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診療科や職種の枠を超え、認知症の人とご家族に寄り添う
<徳島県阿南市 医療法人翠松会 岩城クリニック>

医療法人翠松会 理事長 兼田康宏先生
医療法人翠松会 理事長
兼田康宏先生

四国の最東端に位置する徳島県阿南市で、地域に根差した医療を提供する岩城クリニックは、1999年の開設以来、地域のホームドクターとしての役割を担ってきました。心療内科、内科、整形外科、皮膚科、小児科、リハビリテーション科など、幅広い診療科を標榜する同クリニックは、19床の病床や通所リハビリテ―ションセンターも備えており、2017年にはグループホーム「無量寿」 をはじめとする3つの機能を集約した複合施設を開設し、医療と介護の両面から認知症の人とご家族を支えています。

認知症専門医として、地域のニーズに応える

岩城クリニックの心療内科で認知症診療を担当しているのは、理事長も務める精神科医(精神科専門医)の兼田康宏先生です。認知症専門医(老年精神医学会専門医)でもある兼田先生の診察を希望して、阿南市内はもちろん、徳島市や高知県の室戸市などからも来院される人がいて、心療内科の患者さんの3分の1を認知症の人が占めています。

「受診のきっかけとしては、ご家族が認知症を疑って連れて来られることが多いのですが、院内他科からの紹介や、スタッフからの連絡が受診につながることもあります」と話す兼田先生。例えば内科の患者さんが予約日でないのに来院したり、薬の飲み残しが増えたりといった変化があれば、受付スタッフや薬剤師が兼田先生に伝え、必要があれば改めて心療内科での診察につなげています。

初診時には、長谷川式簡易評価スケールやADAS(アルツハイマー病評価尺度)などの神経心理検査やCTによる脳画像検査に加えて、甲状腺機能低下症やビタミンB12欠乏症などの内科的疾患を除外する目的で血液検査も行います。他疾患との鑑別が難しいときには、徳島県立中央病院の認知症疾患医療センターや徳島大学病院神経内科、阿南共栄病院脳神経外科などと連携し、診断・治療にあたっています。

診断後は主にご家族に対し、認知症や薬物療法について説明するほか、ご本人への対応の仕方、進行予防のための生活習慣改善を指導するなどの心理教育を行い、月1回の通院でフォローしていきます。

糖尿病専門医の立場から認知症診療をサポート

岩城クリニック 院長 亀山和人先生 岩城クリニック 院長
亀山和人先生

院長の亀山和人先生は糖尿病外来を担当し、糖尿病専門医の立場から認知症診療に携わっています。「糖尿病の方の平均寿命はそうでない人に比べて短いといわれていますが、実際には80歳を超えている方も多く、認知症を併発する方は決して珍しくありません」という亀山先生。認知症が疑われる糖尿病患者さんには、生年月日や今日の日付などを尋ね、診察が必要と判断したときには兼田先生につないでいます。

糖尿病の人が認知症を併発すると服薬や食事などの管理が不十分になり、血糖コントロールが難しくなることが考えられます。亀山先生は「ご本人の自己管理には限界があるので、ご家族のサポートが不可欠」と話し、管理栄養士や訪問看護師の力を借りてご家族への指導を行っています。また亀山先生は、ご本人の症状に合わせて医療者側の意識も変えていく必要があると考えています。

「認知症になると甘い物が我慢できなくなる方も多いのですが、高齢者の糖尿病では、厳格な血糖コントロールよりも脳機能を守ることが重要であり、日本糖尿病学会でも、ご本人の認知機能や身体機能を考慮して血糖コントロールの目標設定をゆるめようという考え方に変わってきています」(亀山先生)。

スタッフ間で情報を共有し、認知症の早期発見につなげる

同クリニックでは医師のほか、看護師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、ケアマネジャー、介護士など多種多様な職種のスタッフが活躍しています。

岩城クリニック 看護師 堤美香さん 岩城クリニック 看護師
堤美香さん

看護師の堤美香さんは外来と病棟を担当し、認知症診療に関しては、外来では検査の案内や採血を、病棟では入院中の方の看護や入退院調整を行っています。

病棟では、他疾患や骨折などで入院中の方に認知症が疑われることもあり、看護師や理学療法士などのスタッフ全員が目を配って、必要があれば医師に相談し、早期発見につなげています。

「何度も同じことを聞いてこられたり、些細なことで怒り出したりといった言動が見られたときには兼田先生に報告しています。また、普段から情報共有を心がけ、院内のいろいろな部署とのつながりを大切にしています」(堤さん)。

リハビリテーションを通してご本人の心に寄り添う

岩城クリニック 作業療法士 森下遥さん 岩城クリニック 作業療法士
森下遥さん

岩城クリニック 理学療法士 近藤学さん 岩城クリニック 理学療法士
近藤学さん

作業療法士の森下遥さんは、認知症の人に対する外来と病棟でのリハビリのほか、初診時の神経心理検査も担当しています。検査では、ご本人が普段の力を発揮できるように、「軽く雑談をしてから検査を始めるなど、ご本人が落ち着ける環境づくりに努めています」という森下さん。症状や生活の状況を聞き取る際にも、「ご本人が嫌な思いをせず、ご家族が介護の不安や悩みを話しやすいように」と、場合によってはご本人とご家族からあえて別々にお話を聞くなど、細やかな気配りをしています。

理学療法士の近藤学さんは、院内でのリハビリのほか、訪問リハビリも担当しています。「私たち理学療法士は認知症の方と接する時間が長いので、リハビリ中にご本人から不安や困りごとをお聞きすることも多いですね」と話す近藤さん。聞き取った内容は、訪問看護師やケアマネジャーなどとも共有してケアに役立てており、「施術を行うだけでなく、ご本人の本音を引き出す役割も担っていると思います」と、理学療法士ならではのやりがいを感じています。

また、近藤さんは市民向けの健康講座や、介護予防・健康増進につながる体操のレクチャー、認知症サポーター育成講座も行っており、「認知症に対する偏見や思い違いをなくし、地域全体で認知症の方を支えていける体制づくりにも、どんどん関わっていきたい」と意欲を語ります。

認知症の人が快適に暮らせる施設を新たにオープン

医療法人翠松会 経営企画室長 岩城由美さん 医療法人翠松会 経営企画室長
岩城由美さん

2017年11月、同クリニックの経営母体である医療法人翠松会は、グループホーム「無量寿」、看護小規模多機能型居宅介護「じゅげむ」、訪問看護ステーション「ナイチンゲール」の3つの機能を集約した複合施設をオープンしました。同クリニックの経営企画室長であり、この施設の開設者でもある岩城由美さんは、「認知症の方に快適で安心で、なおかつ進行抑制にもつながる環境を提供したいと考えました」と、開設時の思いを語ります。

同施設は、クリニックから車で5分ほどの、海と山に囲まれた自然豊かで閑静な場所に造られました。海のそばという立地から、津波対策として周囲よりも地盤を高くしたほか、津波が押し寄せたときには1階部分の壁がすべて流されて柱だけが残り、2階部分が避難所の役目を果たすように設計されています。

また同施設では、パワープレートという体に高速振動を与えて筋肉に負荷をかけるマシンを導入し、リハビリや体力維持に活用。さらに同法人では、食を重視しており、入院患者さんや入所者さんはもちろん、スタッフにも水や食材にこだわった食事を提供しています。

その人らしい生活を続けられるように多職種でサポート

グループホーム「無量寿」管理者 介護士 梶川千代さん グループホーム「無量寿」
管理者 介護士 梶川千代さん

訪問看護ステーション「ナイチンゲール」看護師 滑田美穂さん 訪問看護ステーション「ナイチンゲール」
看護師 滑田美穂さん

ケアマネジャー 長田泰代さん ケアマネジャー 長田泰代さん

グループホーム「無量寿」で、ケアの面から認知症の進行抑制とご本人の自立支援に取り組んでいるのが、管理者で介護士の梶川千代さんです。無量寿では機能訓練としての体操のほか、さまざまな行事や園芸など利用者さんが楽しめる活動を行っています。アットホームな雰囲気を大切にしているという梶川さんは、「今後は地域のイベントにも参加して、近隣住民との交流を深めていきたいですね」と抱負を語ります。

訪問看護ステーション「ナイチンゲール」の看護師、滑田美穂さんは、「利用者さんがよりよい療養生活を送れるように援助するのが訪問看護師の役割」と話します。訪問看護時のサポートは、栄養指導や服薬管理、嚥下や歩行のリハビリ、ご本人とご家族のメンタルサポートなど多岐に渡ります。そんな滑田さんが重視しているのは、「ご本人の普段の生活を知ること」です。

「記憶障害や見当識障害のある方は、服薬管理が困難となる傾向があります。お薬をきちんと飲めなかったり、生活習慣が乱れたりすると症状の悪化につながるため、ご家族やケアマネジャーと情報を共有して生活状況を把握するよう心がけています」(滑田さん)。

訪問看護、訪問介護、通所リハビリなどの居宅サービスをコーディネートしているケアマネジャーの長田泰代さんは、月1回のペースで利用者さんのご自宅を訪問し、ご本人とご家族のQOL(生活の質)の向上につなげています。

「一人ひとりに適切なサービスを提供するため、今困っていることやご家族の悩みを聞き取るのも役割です」(長田さん)。

長田さんは時には診察に同行し、兼田先生にご家族の悩みを伝えて、対応方法を共有することもあるといいます。

啓発活動にも注力し、地域で支援する体制づくりを推進

兼田先生は、認知症の啓発活動にも積極的に取り組んでいます。一般市民向けの講演会だけでなく、かかりつけ医や薬剤師、歯科医師、看護師、介護従事者などを対象とした講演会も年4回程度行っています。また、認知症サポート医として、市の認知症初期集中支援チームや介護認定委員会の活動に関わるなど、行政との連携強化にも尽力しています。

「認知症の方の独り暮らしや、認認介護も増えています。こうした世帯にどう関わっていけばよいのか、行政も巻き込んで地域全体で考え、認知症の方を支援する体制を早急に整える必要があると思います」(兼田先生)。

医療法人翠松会と岩城クリニックの皆さん 医療法人翠松会と岩城クリニックの皆さん

診療科や職種を超え、一致団結して認知症の人とご家族を支えてきた岩城クリニックの皆さん。「ご本人とご家族の心に寄り添う医療と介護を提供したい」という思いを胸に、これからも地域の認知症医療をけん引していきます。

 

 

取材日:2018年2月28日

岩城クリニックの外観

医療法人翠松会 岩城クリニック

〒774-0014
徳島県阿南市学原町上水田11-1
TEL:0884-23-5600

施設のホームページへ

 【通所リハビリテーションセンター】
 TEL:0884-23-3700

グループホーム「無量寿」

〒774-0017
徳島県阿南市見能林町南林396番地
TEL:0884-22-2226

訪問看護ステーション「ナイチンゲール」

〒774-0017
徳島県阿南市見能林町南林396番地
TEL:0884-22-2662

看護小規模多機能型居宅介護 「寿限無」

〒774-0017
徳島県阿南市見能林町南林396番地
TEL:0884-22-2223

 

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