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積極的な病診連携・病福連携で地域の認知症ケアを支える
<愛知県丹羽郡大口町 医療法人医仁会 さくら総合病院>

脳神経外科部長 秦誠宏先生 脳神経外科部長 秦誠宏先生

24時間365日体制で救急医療に対応し、療養病棟も備えて地域の総合病院としての役割を果たしているさくら総合病院は、地域連携と認知症医療にも積極的に取り組んでいます。介護施設をはじめとする福祉施設からの救急の要請にドクターカーで対応するなど独自の取り組みで地域のニーズに応え、認知症医療・高齢者医療を支えています。

医療過疎の改善を目的にクリニックを開設

現在、医療法人医仁会の理事長を務める小林勝正先生が、さくら総合病院の前身、大口外科クリニックを開設したのは1980年のことです。丹羽郡大口町の医療過疎の状況を聞き、その改善を志して、外科、胃腸科など6つの診療科と12床の病床を備えたクリニックとしてスタートしました。以来、徐々に施設規模と医療体制を拡充し、2010年にさくら総合病院と改称して、現在では23科、390床の総合病院として地域の医療を支えています。

同院の認知症診療において中心的な役割を担っているのは、副院長で脳神経外科医の秦誠宏先生です。物忘れなどの症状がある人が初診で来られたときには、基本的に脳神経外科が対応していますが、精神科、神経内科とも適宜、院内連携を図っています。

「例えば精神症状が強い方であれば精神科に対応を依頼しますし、パーキンソン病の症状が見られる方は神経内科に相談します。また、臨床心理士のサポートを得ることもあり、病状に応じて臨機応変に対応しています」(秦先生)。

他の疾患を持つ高齢の患者さんに認知症が見つかることが多い

同院での認知症診療の現状は、一般外来に物忘れなどで来院されるだけでなく、他疾患の患者さんに認知症状が見つかることもあり、「初診の数としてはそちらの方がむしろ多いです」と秦先生は言います。

「肺炎や転倒骨折などで救急車搬送されてきた高齢の方が認知症だったということは少なくありません。ご家族は、高齢者の物忘れはよくあることだとさほど気に留めていなかったものの、入院をきっかけに検査してみると実は認知症だったというわけです」(秦先生)。

認知症の疑いがあるときには、まず身体所見で麻痺やパーキンソン病の症状が見られないかを確認したのちMRIで画像検査を行います。併せて長谷川式簡易スケールによる認知機能検査や、ご本人・ご家族からの聞き取りを行い、原則としてその日のうちに診断をつけています。

画像検査とご家族からの聞き取りを診断に生かす

秦先生は、診断をつけるうえで特にMRI検査とご家族からの聞き取りを重視しています。

「院内のMRIですぐに画像が撮れますので、脳の萎縮がないかなどを確認します。私は外科医ですから手術で治せる方は1人でも多く治したい。高齢の方は認知症以外にも脳の病気にかかることが多いので、それらの異変をチェックするうえでも画像診断は重要です」(秦先生)。

レビー小体型認知症の疑いがあるときには、連携している病院に脳血流シンチグラフィーでの検査を依頼します。こうした画像検査に加え、ご家族からの聞き取りの内容も診断にあたっての重要な判断の指標となります。

「特に症状の“変化”に注目し、どんな症状がいつごろから見られるようになったのか、生活のどういった場面で困るようになったのかをご家族からお聞きします。困っておられるのはご本人よりもご家族であることが多いですから」(秦先生)。

通院治療はかかりつけ医などに依頼

通院での継続治療は、ご本人とご家族の希望があれば引き続き同院で対応しますが、多くは、かかりつけ医など地元のクリニックで診療してもらいます。また、同院は丹羽郡とその周辺地域の病院や診療所と“さくらパートナーホスピタル・クリニック”として提携関係を結んでおり、それらの医療機関を紹介することもあります。

「通院しやすい地元のクリニックの方が、ご本人にとってもご家族にとっても望ましいと思います。3ヵ月後や半年後に当院に来てもらって経過を診ることもありますが、クリニックでの継続治療を基本としています」(秦先生)。

看護師が院内情報の“つなぎ役”を担う

病棟看護師 山村延啓さん 病棟看護師 山村延啓さん

同院は回復期リハビリテーション病棟を含め390床を備えており、入院での認知症治療にも対応していますが、認知症だけの人は少なく、肺炎などの他疾患を合併している人が多いといいます。

病棟看護師の山村延啓さんは「複数の病気を抱えている患者さんが多いだけに、各診療科の“つなぎ役”としての看護師の役割は大切です」と話します。

「例えば整形外科の入院患者さんの認知症状が進んでいると感じたときには、秦先生に相談し、秦先生から整形外科の先生に伝えてもらいました。また、リハビリのスタッフから聞いた情報を、私たち看護師が院内の関係者に発信することもよくあります。認知症の方は、合併している疾患の症状だけでなく、普段の立ち居振る舞いや話しぶりまで見る必要があるため、さまざまな職種の視点から得られた情報を共有することが非常に重要です」(山村さん)。

ご家族が前向きになれるようなアドバイスを

看護師にとってご家族とのコミュニケーションも大切な役割です。病気やけがでの入院に加え、さらに認知症もあるとわかるとご家族の心痛はより深くなります。また、入院してベッドに横になっている時間が長くなるため、入院前にできていた生活動作ができなくなることもあり、これもご家族は受け入れづらい現実です。

「それでもご家族と接していると、やがてそうした状況を受容できる時期が来るのがわかります」と山村さんは話します。 受容できそうだと判断すれば「リハビリのときにはこんなこともできていますよ」などと、ご家族が前向きになれるような情報を伝えます。そして「ご本人ができることはどんどん生かして、できないことをどう補うかを一緒に考えませんか」と前向きにアドバイスします。

「ご家族と協力しながら、ご本人のADL(日常生活動作)が向上するように努めること、それも私たちの大事な役割だと考えています」(山村さん)。

院内での様子に変化がないか常に確認

病棟看護師 樋田亜紀子さん 病棟看護師 樋田亜紀子さん

山村さんと同じく病棟看護師を務める樋田亜紀子さんは「認知症の方と接するうえで、最初の印象が大切です」と話します。

他疾患やけがで入院した高齢の患者さんに接し、さほど間を置かずに「認知症ではないか?」と気づくこともあれば、いろいろと話をしてみた後で「辻褄が合わないことが多い」と疑いを抱くこともあります。

「認知症がゆっくりと進行する方もおられますので、生活動作や話し方に変化がないかを常に注意しています。変化を見るうえで“最初の印象”はとても重要ですから、初めに接したスタッフがきちんと把握するように心がけています」(樋田さん)。

変化がないかを確かめるために、樋田さんをはじめとする看護師は、認知症の人にこまめに声をかけて、答え方などを確かめています。

「水分の摂取量や排尿の量などの変化も重要ですが、ご自身では把握できない方もおられるので、私たちが常にチェックするようにしています」(樋田さん)。

何らかの変化が見られたら、1人では判断せず、看護師同士で情報を共有し意見を交換します。そのうえで必要があれば、脳神経外科や精神科の医師に連絡を取ります。

「チーム医療が基本ですが、スムーズに行かないときもあります。自分自身も勉強して経験値を上げるとともに、より緊密な連携ができるようにしていきたいと思っています」(樋田さん)。

地域の福祉関連施設にドクターカーを出動

同院は、地域における認知症ケアの拡充を図るため、パートナーホスピタル・クリニックとの連携を強化するとともに、病福連携、すなわち介護施設をはじめとする福祉施設との連携にも力を注いでいます。

医療法人医仁会は、有料老人ホームやデイケアセンター、居宅介護支援事業所などの関連施設も数多く運営しており、それぞれが同院と密に連携しています。

また、地域内の他の施設とも協力体制を敷いており、事前に申し合わせた同院から5km圏内の施設から要請があったときには、365日24時間体制でドクターカーを出動させています。こうした取り組みは全国でも例がありませんが、関係する市町村の消防署および地元医師会の賛同、支持を受けて実現しました。

「救急車で搬送するときには同伴者が必要ですが、当院のドクターカーでは必要ありません。例えば夜間などの介護スタッフが少ない時間帯に、ドクターカーに任せられる意義は大きいと思います。現在、数十軒の施設とは申し合わせができており、今後はさらに拡大する見込みです」(秦先生)。

認知症ケアに、より多くの人の参加を

地域での今後の認知症ケアを展望するとき、秦先生は「より多くの人、さまざまな職種の協力が必要」と指摘します。

「まずは院内で認知症ケアに関わるスタッフを増やし、情報を共有し、互いに研さんしなければなりません。現在も電子カルテ上での情報共有はしていますが、今後は互いに顔を合わせての勉強会を実施する計画です」(秦先生)。

また、地域での病診連携、病福連携を深める一方、一般の方への情報提供や啓発のための市民講座なども実施しています。

さくら総合病院の皆さん さくら総合病院の皆さん

「1980年の開院当時には、周辺には何もなかったと聞いています。今では住宅や工場が増えて賑やかになってきましたが、住民の高齢化は進んでいます。認知症のケアは、1人の医師、1つの施設だけではできません。より多くの人の参加、協力を促したいと思っています」(秦先生)。

 

取材日:2017年11月22日

 さくら総合病院の外観

医療法人医仁会 さくら総合病院

〒480-0127
愛知県丹羽郡大口町新宮1-129
TEL:0587-95-6711

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