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PETによる早期診断で地域連携の要に
<山梨県甲府市 医療法人篠原会 甲府脳神経外科病院>

院長 篠原豊明先生 理事長 ・ 院長 篠原豊明先生

脳卒中などの脳血管障害を中心に診療を行ってきた医療法人篠原会甲府脳神経外科病院は、「患者さんから喜ばれるためにいつも新しく一歩前へ」を病院理念におき、1984年1月に開院しました。2004年にはPETセンターを開設、2017年に山梨大学医学部附属病院南にPETセンターを移設し、山梨PET画像診断クリニックとして、その機能を向上させて開院し、がんや認知症の早期発見に寄与してきました。また、脳神経外科として認知症の鑑別診断の重要性を訴え、早期診断・早期治療のための啓発活動を続けながら地域ネットワークの構築を目指しています。

脳の専門家として「治せる認知症」の発見に注力

アミロイドPETにより早期発見・早期治療、正確な鑑別診断を実現 アミロイドPETにより早期発見・早期治療、
正確な鑑別診断を実現

アルツハイマー病をはじめとした認知症の早期発見や鑑別診断に有効な手段としてアミロイドPET検査が注目されています。日本国内で数少ないアミロイドPET検査による認知症診断に力を入れているのが甲府脳神経外科病院です。

脳神経外科の専門病院として開設された同院では、脳疾患の一つとして認知症の診断・治療を行ってきました。

現在では近隣の開業医などからも認知症の患者さんが紹介され、認知症の早期発見・早期治療の地域連携の要となりつつあります。

「紹介でいらした患者さんを検査すると、認知症のような症状が出ていても、原因疾患が異なるため本当の認知症ではない方がいらっしゃいます」と院長の篠原豊明先生は言います。

いわゆる『治せる認知症』と呼ばれているもので、認知症と言われている患者さんの12~13%くらいが該当します。その中には、慢性硬膜下血腫や良性の脳腫瘍、正常圧水頭症など脳外科手術で治療できるものがあり、MRI検査を行って診断します。また、認知症と最も紛らわしい疾患はうつ病ですが、SPECT検査を組み合わせることによって鑑別しています。

さらに、「認知症は廃用症候群である」という論理からも早期発見が重要だと篠原先生は言います。リハビリなどで脳の働きを活性化させることで、必ずしも典型的な認知症にならなくて済む場合があるからです。

「典型的な認知症になってしまうと、ご家族も疲れ果てて精根尽きてしまう場合があります。しかし、認知症の入口にいるうちなら、ご家族もなんとか進行を食い止めようと一生懸命になられます。早期発見は患者さんにとってもご家族にとっても大きなプラスになります」と篠原先生は語ります。

 

MMSE、MRI、SPECT、PET を組み合わせた診断・鑑別

言語聴覚士 小澤彩子さん 言語聴覚士 小澤彩子さん
(左)脳出血 (右)慢性硬膜下血種 (左)脳出血 (右)慢性硬膜下血種
アミロイドPET画像 アミロイドPET画像
SPECT装置 SPECT装置

同院には毎日30~40名ほどの初診の患者さんが来院し、そのうちの約1割に、記憶障害など何らかの認知症状がみられます。

問診で認知症の疑いのある患者さんに対しては、MRI検査と同時に、MMSE(認知機能検査)やかなひろいテストなどの簡単な知能検査を実施します。検査を行う際には、症状の軽度・重度に関わらず細やかな気遣いが必要になります。

「軽度の患者さんの場合は、自分が認知症であるかどうか非常に気にされるため、心配されないような言い方で進めるよう気を付けます。重度の方の場合は課題を理解されることが難しいので、できるだけ簡単な言い回しで行うようにしています」と語るのは、言語聴覚士として20年のキャリアを持つ小澤彩子さん。患者さんの言語のリハビリを担当すると共に、「今後は認知症にもどんどん関わっていきたい」と語ります。

認知症を正確に診断するにはPET検査が最も優れていますが、残念ながらFDGを使った脳の糖代謝をみるPET検査については2020年3月現在、保険適応がないため自由診療となっており、一般的な検査とはなっていません。しかし、保険診療の適応の最たる脳血流を調べるSPECT検査が当院でもできるようになりました。

認知症が疑われる患者さんをSPECTで検査することでアルツハイマー型認知症、血管性認知症あるいはレビー小体型認知症などの区別ができるため、より正確な診断・治療ができます。さらに、同院ではアルツハイマー型認知症に認められるβアミロイド蛋白をPETにて測定できるアミロイドPETを2019年1月から開始しました。βアミロイド蛋白を測定することによってアルツハイマー型認知症を発病前に約10年早く発見することができますので、今後は以前にも増した積極的な認知症診断が可能となります。

 

画像診断の強みを活かし地域連携の構築を目指す

矢崎医院 矢崎考二先生 矢崎医院 矢崎考二先生

同院では、脳神経外科として長年培ってきた経験・実績と、高度な画像診断が可能という強みを活かし、認知症治療の地域連携の構築を目指しています。

「軽度の認知症の場合は精神科よりもむしろ神経内科の先生の方が診る機会が多いのではないかということで、当院から開業された神経内科の先生とも緊密に連携を取り合っており、そこからネットワークを広げていこうとしているところです」と篠原先生。

矢崎医院の矢崎考二先生は神経内科医として甲府脳神経外科病院に以前勤務しておられ、現在は同医院で活躍されています。

「認知症は早期発見・早期治療が大切だと言われているにも関わらず、なかなか難しいというのが現状です。神経内科の専門性と、内科の敷居の低さを活かして、患者さんが気軽にかかれるクリニックを目指しています」と言う矢崎先生。小さなクリニックだとどうしても難しい、詳しい検査や画像診断は甲府脳神経外科病院に依頼する形をとっています。そして、診断後の治療は自身のクリニックでまた行うという形で医療連携を深めています。

認知症患者さんのご家族が安心して介護や在宅医療に取り組めるよう、ケアマネジャーや民生委員、行政などと連携し、総合的な支援体制を構築している矢崎医院。今後、甲府脳神経外科病院に期待することは、「認知症の正確な診断には、より高い技術が必要となってくるため、甲府脳神経外科病院が中心となって認知症の診断治療のネットワークを広げていければと思っています。当医院は、他の開業医さんや患者さんと、認知症専門医(甲府脳神経外科病院)の橋渡しをする窓口としての役割を担っていきたいと考えています」(矢崎先生)。

 

甲府の地に息づく認知症治療ネットワークの「芽」

認知症治療の地域連携の要として期待がかかる甲府脳神経外科病院では、認知症の早期発見・早期治療および鑑別診断の重要性を啓発する取り組みを行っています。

MMSEなどのもの忘れ検査だけでは、いわゆる治せる認知症を見逃してしまいますので、「認知症かなと思ったらMRI、SPECT検査」をキャッチフレーズに開業医との連携を図っています。また、MRIで海馬萎縮の認められる方やSPECT検査で強い陽性のアルツハイマー型認知症の方では薬物治療だけでは不十分なため、体力向上を伴うリハビリが重要であると考え、デイサービスなどを行う介護施設との連携も重視しており、甲府の地に息づく地域ネットワークの「芽」を着実に育んでいます。

 

 

更新日:2020年8月20日
甲府脳神経外科の外観

医療法人篠原会 甲府脳神経外科病院

〒400-0805
山梨県甲府市酒折1丁目16-18
TEL:055-235-0995

施設のホームページへ

 

甲府脳神経外科病院附属 山梨PET画像診断クリニックの外観

医療法人篠原会 甲府脳神経外科病院附属
山梨PET画像診断クリニック

〒409-3821
山梨県中央市下河東3046-2
フリーダイヤル:0120-35-1236
TEL:055-278-5500

施設のホームページへ

 

矢崎医院の外観

矢崎医院

〒400-0814
山梨県甲府市上阿原町601-3
TEL:055-233-7222

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