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精神科病院として入院治療からデイケアまで幅広い医療を提供
<山形県天童市 医療法人社団 斗南会 秋野病院>

名誉院長 木下修身先生
名誉院長 木下修身先生

秋野病院は、天童市に1973年に開設されました。精神科病院として認知症の人の入院にも対応するとともに、併設する重度認知症デイケアや同じ法人が運営する介護老人保健施設などで作業療法や音楽療法を取り入れ、認知症の人の心身に働きかけて機能維持や意欲向上をサポートしています。

BPSDの症状をじっくり観察し、適切な薬物療法を

秋野病院は、開院から半世紀近くにわたって地域のニーズに応えながら規模を拡大し、地域住民の信頼を得てきました。精神科、心療内科、神経科、内科を標榜し、精神科デイケアや訪問診療も行って、地域の精神科医療に寄せられる期待に応えています。また、226床の病床のうち57床は認知症治療病棟としてBPSD(周辺症状)のある人を受け入れており、さらに重度認知症の人を対象にしたデイケアも併設しています。

同院の名誉院長である木下修身先生は、外来で診察を行うほか、認知症治療病棟に入院している人の治療にあたってきました。BPSDで入院した人の治療に際して、木下先生は「早くよくしようとしないこと」を意識しているといいます。

「BPSDのある方には、すぐに薬物療法を始めるのではなく、どのような症状がどの程度あるのか、まずは様子をじっくり見ることを大切にしています。環境の変化によってあらわれる症状もあるので、それまで服用していた薬を続けてもらいながら様子を確認し、薬を調整するようにしています」(木下先生)。

夜間の様子については看護師による記録が情報源となります。スタッフが適切な対応をするだけで、落ち着きを見せる人も多いので、症状をしっかりと観察して適切な治療につなげ、「治せる症状は治し、入院を長引かせないようにしています」と木下先生は話します。

自分の家族のように丁寧に認知症の人に接し、在宅復帰を目指す

看護部長 日下部明美さん 看護部長 日下部明美さん
看護師 後藤恵理さん 看護師 後藤恵理さん
作業療法士 斉藤由樹さん 作業療法士 斉藤由樹さん

同院の看護部長である日下部明美さんは、認知症治療病棟で病床管理やスタッフ指導を行っています。BPSDが非常に強いときには、ある程度症状が改善するまで急性期病棟に入院することもあります。日下部さんは、「急性期病棟から当病棟に移り、その後の退院支援でスムーズに在宅療養に移行できるとうれしく思います」と話します。

「ご家族に『この病院に預けてよかった』と思っていただけるような環境にすることが大切だと思っています。自分の家族と重ねながら接し、スタッフ教育などでもそのような環境づくりを心がけています」(日下部さん)。

認知症治療病棟で看護師を務める後藤恵理さんは、「認知症の方は早口だと聞きとりにくいと思うので、会話をするときには必ず目線を合わせて、ゆっくりはっきり話すようにしています」といいます。

「普段硬い表情をしておられる認知症の方が、私たちが関わることでふと表情を変え、笑顔を見せてくださると、こちらも元気がでます」(後藤さん)。

認知症治療病棟では、作業療法士による生活機能回復訓練が行われています。ストレッチやレクリエーション、手芸などさまざまなプログラムを用意して、機能の維持や心の安定につなげています。

作業療法を担当する作業療法士の斉藤由樹さんは、認知症の人は皆、自分より年長であることから、敬意を持って接しているといいます。また、会話の際には理解しやすいよう、わかりやすく、短く、繰り返し話すことも重視しています。

「その結果、作業療法を楽しんでいただき、『ありがとう』『楽しかったよ』などと言われると携わってよかったと思いますね」(斉藤さん)。

重度認知症デイケアで在宅療法も在宅復帰もサポート

同院は、重度認知症の人を対象としたデイケア施設「ポレポレ」を併設しています。デイケアでは、手芸など趣味を生かしたプログラムや、ゲーム、歌などのレクリエーションを用意し、孤立感の解消や認知症の進行防止、身体機能や日常生活能力の低下防止を目指しています。

木下先生は、「デイケアの利用者さんを外来で診ていると、怒りっぽかった方が穏やかになったり、ご家族に対するイライラが少なくなったりして、表情にも変化がみられます」とデイケアの効果を感じています。

重度認知症デイケア「ポレポレ」
主任・相談員 森山親文さん 重度認知症デイケア「ポレポレ」
主任・相談員 森山親文さん

ポレポレの主任を務める相談員の森山親文さんは、「当デイケアには通所で利用される方のほかに、在宅復帰を控えた当院の入院患者さんが、退院後にポレポへの移行がスムーズに行えるようにと、入院中から体験に来られることもあります」と話します。朝、ポレポレに移動してプログラムに参加し、夕方に病棟に戻ることで日中のリズムを整えていき、自宅での生活に戻りやすくしています。

デイケアで行われるプログラムは、ゲームや歌などのレクリエーションのほか、編み物や裁縫が好きな人には手芸を取り入れるなど、個々の趣味や得意なことを生かせるものを用意しています。ご本人が何が得意なのかを事前にご家族から聞き取り、ケースシートを使って多職種で共有し、プログラムに反映させています。

デイケア中は、一人の時間をつくらないように、森山さんをはじめとするスタッフが代わる代わる話しかけるなど、絶えず目を配っています。デイケアがたくさんの人との会話やコミュニケーションの場となり、情緒の安定や意欲の向上につながっています。

「最初は不安げだった方も、体を動かすゲームで上位に入って表彰されたりすると、とても喜ばれますし、表情も豊かになります。自発的にテーブルを拭くなどのお手伝いをしてくださることもあり、意欲も出てくると感じています」(森山さん)。

介護施設では24時間の観察を通して、薬剤を適量に調整

介護老人保健施設「ラ・フォーレ天童」 施設長・医師 佐々木大輔先生
介護老人保健施設「ラ・フォーレ天童」
施設長・医師 佐々木大輔先生

同院の関連施設の一つに、介護老人保健施設「ラ・フォーレ天童」があります。同施設では、入所サービスのほか、デイケアやショートステイなどの通所サービス、訪問看護やケアプラン作成などの在宅支援サービスを提供しています。ラ・フォーレ天童で施設長を務め、診察も受け持つ佐々木大輔先生は、「施設のメリットは、24時間、ご本人の様子を観察できる点です」といいます。

外来診察と違って、スタッフが常に様子を見ることができ、日常生活の状態を把握できるため、適正な投薬が行いやすくなります。入所時には複数の医療機関から数多くの薬剤を処方されている方もおられますが、施設では薬剤の効果を確認しながら調整できるので、結果的に減薬につながるといいます。佐々木先生は、「在宅介護のほうがメリットは大きいと思われがちですが、在宅に医師や看護師、介護士がそれぞれ出向くより、施設に認知症の方が集まり、複数のスタッフの目で見守るほうがよい側面もあるのです」と語ります。

また、同施設では、入所者さんと地域の認知症の人を対象にしたデイケアも行っています。デイケアで行うプログラムのなかでも、特に力を入れているのが音楽療法士による音楽療法です。春なら春の歌を歌ったり、昭和の歌謡曲に足踏みや万歳などの体の動きを組み合わせたりして、感情面の安定や身体機能の改善につなげます。

佐々木先生は、「カラオケなどのレクリエーションとしての音楽と違って、音楽療法は治療の一つです」と話します。

「まず、抑うつ傾向が改善するなど、感情面での変化がありますね。また、椅子から立ち上がって3m離れたところまで歩き、折り返して元に戻り、着席するまでの所要時間で歩行機能を評価するTUG(Timed Up & Go Test)の数値が、音楽療法後は改善するというデータもあります」(佐々木先生)。

さらに、佐々木先生は、意思能力の低下に備えて、この先の治療や療養についてご本人、ご家族、医療従事者があらかじめ話し合う「アドバンス・ケア・プランニング」を約1年前から導入しており、今後は施設内で積極的に取り組んでいく考えです。

初期集中支援チームとして、さらなる地域貢献を目指す

同院は、2016年度に天童市から委託を受けて、初期集中支援チームを発足させました。認知症の疑いがある人が医療・介護サービスを受けていない、あるいはサービスは受けているものの周囲が対応に苦慮しているなど、地域包括支援センターに相談があったときには、必要に応じてチームがご自宅を訪問し、情報を収集して、受診を促したり、必要な介護サービスにつなげたりしていきます。

同チームの発足以来、医師が認知症に関する出前講座を行うなど、チームの周知と啓発活動も積極的に行っています。同院は、これからもさまざまな取り組みを通じて、地域へのさらなる貢献を目指していきます。

 

取材日:2018年2月27日

秋野病院の外観

医療法人社団 斗南会 秋野病院

〒994-0012
山形県天童市久野本362-1
TEL:023-653-5725

施設のホームページへ

医療法人社団 斗南会
介護老人保健施設 ラ・フォーレ天童

〒994-0102
山形県天童市大字道満193-1
TEL:023-653-8211

施設のホームページへ

 

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