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多方面からのアプローチで、認知症の人とご家族を支える
<千葉県千葉市 稲毛神経内科・メモリークリニック>

院長 吉山容正先生院長 吉山容正先生

稲毛神経内科・メモリークリニックは、JR総武線稲毛駅の東口から徒歩約5分の場所にある神経内科と認知症の専門クリニックです。認知症の診断や治療だけでなく、認知症の人とご家族が交流を楽しむメモリーカフェを月1回開催し、認知症の人の居場所づくりにも力を注いでいます。また、新薬開発のための治験も行うなど、多方面からのアプローチで認知症医療に貢献しています。

豊富な臨床経験を生かして地域医療に貢献

稲毛神経内科・メモリークリニックの院長・吉山容正先生は、1996年から20年にわたり千葉大学医学部附属病院のもの忘れ外来を担当する一方、ペンシルバニア大学神経変性疾患研究所に留学し、神経変性疾患、特にアルツハイマー病に関する基礎的研究を行うなど、長年第一線で診療と研究を続けてきました。

そんな吉山先生が同クリニックを開設したのは、2016年7月のことです。「大学や国立病院での臨床と研究にやりがいを感じていましたが、年齢を重ねるにつれて医師としての自分の残り時間を意識するようになり、これからは自分のスタイルで診療してみようと思いました」と、吉山先生は開院の理由を語ります。

診察室には待合室と同じトーンの</br>インテリアを採用診察室には待合室と同じトーンの
インテリアを採用

同クリニックでは頭痛や手足のしびれ、パーキンソン病といった神経疾患の患者さんも診療していますが、全受診者の約8割は認知症の人が占めています。もの忘れを主訴に受診した人には、臨床心理士がこれまでの経過や現在の症状、合併症などを聞き取り、その内容を基に吉山先生が診察を行います。吉山先生は診察であらためてご本人とご家族に生活の様子や睡眠障害、便秘など身体的な問題がないかを確認し、必要に応じて臨床心理士による神経心理検査のほか、提携している医療機関でMRIなどの画像検査を実施して診断につなげています。

「認知症の診療はご家族の訴えを中心に進んでいくことが多く、ご本人の気持ちは二の次になってしまうこともありますが、私自身は、認知症の方の思いを代弁できるような診療を心がけています」(吉山先生)。

ご本人にとって本当にメリットとなる治療を見極めて提案

認知症の診断がついた後は、主に抗認知症薬を投与して治療を行っていきますが、最近は「加齢とともに少し忘れっぽくなってきたのが心配で」などと、かなり早期に受診される方が増えており、吉山先生はご本人の年齢や身体機能、生活環境などのバランスを考えながら治療方針を決めています。

吉山先生は、「長生きすれば認知機能が低下するのは当然のこと。ある意味、もの忘れの症状は“長生きのご褒美”なのだと思っています」と話し、認知機能よりも身体機能の低下のほうが生活への影響が大きいことから、85歳を超えている場合は「もの忘れの治療よりも身体機能の維持を優先させてもいいかもしれませんね」と、ご家族に提案することもあるといいます。

「早い段階で認知機能の低下が見つかった場合、薬物を用いた治療に期待されるご家族も多いのですが、現段階ではMCI(軽度認知障害)に対する薬物療法は確立していません。このグループに効くと証明された薬がない以上、投薬が本当にご本人のメリットになるかどうかの判断が難しく、慎重に見極める必要があると考えています」(吉山先生)。

また、吉山先生はご家族に治療方針を説明する際、「認知症は病気ではなく“障害”なので、叱ったり、鍛えたりすれば何とかなるとは考えずに、障害のためにできなくなっていることをサポートしてあげてください」とアドバイスしています。

検査ではご本人の気持ちに寄り添う言葉をかけてフォロー

臨床心理士 今井由紀さん臨床心理士 今井由紀さん
臨床心理士 坂井梨乃さん臨床心理士 坂井梨乃さん

臨床心理士の今井由紀さんと坂井梨乃さんは、予診や、MMSE(認知機能検査)、ADAS(アルツハイマー病評価尺度)、WMS-R(ウエクスラー記憶検査)などの認知症の診断に必要な検査を担当しています。今井さんは、「検査にうまく答えられなければ人生終わりというほど緊張している方も多いので、検査前に雑談をして気分がほぐれてから検査を始めるようにしています」と話します。

検査の途中で「もうやりたくない」と言い出す人も多く、坂井さんは「あまり励まし過ぎても逆効果になってしまうので、『こういう検査は嫌ですよね』、『この問題は他の方も難しいんですよ』などと、できるだけご本人の気持ちに寄り添う言葉をかけるよう意識しています」と話し、今井さんも「つまずいてしまった問題にこだわらず、すぐに次の質問に移るなど、最後までやり遂げることを最優先に対処しています」と、それぞれの工夫を語ります。

「難しかった検査を最後までやり通したことが、ご本人の自信につながることもあります。できるだけ楽しい気分で検査を終えて、『楽しかったから、また来てもいいな』と感じていただくことで次の受診につなげていけたらと思っています」(今井さん)。

さりげない会話から生活上の困りごとを察知

看護師 吉山ゆかさん看護師 吉山ゆかさん

看護師の吉山ゆかさんは、診察までの待ち時間を利用してご本人やご家族から普段の生活の様子を聞き取り、必要に応じて吉山先生やスタッフ間で情報を共有して診療やケアに生かしています。

お話を聞くときは、「あまり堅苦しくならないように、『その後いかがですか』、『今朝はご飯をおいしく召し上がりましたか』と、日常会話の延長のような気軽な雰囲気を心がけています」という吉山さん。例えば、ご本人が汚れ物を箪笥にしまい込んでしまうことに困っていたご家族には、「もしかしたら、どれが洗濯かごなのかがわからないのかもしれないから、先に汚れ物を入れておくと目印になるかもしれませんよ」など、できるだけ具体的にアドバイスしています。

「大切なのは、ご本人、ご家族と一緒に対策を考えること。こちらから一方的に『こうしてください』と押し付けるのでなく、一人ひとりの生活環境や症状を考えながら、『これならできそう』という着地点を探すようにしています」(吉山さん)。

認知症の人とご家族がリラックスできる雰囲気づくりを

医療事務 木村和恵さん医療事務 木村和恵さん

受付を担当する木村和恵さんも「認知症の方やご家族と最初に接するのは、私たち受付スタッフです。緊張や不安感を和らげられるよう、あいさつと笑顔でお迎えしています」と話します。

ウオーターサーバーはあえて設置せず直接麦茶を出したり、待ち時間にハンドマッサージをしたりするなど、木村さんをはじめとする受付スタッフによるホスピタリティあふれる対応が、「診療までの時間をリラックスして過ごすことができる」と認知症の人やご家族から好評を得ています。

「認知症の方とご家族が、今何を求めているのか、受付として私たちができることは何かを常に考えるようにしています」(木村さん)。

吉山さんは「受付のスタッフが待合室でのやり取りを見て『ご本人に対するご家族の言葉かけがきついようです』といった情報を伝えてくれるので、適切なアプローチにつなげられます」と、木村さんたちの仕事ぶりを高く評価しています。今井さん、坂井さんも「認知症の方が検査から診察に移動する間の待ち時間も、受付スタッフが目を配ってくれているので安心です」と、そのサポートを頼りにしています。

認知症の人の居場所づくりの一環としてカフェを開催

同クリニックでは2017年8月から、認知症の人とそのご家族が交流を楽しむ「メモリーカフェ」を月1回、開催しています。カフェを企画した吉山さんは、「認知症の方には外出する場所がなく、家にこもりがちな方もいらっしゃいます。たくさんの認知症の方やご家族からお話をお伺いする中で、認知症の方が安心して出かけられる居場所づくりが必要だと感じました」と、開設の理由を語ります。

カフェでは、“回想”をテーマにしたワークや季節に沿ったレクリエーションを楽しんでいます。「回想法とまではいきませんが、例えば『人生で大切なことは何ですか』など、これまでの人生を振り返ったり、思い出を語ったりできるテーマを選んでいます」という坂井さん。当初思っていたよりも皆さんがよく語られるので、その場はかなり盛り上がるそうです。

「80歳、90歳とご高齢の方のほとんどが、身近な人を失った経験をされているんですね。最初はそういうお話を聞くのがつらかったのですが、悲しみを乗り越えたからこそ今のご本人があるのだなと思うようになりました。皆さんのお話を聞くたびに、人生ってすごいなと実感しています」(坂井さん)。

また、月1回のカフェとは別に、看護師や臨床心理士が個別に相談に応じる「お昼のメモリーカフェ」も予約制で実施しており、吉山さんは「当クリニックにかかっていない方でも参加できます。地域の方にも周知して、遊びに来るような感覚で気軽に足を運んでいただきたいと思っています」と、身近なクリニックならではのアプローチに意欲的に取り組んでいます。

新薬開発に貢献するべく、治験にも注力

あたたかい雰囲気の受付あたたかい雰囲気の受付
吉山先生とスタッフの皆さん吉山先生とスタッフの皆さん

モノトーン調の待合室には季節ごとの飾りつけが施され、いつもアットホームな雰囲気にあふれている同クリニック。認知症の人やご家族とのコミュニケーションを大切にする一方で、認知症の新薬開発のための治験にも積極的に取り組んでいます。

「近年、開発のターゲットとなっているのが、MCIやごく早期の認知症に対する新薬です。前勤務先でも治験を行っていましたが、患者さんにとって大きな病院は“もの忘れ”だけで受診するには敷居が高い印象があるようでした。気軽に来院が可能なクリニックで治験を実施することで、より一層、新薬開発に貢献できるのではないかと考えています」(吉山先生)。

まだ治療法が確立していないごく早期の認知症の方に新しい治療法を試してもらうことは大きな意義があるだけでなく、いずれ治療薬が開発されれば、ご本人とご家族に大きなメリットを享受してもらうことができるとの思いを胸に、吉山先生は信頼するスタッフとともに、日々の認知症医療の提供にまい進しています。

 

取材日:2017年12月8日
青山会津久井浜クリニックの外観

稲毛神経内科・メモリークリニック

〒263-0043
千葉県千葉市稲毛区小仲台6-23-9
TEL:043-307-8500

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