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治療と予防を両輪として地域住民の"脳の健康"を守る
<福岡県糟屋郡新宮町 なかよし脳神経クリニック>

院長 中山義也先生 院長 中山義也先生

福岡県北西部に位置する新宮町。海と丘に挟まれた風光明媚な地に、なかよし脳神経クリニックがあります。JR新宮中央駅から徒歩1分という好立地でもあり、認知症の治療はもちろん、認知症を含むさまざまな疾患の予防にも積極的に取り組み、地域住民にとってなくてはならない存在となっています。近年では、新宮町の「認知症初期集中支援チーム」の一員として、地域の認知症支援にも積極的に取り組んでいます。

アロマの香りと心地よい音楽に包まれる、癒やしの待合室

アロマの香り漂う受付 アロマの香り漂う受付
リラックスできる明るい待合室 リラックスできる明るい待合室

クリニック内に足を踏み入れると、受付スタッフの明るい笑顔とアロマの爽やかな香り、心地よいBGMが出迎えてくれます。院長で日本脳神経学会認定専門医の中山義也先生は、日本アロマ環境協会認定のアロマテラピーアドバイザーでもあります。季節や天候に合わせて日替わりでアロマを選び、自らブレンドすることもあるのだとか。初めての受診で緊張気味だった患者さんも、優しい香りに包まれているうちにリラックスできると評判です。

「地域の方々の“脳の健康”を守りたい」という思いから、中山先生がなかよし脳神経クリニックを開業したのは2014年5月のこと。脳神経外科、頭痛外来、もの忘れ外来を中心に、内科、心療内科、精神科を標榜し、生活習慣病も含めた幅広い疾患に対応していることから、開業から6年たった現在では、地域に欠かせないかかりつけ医の役割を担っています。

アンチエイジングドック、認知症予防ドックも開設し、誰もが健康に長生きするための予防医学にも積極的に取り組んでいます。

脳神経外科と精神科の双方で認知症診療を経験

大学病院や総合病院の脳神経外科の第一線で手術の腕を磨いてきた中山先生が、本格的に認知症診療に取り組み始めたのは2000年のこと。精神科専門病院でリハビリテーション部の部長を務めるようになったことがきっかけでした。

認知症の人が脳神経外科を受診することもあって、大学病院時代から認知症に関する学会や勉強会に出席していた中山先生は、脳神経外科の医師と精神科の医師では、認知症の捉え方や向き合い方に違いがあると感じていたそうです。

「同じ認知症ですが、それぞれの診療科の特性から、脳神経外科では早期に診断して外科手術を行うかどうかなど短時間で治療方針を決めるのに対し、精神科では慢性的な症状を時間をかけて診療していく印象がありました。そういう精神科の認知症診療に興味を持っていましたので、精神科専門病院で認知症を専門に診る機会を持てたのは大変幸運でした」(中山先生)

それから10年にわたって精神科で認知症診療に携わり、精神科領域でよく使われる薬剤の使用経験も増えて、「BPSD(周辺症状)に対する薬物療法の知識や、症状に合わせてさまざまな治療法を組み合わせて対応するなどの経験を深めることができました」と語ります。

高性能MRIによる確かな鑑別診断でほかの病気の発見も

高性能MRI 高性能MRI

脳神経外科医としての専門性と精神科での診療経験の双方を生かして、中山先生は認知症の早期発見と治療、予防に努めています。

認知症が疑われる場合、同クリニックではまず病歴を確認し、神経心理検査およびMMSE(認知機能検査)、MRIによる画像検査のほか血液検査も必ず行い、総合的に診断しています。

中でも高性能MRIによるVSRAD(早期アルツハイマー型認知症診断支援システム)の画像診断は、中山先生の得意分野。脳の萎縮や血管の狭窄などの状態から、萎縮が年齢相応のものなのか、認知症によるものなのか、認知症以外の病気によるものなのかを見極めます。その結果、認知症ではない、ほかの脳の病気が見つかることもあります。

また、認知症だと思われていた人が神経心理検査を受け、ほかの病気が原因で意識障害や麻痺を来して“認知症に似た症状”が現れた、と診断されることもあるそうです。

同クリニックで必ず実施している血液検査の結果、認知機能を低下させる原因にもなるビタミンの欠乏やホルモンの分泌異常を発見できれば、現在の疾患の治療だけでなく、将来の認知症を防ぐことにも役立ちます。

さまざまな検査の結果、アルツハイマー型認知症など神経変性による認知症と診断されたときには、精神科で培った知識と経験が生きてきます。

脇を固める経験豊富な看護師たち

看護師長 石井龍雄さん 看護師長 石井龍雄さん

中山先生を強力にサポートするのが、この道30年のベテラン看護師である師長の石井龍雄さんです。過去に中山先生と同じ精神科専門病院に勤務していた石井さんは、認知症の人への対応と仕事ぶりを知る中山先生から厚い信頼を寄せられています。

「精神科専門病院に長年勤務する中で、多くの認知症の人とも接してきました。中山先生が開業される際に、これまでの自分の経験をこのクリニックで生かしたいと思いました」(石井さん)

認知症の人のケアは難しい面もある一方、やりがいも大きいと石井さんは話します。

「認知症の人は言葉で訴えることが苦手な分、何らかの行動で表現されることが多いのですが、一見意味がないように思える行動が、その人にとっては大事な意味を持つ場合もあります。一般的に、認知症の人と意思の疎通を図るのは難しいと思われがちですが、きちんと向き合い、その人のバックグラウンドなども把握すれば、コミュニケーションをとることも信頼関係を築くこともできると思っています」(石井さん)

看護師 清原千秋さん 看護師 清原千秋さん

看護師の清原千秋さんも、患者さんとのコミュニケーションと信頼関係を大切にしています。「認知症の人は不安な気持ちを抱えていることも多いので、安心していただけるよう心がけており、そのためにもコミュニケーションやスキンシップは大切だと思っています」と話す清原さん。来院時には必ず「〇〇さん、お元気でしたか?」と名前を呼び、MMSEなどの検査のときもいきなり矢継ぎ早に質問するのでなく、「今から簡単な質問をさせてもらいますね」と優しく声をかけてからスタートし、患者さんのペースに合わせるなど、さりげない気配りを忘れません。

患者さんの手をとり、横に寄り添って歩いたり、肩にそっと手をあてたりと、スキンシップも大切にしていますが、「急に触れると驚かれる方もいるので、『触りますね、失礼します』と声をかけてから手を触れるようにしています」とのこと。そんな清原さんを慕う患者さんも多く、「私の顔を覚えてくださり、笑顔であいさつしてくださると、とてもうれしいですね」と目を輝かせます。

おしゃべりをしに来る感覚で、気軽に来院できる雰囲気づくりを

受け付け事務を担当するスタッフも、患者さんと最初に顔を合わせる立場だからこそ、「今日は顔色が悪いな」「少し元気になってこられたな」などと患者さんの様子を気にかけ、小さな変化も見落とさないようにしています。

患者さんを上手に診察へと導くことも、受付スタッフの仕事の一つです。中にはご本人にもの忘れの自覚がなく、納得のいかないままご家族に連れてこられた人もいます。いざ診察、というタイミングで尻込みする人には、穏やかなトーンで「せっかくこられたのだから、健康診断だと思って診てもらってはどうですか」と話しかけ、ご家族には「今日はできるところまでにしましょうね」とさりげなく伝えます。看護師はもちろん、何より中山先生がじっくり時間をかけて話を聞かれるので、最初は嫌がっていても、最後まで検査や診察を終えられる人がほとんどとのこと。

「病院に連れていきたいけれど、本人が受診を拒んでいる」というご家族からの相談に応じたり、ご本人に「おしゃべりをしに来る感覚で来てくださいね」と伝えたりして、受診された方が通院を重ねるたびに笑顔になっていくのを見るのが、一番うれしいそうです。

予防医療の発信基地として地域での支援にも尽力

中山先生は予防医療にも積極的に取り組んでおり、“アンチエイジングドック”と“認知症予防ドック”は同クリニックの特色となっています。アンチエイジングドックを立ち上げた理由について、中山先生は「私は広い意味で、アンチエイジングの中に認知症予防があると考えています。老化を予防し健康な体で長生きすることを目指すのが、アンチエイジングドックの狙いです」と話します。

啓発活動の様子 啓発活動の様子

認知症予防ドックでは、一般的な脳ドックでは行わない検査も実施し、脳の状態や認知症の危険因子といわれる動脈硬化の評価も詳細に行っています。評判を聞いて遠方から来院する方も増えてきました。

中山先生は、新宮町の「認知症初期集中支援チーム」の一員として、地域における認知症の予防や早期発見にも尽力しています。また、中山先生は、地域での認知症ケア研修や介護の集いなどの講師を進んで引き受け、介護職との連携や認知症の啓発活動にも力を注いでいます。

2017年には、認知症予防に特化した「住宅型有料老人ホームなかよし」を開設。「医療」「リハビリテーション」「栄養」を三本柱とし、MRIや酸化ストレスチェックなどによる検査や評価、デイサービス、認知症予防を考慮した食事など、一人ひとりの状態に応じたケアを行っています。

また、同クリニックには「なかよし訪問看護ステーション」を併設し、24時間体制で地域の方々の健康をサポートしています。認知症の人のご家庭を訪問するときは、精神科での勤務経験が豊富な看護師が対応することで、「精神的な症状がみられたときや、そのためにご家族が不安に思っているときなどに、適切かつ迅速に対応できることが強みです」と中山先生は話します。

今後もご本人とご家族の「どうしたいか」に寄り添いたい

なかよし脳神経クリニックの皆さん なかよし脳神経クリニックの皆さん

今後の課題の一つとして中山先生は、薬物治療の継続的なサポートの必要性を挙げています。いつの間にか受診しなくなるなど、認知症の治療が途切れてしまい、数年後に病気が進行してから再受診される方もいると言います。薬物治療が必要な方が確実に継続できるよう、フォローを徹底することが大切だと考えています。

「これからも、認知症の人とそのご家族が、どのようなことを心配されているのか、どのような生活をしていきたいと考えているのかを十分に理解し、できるだけ患者さんの気持ちに寄り添ったケアや支援を提供していきたいと思っています」(中山先生)

 

 

取材日:2016年8月18日
再取材日:2020年8月6日
なかよし脳神経クリニックの外観

なかよし脳神経クリニック

〒811-0120
福岡県糟屋郡新宮町中央駅前1-1-18
TEL:092-941-5121

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