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脳神経外科とリハビリセンターを中心に、地域の認知症医療に取り組む
<鹿児島県鹿屋市 医療法人青仁会 池田病院>

脳神経外科部長 富士川浩祥先生 脳神経外科部長 富士川浩祥先生

鹿児島県鹿屋市にある池田病院は、一般診療から三次救急まで対応可能な地域の総合病院です。同院では脳神経外科とリハビリセンターが認知症に関わり、外来診療や、認知症を合併している入院患者さんへの治療に加えて、地域での啓発活動も行い、認知症の人を地域で支えるために尽力しています。

外来と病棟で認知症の人を支える

池田病院は、1957年に池田医院として開院し、その後池田病院に改称、現在は21の診療科と、回復期リハビリテーション病棟や医療療養病棟などを備えて地域医療に貢献しています。

脳神経外科の富士川浩祥先生は脳卒中の急性期医療を中心に、認知症診療も行っており、「入院されていた患者さんの中に認知症の方がおられたことが、認知症に関わるきっかけでした」と話します。同院を受診されるのは、認知症が進行してBPSD(周辺症状)を伴っている方が多く、ご家族がケアマネジャーに相談して紹介されたり、入所している施設で問題が起きたりして、受診につながることが多いといいます。

「昔ながらの小さなコミュニティーが残っている地域でもあり、近所の人からケアマネジャーに『以前と様子が違う』と連絡が入ることもあります」(富士川先生)。

鑑別診断と治療のゴール設定を初診日に行う

同院では、初診の日に長谷川式簡易評価スケールとCT検査を実施し、1日で診断まで行います。富士川先生はその理由を、「遠方から来院される方が多く、付き添いのご家族が高齢であることも多いので、何度も受診する負担を少なくするため」と話します。また、以前ご家族が「どこか様子がおかしい」と言って受診された方に、脳腫瘍が見つかった経験もあったことから、同院ではCT検査は必ず実施して他の病気の可能性がないことを確認するようにしています。

ご本人がこれらの検査を行っている間に、富士川先生はご家族と面談します。初診の段階で、すでにBPSDがあらわれている方も多く、困っておられるご家族の話を聞くことに重きを置いているためです。

「ご家族が何に困っているかを中心に聞いて、問題点を明らかにすることが大切です。これによって、治療のゴールをはっきりさせることができます」(富士川先生)。

同院では、ご家族との同居が難しくなった、あるいは施設でのトラブルが増えた人の受診が多いため、BPSDを落ち着かせて、ご家族や施設の方々と問題なく暮らせる状態まで改善するのが治療のゴールとなることがほとんどです。治療は服薬による症状のコントロールが中心で、治療開始直後は、1~2週間に1回と短い間隔で受診してもらい、効果を確かめています。

また、富士川先生は、認知症の人と接するときは、発言を否定しないでその詳細を聞くようにしています。例えば、レビー小体型認知症で不穏行動や幻視の症状があれば「何が見えていますか?」などと質問してお話を聞き、ご本人の気持ちが落ち着くようなコミュニケーションを心がけています。

リハビリテーションで日常生活動作の訓練を行い、退院を目指す

同院のリハビリセンターでは、脳血管チーム、運動器チーム、呼吸器チームなど、疾患別のチームを作り、一つの疾患についての知識を深めて、より質の高いリハビリを提供できるよう努めています。また、入院中の方から在宅で通所・訪問リハビリを利用している方まで、さまざまな病態の人をサポートしています。

作業療法士 鹿倉慎吾さん 作業療法士 鹿倉慎吾さん
作業療法士 楢崎志織さん 作業療法士 楢崎志織さん
作業療法士 西薗政博さん 作業療法士 西薗政博さん

同センターには作業療法士、理学療法士、言語聴覚士が在籍しており、中でも食事やトイレなど日常生活動作の訓練を行うのが作業療法士の鹿倉慎吾さんです。鹿倉さんは、認知症を合併している人のリハビリについて「当院には重度認知症の方が多いので、まずはなるべく失敗することがないように、成功体験を重ねられるように、段階づけをしています」と話します。また、鹿倉さんは入院したことで家事などの役割がなくなり、認知機能が低下してしまうのをどう防ぐかが課題だといいます。

同じく作業療法士の楢崎志織さんは、「例えば、立って作業できる方には、テーブルを拭いたりコップを洗ったりといったご自宅でも行っていたことを、リハビリスタッフや病棟スタッフが一緒に行っています」と話します。さらに楢崎さんは、認知機能の低下を防ぐためには、1日の生活リズムを整えることも大切だといいます。

「まずは、朝起きたら顔を拭いたり、着替えたりしていただき、リハビリやお食事などのスケジュールをできるだけご自身で把握していただくようにしています」(楢崎さん)。

運動器チームの作業療法士である西薗正博さんは、骨折などの患者さんを担当しており、「認知症を合併している方のリハビリを行うこともあります。手術の前から関わり、リハビリを担当し、ご家族とお話をして環境を整えて、ご自宅に帰れるところまで支援できるとやりがいを感じますね」と語ります。

予防教室や“出前リハ講座”で認知症の啓発を

同センターのスタッフは、院外での啓発活動も行っています。鹿屋市の隣にある錦江町からの依頼で行われる住民向けの認知症予防教室では、認知症の特徴や予防法などについての講習会を行っています。

富士川先生とスタッフの皆さん富士川先生とスタッフの皆さん

「認知症になっても地域で暮らしていけるように、自治会単位で公民館などに集まっていただき、横のつながりをつくったり、認知症への理解を深めたりする機会になればと思っています」(楢崎さん)。

また、楢崎さんたちスタッフはデイサービスなどで介護従事者向けの研修会も実施しています。研修会は“出前リハ講座”と名付けられ、認知症に関する講義だけでなく、認知症予防を目的とした体操の指導なども行っています。さらに、市の地域包括ケア推進協議会の認知症部会にも委員として参加するなど、啓発活動だけでなく、認知症の人を地域で支える仕組みづくりにも取り組んでいます。

富士川先生は、地域にはまだ受診に至っていない認知症の方が多くいるのではないかと考えており、「リハビリスタッフと同じように、私たちも地域に出ていくことを考えなければなりません」と話します。

「隣接する市町村には医療機関の少ない地域もありますが、住民の方に来ていただくのではなく、私たちが出向いて脳卒中や認知症の啓発を行い、ゆくゆくは診療まで行えればと考えています。そうすることで認知症の早期発見につなげられるのではないでしょうか」(富士川先生)。

 

取材日:2017年11月18日

 池田病院の外観

医療法人青仁会 池田病院

〒893-0024
鹿児島県鹿屋市下祓川町1830
TEL:0994-43-3434

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