマー型認知症と診断され、作用機序の異なる2種類の抗認知症薬を処方されていましたが、歩行障害があらわれたため、ご家族が相談に来られました。

腰原先生はその方について、「アルツハイマー型でないことは明らかで、私は大脳皮質基底核変性症を疑ったのですが、CTの画像では鑑別できませんでした。そこで、経過を観察しながら薬剤を変更したところ、歩行障害は回復し、ご本人に笑顔が戻ってご家族も喜ばれています」と話します。

「ひと言で認知症と言ってもさまざまなタイプがあり、発症の仕方も一人ひとり異なります。従って認知症に関する一般論をそのまま当てはめるのは危険な場合もあります。認知症に関わる医療・介護従事者はそれをよく理解しておかなければなりません」。

地域の医療・介護従事者による参加型の勉強会を開催

医療・介護従事者に、認知症についてより深く知ってもらうために、腰原先生は勉強会を実施しています。参加者は薬剤師、看護師、ケアマネジャーなど、地域の医療・介護従事者。当初はクリニック内で開催し、参加者も10名ほどでしたが、8回目を迎えるにあたって“認知症学 学びの会”と改称、参加者も約80名にまで増え、近隣の公民館を借りて開催しています。

学びの会では、認知症の診療などに関して、腰原先生をはじめとする医師が解説をしたあと、参加者が自らの経験談や意見などを述べ、ディスカッションを重ねていきます。

「学びの会の半分は“参加型”の時間にしています。講演会などで話を聞くのもいいのですが、自分の意見を述べ、互いに議論する方が勉強になりますから」。

ご家族に認知症について知ってもらうことが、今後の課題

これからの認知症ケアにおいては、「ご家族が認知症を理解してご本人を支えられること」、そして「ご家族をサポートする体制も整えること」が重要だと腰原先生は話します。

治療や介護を続けるうえで、ご家族の理解と協力が必要なことは言うまでもありません。しかし現実には「認知症に対して勉強熱心なご家族と、そうでないご家族に二分化する傾向にある」と先生は指摘します。

「診断をつけた当初はご家族に資料をお渡しして説明をするのですが、その後の診察ではどうしても時間が限られますし、継続的な学びを促すのは難しい。今後は“家族の会”のような形で勉強したり、情報を共有したりする機会をつくっていきたいと思っています」。

さらに腰原先生は、「受けられる介護サービスは積極的に活用してほしい」とも訴えます。

「例えば、『ご本人が嫌がるからデイサービスは行かせない』と言うご家族もおられます。しかし、もし介護をされているご家族が倒れてしまったら、ご本人は困ってしまいます。そうしたことも、私たち医療・介護従事者が積極的にご家族に伝えていかなければなりません」。

 

取材日:2017年9月14日
かがやきクリニック川口の外観

かがやきクリニック川口

〒332-0034
埼玉県川口市並木3-17-27
エムエスビル101
TEL:048-299-9095

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