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利便性の高いクリニックで早期発見を目指し、
MCIを対象とした予防教室を開催
<神奈川県横須賀市 医療法人財団青山会 青山会津久井浜クリニック>

院長 北川年一先生院長 北川年一先生

青山会津久井浜クリニックは、医療法人財団青山会が運営する福井記念病院のサテライトクリニックとして2017年4月に開設されました。物忘れ外来で認知症の早期発見や精神症状の緩和に注力するとともに、精神科デイケアでは認知症予防教室を実施。アクセスに便利なクリニックとして治療と進行予防の両面から認知症の人とご家族を支えています。

地域のニーズを拾い上げ、適切な社会資源につなげる

医療法人財団青山会は、神奈川県三浦市の福井記念病院を中心に、精神科病院、メンタルクリニック、介護老人保健施設、訪問看護ステーションなど、神奈川県内で11施設を運営しています。青山会津久井浜クリニックは、福井記念病院から約3km、京急津久井浜駅徒歩2分の好立地で、同法人10番目の施設として診療をスタート。地域に開かれた窓口として認知症医療を提供しています。

院長の北川年一先生は、「まず当クリニックが地域の認知症の方や行政の相談窓口となり、BPSD(周辺症状)が強い方には認知症疾患治療病棟を有する福井記念病院を、ご自宅での生活が難しい方には同院併設の介護老人保健施設“なのはな苑”を紹介するなど、病状や状況に応じて社会資源につなげるようにしています」と話します。

北川先生は1995年から精神科医として福井記念病院に勤務し、精神科疾患全般と認知症の診療にあたってきました。なのはな苑の副施設長と施設長を10年以上兼任したこともあり、介護の面からも認知症に関わってきた北川先生は、「精神症状が改善した、食欲が出てきたなど、ご家族に喜ばれてやりがいを感じるのはもちろん、認知症の方々が若くて元気だった頃の話をお聞きするのがとても楽しいですね」と語ります。

「回想法では、出生地や住んでいた場所、結婚した時期など、昔の出来事を聞いていきますが、皆さんご自分の全盛期のお話をイキイキと、力を込めて話してくださいます。横須賀には軍港がありましたから、『小学生の頃、海軍の真っ白な制服を着た軍人さんが歩いているのを見て憧れていた』など、この地域ならではのエピソードをお聞きすることは、とても興味深いことです」(北川先生)。

ご本人の様子を細かく観察し、症状に合わせた医療を提供

精神科と物忘れ外来では、北川先生をはじめ6名の医師が2診体制で診察しており、開院からまだ半年にもかかわらず、1000人を超える患者さんが訪れています。そのうち認知症の人は約100~200人で、北川先生は50人ほどを担当しています。

北川先生は初診の際、ご本人やご家族のお話の内容を聞きながら、表情や仕草にも注目しているといいます。

「私が質問するたびにご家族の顔を見てヘルプを求める方や、普段の生活で困っていることが『何もありません』とおっしゃる方は、認知症が進んでいることが多いですね。ご家族は困っているけれどご本人には自覚がないなど、主観と客観に落差があるかどうかも診断のポイントになります」(北川先生)。

受診のきっかけとしては、ご家族や入所している介護施設の職員が認知症を疑ってご本人を連れて来られることが多いのですが、2017年3月に改正道路交通法が施行されてからは、運転免許更新時の認知機能検査の結果、診断書が必要になって受診する人も少なくないといいます。北川先生は、「都会であれば他の交通手段を利用できますが、この地域では車や原付バイクを運転できるかどうかは、生活そのものに関わる切実な問題です」と話します。

それでも、長谷川式簡易評価スケールやMMSE(認知機能検査)、遂行機能や注意機能を評価するTMT(Trail Making Test)のほか、頭部CTの画像検査も行ってきちんと結果を伝えると、これだけの検査を行ってうまくいかなかったという自覚を持ってもらえ、納得されるといいます。

MCIを対象に認知症予防教室を開催

作業療法士 佐々木拓哉さん作業療法士 佐々木拓哉さん
デイケア室デイケア室

MCI(軽度認知障害)や認知症の早期発見・早期治療に力を入れる同クリニックでは、デイケアの一環としてMCIを対象とした認知症予防教室を週1回開催し、脳を活性化させるトレーニングで認知症の発症予防や進行を遅らせる取り組みを行っています。

予防教室はご本人と配偶者の2人1組での参加を勧めており、作業療法士の佐々木拓哉さんは「認知症の方に対するご家族の影響はとても大きいので、同じトレーニングを一緒にやってもらうことにはさまざまな意味があると思います」と話します。

取り組む課題は、市販されている大人向けのドリルから、計算や読み書き、パズルなど、佐々木さんが参加者に合ったものを選んでいます。課題が難しすぎるとご本人の自尊心を傷つけてしまい、簡単すぎても脳の活性化にはつながらないため、佐々木さんは「できるかできないか、ギリギリの課題を探すようにしています」と話します。さらに課題選びのポイントとして、ご家族よりもご本人のほうが得意な分野を一つは取り入れているといいます。

「計算はご家族のほうが得意でも、間違い探しはご本人のほうがうまい、ということもあります。ご本人の自信につながって、ご家族にも“まだできることがあるんだ”と気づいてもらえるような題材を選ぶように心がけています」(佐々木さん)。

予防教室ではさらに、“シナプソロジー”にも取り組んでいます。指示者の言葉を復唱しながら、その言葉に対応したポーズを取るなど、二つの動作を同時に行うことで脳の活性化を図るエクササイズで、佐々木さんは「“失敗してもいい”のが特徴なので、参加者全員が楽しく取り組めます。認知症の方は失敗すると自尊心が傷つくことが多いので、ぜひ取り入れたいと思いました」と導入のきっかけを語ります。

「MCIや認知症の方、ご家族から『予防教室に参加してから笑顔が増えました』など、ポジティブな言葉をいただいていますし、私自身もとても楽しんでいます。今後は開催日を増やすなど、多くの方に参加してもらえる体制を整えていきたいですね」(佐々木さん)。

身近なクリニックとして相談しやすい雰囲気づくりを

精神保健福祉士 蓮見茉由さん精神保健福祉士 蓮見茉由さん

同クリニックでは、医師の診察前に看護師か精神保健福祉士が予診を行い、そこで得た情報を電子カルテなどで他のスタッフと共有し、診療やデイケアに生かしています。予診を担当する精神保健福祉士の蓮見茉由さんは、「認知症は高齢の方が多いので、生活歴も長いのですが、どこで生まれてどんな仕事や生活をしてこられたのか、その方のストーリーを感じられるような聞き取りを心がけています」と話します。

また、蓮見さんは同クリニックの相談・連絡窓口として、患者さんやご家族、ケアマネジャーや行政からの相談にも対応しています。「まずはお話を伺って、当クリニックを受診してもらうのがいいのか、先に保健所や地域包括支援センターに相談したほうがいいのかといった判断を行うのが窓口の役目」と話す蓮見さんは、最近はこの地域ならではの“ご近所付き合いの深さ”に特徴があると感じているといいます。

「ご家族ではなく、ご近所の方やお友達に付き添われて受診される方もおられます。ご近所同士の支え合いはこの地域の長所ではありますが、“これまでご近所のサポートで何とかやってきたけれど、症状が進行して、ご自宅での生活が難しくなってきた”という相談を受けることもあり、社会資源を並行して利用できるよう周知が必要だと感じています」(蓮見さん)。

ケアマネジャーや施設の担当者から「どこに相談したらいいかわからない、相談しづらい」という声を聞くことも多いという蓮見さんは「精神科ということで躊躇される方もおられるので、まずは当クリニックが気軽に連絡をとれる場所であるという情報発信と雰囲気づくりをしていきたい」と語ります。

よりスピーディで適切な支援の提供を目指して

医療法人財団青山会では、現在、認知症に関わる各施設が連携して認知症の人とご家族をサポートする、“認知症ワーキンググループ”の立ち上げを目指して準備を進めています。蓮見さんは「施設や職種の垣根を越えたメンバーが一緒に活動することで、困難な事例を共有して多角的なサポートにつなげるなど、よりスピーディで適切な支援の提供を目指していきたいですね」と、抱負を語ります。

佐々木さんも「なのはな苑で実施している認知症カフェを当クリニックでも開催する案も出てきています」と、意欲を見せます。

北川先生はさらに、同クリニックの目標として「診療所型の認知症疾患医療センターの認定を受けること」を掲げます。

青山会津久井浜クリニックの皆さん青山会津久井浜クリニックの皆さん

「現在、神奈川県内には12ヵ所の認知症疾患医療センターがありますが、診療所型はありません。当クリニックは法人内の施設だけでなく、地域の保健所や社会福祉協議会、地域包括支援センターとも密に連絡を取り合っています。診療所型の認知症疾患医療センターの認定を受けることで、今後ますます地域のお役に立てるだろうと思っています」(北川先生)。

優しい笑顔で認知症の人やご家族と向き合う北川先生を中心に、同クリニックでは認知症になっても安心して生活が続けられるよう、これからも地域の支援体制の充実に力を注いでいきます。

 

取材日:2017年10月06日
青山会津久井浜クリニックの外観

医療法人財団青山会
青山会津久井浜クリニック

〒239-0843
神奈川県横須賀市津久井3-22-1
TEL:046-874-8300

施設のホームページへ

 

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